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ふくおか産学共創コンソーシアム / サイエンス&イノベーション・インテグレーション(S&II)協議会 共同イベント 「サイエンス&イノベーションフォーラム in Fukuoka」開催

日時

平成29年12月15日(金)13:15~17:50

場所

電気ビルみらいホール(福岡市中央区渡辺通2-1-82 電気ビル共創館4階)

主催

内閣府、福岡市、理化学研究所、九州大学、九州先端科学技術研究所[ISIT]

趣旨と内容

 本年7月に設立されたサイエンス&イノベーション・インテグレーション(S&II)協議会は、研究開発型スタートアップやイノベーションに携わる様々な人材が産学官等のセクターを超えて交流する自律的なコミュニティづくりを提唱しています。地域レベルにおいてもこのようなコミュニティが形成されることは、地域から世界に向けてイノベーションを創出し、地域を活性化していく上で重要です。今般、福岡市では地域の様々な主体による組織や業種を超えた連携・交流・活動を推進する場として「ふくおか産学共創コンソーシアム」を立ち上げますが、このような地域の取組とS&II協議会の連携によるイノベーション推進を目指し、コンソーシアムの中心メンバーである福岡市や理化学研究所、九州大学、九州先端科学技術研究所と共同でイベントを開催します。本イベントは、福岡・九州地域と全国各地のそれぞれで研究開発型スタートアップやイノベーションの創出に取組む方々の発表や対話を通じて、地域での起業やスタートアップ支援の共通課題の抽出や、福岡市における地域発の先進的な取組を全国に向けて発信致します。

フォーラムの主なプログラム

13:15~ 主催者挨拶 

13:25~ 特別講演1 理化学研究所 特別招聘研究員 辨野義己 氏 

14:00~ 第1部 福岡・九州におけるイノベーション創出環境の構築に向けて 

15:35~ 特別講演2 CYBERDYNE株式会社 代表取締役社長 CEO 山海嘉之 氏

16:15~ 第2部 パネルディスカッション:地域から世界に羽ばたくスタートアップの創出に向けて

17:40~ クロージングリマークス

※詳細は下記の関連資料をご参照してください。

当日の概要

当日は、福岡や九州のアカデミア、スタートアップ、大企業、自治体等の関係者ら314名もの方がご来場されました。フォーラムでは、ロールモデルとなる取組を行っているアカデミアや産業界からの講演者、パネリストが登壇し、地域における産学官の連携やスタートアップ支援について、講演やパネルディスカッションが繰り広げられました。当日の模様(動画)が公開されておりますので、ぜひご覧ください。

第1部

主催者挨拶1:山下 雄平 内閣府大臣政務官

  • イノベーションの創出に向けて、技術シーズとニーズを結び付けて社会実装に繋げていくためには産業界、学術界、行政、金融等の各分野で活躍されている方々がオープンイノベーションやスタートアップ支援という観点で繋がりを深めていくことが重要。
  • イノベーション創出を支援する人材が組織や業種の壁を越えて自律的に連携・交流する場づくりを目指して、S&II協議会を平成29年7月に設立した。今回、福岡市においても研究開発型スタートアップや産学連携によるイノベーション創出に関わる様々な主体が業種や業界の枠を超えて連携するコンソーシアムを設立すると伺っており、S&IIとも相乗効果が高いと考える。
  • 本日お集まりの皆様がさらに連携を深めて頂き、イノベーションの波が福岡、九州から日本全国に広がることを期待。

主催者挨拶2:新海 征治 (公財)九州先端科学技術研究所〔ISIT〕研究所長

  • 研究者として研究を社会還元することの難しさと経験を紹介。
  • 研究成果を社会還元するにはハイリスク・ハイリターンではなく、オープンイノベーションを活用しながら、ハイリスクをローリスクにしながらハイリターンを目指すことが重要。
  • また、福岡市では髙島市長のリーダーシップの下、スタートアップ創出のための様々な取組みを積極的に行っており、本日のフォーラムもその取組の一つ。
  • ・内閣府、S&II協議会と共同で本日のフォーラムを開催することができ感謝。

第1部セッション「福岡・九州におけるイノベーション創出環境の構築に向けて」

  • 地方発イノベーション創出に向けた新たな取り組みとして、九州先端科学技術研究所〔ISIT〕及び理化学研究所より事業紹介を行った。
  • 研究・開発型の企業の課題解決のための分析・解析支援ネットワークについて、関連する支援機関や企業を交えて、企業にとって必要な支援の在り方や今後の展望に関する議論を深めるディスカッションを行った。

<事業紹介1>

ふくおか産学共創コンソーシアム(仮称)設立とよろず相談「分析NEXT」について
説明者:川畑 明 氏(ISIT産学官共創推進室長)

  • ふくおか産学共創コンソーシアムは、地域におけるイノベーション創出と地域経済は発展を目的として、産学官金等の様々な主体が組織や業種の垣根を越えて交流連携し、多くの交流・連携活動が自律的に生まれるための支援を行うことで、中小企業の研究開発力の向上やスタートアップの創出・育成など地方発イノベーション創出を推進。
  • その具体的な活動事例や支援活動について、4つの柱(交流・きっかけづくり/発展/共同研究・開発促進/事業化・製品化)ごとに説明。その中で連携に関しては、産学連携だけではなく、産産連携による開発促進の取り組みについて紹介。
  • 緩やかな会員組織として立ち上げますので、多くの方々のご参加をお願いしたい。
  • よろず相談「分析NEXT」は、企業の開発等での悩みをどのように紐解くかという取組みである。中小企業は問題解決に当たり、どのように分析的・技術的にアプローチすれば良いかが分からないので、そこもしっかり支援することが重要。
  • これに関連して、12月に九州大学、福岡市、九州大学学術研究都市推進機構、ISITとで「分析・解析支援ネットワーク創出に向けて連携協定」を締結。機器の相互利用や技術者の交流など、企業の課題解決に向けた体制として更なる連携が促進。
  • さらに、これまで分析検討や大学の高度技術の利用が無縁だった業界や企業(これまで職人ノウハウで対応してきた企業など)にも対応して、新たに現在の製造・開発に科学の目を入れていくことで、より事業が発展していく可能性があるため、積極的な利用拡大と産学官の連携を推進していく。

<事業紹介2>

理研 科学技術イノベーションハブ(九州大学×福岡市連携)
説明者:小寺 秀俊 氏(理化学研究所科学技術ハブ推進本部長)

  • 第5期科学技術基本計画第5章「イノベーション創出に向けた人材、知、資金の好循環システムの構築」には、『グローバルな次元でオープンイノベーションを推進するためには企業、大学、公的研究機関といった各主体がそれぞれの強みを生かした連携・融合が必要』とされている。基礎研究をやっている中で、様々な他分野との連携・融合は必然となっているが理研だけでは難しく、大学や企業と一緒に創っていくことが重要。
  • そのため理研では、科学力展開プランに基づき、この連携・融合を行う拠点として科学技術ハブ機能の形成を推進。
  • 九州地域において理化学研究所と九州大学、福岡市とで連携して進めている科学技術ハブの取組としては、応用化学と機械工学の2つの分野で共同研究が進んでいる。
  • 応用化学では両研究者の連携が進み九州大学内に理研研究室を設置し、連携講座の検討が進んでいる。
  • 機械工学では、29年3月に開催したフォーラムを契機に、10月には機械工学の両研究者によるセミナーを開催するなど連携の取り組みが促進されている。
  • 研究者間の連携から生まれる研究成果や連携の取組みを今後どのように社会へ還元し又は産業界への展開を進めていくかが重要。今後ともISITや九州大学、理研が相互の強みを生かし、新たな共同テーマの創出などイノベーティブな連携を進めていく。

<パネルディスカッション>

中小・中堅企業やスタートアップのための研究・開発支援について
コーディネータ:山田 淳 氏(九州大学大学院工学研究院教授/ISIT副所長)

パネリスト:川畑 明 氏(ISIT産学官共創推進室長)
               島ノ江 憲剛 氏(九州大学中央分析センター長)
               富田 洋 氏(株式会社ASC代表取締役社長)
               坂本 満 氏(産業技術総合研究所九州センター所長)
               藤田 明博 氏(理化学研究所産業連携本部長)

○重要である出会いの場、最初のきっかけづくりのためのアプローチについて

  • 分析NEXTでは、当初は展示会などで出会った方がとりあえず使ってみようかと相談にくることから始まったが、その後は実際利用された方から口コミで広がるなど、企業間のネットワークで広がり相談に来る。WEBで情報を見つけて相談に来ることも多い。
  • 中央分析センターでは、Web上に各分析機器の計測できる内容や、マシンタイム(利用できる空き時間)などがわかるようになっており、そこを見て相談や予約などの連絡を頂いている。
  • 理研産業連携本部では、例えば企業を専門に行っている融合連携研究制度を企業に公募しているが、何でも良いという訳ではなく、その前に理研研究者と企業の方が結びついていることが不可欠。一番ベーシックな出会いの機会は学会であるが、組織的にアプローチするという観点から、営業活動として企業CTO等に訪問して中長期的な企業のニーズを把握し、それに理研が持っているシーズを合わせた提案等を行っている。その他メールマガジンや展示会で実用化コーディネータから理研のシーズを紹介しているが、理研は事業所が少なく、地域の企業とどうやってネットワークを構築していくかは科学技術ハブの活動を通じて発展させていきたい。

○受けた相談が先に進んだ場合の支援を行う技術者等の体制について

  • 分析NEXTでは、通常は3~4名の体制で支援を行っている。分析のベテランを配置しているが高齢でフルタイムが難しく、人材確保が課題である。
  • 産総研では、総合的に企業の相談にのれるような人材育成に取り組んでいるが、技術面でいうと熟練の技術者は減ってきているなど課題はある。そこは大学等専門の方と連携していく必要がある。半導体などは特殊な装置をつくばに集約させて対応できるようにしているが、例えば生命科学などの分野は一か所で対応できる場所がない等が今後の課題として挙げられる。

○中小・中堅企業やスタートアップのための研究・開発支援を促進するために必要なことについて(まとめ)

  • 交流・きっかけ作り(敷居を低く)、出会いの場
  • 一気通貫型のきめ細かいコンサルティング
  • それに必要な開発体制と支援体制(人、金、モノ、場所)の整備
  • 各支援ステージでの支援人材の育成、確保、協働(連携)
  • 異業種の壁を超えた連携・交流(特に横の連携)
  • イノベーションマインドの醸成(特に大学等)

講演資料

第2部

パネルディスカッション「地域から世界に羽ばたくスタートアップの創出に向けて」

コーディネータ:西村 真里子 氏(株式会社HEART CATCH 代表取締役)

パネリスト:橋本 司 氏(株式会社スカイディスク 代表取締役 CEO)
      田中 保成 氏(Fukuoka Growth Next事務局長)
      吉野 巌 氏(マイクロ波化学株式会社 代表取締役社長 CEO)
      野村 卓也 氏(ナレッジキャピタル 総合プロデューサー)
      古屋 輝夫 氏(理化学研究所 イノベーション事業支援法人設立準備室長代理)

○各地域での起業の特徴やメリットは何か?

  • 福岡は商圏がそれほど大きくないので、起業家は外に目を向けざるを得ない。最初から日本だけでなく、海外展開も視野に入れている。また、福岡市は「コンパクト」であり、様々な機関が密集し、大学等とも連携しやすいというメリットがある。
  • 大阪で起業したのは、技術の担当が大阪大学の研究者であったから。また、大阪はものづくりの基盤がしっかりしていて、様々な分野の専門家が多いこともメーカーを起業するにあたってメリットだった。
  • 理化学研究所では科学技術ハブとして、各地域の大学や研究者との連携を進めている。今後、地域の持つ力と理研を上手く融合させることで、そこからイノベーションが起こることを期待している

○各地域でのスタートアップ支援や共創の場づくりについて

  • 大阪は「知的創造・交流の場」を運営しやすい歴史的な背景があった。様々な人材が交流するサロンも活況である。
  • 福岡はスタートアップに対する行政のサポートが進んでおり、海外進出のためのインフラやスタートアップ法人減税、「スタートアップビザ(外国人創業活動促進事業)」などの制度が整っている。また、地理的に東アジアや東南アジアに展開しやすい。市街地と空港が近いのも福岡のメリット。
  • 最近は起業家や投資家が東京や海外から福岡市に移住してきている。

○各地域でのスタートアップ支援や共創の場づくりについて

  • まだ、福岡では起業家やメンターなどスタートアップに関係するプレーヤーが少ない。例えば、東京では、IPOやM&Aを果たした起業家がたくさんいてメンターになっている。メンターが身近にいて気軽に相談できることが大切。また、スタートアップに対する投資も福岡はまだ十分ではない。 ・資金調達については、在京のVCを呼んでくるだけでなく、福岡発のVCが活躍し始めているので、この動きを盛り上げていくことも大切。
  • 大阪の場合、リスクマネーの量、人材の採用、情報発信の基盤(マスコミの発信力)の3点が課題だが、克服は可能だと思っている。

○提言・要望等

  • 共創によるイノベーションの創出には、それぞれのプレーヤーが想いを共有し、信頼関係を構築することが必要。そして、想いだけでは何も動かないので、チャレンジに対して国や自治体が資金的にサポートすることが必要。
  • 人材がもっとも重要。人材育成のためには、既存の枠組みだけてなく新しい教育が必要。また、起業の重要性に対する社会的認識を高めていく必要がある。
  • オープンイノベーションが流行しているが、スタートアップに対する大企業の姿勢が変わる必要がある。スタートアップは大企業の下請けではなく、イコール・パートナーである。大企業に対して、スタートアップとの付き合い方を「教育」していくことも重要。
  • 起業には分野横断的な知識が必要。工学系の学部や経営学系の学部などが連携した学際的な起業家教育のプラットフォームをつくり、学生や社会人に対して提供できるようになれば、今後ますます起業家が増えていくはず。
  • スタートアップにもっと融資を。どのスタートアップもなかなか融資してもらえず苦労している。融資については、自助努力だけではなかなか難しい。融資を得やすい環境づくりを進めてほしい。

閉会挨拶:松山 政司 内閣府特命担当大臣(科学技術政策)

  • 人材と知識、そして資金の好循環を実現するために、オープンイノベーションが極めて重要となる。技術シーズとニーズを確実に結び付けていくために人材や研究、さらには地域等、あらゆるレベルでの繋がりを醸成していく必要がある。
  • 地域イノベーションの先進事例として、福岡市の取組を全国に向けて広めていくために積極的に支援を行って参りたい。今回のS&II福岡開催は、地方開催の第一弾となったが、地域イノベーションに関わる皆様方にとって有益な取組を、全国各地域において、広く展開していきたい。

関連リンク

サイエンス&イノベーション・インテグレーション協議会に関する問合せ

内閣府 政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付 オープンイノベーション担当
電話:03-6257-1329(直通)

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