開催挨拶「高齢社会フォーラム・イン広島」内野審議官

内野 淳子
内閣府大臣官房審議官

内野 淳子 内閣府大臣官房審議官の写真

皆さん、おはようございます。本日はお忙しいところをお集まりいただきましてどうもありがとうございます。
ご紹介いただきました内閣府の内野でございます。

 このフォーラムは、少子高齢社会におきまして求められる高齢者の市民の方々の社会参加活動を促進することを目的に、内閣府と高齢社会NGO連携協議会と、そして開催地の自治体との共催で毎年行っているものでございます。今年は広島での開催ということで、松井市長をはじめ、広島市の関係者の皆さまには大変お世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げたいと思います。

 さて、秋めいて朝晩冷え込んでまいりまして、紅葉の話題もいろいろと出ております。広島にまいりまして、もみじ饅頭を見て思い出したというわけではないのですが、紅葉は昼と夜の寒暖の差があればあるほど色があざやかになると聞いております。また、直接日のあたるところは真っ赤に、ほかの葉っぱの陰になって直接日が当たらないところは黄色になるということで、その一枚の葉っぱでもいろいろな色があり、そして同じ木でも一枚一枚違った模様があります。紅葉が心に染みるような年頃に私もなってまいりました。

 見渡しますと、今までの経験やご苦労を、紅葉の色のように変えて、生き生きとした活動、生活を送っていらっしゃる方が大勢いらっしゃいます。内閣府では、自らの責任と能力におきまして自由で生き生きとした生活を送っていらっしゃる方々、社会参加活動を積極的に行っている高齢者の方々をエイジレス章、社会参加章として表章し、その事例を紹介しているところでございます。今年度は全国で59名、そして41団体の表章を行ったところでございます。

 今年度のエイジレス表章につきましては、平均年齢では81歳、最高年齢の方は大阪在住の97歳の方です。80歳以上の方が多くを占めています。本日は中国地域で表章された方々の事例を紹介させていただくとことを予定にしております。

 国として最近いたしましたことを紹介させていただきたいと思います。先月(平成24年9月)、高齢社会対策大綱の見直しをいたしました。この高齢社会対策大綱というのは、国の高齢社会対策の中長期的な指針となるものです。今年から団塊の世代の方々が65歳になります。統計的に見ると65歳以上の方を高齢者として見ておりますが、そういった統計で見ますと毎年100万人ずつ増えていきます。そういった中でまだまだ65歳の方は、エイジレス章の表章されている平均年齢の方と比べてもまだまだ若いということで、これからも活躍していただくことが期待されます。

 そういったことから高齢社会対策大綱では、今まで人生60年時代ということでいろいろな仕組みがつくられていましたが、その人々の意識や社会の仕組みを、人生90年時代にしていきましょうといった考えが打ち出されているところでございます。

 それから、高齢者の方々がその地域で孤立しないように、地域での力、コミュニティーの力、互助といったことも盛り込んでいるところでございます。

 また、超高齢社会になっていく中で、一人でも多くの方に社会を担う支え手になっていただきたいということで、高齢者の方にも若い方にも女性の方にも支え手となっていただくということで「全員参加型社会」といった方向に持っていくということも打ち出しているところでございます。

 これらのことにつきましては、お手元の資料の中に高齢社会対策大綱とその考え方をまとめた報告書が入っていますので、お時間があるときにお目通しいただけたらと思います。

 さて、本日は、午前の部はエイジレス章などの表章、そして事例紹介をさせていただきます。午後の部では高齢社会NGO連携協議会の共同代表である堀田力様のご講演や、広島市健康福祉局長による広島市での取組みについてご紹介をいただき、またパネルディスカッションでは、高齢者の社会参加が世の中を変えていくというテーマで議論をしていただく予定です。それぞれの経験や事例などの紹介もあるかと思いますので、大変有意義なものになると思います。どうぞ午後の部、最後までお付き合いいただけたら大変ありがたいと思います。

 最後になりますが、皆様の積極的な参加で、このフォーラムが有意義なものとなりますよう、そしてまた、皆様方のますますのご健勝と今後のご活躍を祈念申し上げまして私からの挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。