Interview file
(株) 半導体テクノロジーズ
渡辺久恒氏
東京大学・荒川泰彦氏
産業技術総合研究所
飯島澄男氏
信州大学・遠藤守信氏
神奈川科学技術アカデミー
藤嶋昭氏
京都大学・平尾一之氏
東京女子医科大学
岡野光夫氏
東北大学・江刺正喜氏
(株)日立製作所
外村彰氏
産業技術総合研究所
中西準子氏

Q.現在の先生のお仕事をご説明いただけますでしょうか。

A. 私自身は、自分自身で研究を進めると言うよりは大きなプロジェクトをまとめる立場なので、たとえば、ナノ材料のリスク評価、リスク管理の方法、またその経済効果を考え、全体として国の政策にどう生かすかをまとめています。

Q.ナノ材料のリスク評価は、何故ご関心を持たれたのでしょうか。

A. 2001年度から、産総研化学物質リスク管理研究センターに勤務しておりますので、いまは化学物質のリスク評価研究をやっていますが、以前には化学物質に限らず様々な物質の環境リスクの評価と、それをどう国の政策に活かすかを考えてきました。ナノ材料のリスク評価に取り組みましたのはつい最近ですが、それは、産総研がナノ分野の技術では世界的に進んでおり、ナノ材料が技術的にいい面をもっていることを聞いたからです。新しい、いい技術があるということは、新しいリスクがあるかもしれないと思ったわけです。

Q.産総研ではどのような活動をされていらっしゃるのでしょうか。

A. いままでの技術者は技術のメリットを主に強調して技術を発展させてきましたが、これからはそれだけでいいのだろうか、と思っています。新しい技術には新しいリスクがある可能性があります。産総研が世界最高の研究機関ならば、世界のトップとしてリスク評価を行い、その評価結果を新しい技術や商品のスペックの1つとして公表し、技術発展させるべきかどうかを世に問うべきであると思っています。このことを産総研内で呼びかけました。

 産総研では理事長をはじめ主立った方に手紙を出して呼びかけましたところ、多くの方に関心を持っていただき、平成17年度からプロジェクトを立ち上げることができました。

Q.リスク評価においてポイントとしているところはありますでしょうか。

A. 予防原則(注1)という考え方があります。この考え方を徹底的に問い詰めていくと、新しい技術には新しいリスクが懸念されるわけですから、新しい技術は何も世に出ないことになります。しかし、本来、技術が生まれる時点からリスク管理を徹底し、リスクがあるからといってその技術を禁止するのではなく、そのリスクに応じてある程度使う、さらに使ってみて、評価の精度を上げ、つぎに進むというステップが必要と考えます。私はこれをadaptive managementと言っているのですが、これをやるべきではないかと訴えました。

 ところで、そういうことができるのは、よく考えるとものづくりの専門家だけなのです。いままではものづくりとは関係のない、ものづくりからかけ離れた人が、たとえば水俣病の研究をしたり、工場の公害問題を考えたりしていました。これからは、製造工程、生産のメカニズムを分かっている人たちが集まって実施する体制に移行すべきである、それこそが大事であると考えています。

 産総研にはものづくりの人、計測の人、環境の人、リスクの人と、全ての人がいます。私は産総研の皆さんに、「ここでやらなければ、どこがやるのですか」と訴えました。この訴えにより産総研のプロジェクトが立ち上がるのですが、プロジェクトを立ち上げるまでには相当な苦労がありました。時にはつぶされそうな圧力を受けるときもありましたが、国の関係者の方々には大いに理解していただき、翌年にはNEDOプロジェクトを立ち上げることができました。本プロジェクトは5年間で約20億円で、NEDOとしてはそれほど大きくはないのですが、リスク評価としては世界的にも非常に大きなプロジェクトです。この計画をOECDや米国のEPAで発表したときには、皆さんはため息をついていました。日本では、この分野の研究は米国が進んでいる、日本は遅れているとよく報道されていますが、実態はそうでもなかったりします。このプロジェクトは本当にしっかりしたプロジェクトであるといえます。

Q.リスクの研究というと後ろ向きの要素があるように思えますが、先生のご研究は非常に前向きに見えます。技術の経済効果もみながら、技術とリスク評価を一緒に進めるというイメージですよね。

A. 人間には生活があります。生活の基礎なくして環境保全はありません。私は若いころは社会主義が正しいと思っておりまして、社会主義になったら公害などのないすばらしい技術がでるかと思っていたのですが、現実はそうではなかった。この点で技術と環境の制御を両輪のようにして発展させていくことが必要だと痛切に感じてきました。

 私はリスク評価の専門家として、公害問題の非常に激しい時期にその真ん中に飛び込んでいきました。これは悲惨な状況の被害者を何とか助けたいと思っていたからですが、その気持ちは今でもまったく変わっていません。しかし、その一方で経済的に貧しい人たちもたくさんいるわけです。つまり、環境さえ守ればいいというわけではなくて、経済との両立が重要だと思うのです。私にとってこれは常識なのですが、日本ではこれが認められないところがあって、環境を守るためには経済を犠牲にしてもいいというおかしな考え方が強くなってしまいました。

Q.今のお話に関連して、先生はリスク研究において、経済性評価からベネフィットとリスクを見ることを行っておりますが、この点についてもお話を頂けますか。

A. 経済的なベネフィットとリスクの両方の評価の重要性は、私が下水道の研究をしていたときからの基本的なスタンスです。いい下水道をつくるためには、「機能の良い下水道」と、「経済効率の良い下水道」を両立しなければならない。こういう当たり前の視点が、どんどん忘れられてしまっています。更にそれだけではなく国の予算をたくさん取ればいいという考えで、費用のかかるものをどんどんつくるメンタリティが強くなってしまっています。私はある程度のコストで作らなければ普及しない、それを考えて下水道をつくるべきだと主張してきました。私が最初に出した本の「都市の再生と下水道」に対して、地方財政に関する専門の賞を頂きました。私はもともと技術が専門ですが、経済評価を必ずつけてきました。

Q.ナノテクノロジーにおいても、経済性効果とリスク評価の比較は重要なのでしょうか。

A. 化学物質についてもずっと経済評価もやってきました。たとえば一人の犠牲を救うためにどの程度のコストがかかるかを計算し、ランキングをすることをやってきたのですが、ナノについても同じようなことをしなければいけないと思っています。ただしナノは現状では経済性が測りがたい。よく市場規模が何兆円などと言いますが本当かどうか分かりません。ですから、確実な結果を得ることはできませんが、やってみて、様子をみて、修正して、またやってみて、修正して・・・、というやり方でアプローチすれば現実性のあるものになると思います。さっきのadaptive managementと同様です。

Q.アメリカではリスクについて致死率を金銭価値で算出したりしていますが、日本では未だ一般的ではありませんよね。先生のプロジェクトでは、たとえばこのようなデータを増やしていくことを考えてますでしょうか。

A. このプロジェクトではまだその段階までは考えておらず、もうちょっと漠たるものになるかなと思っています。それから、米国で行っているCBA(Cost Benefit Analysis、注2)と同じものをやろうというわけではありません。これは、日本ではすぐには無理かなと考えているからです。むしろ、どういうリスクがありそうか。どういう材料をつかえばどういうリスクがあるか。それを少なくするためにはどう使うべきか、という私たち独自の考え方を展開しています。

 また、このプロジェクトの対象としているのは、ナノ材料による間接的なリスクです。たとえば、人が直接食品としてナノ材料を食べるとか、またナノ材料を直接に体内に投入するもの、DDSとかマニュピレーションとか、直接的なナノ材料の体内摂取ではなく、工業生産による間接的な、環境経由の曝露によるリスクを対象にしています。食べもの、薬品として使うものは別のものという考え方です。ただし今後、ナノ材料によって医療事故が起きれば、当然工業利用の不安も増しますので、これらについても同じ枠組みで考える必要はあります。

Q.先ほどものづくりの専門家も必要といわれましたが、先生のプロジェクトでは、具体的にはどのようなメンバーがいらっしゃるのでしょうか。

A. 具体的には産総研のほかに産業医大(九州)、広島大学などがあります。産総研のなかではR&Dと、計測部門、リスク評価の部門が集まっています。企業は入っていただかないという方針です。それは、特定の企業の商品を対象にして研究することに様々な問題があるからです。

Q.リスク評価の国際協力はどうやられていますでしょうか。

A. 2005年の6月にOECDの化学品合同会議のなかでナノテクの特別セッションができ、私が発表しました。ここで主張したことは、「いままでたくさんのナノテクの研究が行われてきたが、ナノ材料のキャラクタリゼーションとなる計測が行われていない」という点です。中にはナノなのかわからないような研究もたくさんある。この計測なしに有害性を評価することなどは意味がない点を主張しました。これは今、国際的な同意をいただいています。ナノのリスク研究は世界でもう10数年やっていますが、いま改めてスタートラインにたっているところがあります。それはもう1回ちゃんとキャラクタリゼーションをやったり、不純物をきちんと精査したり、ということです。例えばアメリカでは、不純物の鉄分が40%も含まれているようなCNTのリスク評価をしたりしていますが、この評価にどんな意味があるかということです。

 それから12月にもOECDのワークショップが開かれました。ここで私は日本のナノ研究の全体像を話しましたが、非常に反響がありました。そのワークショップでは、世界の代表がそれぞれ自分の関心事について発表する形式だったのですが、私はリスク評価の観点から日本全体の戦略を示して、「日本はこういう方向でやります」という、プロジェクトの5年間のロードマップを示しました。これが非常に大きな反響を呼びました。

 また、昨年には新しいNEDOの新しいプロジェクトを立ち上げ、新しい構想で有害性評価をやるというスキームをつくりました。これを9月に米国で発表したところ、非常に高く評価されました。特にEPAのJim Willis氏(OECDナノタスクグループの議長)からはすぐに共同研究の申し入れがありました。こういった経緯を受け、その後に行われた10月のOECDのタスクグループでは、日本だけ他国よりも多くの発表時間を与えられました。この報告書では、日本の取り組んでいる研究内容が国際的な研究のスタート地点になるという記述が載りました。つまり、すごく期待されているわけです。これはなぜかというと、今までのリスク評価がばらばらと行われた有害性試験結果を集めた結果だったからだと思います。アメリカでも有害性に関する研究報告ならば山のようにある。しかし私の提案は、リスク評価のための「有害性評価」はまったく違う考え方、組織でやるべきだということです。ただ、私たちはハコを示しているだけであり、入れるべきデータはない。逆にアメリカはいざとなればそのデータは用意できると思います。つまりアメリカは枠組みさえそろえば瞬く間にできてしまうと思っています。日本はそういう意味でも何とかがんばりたいと思っています。

 もう1つ、日本の利益というものを考えています。欧米、ことに欧州は非常に戦略的に環境政策を利用して利益を出しています。私は国政に関係している方に、「日本が6、7割のシェアを示す製品については徹底的にリスク評価するべき」と申しあげています。なぜならば、これらの製品は格好の攻撃対象になるからです。

Q.先ほどから新しい技術には新しいリスク評価が必要、という考え方をお話いただいておりますが、研究者や技術者が新しい技術を研究する場合に、リスクはどう考えればいいでしょうか。

A. 私どもがこういうことをやっていますと、ベンチャー・中小、様々な研究部門から「リスク評価をしてください」という依頼が沢山きます。私どもはこのようなご依頼はお断りしているのですが、皆さんは「日本の産業を支える産総研がどうしてやってくれないのか」と非常に不満そうにいわれます。しかし、私どもは、技術を開発する人がリスク評価をすべきであると話しています。つまり、リスク評価の方法や、新しいリスク評価の開発などについて一緒にやることはありますが、ただ送られた材料のリスクを評価することは出来ないということです。

 ただ、こういう話をしますと、なかには「技術者がリスク評価などできるわけがない」、「こういう暗い仕事はできない」とおっしゃる方までいらっしゃいます。私が先程から「技術をやる人自身がリスク評価をある程度できなければならない」と主張している大きな理由の1つは、もし誰かの技術のリスク評価を私どもが行って、結論として駄目だとなった場合、その依頼者は納得できるかどうかということです。またリスクがあるという結論の場合、その技術のどこを変えるかを考えることができるかどうか、という点が挙げられます。こういった場合、開発者が、リスク評価がどういうものかということを少なくともある程度分かっていなければ、納得しないと思うのです。どこかで駄目だと言われて納得できず、別のところに持っていく。安全だということが出るまで繰り返し持っていくわけです。安全というお墨付きがほしいというだけです。これではリスク評価はできないですし、技術に生かされないです。

Q.今、大学などでリスクに関する授業を増やすなどの動きはございますでしょうか。

A. まったく無いのではないでしょうか。私どものところにも、大学でリスク評価についてのコースを作ってください、講師を派遣してください、というご依頼がありますが、人員の都合もあり、一定程度のものしか引き受けられません。私どもが大学に申し上げたいのは、大学の先生自身がこういうことをできるようになっていただきたいということ。そして、常勤の先生に担当していただきたい。常勤の先生がいらっしゃらないならば、できる人を雇っていただきたい。そうでないと、いつまでたっても日本の大学で専門の人が育ちません。
環境問題が話題になった時も、環境の講座は全部非常勤講師で始まりました。これも3年、5年なら許せますが、もう20年も続いていたりするところもあります。20年も非常勤講師が担当して、常勤のポストは絶対に譲らないわけです。こういうことは、リスク評価ではやめていただいたいと申し上げています。大学の方は嫌な顔をされるのですが、これではなかなか大学を変えることはできませんね。

Q.これから技術を開発しながらリスク評価もやりたいという人は増えてくるとはお考えでしょうか。

A. 化学物質のリスク評価の需要は非常に増えていますから、チャンスは増えてくると思います。例えばある物質の評価だけではなく、それをつかった商品のリスク評価も今後必要になります。例えば自動車メーカーや電気製品メーカーも、リスク評価をやる人を雇わなければならなくなる、そういう方向になりつつあります。それから私どものように新しい技術に新しいリスク評価が必要であると考えるならば、新しい技術を行うところは、ある程度リスク評価に関する知識・経験を持たなければならない。例えば、アメリカでは財務省が毒性学者を雇います。それは各局が政策を出してくるときに、その政策によってどれくらいリスクが削減され、どれくらいコストがかかって効果があるのかを検討しなければならないからです。これをやるためには、その毒性評価が適切かどうかを評価しなければならなず、財務省はそのために毒性学者を雇うわけです。日本でも将来必要性の大きくなる分野であることは間違いありません。

 私の所に高校生が訪ねてきまして、「社会科学と自然科学を統合した考え方でリスク評価をやりたい」という相談を受けることがあります。このような相談については、どちらでもいいからまず1つの専門性を磨きなさい、それから大学院でそういうこと生かして統合するようなことを目指しなさい、とアドバイスしています。また、私は大学では理系をまず学ぶことをおすすめしています。理系の知識は後からなかなか身に付かない。文系は専門の方はどう思うかはともかく、どちらかというと後からでも勉強できるのではないかと私は思います。多くの方が単に技術者になるためでない目的で理系に進むことをおすすめしたいです。弁護士とか裁判官などを目指す方にも、理系をすすめたいですね。

 私は中学生くらいのときに経済学に非常興味を持ち、マルクス経済学を相当勉強していました。周囲はみな私が政治家か弁護士になると思っていたそうなのですが、高校2年のときに、理系にいこうと決心しました。昭和20年代終わりですが、当時のマルクス主義では資本主義は発展すると必ず国民の生活は窮乏する言っていましたが、日本はどんどん豊かになって、びっくりするくらい生活がよくなっていく。これは何故かと言えば技術革新によるわけです。当時の技術革新は化学工業でした。化学繊維によってみなが明るい洋服を着るようになるとかですね。それで、技術がこんなにも世の中を変えるものなのかと思い、このなぞを解きたいと考えるようになったのです。

 もともと化学は好きではなかったのですが、化学工業を見てみたいと思ったのです。それで応用化学に行ったところ、これが結構面白かった。どこが面白いかと言えば、ある自然科学の事実を示すと、みなが納得するところです。それまでやっていた経済学では、社会主義とか民主主義とかみなばらばらで、一度分かれると意見も対立したままだったのですが、自然科学では皆の意見が違っていても、ある事実が発見されると、皆が考えを変えて新しい考えを受け入れます。これがとても新鮮でした。本当は大学4年を終えたら経済に転向しようと考えており、大学院修士を終えたときもそう考えてシンクタンクに就職しようと考えていたのですが、結局自然科学を捨てられませんでした。自然科学自体はそれほど好きではないのですが、その学問がもつ意味、ある種の共通性に社会科学と違う大きな魅力を感じたわけです。私の関心は、最終的にはむしろ経済、社会なのですが、この自然科学という武器は捨てたくないと考えているわけです。

Q.科学技術のリスクは、それを広く一般に伝える難しさがあると思うのですが、その点はいかがでしょうか。

A. 「リスク」という言葉は、私の定義では、例えば環境に与えるリスクの場合、「ある技術が環境に悪いことが起こる生起確率」と定義しています。そして、その環境に悪いような事柄をendpointとよんでいます。例えば、endpoint を仮に“がんになる”こととします。その場合のリスクとは発ガン確率のことです。”地震が起こる”こととすれば、そのリスクは地震発生確率となります。何をもってendpointとすべきかといえば、それは皆が一番避けたい事柄になります。例えば、温暖化を避けたいので、温暖化リスク、皆がガンになりたくないから、発ガンリスクということです。まず最初に大事なことは、我々はどういうリスクを測ろうとしているのか、皆の気持ちを吸い取ることだと私は思っています。皆が本当に避けたいことは何なのかをきちっと抜き出すことを怠って、誰も関心のないようなリスク評価を行ってもしょうがないと思っています。もちろん、皆が知らないというリスクもありますが、それでも皆がある程度関心があるだろうということが重要だと思っています。昨今は、できあがったことをいかに伝えるかということばかりに皆の関心がある中で、リスクコミュニケーションがどうあるべきかを考えています。最初にいったいどういうリスクを問題にすべきなのか、皆が何を考えているのかを、きっちり考えないような傾向にあると考えています。

Q.そうすると技術者にも専門以外の広い視野が必要ということですか。

A. はい。リスク評価とはそもそもそういうものなのです。

Q.新しい技術であっても、関心となるリスクの視点は変わらない部分もある、ということなのでしょうか。

A. そうでしょうね。ただ、ナノの場合は、それがどのように作用するのかはまだ分かっていいないので、リスクの種類は変わりますね。でも、皆さんが気にしているようなことはそれほど変わらないと思います。またナノに対する期待も大きいので、それも考えなければいけないということです。

Q.最後になりますが、若い方、ナノテクを含めて先端技術の研究を目指す若い方にメッセーがありましたら。

A. 先端技術に夢を持つことは大事なことです。ただ、先ほどすでに言いましたが、先端技術のいいものを開発すれば、その裏側のリスクを必ず評価しコントロールしなければならない、そういう時代だということを認識してほしいと思います。

(注1) 予防原則:新しい技術が、人体や環境へ悪影響を及ぼす可能性があると考えられるとき、その因果関係が明らかでない場合でも、未然防止の意味でその技術に対して規制、場合によっては取りやめの勧告を行うこと。
(注2) Cost Benefit Analysis(費用便益分析):政策などの意思決定において、それにかかる費用とその便益の情報を計測すること。

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