平成14年度 第13回総合規制改革会議 議事概要

1. 日時

平成14年12月12日(木)14:00〜14:30

2. 場所

首相官邸大会議室

3. 出席者
(委員)

宮内義彦議長、鈴木良男代理、奥谷禮子、河野栄子、佐々木かをり、高原慶一朗、古河潤之助、森稔、安居祥策、米澤明憲の各委員

(政府)

小泉内閣総理大臣、石原規制改革担当大臣、米田内閣府副大臣、大村内閣府政務官

(事務局)

[内閣府]岡本審議官、竹内審議官、福井審議官、宮川事務室長、田中参事官、千代参事官


議事次第

  1. 案文決定

  2. 総理との意見交換


議事概要

(1)案文決定

(議長)答申案文につき、一任を頂き調整したものをお配りしているが、これを第二次答申として確定してよろしいか。

(各委員)異議なし。

(議長)当会議では、今年度は「経済の活性化」を統一テーマとして積極的に調査審議。本日答申をとりまとめるに至り、この間の委員の皆様の格段のご尽力、ご努力に厚く御礼申し上げる。政府に対し、本答申の内容が迅速かつ的確・確実に実現されるよう切に要請。

<小泉首相に答申を手交>

(小泉首相)委員の皆様に厚く御礼申し上げる。規制改革は、経済を活性化するもので、構造改革を進める上で極めて重要な課題。内閣を挙げて全力で推進。この答申に盛り込まれた各般の施策を尊重しつつ、関連法案の提出などに速やかに取り組み、今年度末までに「規制改革3か年計画」を改定する考え。委員の皆様方には、お力をお貸し頂き、規制改革を経済活性化につなげていきたい。

(石原大臣)自分からも御礼申し上げる。今後なお検討を進めていきたい点は次の2点。医療、福祉、教育、農業等の分野への民間参入については、今回教育分野で検討開始が決まり、特区での福祉、農業への参入容認と合わせ一歩前進と評価しているが、今後とも株式会社参入の一層の推進のために積極的な審議を御願いしたい。また、民間事業の活性化の障害となる細かな規制の一つ一つを丹念に改革していく努力を行い、経済の活性化につなげていくことが必要。

(2)総理との意見交換

○日本全体の教育システムを内と外から見て、大きな問題がたくさんあると認識。
初・中等教育についてはコミュニティ・スクールで一つ風穴を開け、多様化を進められた。高等教育については、大学院で株式会社参入を検討することになったが、まだ日本人の能力をちゃんと発揮させるシステムにはなっていない。これは課題として残っている。

○来年度積極的にやっていくこととしたい。

○この会議を通じて感じたのは、私権が公益・公権力に対して強すぎること。土地収用法はめったに適用されず、再開発事業を行う際にはほとんど完全同意を求められる。入札制度や借地借家法においても過度に私権、プライバシーの保護が図られている。結果として国民に負担を強いていながら、特定の者の私権が保護されなくてはならない場面があり疑問。諸外国では売買金額も登記されているが、我が国では、不動産登記に売買金額表示が認められないなどの問題もある。都市再生ではスピードが大切であるが、法律ができても進まないため、私権の及ぶ範囲に歯止めが必要。公共的な事業の進行を止めないような制度を作るべきである。

○日本の経済がモタモタしているうちに、中国が成長している。中部地方が元気なのは、元気な会社トヨタが増益だからで、規制緩和をして、グローバルに活躍できる元気な会社が100社もあれば、経済は活性化する。

○今年は経済活性化のため、成長可能性の高い燃料電池とアニメに関する規制の改革に努力。その他、ビジネス各分野の要望80項目について手続簡素化、基準の明確化等に取り組んだ。諮問会議との連携については、半年毎に目標設定し、3ヶ月毎に評価することはよい。取組みに消極的な省庁に対する勧告権が必要。ブレーンを活かすのは、総理の強いリーダーシップ。

○勧告権には賛成。保育に関しては、効率性だけでなく、将来を考えて改革を行うべき。現在は保育と幼稚園は連携という表現に留まっているが、一つにすべきと思料。

○保育は去年株式会社化が可能となったが、まだほんの数社。次々規制が立ちはだかっているから。規制改革については、どれくらいの期間でどれくらいを目標にやるかということを数値目標にしてチェックすることが必要。

○各省庁とやったことが法律化されるかが問題で、勧告権を持たせてもらえるかが問題。最終的には政治の問題。首相のパワーを発揮して欲しい。

○規制改革に取り組んで8年だが、今年ほど官僚がマンデートがないと言って議論しようとしないことはなかった。利益集団と政治家に言われ、セルフ・ガバナンスがなくなっている。日本のメルト・ダウンを感じる。これを避けるには、官僚を前向きに引っ張り揚げていくしかなく、そのために勧告権が必要。

(小泉首相)色々御意見もあろうが、改革は着実に進んでいる。全て法律改正が必要であり、半年では一挙に変わらない。野党も、与党同様党内に相反する意見を抱えている。新聞報道も、一歩前進しても不十分というし、進みすぎるとマイナスの立場から批判が出る。株式会社の民間参入についても、規制改革に多くの関係者がついているという例で、それを打ち破ったのが規制改革と特区。特区をやったから、全国に広げますというのも出てきた。 一歩一歩進んでいるので、歯がゆいかもしれないが、政治は様々な意見の方々の多数の賛同を得ないと進まない。あきらめないで、いい意見を出していただきたい。

○総理には絶大な支援を御願いしたい。

以上

(文責 総合規制改革会議事務室


内閣府 総合規制改革会議