V.運輸・交通

2.道路通行車両の制限

Q5−2 

車両総重量が20tを超えるなど、特殊な車両を道路に通行させるにはどのような手続が必要ですか。 また、高速道路の運行に対する制限としてはどのようなものがありますか。

Answer

車両の幅、長さ、積み荷の大きさ、重さ等が法令の定めた制限を超える特殊な車両の通行には、以下に示すように道路管理者や警察等の許可が必要です。
また、大型貨物自動車については、高速道路における最高速度が80km/hに制限されており、速度抑制装置の装着が義務付けられています。なお、道路交通法の一部改正により、自動二輪車の二人乗り規制が緩和されています。

道路法道路交通法道路運送車両法

1.道路法による許可申請
「道路法」では道路の構造の保全、交通の危険を防止するため、道路を通行できる車両の幅、重量、高さ、長さ等の最高限度が定められています。この最高限度を超える車両は、原則として、道路を通行させてはならないこととされています。

(最高限度)
幅−2.5m、高さ−3.8m(ただし、指定道路を走行する車両は車高4.1m)、長さ−12m(ただし、高速自動車国道を走行するセミトレーラ連結車及びフルトレーラ連結車はそれぞれ16.5m、18m)、軸重−10t、隣接軸重−隣接軸距に応じて最大20t、輪荷重−5t、総重量−20t(ただし、高速自動車道国道及び指定道路を走行する車両は車長及び軸距に応じて最大25t、また、バン型のセミトレーラ連結車等の一定車種のセミトレーラ連結車及びフルトレーラ連結車は軸距に応じて高速自動車道国道で最大36t、その他の道路で最大27t、最小回転半径−12m

上記の制限を超える特殊車両等を通行させようとする時には、まず、道路管理者に申請しなければなりません。申請を受けた道路管理者が審査を行い、車両の構造又は積載する貨物が特殊であるため通行はやむを得ないと認めたときには、必要に応じて条件が付されたうえで、特殊車両通行許可が出されます。

2.道路交通法による制限外積載許可申請
積載物の重量、大きさ、積載の方法については以下のような制限が設けられており、これを超えることとなるような積載をして車両を運転するには、出発地を管轄する警察署長の許可が必要です。

(1)積載物の重量−自動車検査証に記載されている最大積載重量
(2)積載物の大きさ
   1)長さ……自動車の長さにその長さの1/10の長さを加えたもの
   2) 幅……自動車の幅
   3) 高さ…3.8メートルからその自動車の積載する場所の高さを減じたもの
(3) 積載の方法
   1)自動車の車体の前後から自動車の長さの1/10の長さを超えてはみ出さないこと
   2)自動車の車体の左右からはみ出さないこと
(4)許可の手続
出発地を管轄する警察署に制限外積載許可申請書を提出して行います。
(5)許可の基準
貨物が分割できないものである場合に限り、車両の構造又は道路若しくは交通の状況により支障がないと認められる場合は積載物の重量、大きさ又は積載の方法を限って許可されます。許可には、条件が付されることがあります。許可の期間は、原則として一回の運搬行為の開始から終了までの期間になります。

3.道路運送車両法による保安基準適合義務
自動車の構造・装置についての安全上、公害防止上の要件は、「道路運送車両法」に基づく道路運送車両の保安基準(国土交通省令)において定められており、これに適合するものでなければ運行の用に供してはならないとされています。ただし、特殊な構造・装置を有する車両、特殊な物品を輸送する車両等で、安全上、公害防止上支障がないと認められる車両については、保安基準の緩和がされます。なお、大型貨物自動車については、平成15年9月より速度抑制装置の装着が義務付けられています。

4.高速道路における自動二輪車の二人乗りについて
平成16年9月に行われた道路交通法の一部改正により、平成17年4月より、年齢が20歳以上で、大型二輪免許又は普通二輪免許を受けた期間(経験年数)が3年以上の人が自動二輪車(125cc以上)を運転する際には、2人乗りが可能となりました。なお、首都高速道路においては、一部区間において2人乗りが制限されています。