東海大学知的財産戦略本部 http://www.tsc.u-tokai.ac.jp/pubhome/chizai/
北海道東海大学 http://www.htokai.jp/
九州東海大学 http://www.ktokai-u.ac.jp/~kenkyu/

展示内容：
■東海大学知的財産戦略本部、北海道東海大学地域連携研究センター、九州東海大学研究支援センターの紹介および研究成果。

■環境サイクルを実現させる易解体ねじ
東海大学の吉田研究室では、環境リサイクルをテーマに産学連携により形状記憶合金による精密ねじ（易解体ねじ）を作成する方法を開発した。展示ブースでは、研究開発中の易解体ねじおよび解体される仕組みについて、実演およびパネルを用いて紹介する。この事業は２００５年度科学技術振興機構の大学発ベンチャー創出推進事業にも採択されており、製品への実用化も見込まれている。

■マルチビーム音響測深による海底の視覚化
マルチビーム音響測深は、海底に向け船の下から放射状に指向性の鋭い音響ビームを多数配列し、高精度・高密度のデータを収集する。この音響学的リモートセンシング技術により海底の３次元的形態を明らかにすることができ、藻場調査等を含む海底環境調査、パイプライン調査、海洋考古学的探査、ダムの貯水・維持管理、海底資源の探査等への利用が期待できる。

■人工栽培基盤から生産されたスファグナム土壌改良材
ミズゴケはスファグナム（Sphagnum）ともいわれ、わが国においても大きな市場をもつ生物資源の一つである。乾燥ミズゴケは、農業生産に重要な資源であるが、海外からの輸入規制により現在、高騰を続けている。本製品は、国内世界に先駆けて開発されたミズゴケ栽培基盤を利用して作製されたものである。現在市販されている「乾燥ミズゴケ」と同等またはそれ以上となりうる、人工栽培基盤から生産されたスファグナムを加工して得た低コスト多孔質構造体製品を紹介する。

【写真１】
ＳＥＭによる多孔質表面構造の写真。１つのセルに直径５μｍ〜10μｍの穴が６〜10個程度あいており、セル内への水の吸水と排出を可能にする。

Images of cell unit in Sphagnum palustre. Hyaline cells both distal end (A) and middle part (B) of leaf had several pores on surface. Bar; 50 μm

■寒地に活きる伝統の智恵を現代に引き継ぐ丘室型貯蔵庫の実用化
伝統的な丘室を参考に建設した試験貯蔵庫の概要と試験計画、庫内温湿度とエネルギー消費、試験貯蔵の結果について紹介する。
丘室の内部は、８畳間ほどの部屋３つとそれを繋ぐ前室からなる。１室＝保冷庫（穀類の貯蔵：５℃、60％），２室＝保温庫（冬の暗所栽培：20℃、100％），３室＝自然温度庫。保冷・保温に要するエネルギーは、いずれも約160watt／室で、通常の約1/20以下である。
内部環境の安定度は非常に高く、低温貯蔵、暗所栽培ともに極めて良好な結果を得ることができ、低温貯蔵の断熱や設備のあり方に活用することができると考える。
【写真２】

■北海道のものづくり産業へのデザイン導入実施事例
北海道東海大学芸術工学部は、設立当初の目的が地元木材工芸のデザイン向上ということもあり、地元産業界や旭川市と多くのプロジェクトに携わってきた。国際家具デザインフェアーなどの家具木工業界との協力関係などは、本学部が木工デザインに特色や強みをもっていることを示している。
今回は、北海道の「ものづくり産業」へのデザイン導入事例を紹介する。
事例１．コンクリートテスター（CTS-02）／日東建設株式会社／北海道経済産業局他
事例２．大根洗浄機（HＦURCシリーズ）／株式会社エフ・イー／（財）北海道科学技
術振興センター
事例３．ロッドレス・コーキングガン／稲留工業株式会社／（財）北海道科学技術振興
センター

■中枢神経系を刺激することによる貼るタイプの健康香料を開発
ラベンダー、ローズマリー、ユーカリなどの精油成分が持つ中枢神経機能増強作用を活用した貼付タイプの製品開発である。衣服の内側に貼って体温で気化した製油成分が長時間経皮吸収させる新技術Drug Gas Delivery System(DGDS)を「健康香料」として採用している。ネイチャーテクノロジー（株）で事業化している。
・ビフォアスリープ [入眠、快眠、気持ち良く眠りたいとき] 成分：ラベンダー、ポップ、オレンジその他精油
・眠気スッキリ [集中力を高めたいとき、寝たいときスッキリ] 成分：ユーカリ、ローズマリー、ネロリその他精油
その他「ストレス緩和」「つらい肩、腰、ひざに」「レッグスリム」などの健康香料製品が製造・販売されている。

＜図１＞

＜図２＞