平成9年度高齢化問題基礎調査として、60歳以上の企業の退職経験者の意識調査を社団法人エイジング総合研究センターに委託し、実施しました。その調査結果の概要は次のとおりです。

◎ 調査の概要

1 調査の目的

 就業者の8割以上を占める雇用者(平成9年平均労働力調査結果)の退職後における生活実態、生活上の問題点、期待される支援策等を把握することにより、今後の高齢社会対策の推進に資することを目的とする。

2 調査対象者、調査方法、調査事項等

(1)調査対象者
 従業員規模1,000人以上の企業(32社)の退職経験者(OB会名簿)の中から抽出(1割)された60歳以上の者
(2)調査方法
 郵送配布・郵送回収方式
(3)調査事項
 ア 最長勤続会社・現在の就業に関する事項
 イ 退職後の生活の変化に関する事項
 ウ 退職後の生活の準備に関する事項
 エ 今後の就労意向に関する事項
 オ 子供との関係に関する事項
 カ 少子・高齢化社会に関する事項
(4)調査実施期間
 平成10年1月19日〜2月5日
(5)調査対象者数及び有効回収数
 ア 調査対象者数   4,104人
 イ 有効回収数(率) 1,256人(30.6%)

3 有効回答者の性別等

(1)性別(F1)

総 数 男 性 女 性 無回答
総  数(人) 1,256 1,222 12 22
構 成 比(%) 100.0 97.3 1.0 1.8

(2)年齢階級(F2)

総 数 60〜64 65〜69 70〜74 75〜79 80〜84 85〜  無回答 平 均
総数(人) 1,256 67 161 421 316 171 101 19 74.9歳
構成比(%) 100.0 5.3 12.8 33.5 25.2 13.6 8.0 1.5

(3)世帯構成(F3)

 総 数  一人暮らし 夫婦のみの
世帯
二世代以上
の世帯
その他の世
 無回答 
総数(人) 1,256 45 596 562 24 29
構成比(%) 100.0 3.6 47.5 44.7 1.9 2.3
注) 「二世代以上の世帯」とは夫婦と未婚の子のみの世帯、片親と未婚の子のみの世帯、三世代世帯。また、「その他の世帯」とは「一人暮らし」、「夫婦のみの世帯」及び「二世代以上の世帯」以外の世帯。

(4)地域(F4)

総 数 北海道
・東北
関 東 中 部 近 畿 中国・
四国 
九 州 無回答
総数(人) 1,256 28 739 205 166 28 58 32
構成比(%) 100.0 2.2 58.8 16.3 13.2 2.2 4.6 2.5
注) 「中部」は、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県及び三重県の10県。

(5)都市規模(F5)

総 数 大都市 中都市 小都市 町 村 無回答
総数(人) 1,256 528 478 128 93 29
構成比(%) 100.0 42.0 38.1 10.2 7.4 2.3
注) 「大都市」とは東京都区部と政令指定都市、「中都市」とは人口10万人以上の市(大都市を除く)、「小都市」とは人口10万人未満の市をいう。

(6)健康状態(F7)

総数 健康である まあまあ 
健康である
病気がちで
ある   
無回答
総数(人) 1,256 409 639 184 24
構成比(%) 100.0 32.6 50.9 14.6 1.9


◇トピックス◇

 1  人とのつきあい方の変化では、「趣味・スポーツ、学習を通じて知り合った人」、「近所や地域の人」とのつきあいが増えた人が高い割合
 2  家庭内での変化では、「夫婦で話したり、一緒に行動することが多くなった」、「家事をする時間が増えた」が過半数
 3  社会的な活動頻度の変化では、「一人でする趣味・学習・スポーツ」が増えたと答えた人が最も高い割合
 4  団体・組織に参加していない人の「参加していない理由」は、「健康・体力に自信がないから(年をとっているから)」、「グループに拘束されたくないから」、「興味のある活動がないから」が高い割合
 5  現在心配ごとや不安があると答えた人は82.9%。心配ごとや不安の内容では「自分や配偶者の健康のこと」が最も高い割合
 6  希望引退年齢は、「65歳くらいまで」と「70歳くらいまで」の割合が高い
 7  定年退職を迎える人へのアドバイスは、「貯蓄・住宅など、経済的基盤をつくっておく」が最も高い割合
 8  就労意向のある人は約3割で、就労意向のない人は約6割
 9  就労意向がある人は、「健康によいから」、「生きがいが得られるから」が大きな理由
10  高齢期に働く場合の条件は、「フルタイムではなく、体力に合わせた就業時間」が最も高い割合
11  高齢者による起業については、8割以上が賛成
12  子供との同居又はいずれかの時点で同居を希望する人が約7割
13  資産の子供への相続は、老後の世話をしてくれたかどうかに関係なく譲るが約5割
14  サラリーマンを支援するために必要な条件整備は、「定年後の継続雇用、再雇用など、雇用の場を用意する」、「企業年金制度の充実を図る」が6割を超える
15  社会全体としての条件整備は、「高齢者が希望するならば、いつまでも働ける雇用環境をつくる」、「現役世代と将来世代の負担と給付の公平が図られるよう、年金制度、介護保険制度、医療保険制度、税制等、包括的な負担と分担の適正化を図ることが必要だ」が約6割


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