【議事概要】
○ 柴田内閣府自殺対策推進室長挨拶

平成20年度は、自殺総合対策大綱策定後初めての予算編成となることから、自殺対策の実質的なスタートの年であり、
- さらなる民間団体との協働、
- 地域における実態把握の促進、
- 市町村における自殺対策への取組を促すこと、
- 様々な相談機関との連携と相談しやすい体制整備など、
自殺対策へのより一層の取組をお願いする旨の挨拶があった。
○ 平成20年度自殺対策関係予算案のポイント

内閣府高橋参事官から、資料に基づき来年度自殺対策関係予算案について、説明が行われた。
○ 自殺予防総合対策センターの業務について
竹島自殺予防総合対策センター長から、資料に基づき、自殺予防総合対策センターの業務について、以下の説明が行われた。
自殺予防総合対策センターは、自殺予防に向けての政府の総合的な対策を支援するために、平成18年10月1日に国立精神・神経センター精神保健研究所に設置された。その基盤となる活動は、自殺の実態分析、未遂者や遺族のケア、自殺予防に役立つ医療サービスの開発などの調査・研究に加え、自殺対策に関する情報発信、ネットワークの構築、研修を行っている。また、調査・研究の成果をもとに自殺対策の提言なども行っている。
情報発信では、「いきる」というホームページ上で、わが国の自殺の概要、国の自殺対策を定めた自殺総合対策大綱、各自治体が行っている自殺対策の情報、海外の取り組み、自殺対策に関する研究などの情報を提供している。また、相談窓口に関する情報の共有なども行っている。このほか啓発活動に利用してもらうためのポスターを準備しているので利用してもらいたい。

研修は、自殺総合対策企画研修、自殺対策相談支援研修、心理職等研修を実施する。自殺総合対策企画研修は9月1〜3日に開催し、各都道府県・政令指定市の自殺対策企画担当者(代表的な市町村を含む)から2名の参加をお願いしたい。
自殺対策ネットワーク協議会は、精神保健、生活・福祉、社会的問題の相談窓口の連携の取組を継続することとしている。自殺で亡くなる人の多くは精神障害の状態になっていると言われている。多重債務等の社会的問題をかかえる人たちの中にも、うつ病、依存症などの精神保健の問題のある人は少なくないと考えられるので、アウトリーチ的な支援も含めた相談窓口の連携は重要である。
調査・研究は、自殺予防総合対策センターの3研究室で取り組んでいる。
自殺実態分析室では「自殺予防と遺族支援のための基礎調査」に取り組んでいる。これはご遺族の支援を前提にして面談を行い、故人の生前のお話をうかがう中から自殺の危険因子を明らかにしようというものである。自殺対策支援研究室では、各地の未遂者ケア・自死遺族ケアを推進するために、未遂者や遺族の実態を調査しつつ、各種のケアガイドラインや研修プログラムを作成している。適応障害研究室は、精神疾患から自殺の恐れのある人に必要な医療が適切に提供されるよう、一般診療科・精神科が連携する共同チーム医療(Collaborative Care)モデルと、必要なツールの開発に取り組んでいる。調査・研究は、中長期的な自殺対策の実践に欠くことのできないものである。各都道府県・政令指定市の協力をお願いしたい。
○ 地域自殺対策推進事業について

厚生労働省精神・障害保健課名越課長補佐から、地域自殺対策推進事業等について、以下の説明が行われた。
- 地域自殺対策推進事業について
平成19年度には20カ所の都道府県等を選定したが、3月末までに出していただく報告書をもとに評価委員会で評価していただいた上で、査定することもあり得るので、報告書のご準備をお願いする。
また、評価の高かったものについては、紹介していく機会を設けたい。
採択時の計画によると、平成19年度にハイリスク者へのアプローチを行っているのが6カ所、かかりつけ医への研修を行っているのが11カ所、遺族支援を行っているのが11カ所、人材育成を行っているが13カ所、民間団体への支援を行っているのが4カ所あるなど、大綱に先立って意欲的な取組をしていたことが伺えた。
- 自殺未遂者・自殺者遺族等のケアに関する検討会について
3月中に報告書を取りまとめ、都道府県・政令指定都市に送付したいと考えている。報告書が送付され次第、内容について、関係者への周知をお願いする。
報告書の中には、自殺未遂者・自殺者親族等のケアに関するガイドライン作成のための指針も含まれているが、今後研究班等で作られるモデル的なガイドラインとともに、現場の実態にあったガイドライン作成の際には参考にしていただきたい。
- 地方自治体内での取組について
本日の配布資料は、政府の様々な取組が掲載されている。これらの資料は、都道府県・政令指定都市内関係部局における取組の促進につながると思われるので、自殺対策の推進に活用いただきたい。
- かかりつけ医うつ病対応力向上研修について
日本医師会が医師向けに作成している自殺予防マニュアルの第2版が完成しており、十分な量を用意している、とのことであるので、研修で活用することも検討していただけるよう情報提供する。
○ 多重債務問題への取組について

金融庁信用制度参事官室高橋課長補佐から、資料に基づき、都道府県、市町村における多重債務問題への取組として、相談窓口の整備・充実が求められていることなどの説明が行われた。
○ 内閣府からの連絡事項
- 月別自殺者数の推移
厚生労働省の人口動態統計月報から内閣府が作成した資料であり、全国集計したものは、先月から都道府県、政令指定都市にメールで配信している。都道府県別の資料は、今月分から配信することとしている。
- 自殺対策推進会議の開催について
第1回会議を2月12日(火)に開催した。第2回会議は4月11日(金)を予定している。第2回会議では、第1回会議における各委員の意見に対し、関係省庁の取組状況等を報告することとしている。また、「都道府県・政令指定都市における自殺対策取組状況に関する調査」の結果も報告したいと考えている。
- 都道府県・政令指定都市における自殺対策取組状況に関する調査
昨年度と同様に、今年度も行うこととした。第2回推進会議で調査結果を報告する予定なので、協力をお願いする。主な調査内容は、自殺対策連絡協議会の開催状況、自殺対策に関する計画の策定状況、各県での目標設定等である。
- 都道府県・政令指定都市における自死遺族支援への取組状況に関する調査
都道府県・政令指定都市で行っている遺族支援の内容、民間団体が行っている支援の内容を調査する。
- 自殺対策シンポジウムの開催等について
20年度は、自殺予防週間を中心に、厚生労働省との共催により、都内で開催するとともに、各地域でも都道府県・政令指定都市との共催により、地域バランスを考慮して、数カ所で開催したいと考えている。検討をお願いする。
- 自殺対策白書について
平成20年版自殺対策白書を取りまとめる参考とするため、自治体での取組事例や相談機関等の連携の取組などについて情報の提供をお願いする。
- 公的な電話相談の番号統一化の推進について
電話相談の番号統一化を図るため、都道府県・政令指定都市で運用している相談電話のうち、十分対応できるものを選び、電話相談の番号の統一化を図りたい。9月に実施する予定であり、自殺予防週間中に、統一番号のPRを行いたいと考えている。
- 「自殺実態1000人調査」の概要
自殺の社会的要因を解明することを内容としている。
調査票の提供、調査員の研修など様々な形で都道府県、政令指定都市等自治体との連携が可能と考えているので、協力をお願いする。
○ 質疑応答

事前に都道府県・政令指定都市から登録されていた質問以外に、説明で言及しなかった事項について、質疑応答が行われた。
(大阪府)「先駆的・試行的取り組みに対する支援」事業について、説明をいただきたい。
(厚生労働省)自殺対策に特化したものではなく、先進的な地域の今日的課題の解決を目指した事業への支援であり、市町村、都道府県から上がってきた案件について補助するものである。詳細については、厚生労働省社会・援護局地域福祉課にお問い合わせいただきたい。
○ 加我自殺対策推進室次長挨拶

年間3万人の方が自殺で亡くなっていることは、異常な事態です。自殺は「防ぐことのできる死」ということが、自殺総合対策大綱の基本的な精神であり、私たち政府の思いでもあります。
自殺を減らすには、ここにいる皆様のお力が必要です。職場に帰りましたら、是非、同僚や上司、さらに知事、市長に、本日の会議の内容をお伝えください。「死ななくてもよいヒトを死なせない」、「自殺者を一人でも減らす」、「自殺をなくす」という共通の目的に向かって、国、都道府県、市町村それぞれが力を尽くし、お互いに協力していきたいと思います。