イノベーション・ジャパン2012
千葉大学大学院融合科学研究科
助教 中村 一希

電気化学反応を利用した反射/発光型デュアルモードディスプレイ
 
 
装置デバイス
出展分野 装置デバイス プレゼンテーション
情報
PB-21 
プレゼンテーションB 
9/28 12:00-12:20
出展ゾーン 若手研究者による展示
展示会小間番号 P-05

研究成果概要

技術の概要

 現在の情報表示素子はその殆どが発光型、もしくは反射型のどちらか一方の表示方式のみを有するものである。本研究では、材料内の電気化学的な反応の制御によって、同一材料・素子において発光型と反射型の両表示方式を発現しうる新規「デュアルモードディスプレイ素子」を見出した。本技術の発展により、「暗所では文字が光り、明所では文字が着色するディスプレイ」といった、視認性や省エネルギー性を両立する表示素子の実現が期待される。  本発明は、明暗あらゆる環境下での良好な視認性と省エネルギー性を兼ね備えたディスプレイであり、そのターゲットとして、電子書籍やタブレット端末に使われる電子ペーパーや電子広告・掲示板などが挙げられる。この、電子ペーパー市場、電子公告市場は近年、高成長を続けていることは周知のとおりである。本研究で見出した素子は単純な構成であり,高価複雑な真空プロセスを必要とせず、印刷法も適用できる。フレキシブル化や省エネにも対応でき、昨今の消費電力の低減化の要求にも応えうる、大きなインパクトをあたえるディスプレイとなると考えている。

マッチングを想定する業界

ディスプレイ業界

想定される用途

デジタルサイネージ、電子ペーパー、電子時刻表等のディスプレイなど

従来技術に対する新規性・優位性

デュアルモードディスプレイは発光型・反射型両ディスプレイの利点を有するが、一つの素子に二種類の機構を導入する必要があるため、構造が複雑になり、世界的にも例は少なかった。 本研究は電気化学的な発光・着色反応を利用し、それらを制御することで単一材料、素子内で発光・発色機能を相補的に発現できる点が従来技術とは大きく異なる特徴である。各々で注目される表示技術の長所を単一セルに凝縮した本デュアルモードディス

実用化に向けた課題

現段階では、反射および発光型の両表示モードの実証と材料中での電気化学挙動の学術的な解明を行なっている。実用化へ向け、A-step(探索タイプ)等の支援を受け研究を進めているが、現状、繰り返し表示耐久性の向上や大面積化等が課題としてあげられる。

 
 
 
 

関連論文・特許、件数・概要

関連論文・特許、件数・概要1 学術論文5件、特許3件、科研費(若手B)、A-step(探索タイプ)等 論文:Chemical Communications,47, 10064, 2011. 特許:「表示素子」PCT/JP2011/055846 

お問い合わせ先

連絡先:千葉市稲毛区弥生町1-33 千葉大学大学院融合科学研究科 中村一希
TEL:043-290-3457
FAX:043-290-3457
URL:http://photo-m.tp.chiba-u.jp/i-poly/
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