野洲市の取組
〜多重債務を解決して自殺を防ぐ〜
「身内の男性が借金の返済が出来ずもう死ぬしかない、と言っている」と電話で相談があり、すぐ男性を連れてきてもらいました。男性は、気力がなく「死ぬしかないけど死に方が分らない」、「どうしようもない」を繰り返すばかり。相談員が「どうしようもないことはない。私を信じてほしい」と時間をかけ説得し、借金の聞き取りを実施。すぐ司法書士に相談の予約を取り、男性には「もう借金の心配はしなくてもいい」と伝えました。
男性は、疾病で仕事を辞めて、貯金を取り崩して一人暮らしをしていましたが、経済的な不安から精神的に不調を訴えたため、健康推進課の保健師に連絡を取り、精神科での受診を勧めました。同時に障害者自立支援医療による公的医療負担制度の利用につなげました。
生活費に困窮していることから、今後の生活をどう組み立てるかなど社会福祉課のケースワーカーと連携し、生活保護も決定しました。
また、一人暮らしで身の回りが心配なので、ヘルパー派遣のため介護保険の申請手続きを高齢福祉課にも連携しました。司法書士から業者には受任通知が送られているので取り立ても止まりました。
多重債務を解決し、市役所の連携により生活再建ができ、自殺を防ぐことができたケースです。
野洲市では、組織として相談窓口・人権ネットワークという体制を構築しており、市民と接する各担当窓口が借金の情報をキャッチすれば、相談者を消費生活相談窓口に速やかに案内する連携をとっています。こうした取組により、「多重債務に悩んでいるが、どうすれば解決できるのかわからない」「専門家の敷居が高い」「日々の返済に追われている」など、解決への取組が遅れている人を市役所の各課がキャッチし、各課の市民サービスの提供、つまり市役所の総合力による生活再建を提案することができるのです。
多重債務の相談は、借金の解消だけでなく、その後の生活再建に向け、なにが必要かを考え、担当課が連携して、最大限の行政サービスを支援していくことが必要です。これが、市役所で多重債務相談を受ける最大の強みであり、法律家とは違った、市役所しかできない大切な役割と考えます。「困ったときは市役所へ」と市民に頼ってもらえることが、自殺防止の取組に繋がるのだと思います。
<野洲市・市民相談窓口ネットワークを活用した多重債務相談取組>![]() |
(野洲市市民健康福祉部市民課)