第8回産学官連携推進会議

展示ブース

機関名 島根大学 プロジェクト研究推進機構
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展示テーマ:
高温好気発酵分解法による有機性廃棄物の減容化とその展開

展示内容:
島根大学生物資源科学部では株式会社ミシマと共同で文部科学省都市エリア産学官連携促進事業(平成15〜17年)、経済産業省地域コンソーシアム研究開発事業(平成18〜19年度)において高温好気発酵分解法による有機性廃棄物の減容化ならびに分解残渣の農業利用について研究を行ってきた。これらの研究で、汚泥、畜産廃棄物および生ゴミは杉チップを充填した発酵分解槽で24時間以内に速やかに分解されること、分解残渣は極めて良質な有機質肥料(菌体肥料)としての化学的特性を持つことを明らかにし、地域における有機物循環モデルを提言した。また、これらの研究は平成19年度からは文部科学省地域人材育成プロジェクト、平成20年度からは島根大学重点プロジェクトに採択され、有機性廃棄物の減容化と残渣の農業利用だけではなく、発酵分解の際に生じる熱、炭酸ガスおよびアンモニアなどを農業技術として活用するシステムの開発も検討されており、今後の研究の進展により、新たな資源循環型社会の構築に貢献するものと考えられる。
一方、これまでの研究成果は地域行政にも活用され始めている。東出雲町では平成16年に『東出雲町菌体肥料による循環型農業の確立を目指す研究会条例』を制定し、これまで焼却処分していた農業集落排水汚泥を高温好気発酵プラントで処理し、その残渣を同町内の揖屋干拓地の農地でキャベツ、トマト、キュウリなどの農産物を生産するリサイクルモデルを確立した。また、松江市では平成16年にリサイクル都市推進課が『松江市生ゴミ堆肥化等研究会』を発足させ、忌部町に高温好気発酵プラントを設置し、給食センターから排出される生ゴミの処理を行い、その残渣を活用して忌部エコクラブによる栽培実証を行っている。この事業で生産される農産物は、学校給食の食材としても活用され、『食育』を通じて学校教育への効果としても波及している。

汚泥の発酵分解残渣の有効利用を目指した研
汚泥の発酵分解残渣の有効利用を目指した研

松江市生ゴミ等堆肥化委員会における給食セ
松江市生ゴミ等堆肥化委員会における給食セ

キーワード 下水汚泥 / 有機性廃棄物 / 発酵分解