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市場開放問題苦情処理推進会議第5回報告書(平成10年3月17日) [フォローアップ]

2-(1) 栄養補助食品の規制の緩和及びその迅速な実施

○ 問題提起者:在日米国商工会議所、駐日米国大使館

○ 所管省庁:厚生省

○ 問題提起内容

平成8年3月26日のOTO対策本部決定とともに、それに続く規制緩和推進計画で閣議決定された栄養補助食品の規制緩和について、その進捗状況が明らかにされておらず、具体的に自由化がほとんど進んでいない。したがって規制緩和の進捗状況の透明化と、その迅速な実施が重要である。

新たな問題点として以下の2点を挙げられる。

(1) ハーブの検討委員会など、所管省における検討が非常に遅く、規制緩和の実現には多くの年月が見込まれる。

(2) 医薬品から食品として認められるようになった栄養補助食品に対しても、食品としての厳しい規制が深刻な輸入障壁ともなっている。

以上を踏まえ、以下改善措置を講ずるべきである。

(1) 栄養補助食品の剤型について、現状では7種類のビタミンに関する規制緩和と残りのビタミンが条件付きで規制緩和が行われたに過ぎないため、栄養補助食品全般にわたる剤型の自由化を促進すべきである。

(2) これまでのところ検討が行われていないと思える効能等の表示について早急に検討すべきである。

(3) 栄養補助食品を新しいカテゴリーとする対応について、所管省は省内横断的な検討を開始したとするのみであり、検討状況が不透明なため、具体的な進捗状況の透明化や採用方法、スケジュール等の明確化を図った上で早急に実施すべきである。

(4) ハーブ、ミネラル等、通常海外で食品として流通・販売されているものが、医薬品として規制されることなく食品として流通・販売されるよう規制緩和を早急に推進すべきである。

○ 所管省庁における対処方針

我が国において、成分、表示、形状等から、医薬品と食品を総合的に判断している。主要なビタミンについては、効能効果を標榜しない範囲において、カプセル等の医薬品的な形状を用いても食品として区分している。また、専ら医薬品として用いられ、かつ副作用等の安全性に問題のある一部のビタミンについては含量に制限を設けて、上記と同様に取り扱っている。

一方海外の状況は、食薬区分や、表示、形状の規制について状況はそれぞれ異なっており、我が国の状況が特異的であるとは考えられない。例えば、形状については、仏、スイス等7ヶ国以上において医薬品の判断基準の1つになっている。

現在、FAO/WHO合同食品規格計画(コーデックス)において、米国、欧州諸国、日本等の各国が参加して栄養補助食品についてその範囲、表示等のガイドラインの検討が行われているが合意には至っていない。

なお、米国の栄養補助食品については、品質、安全性について米国食品医薬品安全局から警告文が幾度か発出されているほか、本邦において全く経験のないものがあること等により、本邦での流通には科学的な検討が必要と考える。

(1) 問題点としている点については、以下のとおり。

1) ハーブの検討会においては、日本国内において未知であり安全性が現在のところ未確認であるハーブが数多く含まれるため、安全性を科学的に検討し、その検討結果を基にその他の要因(使用目的、表示等)を検討してどのようなハーブを医薬品の規制の枠から外していくべきかを決定することとしている。検討するハーブの範囲は、米国及び欧州の食品として販売されているものとし、優先順位は、米国の販売実績(売り上げ順)を基にして、必要な情報が得られたものから検討を行っているものである。

なお、平成9年9月のMOSSフォローアップ会合において要望のあった米国市場に存在する150 種類のハーブも検討対象に含まれており、これらについては、平成9年度中に必要な措置を行う。

2) 医薬品の該当性に関する規制緩和においては、検討会(ビタミンについては研究班)を設置して検討し、規制緩和を行っているものである。検討会においては、規制緩和推進計画に基づき、各国における市場、規制制度、用法、表示等及び国際的な動向の調査を行った上で、科学的な安全性の検討を行っている。そしてこれらの得られた検討結果を参考にして、規制緩和の実施を行っている。

なお、新たな食品添加物の指定等については、WTO通報等の手続きを経て平成8年3月に示した指針に基づき、欧米諸国と同様、関係事業者等からの具体的要請を受けて、食品衛生調査会の審議を経て実施することとしているところであり、医薬品の範囲の基準の見直しを議題に審議された平成8年2月のOTO専門家会議においても、問題提起者の一つとして出席した在日米国商工会議所関係者より「食品添加物の指定等については正当な方法が定められており、制度を変える必要はない」旨発言があったものである。

(2) 改善要望があった点については、以下のとおり。

今後も、日本としてはコーデックスにおける栄養補助食品のガイドライン策定の作業に関わっていくとともに、これらの国際的な動向を十分に勘案して検討を進めていくこととしており、国際的な動向が定まった際にはこれに遅れることなく、国際的にも調和した制度となるよう以下のとおり対応していく。

1) 剤型の自由化については、ビタミンの形状規制の緩和を既に行っており、ミネラル及びハーブについても、消費者において自ら正しい選択ができ、両者を混同しないように明確に食品としての適正な表示がなされていることを考慮しつつ、検討する。
2) 表示の制限については、適切な摂取方法や栄養補助的効能、注意表示等については、消費者が自分に必要なものを的確に選択できるような表示を考慮しつつ検討する。
3) 栄養補助食品を新たなカテゴリーとする対応を取ることについては、その措置の時期については、現在、省内関係部局による検討を以下のとおり行っており、国際的な動向をにらみつつ、必要に応じて本検討結果の報告等を行う。
・コーデックスの動向に注目するとともに、海外の法制度及び市場実態の調査。
・国内の薬事法、食品衛生法、栄養改善法等の法により規制されているものの特徴等についての意見交換。
4) 通常海外で食品として扱われている栄養補助食品の取扱については、平成9年3月にビタミンの規制緩和を行っており、ハーブは、平成9年4月に検討委員会の設置を行い同年度中に措置、ミネラルについては同年6月に検討会を設置し平成10年度中に措置を予定している。これらの検討会では在日米国商工会議所の代表は委員として、米国大使館職員は随行員として参加いただいている。


フォローアップ(平成11年11月16日) [報告書]

2-(1) 栄養補助食品の規制の緩和及びその迅速な実施

我が国において、成分、表示、形状等から、医薬品と食品を総合的に判断している。主要なビタミンについては、効能効果を標榜しない範囲において、カプセル等の医薬品的な形状を用いても食品として区分している。また、専ら医薬品として用いられ、かつ副作用等の安全性に問題のある一部のビタミンについては含量に制限を設けて、上記と同様に取り扱っている。
一方海外の状況は、食薬区分や、表示、形状の規制について状況はそれぞれ異なっており、我が国の状況が特異的であるとは考えられない。例えば、形状については、仏、スイス等7ヶ国以上において医薬品の判断基準の1つになっている。
現在、FAO/WHO合同食品規格計画(コーデックス)において、米国、欧州諸国、日本等の各国が参加して栄養補助食品についてその範囲、表示等のガイドラインの検討が行われているが合意には至っていない。
なお、米国の栄養補助食品については、品質、安全性について米国食品医薬品安全局から警告文が幾度か発出されているほか、本邦において全く経験のないものがあること等により、本邦での流通には科学的な検討が必要と考える。

(1) 問題点としている点については、以下のとおり。

1) ハーブの検討会においては、日本国内において未知であり安全性が現在のところ未確認であるハーブが数多く含まれるため、安全性を科学的に検討し、その検討結果を基にその他の要因(使用目的、表示等)を検討してどのようなハーブを医薬品の規制の枠から外していくべきかを決定することとしている。検討するハーブの範囲は、米国及び欧州の食品として販売されているものとし、優先順位は、米国の販売実績(売り上げ順)を基にして、必要な情報が得られたものから検討を行っているものである。なお、平成9年9月のMOSSフォローアップ会合において要望のあった米国市場に存在する150種類のハーブも検討対象に含まれており、これらについては、平成9年度中に必要な措置を行う。
2) 医薬品の該当性に関する規制緩和においては、検討会(ビタミンについては研究班)を設置して検討し、規制緩和を行っているものである。検討会においては、規制緩和推進計画に基づき、各国における市場、規制制度、用法、表示等及び国際的な動向の調査を行った上で、科学的な安全性の検討を行っている。そしてこれらの得られた検討結果を参考にして、規制緩和の実施を行っている。
なお、新たな食品添加物の指定等については、WTO通報等の手続きを経て平成8年3月に示した指針に基づき、欧米諸国と同様、関係事業者等からの具体的要請を受けて、食品衛生調査会の審議を経て実施することとしているところであり、医薬品の範囲の基準の見直しを議題に審議された平成8年2月のOTO専門家会議においても、問題提起者の一つとして出席した在日米国商工会議所関係者より「食品添加物の指定等については正当な方法が定められており、制度を変える必要はない」旨発言があったものである。

(2) 改善要望があった点については、以下のとおり。

今後も、日本としてはコーデックスにおける栄養補助食品のガイドライン策定の作業に関わっていくとともに、これらの国際的な動向を十分に勘案して検討を進めていくこととしており、国際的な動向が定まった際にはこれに遅れることなく、国際的にも調和した制度となるよう以下のとおり対応していく。
1) 剤型の自由化については、平成8年度にビタミン、平成9年度にハーブ、平成10年度にミネラルの一部について、形状規制の緩和を行った。
2) 栄養補助食品の表示の制限については、医学、栄養学、消費者等の各方面の方々からなる検討会(「いわゆる栄養補助食品の取扱に関する検討会」:平成10年12月設置)において、適切な摂取方法や栄養補助的効能、注意表示等の表示方法を含めた取扱いに関して検討を行っている。
3) 栄養補助食品を新たなカテゴリーとする対応を取ることについては、コーデックスの検討状況等を勘案の上、「いわゆる栄養補助食品の取扱に関する検討会」において検討を行っている。
4) 平成8年度にビタミン、平成9年度にハーブ、平成10年度にミネラルの一部について、形状規制の緩和を行った。