OTOデータベース HOME |
市場開放問題苦情処理推進会議第4回報告書(平成9年3月17日) |
○ 問題提起者:東京商工会議所
○ 所管省庁:通商産業省
○ 問題の背景
高圧ガス取締法第2条の適用を受ける高圧ガスの製造を行う者は、同法第5条により規模に応じて、都道府県知事の許可または都道府県知事への届出が必要である。また、高圧ガスを冷媒とする冷凍機を使用する者のうち、冷凍能力が50トン以上(冷凍能力の計算式は、同法冷凍保安規則第3条による)の冷凍機を使用する者は、同法同規則第22条の製造施設の区分に従い、原則として、一日の冷凍能力が300トン以上のものは第一種冷凍機械 責任者の免状を持つ者を、一日の冷凍能力が100トン以上300 トン未満のものは第二種以上の冷凍機械責任者の免状を持つ者を、一日の冷凍能力が50トン以上100トン未満のもの は第三種以上の冷凍機械責任者の免状を持つ者を、それぞれ冷凍保安責任者に選任し、当該設備の保安に関する業務を管理させなければならない。
オゾン層破壊問題等により製造禁止となったフロン11は、その熱物性上、高圧ガス取締法第2条の高圧ガスには該当せず、同法の適用は受けない。しかし、この代替冷媒であるフロン134aは、その熱物性上、高圧ガスに該当し同法の適用を受ける。
○ 問題提起内容
フロンガスの製造禁止により、ビル用冷凍機でも代替フロンガスが使用され始めたのに伴い、運転にあたり取扱主任者を必要とする冷凍機が増えてきている。一般に延床面積2万平米以上のビルに使われている冷凍機の能力は300冷凍トンを超えるが、高圧ガス取締法(冷凍保安規則)の対象となる冷凍機の場合は、第一種冷凍機械責任者が必要とされる。しかし、今まではほとんどこの様な資格者を必要としなかったこと等から現在同免許を持つ資格者が非常に少ないため冷凍機の運転に大きな障害となっている。ビル用の冷凍機については、下位の資格(第二種)で取り扱えるようにすべき。また、運転時間中は常時資格者を必要とするがこれも緩和すべき。
○ 検討結果
事故を未然に防ぐための安全規制であっても、厳しすぎる安全規制は、事業者の負担を増し、国際的に魅力ある事業環境の整備という観点から対日投資促進上の問題となる可能性があり、必要最小限のものにする必要がある。
所管省においては、ビル用の冷凍機については下位の資格で取り扱えるよう、指定設備として認定された場合には資格者不要とする措置がとられている。すなわち、冷凍機製造業者の申請により、各種安全装置・制御装置などの構造上・機能上の安全性を有すると認められる冷凍機を、指定設備として認定する制度を平成8年2月に制定しており、指定設備として認定された冷凍機を使用する者は、当該冷凍機の冷凍能力が50トン以上であっても冷凍保安責任者を選任する義務が課されない。
さらに、問題提起を受け、指定設備以外の冷凍設備に係る資格者の選任については、これまでの保安実績等を踏まえつつ、平成9年度中に都道府県担当者及び関係事業者を含めた委員会において制度の合理的な在り方に関する検討を行い、その検討結果に基づく措置の必要がある場合にあっては、平成9年度を目途に省令等の改正を行うこととした。
所管省においては問題提起を踏まえ、事業者の負担軽減を図る方向で検討を進め、できるだけ早期に結論を得、処置すべきである。
OTO対策本部決定(平成9年3月25日) |
これまでの保安実績等を踏まえつつ、平成9年度中に都道府県担当者及び関係事業者を含めた委員会において、指定設備以外の冷凍設備に係る資格者の選任に係る制度の合理的な在り方に関する検討を行い、できるだけ早期に結論を得、その検討結果に基づく措置の必要がある場合にあっては、平成9年度を目途に省令等の改正を行う。