第14回総合規制改革会議 議事概要

1. 日時

平成13年11月29日(木)17:30〜19:30

2. 場所

合同庁舎4号館共用第4特別会議室

3. 出席者
(委員)

宮内義彦議長、飯田亮議長代理、生田正治、神田秀樹、河野栄子、鈴木良男、清家篤、高原慶一朗、八田達夫、八代尚宏、米澤明憲の各委員

(政府)

石原規制改革担当大臣

(事務局)

[内閣府]坂政策統括官、岡本審議官、梅村審議官、竹内審議官、磯部審議官、吉原事務室長、西参事官、松山参事官、枝廣参事官、松葉参事官、二川参事官、長屋事務室次長


議事次第

  1. 案文審議

  2. その他


議事概要

(開会)

(石原大臣より発言)

議事に先立ち、前回私から申し上げたことについて報告申し上げる。

港湾におけるワンストップサービスについては、つい先ほど、関係省の局長を招集し、平成15年度中ということになっていたのを前倒しして欲しいと要請したところ2省ぐらい若干問題があるが、この要請を受けてその体制が整うように努力してくれる、来年1月内を目途に示してもらえることになった。

また、職業紹介事業の手数料の規制緩和についても、先般坂口厚生労働大臣に、お話したところ、坂口大臣も今後規制緩和を進めましょうというお話を頂いた。

これからも前倒しできるものは前倒ししていかなければならないと考えている。

当会議における審議も、いよいよ大詰めとなってきたが、宮内議長を中心に素晴らしい案をお作りいただくようお願い申し上げる。

(1)案文審議

ア 全体構成

「はじめに」の後に第1章として重点6分野、第2章としてその他の分野という構成。基本的には重点6分野は中間とりまとめ、その他分野は3か年計画の順になっている。

イ 「はじめに」及び「終わりに」

(朗読)

質疑応答

○ はじめにの2パラで、書いてあることはそのとおりだが、短期的な景気対策と結び付けられている。今構造改革が求められているのは、過去の政権が問題を先送りしてきた結果、矛盾が累積したため。突然不況になったから構造改革が必要なのではない。これまでの政権の積み残しであるという趣旨をどこかにいれることが重要。
2ページ目、2パラ民間でできることは民間で、というところだが、各論でやっているときどうしても各省と折り合わずに今後の施策で盛り込めなかった問題は、なるだけ問題意識のようなところに「送る」ことにより合意を得るという手法を、各ワーキンググループでとっていると思うが、同じことは総論部分でできるのではないか。「可能な限り民間事業者」とさらっと書いてあるが、ここに例えば「株式会社を含む」というような言葉を入れる。医療などあちこちでぶつかっているのだから、例えば医療で書けなくてもここで書いておけばぼんやりとでもここで受けるという手法も取れるのでは。全体的に優等生の作文で、当り障りがなさ過ぎる。
ウの生活者向けサービスの一番最後で、「非収益的なサービス」という言葉は聞きなれない。福祉分野では「非営利」という表現を用いているため、できればいわゆる「非営利」サービスが問題なのだという趣旨で使っていただければと思う。
3枚目の「その他の規制改革」の前の部分で都市の話があるが、都市においても他の分野と同じように産業活性・雇用創出という面で同じような性格を持っており、需要促進に即効性があることを指摘したい。
質問だが、今回の答申が尊重閣議決定になるというが、別途頭書きがついて、そこで尊重と言われるということなのか。

● 閣議決定の文書は、別途作る。

○ 前書き2ページ目の一番下に、こうした供給側の問題からサービスの…妨げられる、とあるが、平たい言葉で言うと、コストの合理化、できるだけ安い経費でやるという概念をきちんと出すべし。

この他の意見は翌日までに事務室に意見を伝えることとなった。議長及び議長代理一任

ウ 各論

(ア)医療

鋭意詰めており、いくつかのものは詰まっており、いくつかのものは最終調整を要する。

最終調整を要するのは、レセプトのオンライン請求を中心とする電子的請求の原則化ということ。これはIT化の入り口の議論。厚生労働省は波風立てないようにそっとやらせて欲しいと主張。しかし、原則をきちんとやらなければならない。

株式会社の問題は言うまでもなく一番のハードコア。表現をどうするかの問題が残っている。

中央医療審議会の委員構成の問題がある。医療費はいわば公共料金。公平な場で決めるべきで分捕り合戦をすべきではない。

一般小売店での医薬販売は、どうしても医薬部外品として売るというが、わざわざそうする必要はなく、医薬品であっても作用の軽微なものはどこでも売れるとすべき。

感想は、厚生省は今まで自分で主体的に意見を言えなかったが、この前の「試案」で初めて言った。厚生省が一つの政策を自分で打ち出して、関係する人たちをいい方向へ導いていく主体的な立場を厚生省が持たないと、日本の医療は良くなっていかない。厚生省の独立宣言をここでやらせることが重要。

(イ)福祉

調整は終了している。

問題意識については、一番の問題は憲法89条に基づいて社会福祉法人の存在意義を示したい。こちらはもはや介護施設・保育所は、対等な契約精神のもので、慈善・博愛のための事業ではないと言っているが、厚生労働省は依然としてそうだと言っているので、国民に判断してもらうため、そのことを書いている。

具体的施策の「(1)施設介護における多様な経営主体の対等な競争」ということで、福祉の世界では、医療と違い株式会社の参入はよいが、対等な競争条件にないことが問題。PFIを通じる、ホテルコストをとる、介護報酬に資本コストを入れるといった手段で、憲法の制約があったとしても対等な競争ができるような道を書いてある。

「キ 介護と医療の連携のための諸規制の改革」では、特別養護老人ホームの居住条件が改善したなら、他の介護施設も同様にやらなければならないということで、保健施設は書き込んだが、療養型病床群の方は医療の問題だから福祉の担当者ではいかんともしがたい。次回医療の方で検討して欲しい。

保育は、従来と同じだが、「エ 認可外保育施設に対する指導監督の徹底」をかなり書き込み、同時に東京都がやっている認証保育所のような施設をきちんと評価した。

保育サービスの利用者に対する直接補助方式の導入いわゆるバウチャーであるが、これが医療における株式会社経営と同様ハードコア。規制改革委員会の言っていることを繰り返しただけで進歩はない。

社会福祉法人の規制について言えば、かなり書き込んだが、まだまだ抜本的な改革には不十分。

(ウ)教育

大学・学部の設置の垣根を低くする問題については、15年度中に措置ということだったが、14年度中検討・結論ということになった。

設置を緩やかにしたのに伴う、質の維持のためのアクレディテーションについては、前回14年度措置だったのが、14年度検討・結論となった。

高等教育によるキャリアアップの充実については、前回確定していなかった文案については、ダブルメジャー制度の導入と、パートタイム学生制度の創設ということで確定。

コミュニティー・スクールについては、前回折衝中ということで文案も出さず詳しく述べなかったが、公立の小中学校で、国の金を使って新しいタイプの公立の学校を作ることとし、地域学校協議会を作り教員の人事、予算の使途、教育課程、教材の選定、クラス編成を自主的にやっていくことを法整備をして行うことに文科省も合意した。平成14年度に現行法制化でモデルスクールを実施し、15年中までに検討し結論が出るものと理解している。

私学の小中学校の参入を促進するため、設置の基準の明確化と、設置の認可の要件を緩和する。その一環として、各県にある私立学校審議会が既存の私立学校の方々がたくさん参加していて、新しく私立学校を作って参入するとき、この審議会の審議が障壁になっているという指摘がある。審議会の構成員の分布・運営について見直していくことに合意した。

インターナショナルスクール増設の促進については、もっとたくさん作り、卒業生が日本人であっても不利にならないことを考えており、文案を現在文科省と調整中だが、かなり前向きである。

学校選択制度の導入については、公立の小中学校を選べることを明確にする。現在でもできるが、関係法令がわかりにくいので、整理してもらう。現在入っている学校を変更する条件がアド・ホックで曖昧なので、関係法令を書き直してもらう。

(エ)環境

大体スムーズにご了解いただいて、前回と変わるところはあまりない。関係各省とすり合わせて同意をもらっている。

土壌環境保全対策については、調査の対象となる場合・土地・時点を特定していたのを問題を広く扱えるように、幅広く検討できる趣旨で修文した。

汚染の原因者不明の場合、「汚染原因者となりうる事業者」を基金の拠出者の例示としていたが、明記しないで今後検討とし、代わりに「基金や税制等の支援措置」を広く検討するかたちにした。

国の制度と既にある地方の制度との整合を図ることに触れている。土地取引の促進等の観点からも、民事上の問題が出て来ると思うので、既存制度の活用も含め調整するとしている。

温室効果ガスの発生の削減については、低公害車の位置付けについて交通体系のグリーン化として位置付けたが、重要性に鑑み一項設け特記した。

経済的手法の例示として、税・課徴金を記述し、具体的検討が必要とした。

ガスパイプラインの普及について、漁業権のところを深掘りして書いていたが、何か基準があった方がいいということで、実際にそういうことが生じた場合に検討するとしている。

全体として内容は今までと同様だが、特定化して書いていたのを広く書いて選択メニューを多様化したこと、国と地方の制度の整合性に触れたこと、低公害車をハイライトしたことなどが変更のポイント。

(オ)都市再生

「借家制度の更なる改善」について、定期借家権が普及していない。書面による説明義務、借主からの解約権等強行規定の廃止を含め検討する。また、既存の借家権に係る正当事由が曖昧なので、正当事由に関する賃貸人からの立退き料の位置付け・あり方について検討すべきである、としている。

都市のグランドデザインの策定に関し、今までマスタープランはあったがぼんやりしたもので守られなかったので、これを実効性のあるものとするために高度利用すべきエリアと用途複合化すべきエリアに分け、前者は高い容積率を認め、その他のエリアは複合的に使うこととする。また、大都市地域においては、道路・緑地の整備の目標年度を決め、一人当たり都市空間の目標値を決める、ヒートアイランドを考えると「風の道」の確保などの目標を都市計画に入れることとする。都市計画については、民間が提案してそれを尊重するシステムとするとともに、再開発をする場合、都市計画決定権者が容積率規制・斜線制限に裁量権があるのを、運用基準を客観的・明示的なものとすることにより、予測可能とする。建築基準法の集団規定について、現在仕様で規定しているものを、目的を明らかにし、性能規定化をやっていく。違反建築物については除却をすることになっているが、実際にはほとんどやっていない。賦課金などのような経済的インセンティブを入れることを要請し、幅広い観点から検討するということになっている。

第二種市街地再開発事業は、木造密集地に再開発していくとき、主体は地方公共団体か公団だったが、ここに一定要件を備えた民間主体を入れることを検討する。

最大のペンディング個所は土地収用法の見直し。都市計画道路がいつまでたっても出来ないのは望ましくないので、一定期限を切って、その中で出来なければペナルティが市町村に与えられる仕組みを考えている。少なくとも出来ない場合には説明責任を要求するところまでは、国土交通省と合意。満足できない説明については、収用権の失効措置を含む措置を検討することを要請し、先方で修文を検討している。

工場等制限法の改正については、廃止を含め抜本的に見直すことになった。

マンション等の建て替えについては、区分所有法により、マンション建て替えの要件は前と同じものを建て替える制限になっているが、30年前40年前と同じものを建てようという人はいないので難しい。大幅な増床、商業用・業務用利用等フレキシビリティを求める人が多いので、4/5同意でやれるようにする。平成14年秋までに改正法案を作成。

(カ)競争政策・法務・金融
a 競争政策

フランチャイズシステムに関する制度整備について追加したが、流通分野で検討いただいたものを、結果をこちらにも頂いている。

「公共工事等における一般競争入札の拡大等」のところで、まだアの部分がペンディングで文案が示せない。考え方は近寄ってきているが、最後の文章が示せない。考え方としては一般競争入札を拡大していくことが一つあり、もう一つは地方公共団体の場合だが、指名競争入札制度の場合の最低制限価格の見直しである。

b 法務

まだ担当省庁と刷り合っていないところがいくつかある。

司法制度改革については、一番大きく刷り合っていないのは隣接法律専門職種の活用である。先方は弁理士につき弁護士と一緒でのみ訴訟代理権があると主張しているが、こちらは、規制改革委員会第二次見解の経緯を踏まえ、能力担保措置で一部譲歩しつつも、弁護士と共同ではなく単独での訴訟代理を主張し、引き続き意見は真っ向から対立している。

まだ先方から返事がないのが私法上の事業組織形態の検討で、日本にも米国にあるようなリミテッド・パートナーシップ方式があってもよいのではないかということ。

c 金融

大体確定している。

前回口頭で申し上げた証券決済制度の改革を追加している。

保険契約の締結または保険募集に関する禁止行為についての明確化については、書きかた・内容について整理が必要である。

(キ)農林水産業・流通
a 農林水産業

農業については、一応こちらの趣旨が入ったもので合意した。

問題意識は基本的に前と同じ。

具体的施策については、法律の要件等が当初から農地を保有していない株式会社が、農業生産法人になることを、事実上困難なものとしている、というところを、とりあえず「考えられる」というような形で残している。

それから、株式会社による農業生産法人への出資制限をはじめとする現行制度や実態を改善するということを「速やかに検証を図り、」という形でなんとか妥協している。

農林水産業の問題について、来年以降もう少し本格的に検討したいと思う。

b 流通

第一はフランチャイズシステムに関する制度整備。フランチャイズ契約に関する現行法がどちらかというと弱者保護を主として考えているが、当方は、もっと産業活性化という観点から考えるべきではないかということを書いている。

もう一つの大店舗法だが、放っておくと平成17年見直しだが、是非前倒して見直してほしいということ。ただし、時期を書くことは経済産業省として出来ないということで、結果的に平成16年度中を目途とする調査等を早急に行うべきであるとした。

そういう形で、農水省・経済産業省と調整を了している。

(ク)エネルギー・運輸
a エネルギー

電力については、小売の完全自由化ということ。現在2万Vの高圧のみとなっている自由化範囲を低圧までであることを明確にしておく。

九電力主導のままで送電線を他の事業者に使わせるのでは機能しないので、中立的な機関でルールを定め、九電力と新規参入者が同じルールでやるようにする。送電線の建設についても新規参入者に開放し、送電線の独占を排除する。送電と発電の情報遮断をしないとアンフェアな取引がされるので、発送電分離も含めた中立・公正、透明性の高いイコールフッティングの形を作るかが課題。

業界にとって革命的な案を作ったので、業界は大騒ぎで、エネルギー庁からは全面カットのような激しい反論が出ているが、電力の小売自由化を言葉だけに終わらないようにしたい。

ガスについても同じような状況で、合意に至っていない。

b 運輸

トラックについては、営業区域について全国一本にしてどこでもできるようにする。これについては合意を得ている。

タクシー事業については、需給調整緊急措置が行われるが、それをやらせてみてどの程度発動されるかにより、基準自体を不断に見直す。運賃は上限規制だということを徹底しておかないと、660円から580円の下については、運輸省は規制をしたいという願望があるようなので、その願望は絶っておく必要がある。

内航海運暫定措置事業については、文言調整がまだ済んでいない。

港湾は、怖がっているので、何とか先送りということだが、15年度中には全港湾に広げるということで決着している。

高速道路については、警察は絶対に駄目といって。取扱についてはもう少し考える。

ワンストップサービスの加速化は、もう少し調整を要するが、基本的な事柄は運用に当たりコストが安く、簡素で使い易いということ。電子的手法を用いるということが第一。第二に、一部のシステムを専用線のみ認めてインタネットを認めていないが、関係省庁が7つあるので、専用線だけとは言わないことが必要。また、紙で申請すると手数料を取らないが、電子的申請をするととる。そういうところを具体的に意味して、簡素なシステムとすると書き込んでいる。

(質疑応答)

○ エネルギー関係で、参考に言う。小売の自由化が出来てから1年半で、今真っ最中。それでも、電気業界から見れば大革命で、そこに付加的に何か来るのというのは、多分抵抗を受けると思う。最初の計画は3年だったと思うので、タイムテーブルとどう整合性を持っていくのか。問題意識はその通りと思うので、よほど上手く納得を取っていかないと混乱要因になるのかと思う。
電気事業連盟が自主的な委員会を立ち上げ、自由化、電気産業の今後の経営の問題、環境対策をやっていて、自主的にやっているものはエンカレッジすることで対応すべきだと思う。

● その点は十分に心得ている。始まったばかりというが、始めてから3年経ったあとにその3年間の成果を検証し、次なるステップ、全面自由化、部分自由化、あるいはプール市場の創設、というのが、ある妥協からやむを得ずやったが、3年経ってから検証を始めていつ始めるのか、という議論を去年やり、3年後に次のステップに移るという軌道修正ことにした。3年後には実施されるのが規定の路線で閣議決定もされている。
 前の小売自由化を始めるときには電気事業審議会に行ってはっぱをかけてきたことがあるが、民間と言うが、事業者の集まりである。中立的な学者も入っているが、事業者が中心となってやっているところで、自分のところの改革ができるわけがない。事業者に対して、ある一定の指針を与えておかないと、事業者の論理になってしまう。そこは我々のような中立の委員会から小売自由化がスタートしたので、最後まで看取る責任があると思う。改革に伴う苦労がいくつかあることは承知しているが、着実にステップを進めていかないと、独占状態は変わらず、国際的にみて2倍乃至5倍の高コスト体質は変わらない。

(ケ)人材・基準認証
a 人材

内容は大きく三つ。一つは円滑な労働移動を可能とする規制改革。具体的には能力開発プログラムの問題、職業紹介、労働者の募集、募集・採用における年齢制限の緩和・差別撤廃の問題に関わるところ。二つ目は、就労形態の多様化を可能にするあるいは個人の選択肢を広げるための規制改革。内容的には労働者派遣事業、あるいは、有期雇用契約、あるいは裁量労働制等についての規制改革の問題。三つ目は、新しい、特にプロフェッショナルと呼ばれるような労働者像に応じた制度改革。労働基準法の制度改革の中で、ホワイトカラーエグゼンプションを設けるべきではないか、解雇ルールの明示化、新しい労働者像に対応した社会保険制度のあり方についての指摘。

中間取りまとめの内容を全て取り上げた上で、可能な限り詳しく述べた部分は、募集採用における年齢制限の緩和や差別の撤廃を、より強く推進していく方向に文章を書き直してある。

労働者派遣事業については、対象業務や派遣期間の制限を基本的には撤廃していく方向性を打ち出している。

地方公共団体等が行う無料職業紹介について、もっと円滑にできるような形での規制改革について述べている。

紹介予定派遣を円滑化するための規制改革についてより詳しく書き込んでいる。

中間取りまとめの後に新たに追加した項目は、職業紹介において許可・届出が不要な付帯業務の定義の明確化。

国外にわたる職業紹介に係る規制緩和については、相手国の関係法令等を日本語に訳して提出しなければいけないということがあったが、これを簡素化すべきであるということを追加している。

派遣先事業主から派遣下事業主への通知書類を電子媒体による通知も可能にするようにすべきであるということを書き込んでいる。

3か年計画に既に盛り込まれていた内容についてその後の進展を踏まえて記述した部分。一つは有料職業紹介の紹介責任者について要件を簡素化していく、又は公衆制度について内容を見直す、人事異動の都度に必要とされる変更手続きを簡素化する。

労働者募集に係る委託募集の許可制については平成11年度改正したが、改正後状況を踏まえ検討することになっていたが、前倒して検討する。

裁量労働制は企画業務型と専門業務型があるが、後者について対象範囲を拡大する。

石原大臣が坂口大臣に対して紹介手数料の規制緩和のスピードアップを直接要請していただいた件については、中間とりまとめでは平成13年度中に措置、速やかに実施と約束していたのを、年明け早々に省令改正を行うべきである、文中に年明け早々という言質を得ることができた。

考え方が若干異なるところは数箇所調整することになっているが、基本的にはこの内容でほぼ合意がなっている。

b 基準認証

基本的問題意識は、事前規制から事後規制への転換を図るということ。これまで寄せられている意見・要望を踏まえて検討している。

具体的には、通信端末機等の基準認証に関する自己適合宣言制度の導入と、電気用品安全法に関する規制の見直しである。

前者については、担当の総務省からは異論が出てきていない。

後者については、何度か経済産業省と折衝を行った。前回は届出自体の見直しにも言及していたが、事業者への立ち入り検査等を行う上で一定の情報が必要だと言う主張をされたので、配慮して、型式区分の内容の見直しを行うという形にした。技術基準の国際整合性については、原稿基準の見直し時期を平成13年度中としていたが、改訂の手続き中海外からの意見等により遅れる可能性も否定できないとのことで、13年度中を目途とする、という形に変えた。

(質疑応答)

○ 募集・採用において人種・信条・社会的身分を理由とする差別禁止の法制化を検討するというが、例えば宗教団体が経営する学校で従業員を信者に限るといってもいいのではないか。問題は、国から金をもらっているときに、条件としてそういう差別をしてはいけないというのが、アメリカの連邦法の基準だと思う。私には、民間団体にこれを言うのは過剰な規制だと思う。

● おっしゃる通り、アメリカでは補助金をもらっている、あるいは連邦政府とのコントラクトを結ぶ際にそのような差別があると排除されるというルール。内情を言うと、性・年齢の差別はここでは強く言っているが、その中で他の差別についてもいいのかという議論が出て来るので、一般にこのようなことについても触れている。全て人種・信条に係る雇用上の差別がいけないということではない。

○ インターンシップ紹介とは。

● 前回も説明したかと思うが、新しく、厚生労働省から、このような要望が業界から出てきていて、人材紹介のところにこちらの責任で入れていただいて結構だと出てきたので入れた。紹介予定派遣のような形だが、従来インターンシップによる職業紹介のところがどういう規制になるかはっきりしていなかった。業界がどう規制されるか心配になって、決めて欲しいという要望が出たそうである。ルールをはっきりさせるということ。

(コ)手続簡素化等

各業界団体から出てきた要望の中から手続簡素化に絞り、早めに実施できるものということで、各省と交渉を進めた。その結果、合意が得られたもの。1、2は追加があり得る。

(サ)全体についてのコメント

残された文案の修正については、主査に尽力いただき、議長と議長代理に一任することとなった。

その内容については、次回会議で確認することとなった。

(2)その他

ア 次回日程等

12月7日金曜日、議題は案文の最終確認、答申案の決定でお願いしたい。

与党への説明等考えると、残る案文については、3日の夕方には中身を固めて欲しい。

7日に答申案決定し、総理に答申を渡すのは、できるだけ早くしたいが次の週になると思う。対外的な公表は、総理にお渡しした以降。プレスには7日以後事前の説明。ただし、エンバーゴをかける。その後に、政治日程でいつかはわからないが、今年中に最大限尊重の閣議決定を行いたい。

イ 資料の取扱い

資料が非公表であることを議長より確認した。

ウ 質疑応答

○ 7日に決定した後、翌週いつかわからないときに総理に手渡すという2回に分けるのはなぜか。

● 基本的には総理の時間の都合。本来は、会議に出ていただいて決定、お渡しするのが良いが、委員のご都合と総理の時間が合わない。

(閉会)

以上

(文責 総合規制改革会議事務室


内閣府 総合規制改革会議