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3.自殺やうつに関する意識について

(1) 自殺についての意見

 (この質問は,回答を負担に思う対象者がいることが想定されるため,その場合は回答しなくても良い旨を伝えている)

 自殺についての5つの意見に対してそう思うか,思わないかを聞いたところ,次のとおりであった。 (図7-1~5、表4-1表4-2表4-3表4-4表4-5

図7-1 自殺についての意見

a 「生死は最終的に本人の判断に任せるべきである」について

 「そう思う」と「ややそう思う」を合わせた『そう思う』と答えた者は32.6%,「そう思わない」と「ややそう思わない」を合わせた『そう思わない』と答えた者は42.0%であった。前回調査と比較すると,『そう思う』と答えた者の割合は低くなり,『そう思わない』と答えた者の割合はわずかに高くなった。
 その内訳を見ると,性別では男性で『そう思う』と答えた者は37.2%なのに対し,女性は28.5%となっており,年齢別では20歳代で『そう思う』と答えた者の割合が50.0%と最も高くなっている。さらに性・年齢別で見ると,男性も女性も60歳代までは年代が若いほど『そう思う』と答える者の割合が高くなるが,中でも女性は20歳代では50.5%なのに対し,60歳代及び70歳以上では19%台と年代によって差が大きくなっている。 都市規模別では『そう思う』と答えた者の割合は東京都区部で44.3%と高く,町村で23.0%と低くなっている。

図7-2 自殺についての意見

b 「自殺せずに生きていれば良いことがある」について

 『そう思う』と答えた者は73.8%,『そう思わない』と答えた者の割合は8.2%となっている。前回調査と比較すると,『そう思う』と答えた者の割合は低くなっている。
 その内訳を見ると,性別では大きな差異は見られないが,年齢別に見ると20歳代~40歳代では『そう思わない』と答えた者の割合が10%前後となっているのに対し,50歳代以上では5%前後となっている。中でも20歳代では13.7%と高くなっている。さらに性・年齢別に見ると,『そう思わない』と答えた者は20歳代女性で15.9%と高くなっている。
 また,「これまでの人生のなかで,本気で自殺したいと考えたこと」の経験の有無別に見ると,そうした経験のない者では,『そう思う』と答えた者は79.0%,『そう思わない』と答えた者は7.3%となっているのに対し,そうした経験のある人では,『そう思う』は71.6%,『そう思わない』は12.9%となっており,特に「最近1年以内に自殺したいと思ったこと」がある者では『そう思う』は65.4%,『そう思わない』は23.4%となっている。

図7-3 自殺についての意見

c 「自殺する人は,直前まで実行するかやめるか気持ちが揺れ動いている」について

 『そう思う』と答えた者は62.3%,『そう思わない』と答えた者は9.4%となっている。性別で見ても大きな差異は見られないが,年齢別に見ると70歳以上で51.9%となっており,他の年代よりも10%程度低くなっている。

d 「責任を取って自殺することは仕方がない」について

 『そう思う』と答えた者は7.7%,『そう思わない』と答えた者は71.8%となっている。前回調査と比較しても大きな差異は見られない。
 その内訳を見ると,性別で見ても大きな差異は見られないが,年齢別で見ると年代が上がるにつれて『そう思う』の割合が高まる傾向にあり,特に70歳以上では12.6%となっている。さらに性・年齢別に見ると,60歳代男性で10.9%,70歳以上の男性で15.7%と高くなっている。職業別に見ると,『そう思う』と答えた者は被雇用者で6.0%,無職で8.6%となっているのに対し,自営業・自由業では13.4%と高くなっている。
 また,「これまでの人生のなかで,本気で自殺したいと考えたこと」の経験の有無別に見ると,そうした経験のない者では『そう思う』と回答した者の割合が6.8%なのに対し,そうした経験のある人では11.7%となっており,特に「最近1年以内に自殺したいと思ったこと」がある者では17.8%となっている。

図7-4 自殺についての意見

e 「自殺は繰り返されるので,周囲の人が止めることはできない」について

 『そう思う』と答えた者は11.8%,『そう思わない』と答えた者は61.4%となっている。性別に見ても差異は見られないが,年齢別に見ると70歳以上で『そう思わない』が34.6%と低くなっている。
 前回調査と比較しても大きな差異は見られない。

図7-5 自殺についての意見

(2)自殺を考えた経験

 (この質問は,回答を負担に思う対象者がいることが想定されるため,その場合は回答しなくても良い旨を伝えている)

 今までに本気で自殺したいと思ったことがあるか聞いたところ,「自殺したいと思ったことがある」と答えた者の割合は23.4%となっている。
前回調査と比べ,「自殺したいと思ったことがある」と答えた者の割合がやや増えている。
 性別に見ると,「自殺したいと思ったことがある」と答えた者の割合は,男性が19.1%なのに対し女性は27.1%と高くなっている。
 年齢別に見ると,「自殺したいと思ったことがある」と答えた者の割合は20歳代で28.4%とやや高くなっている。
 さらに性・年齢別にみると,「自殺したいと思ったことがある」と答えた者の割合は20歳代女性で33.6%と高くなっている。 (図8、表5

図8 自殺を考えた経験

(3)今までに本気で自殺したいと思ったことがあると答えた者の中で,最近1年以内に自殺を考えた経験

 (この質問は,回答を負担に思う対象者がいることが想定されるため,その場合は回答しなくても良い旨を伝えている)

 今までに「自殺したいと思ったことがある」と答えた者(472人)に,最近1年以内に自殺したいと思ったことがあるかを聞いたところ,「はい」と答えた者の割合は22.7%となっており,前回調査と比べ,若干増えている。
年齢別に見ると, 「はい」と答えた者の割合は20歳代(36.2%)で高く,20歳代全数(204人)を基数に換算した割合は10.3%となっている。 (図9-1~2、表6-1表6-2

図9-1 今までに本気で自殺したいと思ったことがあると答えた者の中で,最近1年以内に自殺を考えた経験

 なお,全数(2,017人)を基数に換算した「はい」(最近1年以内に自殺したいと思ったことがある)と答えた者の割合は5.3%となる。
*下記グラフは,全員に聞いた「今までに本気で自殺したいと思ったことがあるか」という設問の回答と,その設問で自殺したいと思ったことがある人に聞いた「最近1年以内に自殺したいと思ったことがあるか」の回答を組み合わせたもの

図9-2 最近1年以内に自殺を考えた経験

(4)自殺を考えたとき,どのように乗り越えたか

 (この質問は,回答を負担に思う対象者がいることが想定されるため,その場合は回答しなくても良い旨を伝えている)

 今までに「自殺したいと思ったことがある」と答えた者(472人)に,どのように乗り越えたか聞いたところ,「家族や友人,職場の同僚など身近な人に悩みを聞いてもらった」と答えた者の割合が38.8%,「趣味や仕事など他のことで気を紛らわせるように努めた」と答えた者の割合が38.6%と多くなっている。以下,「できるだけ休養を取るようにした」(18.0%),「医師やカウンセラーなど心の健康に関する専門家に相談した」(8.5%),「弁護士や司法書士,公的機関の相談員等,悩みの元となる分野の専門家に相談した」(2.3%)などと続いている。
 なお,「特に何もしなかった」は13.8%であった。 (図10、表7

図10 自殺を考えたとき、どのようにして乗り越えたか

(5)周りに自殺をした人はいるか

 (この質問は,回答を負担に思う対象者がいることが想定されるため,その場合は回答しなくても良い旨を伝えている)

 周りで自殺をした人がいるか聞いたところ,「いない」と答えた者の割合は56.2%となっている。自殺をした人としては,「同居の親族(家族) 以外の親族」(12.2%),「友人」(10.5%),「職場関係者」(9.9%)などの順となっている。 (図11)

図11 周りに自殺をした人はいるか

(6)身近な人から「死にたい」と言われたときの対応

 (この質問は,回答を負担に思う対象者がいることが想定されるため,その場合は回答しなくても良い旨を伝えている)

 もしも身近な人から「死にたい」と打ち明けられたとき,まずはどのように対応するか聞いたところ,「ひたすら耳を傾けて聞く」(32.9%)で最も高く,以下,「『死んではいけない』と説得する」(15.4%),「『がんばって生きよう』と励ます」(11.9%),「『死にたいぐらい辛いんだね』と共感を示す」(11.7%),「『医師など専門家に相談した方が良い』と提案する」(8.7%)などの順となっている。
 年齢別に見ると,20歳代~60歳代で「ひたすら耳を傾けて聞く」が最も高くなっているのに対し,70歳以上では「『がんばって生きよう』と励ます」が最も高くなっている。 (図12)

図12 身近な人から「死にたい」と言われたときの対応

(7)身近な人の「うつ病のサイン」に気づいたとき

 (この質問は,回答を負担に思う対象者がいることが想定されるため,その場合は回答しなくても良い旨を伝えている)

 家族など身近な人の「うつ病のサイン」に気づいたとき,精神科の病院へ相談することを勧めるか聞いたところ,「勧める」と答えた者の割合は72.7%,「勧めない」は5.4%,「わからない」は17.8%であった。
 性別に見ても大きな差は見られない。
 年齢別に見ると,「勧める」と答えた者の割合は,70歳以上で高く,「わからない」は20歳代,30歳代で高くなっている。
 さらに性・年齢別に見ると,30歳代男性と20歳代女性で「勧める」と答えた者の割合はそれぞれ62.6%,55.1%と低くなっており,「わからない」と答えた者の割合はいずれも29.0%と高くなっている。また,20歳代女性では「勧めない」と答えた者の割合が13.1%と高くなっている。 (図13、表8

図13 身近な人の「うつ病のサイン」に気づいたとき

(8)自分自身の「うつ病のサイン」に気づいたとき

 (この質問は,回答を負担に思う対象者がいることが想定されるため,その場合は回答しなくても良い旨を伝えている)

 自分自身の「うつ病のサイン」に気づいたとき,精神科の病院へ相談しに行こうと思うか聞いたところ,「思う」と答えた者の割合は51.2%,「思わない」は19.4%,「わからない」は25.8%であった。
 性別に見ると,「思う」と答えた者の割合は,女性の方が男性より高くなっている。
 年齢別に見ると,「思う」と答えた者の割合は年代が上がるほど高くなっており,20歳代で33.8%なのに対し,70歳以上では63.2%となっている。「思わない」と答えた者の割合は20歳代で36.3%と最も高くなっている。
 さらに性・年齢別に見ると,「思わない」と答えた者の割合は男女とも20歳代で最も高く36%台となっている。 (図14、表9

図14 自分自身の「うつ病のサイン」に気づいたとき

(9)自分がうつになった場合の支障

 (この質問は,回答を負担に思う対象者がいることが想定されるため,その場合は回答しなくても良い旨を伝えている)

 自分がうつになった場合,どのような支障が生じると思うか聞いたところ,「家族や友人に迷惑をかける」と答えた者の割合が最も高く67.0%となっている。以下,「職場の上司や同僚に迷惑をかける」(24.9%),「誰にも打ち明けられずに,一人で何とかするしかない」(23.2%),「仕事を休みたくても,休みが取れない」(18.2%),「うつ病に対する職場の理解が得られにくいと不安を感じる」(12.8%),「家族や友人が離れていきそうで怖い」(10.7%)などとなっている。
 なお,「特に支障はない」は5.7%であった。
 年齢別に見ると,いずれの年代でも「家族や友人に迷惑をかける」と答えた者の割合が最も高い。20歳代から40歳代では,次いで「職場の上司や同僚に迷惑をかける」,「仕事を休みたくても休みが取れない」の順となっているが,50歳代になると,3番目に割合が高いのは「一人で何とかするしかない」となっている。60歳代及び70歳以上では,2番目に割合が高いのは「一人で何とかするしかない」で,3番目以降に挙げられる選択肢の割合が低い。
 さらに性・年齢別に見ると,男女とも20歳代で「一人で何とかするしかない」「家族や友人が離れていきそうで怖い」の割合が他の年代よりも高かった。また,「仕事を休みたくても休みが取れない」「職場の理解が得られにくいと不安」「職場での昇進や昇給に影響する」についても男女とも他の年代よりも割合が高くなっている。女性の20歳代~40歳代では,「家族や友人に迷惑をかける」が同年代の男性よりも割合が高くなっている。 (図15、表10

図15 自分がうつになった場合の支障


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