1-3 ゴミゼロ型・資源循環型技術研究イニシャティブ 1-3-1 ゴミゼロ研究の4 つのプログラム ゴミゼロ型・資源循環型技術研究イニシャティブには次の4 つのプロ グラムを設定し、各省の個別プロジェクトを統合することとしている。 (a)循環型社会創造支援システム開発プログラム ライフサイクルアセスメント(LCA ※ 4)や物質・エネルギーフロー 解析※ 5 等による評価、将来予測手法の確立、導入促進技術の開発、循 環型社会実現への核となる市民生活等との接点を維持するシステムを確 立する技術の開発 (目標)物質循環階層性原則※ 6 及び低環境負荷原則※ 7 に基づいて、循 環型社会への変革を進めるための技術あるいはシステムを適切に評価す るLCA 手法等の開発を行う。 (b)リサイクル技術・システムプログラム 自動車、建設系廃棄物、有機性廃棄物、衣類等のリサイクルに関する 技術及びシステム、社会モデル実証等の地域循環促進に係るシステム等 の研究開発 (目標)個別循環資源に関するリサイクル技術やシステムの高度化・実 用化を進めるとともに、リサイクルシステムの基盤となる静脈物流の効 率化、高度化及び実用化を図る。 (c)循環型設計・生産プログラム リデュースを可能とする設計・建設・生産技術、リサイクル・リユー スが容易となる設計・建設・生産技術等の開発 (目標)設計・生産する段階で3R 性を一体化させた工業製品や食品循 環資源、建設物等を提供できるようにするための設計・建設・生産技術 を開発する。 (d)適正処理処分技術・システムプログラム 廃棄物の減量化・高度再生技術、有害物質に関連する廃棄物の分解処 理技術、処分場再生・汚染環境修復技術、不適正処理監視技術等の開発 等 (目標)最終処分場の逼迫と不適正処理の解消、廃製品や不法投棄、不 適正処理による汚染跡地等の負の遺産解消という緊要な課題に対処する ための技術及びシステムを開発する。 1-3-2 研究イニシャティブにおけるコンセプトシートと課題マップ  総合科学技術会議の発足と共に、これまで縦割りと言われていた各省 個別の研究開発への取り組みを効率的、効果的に推進させることを目的 に、環境イニシャティブ体制による研究者間の情報交換が始まった。ゴ ミゼロ型・資源循環型技術研究イニシャティブでは、2002 年度から 2003 年度にかけて、4 名の外部有識者や各省の研究機関の研究者を交え てイニシャティブ会合を開催した。有識者からの指摘などをもとに、こ のイニシャティブを進める上での要点をとりまとめた「コンセプトシー ト」を図1-3 に示す。  本シートの内容は、ゴミゼロ型・資源循環型技術研究イニシャティブ の活動を通じて、参加されている研究者や外部の有識者、そして事務局 内部における議論等を反映し、まとめている。本シート内容が、今後の 本イニシャティブ推進に寄与する議論のきっかけとなることを期待して いる。  また、本イニシャティブでは、各省で実行中の研究課題を集めて、イ ニシャティブ登録課題としてまとめている。これらは研究推進の効率化 の観点から、連携や情報交換の可能性を探るための情報を提供するとと もに、個々の研究課題の位置づけを明確にすることにより、今後のイニ シャティブ研究活動推進に役立てることを目的としている。そこで、本 イニシャティブに登録されている課題を対象に、研究開発特性等を踏ま えた課題マップを作成し、その現状等について整理した。巻末にプログ ラム別に整理した課題マップの一覧と、web による詳細情報の利用方 法を示す。  作成した課題マップは、実行中の課題について、研究推進の効率化の 観点から連携や情報交換の可能性をさぐるための情報を提供している。 今後より重点的に取り組むべき課題を、その連携・推進体制を含めて明 らかにするために活用されることを期待する。