平成14年度 第3回総合規制改革会議 議事概要

1. 日時

平成14年6月11日(火)13:00〜15:00

2. 場所

永田町合同庁舎総合規制改革会議室

3. 出席者
(委員)

宮内義彦議長、生田正治、奥谷禮子、神田秀樹、佐々木かをり、鈴木良男、清家篤、高原慶一朗、八田達夫、森稔、八代尚宏、米澤明憲の各委員

(政府)

石原規制改革担当大臣、熊代内閣府副大臣

(事務局)

[内閣府]坂政策統括官、岡本審議官、中城審議官、竹内審議官、磯部審議官、宮川事務室長、長屋事務室次長


議事次第

  1. 各WGからの説明・質疑(素案骨子・検討の方向等)

  2. 日本経済団体連合会からのヒアリング

  3. その他


議事概要

(1)各WGからの説明・質疑(素案骨子・検討の方向等)

(イ)新規事業創出WG

新規事業創出WGの検討課題についてWG主査から説明があり、その後議論が行われた。概要は以下のとおり。

○ 新規事業の創出・運営を支援するためのインフラ整備が当WGの基本的視点。

○ 新規事業の特徴は、「歴史が浅い」、「小規模である」等。既存大企業の再編によって作り出された事業については「新しいビジネスモデルを伴う」ことが新規事業であるための条件。

○ これらの特徴ゆえに規制上不利な扱いを受けている分野については、その規制を撤廃し、新規事業の創出・運営を支援する。

○ 「証券取引法上の開示規制の見直し」について、ディスクロの見直しとなると規制改革の流れと逆行すると思われるかもしれないが、ここは、相手側がプロである場合は法律でディスクロを強制することはないという考え。私募ルールをさらに見直すことによって、より効率的な資金調達ができるようにしたい。

○ 「有限責任投資事業組合制度」については、本制度の一層の利用を促進することにより、ベンチャー企業の資金供給のインフラを整備したい。

○ 「個人保証の見直し」は、失敗した場合に状況が厳しくなるのではリスクが取れないというので、チャレンジするためのインフラ整備との観点から、さしあたって差押禁止財産の範囲拡大を目指したい。

○ 「コミットメントラインの対象企業の拡大」は、現在の法律で対象企業が中小企業以外に限定されているものを拡大するということ。

○ 「動産・債権担保法制の創設」はかなり大きな話。背景にあるのは、従来の不動産担保偏重の銀行融資への反省に加えて、わが国独自のファイナンス慣行(売主が売掛債権を銀行に持ち込まずに、買主が振り出した約束手形を銀行に割り引いてもらう)に変化が生じていること(約束手形離れ)。また、法的インフラという観点からは動産・債権担保法制は十分とはいえない状況にある。すぐに実現する話ではないが今回取り上げてみたいと思っている。

○ 「事業形態インフラの整備」は、有限責任で事業を興すような私法上の器を小規模から大規模まで連続的に整理しようという問題意識。一方、「有限責任形態は株式会社のみでよく、最低資本金の引き下げ等、重装備なものを軽装備にすればよい」という意見もあるが、個人的にはこれはわが国のこれまでの考え方からずれているように思う。

○ 一方、「新規事業創出促進法」は新規事業ということで特例措置を認めている訳であるから、これを活用して、例えば最低資本金を下げることも考え得るのではないか。

○ 「各種手続のワンストップサービス化」では株式会社設立の手続面の簡素化を考えている。これについては、さしあたり「新規事業創出促進法の改正」での対応も考え得る。

○ 「フランチャイズ制度の整備」では、サービス分野のルール整備が必要。

○ 「迅速な組織再編を可能とする制度整備」では、MBO等色々な切り口があるが、今回は「強制公開買付規則の見直し」に取り組み始めたところ。

○ 「政府調達制度の見直し」については昨年度も取り上げたが、新規事業創出という切り口で取り上げられないか考えている。

○ 「柔軟な雇用形態の確立等」について、「新規事業等に関する特例措置の創設」については、現時点では具体的なアイデアは検討中。裁量労働制度、労働者派遣制度、有期雇用契約制度については、昨年度も議論されているが、引き続き取り上げたい。

○ 「産学連携の促進」については若干作業が出遅れている。これから関係省庁からのヒアリングを行う。

○ 「小中学校の改革」、「コミュニティスクールの支援」、「インターナショナルスクールの支援」については昨年度も議論されているが、新規事業への人材の育成という観点から取り上げたいと思う。

(質疑応答)

○ 解雇権についての議論はなかったのか。

→ 解雇権については、昨年度も議論されているが、新規事業について特例的な措置ができないかという観点で詰めてみようと思っている。うまく行かない場合は、昨年度の継続として解雇基準の明確化という観点で取り入れることを考えている。


(ロ)官製市場見直しWG

官製市場見直しWGの検討課題についてWG主査から説明があり、その後議論が行われた。概要については以下のとおり。

○ 改革の目的は、多様な主体が各分野に参入すること、競争が平等に行われること、公共サービスの提供者が公共部門である必要はないこと。

○ 「市場参入制約分野の見直し」は「運営形態の拡大」、端的に言えば株式会社の参入がポイント。株式会社形態の持つメリットに着目し、相当の市場規模があり経済活性化に資すると考え得る医療、福祉、教育、農業等の分野について門戸開放を図る。

○ 各分野に共通して言えることは、参入の門戸を開放してそのメリットを理解してもらうことの重要性であり、答申はこうしたトーンで書くことを考えている。

○ 「既存運営主体の経営方式の多様化」については、債券発行による資金調達手段の多様化を考えている。

○ 「官民役割分担の再構築」の中の「行政関与のあり方」については、平成8年の行政改革委員会で行政関与の判断基準を提示しているが、これを参考に判断基準の見直しを進めたい。平成8年は「民間でできるものは民間に委ねる」という考え方を示したが、現在は「民間でできるものには官が入らない」という考え方に転換するべきではないかと考えている。

○ 行政関与の必要性が認められたものでもすべての役割を公共が担う必要はなく、民間にどのように分担していくか(民営化、公設民営化、業務運営委託)を考えることが当WGのテーマ。こうした仕組みを整理する、すなわち、「ボックスをきちんと用意し、そこに何をいれるか」というアプローチを取る。

○ 「官の効率化」については、民営化、PFI、PPP等の多岐にわたる手法があるが、これらのボックスのなかに個々の行政サービスのそれぞれがどう入っていくか、種分けをしたい。ここでネックとなるのが「公の施設」の管理の担い手が官でなくてはいけないという規定であるが、この見直しは当然避けて通れない。

○ 上下水道、公営ガス事業については、先般の経済財政諮問会議において民間移管の例として示されたこともあり、スペシフィックに取り上げて検討したい。できれば今回で決着をつけたい。

○ PFIを実効性あるものにするためには、多段階の事業者選定方式を明確に認容することが必要。

○ 同一市場において官民のサービス供給者が並存している場合、官民間の競争条件の均一化が必要。当WGではその手段についても検討するが、その際、憲法89条後段の議論やその他の不均衡是正についても議論が必要。

○ 福祉、教育分野においてはバウチャー制度の導入によって供給サイドの効率化が期待できる。制度導入に向けた提言をしたい。

(質疑応答)

○ 農業分野については農協が一番大きな阻害要因であると思うが、これについての議論はなかったのか。また、PFIやPPPが失敗したときの清算方法についてはどう考えているか。

→ 農協の問題については、今回は官でやっている仕事を民間に移すということについて議論した。委員は、農協は官以上に官であるというのが委員の主張と思うが、民であるのでここでは取り上げなかった。また、農協の問題は昔から議論されているがこれは競争政策の問題。したがって、せっかくの委員の提案ではあるが今回のテーマには直接的には馴染んでこないと判断している。一方、PFIの失敗における責任の問題は新たな視点であるので、これから考えてみたい。

○ 民活を進めても、失敗した場合の後始末を詰めておかないと国民の税金に頼ることになりかねない。その点は議論が必要。

→ PFIが失敗した場合、破産して損をするのは民間、ものが国に残る場合は何も心配することはないのではないか。運営のバトンタッチが心配なら代行制度を整えておけばよいのではないか。

○ 国がカネを払った後でオペレーションがうまくいかない場合(build, transfer, operateの場合)、カネは国から民間に出てしまった後であるから、不良資産を作ったことと同じことになる。これを心配ないと言うのはいかがかものか。

→ その点は今後お調べいただくということでどうか。


(ハ)ビジネス・生活インフラ整備WG

ビジネス・生活インフラ整備WGの検討課題についてWG主査から説明があり、その後議論が行われた。概要については以下のとおり。

○ 当WGでは、公益事業、司法制度改革、都心高度化の3つについて議論。

○ 公益事業は、従来は地域独占が認められる代わりに料金が規制されていた。これに対して今後は、ネットワークの部分(ボトルネックの部分)は規制を残し、その代わり使用料を払ってサービス供給する会社が多数参入できるようにし、サービスを供給する会社はボトルネック設備(エッセンシャルファシリティ)を自由に使えるようにする、というのが基本的考え。エッセンシャルファシリティがない場合、そのインフラ整備を抑制している規制があればそれを緩和する。

○ エッセンシャルファシリティの使用に関して、新規参入者の持つさまざまな不満に対する紛争処理機関が必要。また、エッセンシャルファシリティを中立的に使えるように担保することが必要だが、そのための規制監視委員会も必要。

○ 司法制度改革については、主に、法曹人口の更なる拡大と弁護士法72条の見直しについて取り組む考え。これまで法曹人口を抑制していたのは質の担保が目的であったが、今日では、質を高めるためには建築、医療等の専門知識を有する人達が法曹界に入るようにすることが必要。また、法科大学院非修了者の司法試験受験資格の確保や、法科大学院の定員について需給調整となるような抑制的対応が取られないようにすることも必要。

○ 都心高度化については、例えば、建築基準法と消防法の規制が重なっているが、これらの現状を直していこうと考えている。また、航空関係の規制についても見直すことを考えている。


(ニ)事後チェックルール整備WG

事後チェックルール整備WGの検討課題についてWG主査から説明があり、その後議論が行われた。概要については以下のとおり。

○ 事後チェックを整備する意義・目的は、第一に、事前規制緩和を促進するための前提条件として不可欠であること。第二に、規制緩和による消費者利益(労働者利益も含む)の向上をより確かなものにすること。

○ 当WGでは、情報公開、第三者評価、苦情・紛争処理の3つを重要な問題として捉え、検討を行う。

○ 第一に、情報公開という形での事後チェックのあり方は、コストに比べて多大な効果を期待しうるもので、各分野を通じて積極的に推進すべき。第二に、第三者評価は消費者・利用者自らが的確な評価・判断を行いがたいものについて、専門家の評価によって選択肢を実質的に提供する機能で、事業者の自己改善のための手段と言える。第三に、苦情・紛争処理は司法に比べて簡易、迅速、廉価な救済手段であり、こうした手段がもっと普及すべきであると考える。

○ これらの問題を整理するときの一つの視点として、事前規制と事後規制の強弱の組み合わせにより4つの類型に分けることが考えられる。現在のわが国の規制をこの4つの類型を使って分類し、当WGでどこに重点的に取り組むべきかの指標を作ることも考えている。

○ その他、既存制度の厳格な適用・積極的な活用、民民規制や地方規制への対処、基準認証あるいは資格制度の横断的見直しが残っている。

(質疑応答)

○ 例えば、大学に認可を与える条件として情報公開を考えた場合、その内容が正しいかをチェックする機関があることが望ましい。保育所についても然り。ここでモデル的なチェック機構が提示されれば非常に広い範囲に適用できるのでは。

→ そこは重要なポイント。今言われたことを担保する一つの方法は、自らの情報公開によるのではなく、外部の評価機関がオン・サイト・レビューを行うという方法。
これにかかるコストをどうするかも問題。また、当事者の公開情報の内容が間違っているか否かを第三者評価機関がチェックする仕組みを作る。事業者の出す情報がどれだけ正しいかを担保するためは、第三者評価を使うことが有効。第三者評価については、ピア・レビューがいかに日本社会に馴染むかが問題。ここは(中間取りまとめに)書き込んでいきたい。


(ホ)規制改革特区WG

規制改革特区WGの検討課題についてWG主査から説明があり、その後議論が行われた。概要については以下のとおり。

○ これまでのWGでは、特区法の考え方と地方自治体ヒアリングについて議論。

○ 特区法の目的については、一定期間後の全国展開を前提に特定地域に限定して実験的に規制改革を実施するもので、日本全体の経済活性化を図るものであり、従来の特定地域の振興を考えるものではない。言うまでもないが、特区で実験的に実施されているという理由で、全国的な規制改革の歩みを止めることがあってはならない。

○ 実現に向けては、民間の提言を最大限に活用して、地方公共団体が自発的に立案することが重要。国はそれを最大限に支援する。国による従来型の財政措置は用いない。

○ 具体的な制度設計の方向については、特区制度が対象とする規制は可能な限り幅広いものとするのが基本理念。しかしながら、白紙委任では法制化が困難なため、一定基準を満たす範囲で予め幅広に列挙し、この中から地方公共団体が選択・申請し、国が認定する通則法形式を基本とする。

○ 特区制度の対象となる規制に不可逆的なものを含めることは困難ではないかという意見があるが、合理性があり、評価機関が全国に展開するか否かについて評価し、仮に具体的障害が生じた場合には決定の取り消しができる仕組みが用意されていれば、こうした規制も含み得る。

○ 地域についての考え方は、遅れた地域の振興を目的とせず、むしろ進んでいるから、合理的根拠があるから(資源の比較優位性等)、その地域を特区として認定する。

○ 特区の範囲は原則として市町村であるが、場合によっては、例えば特定の病院ということもあり得る。

○ 特区の選定基準については、一定の基準を示す必要性から一種のネガティブリストとなる。例えば、外交・防衛等の国の主権を侵さないもの、条約に抵触しないもの、刑法に関するもの、隣接地域に直接的影響が及ぶもの等。特区制度の対象となる規制は固定的ではなく、毎年追加し得る(ローリングプラン)。

○ 民間の提案を地方公共団体が遅れているがゆえに握りつぶすことのないよう、民間の提案の活用に関する情報の徹底的な開示が必要。

○ 特区の推進母体を内閣において設ける。総合規制改革会議は今後も当会議で活動状況を注視し、必要に応じて意見を述べる。

○ 特区制度に関する申請主体は、当面、地方公共団体とするが、将来的には民間企業、個人への拡大の可能性について、引き続き検討したい。

(質疑応答)

○ 特区制度の対象外とすべきものについて、隣接地域に直接的影響が及ぶものを入れると何もできなくなるのではないか。例えば、北海道で農業の株式会社をやれば全国に影響が及ぶことになる。

→ その点は直接的な影響の定義で整理できるのではないか。北海道の例で言えば、北海道農業の生産性向上の影響を受けて他の地域が廃れることはあるが、当WGではこれは間接的影響に整理。直接的影響とは例えば、ある地域で廃棄物規制を緩めた結果、汚染が隣接地区に及ぶ等のケース。しかしながら、今のご指摘は大変重要なものであるので、誤解のないように書き方を考えたい。

○ 同じところで、刑法に関するものを挙げているが、具体的にはどういうものか。

→ 「特区では、例えば死刑廃止等、何でもありになるのか」との懸念から特区に反対することが予想される。地方公共団体からヒアリングをしても、彼らの要望は常識的なものが多い。今ここで刑法関連の規制緩和に手を伸ばして、無用な反論を受ける必要はないと判断した。

○ 賭博とか売春はどうなるのか。

→ そういうものは第一段階ですべて対象外にするということ。公序良俗に反するもので、無用な反発を避けるための措置。


(2)日本経済団体連合会からのヒアリング

まず、出井行政改革推進委員会共同委員長から、「経済活性化に向けた規制改革緊急要望」について説明があった。概要は以下のとおり。

○ 要望72項目は、ビジネスの現場からの具体的要望項目であり、中間取りまとめに際しては是非ご勘案いただきたい。総合規制改革会議は、個別の規制改革のみならず、わが国の経済社会制度を変えていこうという難しい課題に踏み込んでいると認識しれている。5月に景気底入れ宣言があったわけだが、その回復基盤は脆弱であり、いまだ楽観できる状態にはない。経済を持続的成長軌道に乗せるために構造改革が不可欠であることは今や国民の共通認識であるが、そのスピードが加速しないのは、政官財ともに過去の成功体験に囚われ、その延長線上での解決を模索しているためではないかと危惧している。時としては非連続的な発想で一歩を踏み出す勇気を持つことが、産業界のみならず政府にも求められていると考える。経済社会の仕組みを変えるという皆さんの取り組みを、経済団体としても全面的に支援していきたい。

次に、立花常務理事から、経済活性化に向けた規制改革緊急要望のうち、主なものについて説明があり、その後議論が行われた。概要は以下のとおり。

○ 非接触型ICタグなどの無線自動認識(RFID)システムの普及促進について、構内無線局の免許不要の範囲を拡大してほしい。また、伝送方式を周波数ホッピング形式とするものは、構内使用に限定せず、オープンスペースでの利用を認めてほしい。

○ 燃料電池自動車の普及促進に向けた関連法令の見直しについて、水素ガス搭載車、水素ステーションに応じた基準等を早急に整備し、天然ガス自動車等と同等の取り扱いを認めてほしい。また、建築基準法の用途規制を天然ガス・ステーションと同等レベルまで緩和してほしい。

○ 電力貯蔵用NAS電池の設置規制の緩和について、用途地域毎に定められている危険物数量規制の除外等により、公聴会、建築審査会の手続を不要としてほしい。

○ 労働派遣法において、派遣禁止対象業務から「物の製造」業務を除外してほしい。また、1年の派遣期間制限を撤廃してほしい。

○ 有価証券の発行届出書の効力発生期間を15日から7日へ、訂正届出書の効力発生期間を1日から即日にそれぞれ短縮してほしい。

○ 有期労働契約において、最長5年の労働契約を誰とでも締結することが可能となるよう、契約期間制限を緩和してほしい。

○ PFI事業の特性を踏まえた事業者選定手続を、新たな類型として法制化し、PFI事業に限り適用できるようにしてほしい。

○ 官公需法において中小企業者向け契約目標額・目標比率を適正化するとともに、地方公共団体が実施する入札案件につき過度の地域要件を見直してほしい。

○ 公共工事における競争入札参加資格申請手続きのワンストップ・サービス化を実現し、全ての競争入札に有効な統一資格を導入してほしい。

○ 公共工事に関わる一般競争入札については、契約の透明性の観点から準備期間を十分に確保してほしい。

○ 効率的なSCM構築に向けた下請法の運用緩和について、下請法の運用を緩和し、一定条件の下で、個々の書面交付義務を不要としてほしい。

○ リース債権等の小口化については、最低販売単位(現行50百万円)を他の金融商品並みに小口化(5百万円)してほしい。

○ 税務関連書類全般を電子化するとともに承認基準を明確化してほしい。

○ なお、特区についての日本経団連の基本的考え方はすでにWGの場で述べているので、ここでは省略する。

(質疑応答)

○ 解雇ルールの明確化については検討していないのか。

→ 今回のアンケートでは、会員からそうした要望は出てこなかった。

○ 5年の労働契約ができるようになっても本人がノーと言えば解雇はできない。この点は入れておかなければいけないのではないか。

○ 微妙な話となるが、ベンチャービジネスを作る時、株式会社を作れば社員が何人でも健康保険、厚生年金保険への加入が必要となるが、設立間もない会社にとっては大変な負担。例えば社員10人未満は国民年金でよい等の議論はなかったのか。

→ そういう要望はなかった。

○ 今日は、技術進歩にルール作りがついていっていないわが国の問題について話をした。技術進歩とルール作りが並行して進まないと新たな事業を生み出せない。技術の進歩と規制の問題について是非考えていただきたい。

最後に石原大臣から次のような発言があった。

○ 事前に頂戴した日本経団連のペーパーは、受け取った後すぐに事務局に指示し、現在、実現可能性毎の種分け作業を行っている。ご指摘のあった無線型のICタグについては、技術的問題がクリアされているならばすぐにやらなければならない問題かと考える。燃料電池についても国際競争力の観点から先にデファクト・スタンダードを取らなくてはならない話。すぐにできるものとしては、例えば、有価証券の発行届出書の短縮は、15日がいいのか7日がいいのかという問題はあるが、比較的簡単にできそうだがどうか。強制公開買付規制も中間取りまとめに入るのではないかと思う。複数省庁にまたがっている話も相当あるが、関係省庁の局長を集めて議論すれば時間の短縮ができる。自動車の検査登録、車庫証明、自賠責の電子化等についても、時間はかかるものの、前向きにやらなくてはならないとの印象を持った。


(3)その他

事務局から、これまで6月末を目途としていた中間とりまとめの時期を後にずらし、6月第4週に全体会合の場で各省幹部との折衝、7月第一週に素案審議、7月第二週を目途にとりまとめを決定することとしたい旨、説明があった。

以上

(文責 総合規制改革会議事務室


内閣府 総合規制改革会議