開催挨拶「高齢社会フォーラム・イン東京」内野審議官

内野 淳子
内閣府大臣官房審議官

内野 淳子 内閣府大臣官房審議官の写真

ご紹介いただきました、内閣府の内野でございます。

 本日の「高齢社会フォーラム・イン東京」の開催にあたりまして、ひと言ご挨拶させていただきます。
この「高齢社会フォーラム・イン東京」は、少子高齢社会において求められるシニアの方たちの社会参加を促進することを目的に、内閣府と高齢社会NGO連携協議会との共催で開いています。本日はお暑い中、お忙しい中、ご参加いただきましてありがとうございます。

 さて、今年2012年はどんな年でしょうか。一つは、もうすぐの話題として、ロンドン・オリンピックが7月27日から開かれますが、参加される方で1番年齢が高い方は、お幾つでどこの国の方だと思われますか。皆様、ご存じかもしれません。日本の方で、馬術の法華津(ほけつ)選手です。“ほけつ”というのは名字で、正規の代表選手です。71歳です。北京でも代表として活躍された方です。ちなみに、オリンピックの歴史でいうと2番目に高齢で、1番の高齢は1920年、スウェーデンの方が72歳10カ月で参加しています。ちょっと年上の方がいらっしゃったようです。その方は射撃で銀メダルも取られたので、ぜひ今度は法華津選手に日本のシニアの顔とし頑張っていただきたいと思っているところです。

 それとともに2012年、日本は超高齢社会といわれているわけですが、量的にもだいぶ変化する年です。ご承知のとおり、団塊の世代といわれている方たちが65歳になります。65歳が高齢者かどうかというのも議論があるところですが、統計的に世界的には65歳以上を高齢者人口としてその比率を比べます。団塊の世代の方たちがこれから毎年100万人ずつ、高齢者人口の中に入っていくということで大きく変わってきます。

 これらの方たちは、皆様方も含めてですが、まだまだお元気で活躍していただく社会にしていかなければいけないということで、昨年の10月、総理が会長となり全閣僚がメンバーになる高齢社会対策会議で、いまの時代に合った「高齢社会対策大綱」をつくっていく方針が確認されました。そしてそれに基づいて有識者会議が開かれて、高齢社会対策の基本的在り方等に関する検討会報告書がこの3月に出されました。この有識者のお一人に漫画家の弘兼憲史さんが入っていらっしゃるので、社長・島耕作が引退して75歳になって若い人たちに自分の経験を話している絵をシンボリックに描いていただいたところです。

島耕作 この報告書は、サブタイトルにもある「尊厳ある自立と支え合いを目指して」ということで、高齢者の方たちが一律に支えられる人だと位置づけるのではなく、まだまだお元気で活躍している方、そしてまた活躍したいと思っている方々の誇りと尊厳をもって高齢社会に必要な担い手・支え手となっていただくような形で社会をつくり変えていく、みんなでそういった社会にしていこうという考え方で書かれています。

 ただ、同時に、支えが必要になったときも人間らしく生活できる環境、そして人間らしく生活できる尊厳のある生き方を実現させていくことも書かれています。この報告書を踏まえて、現在、内閣府において「高齢社会対策大綱」の見直し作業を進めているところです。

 そしてまた、後ほど説明もありますが、今年度(平成24年度)の高齢社会白書では「高齢者が活躍できる環境づくり」という一つの節も設けています。高齢者が就労やボランティア、そしてこの前の東日本大震災の復興支援でご活躍されている事例も紹介させていただいています。

 そういった中で、私どもが大切だと考えるのは社会参加ということです。皆様方がこういった形で日頃から取り組んでいらっしゃることは、大変心強く思っているところです。本日のテーマは「高齢者(シニア)の社会参加が世の中を変える」です。このあと、共催者である高連協の堀田力・共同代表からご挨拶があります。また、もう一人の共同代表である樋口恵子先生のご講演があります。そして午後からは分科会です。皆様方がされていらっしゃることも活発に意見交換していただいて、思っていらっしゃることもお話ししていただいて、このフォーラムが有意義なものになることを期待しているところです。

 本日のフォーラムが有意義なものとなりますよう、そしてまた皆様方がここで得られたもの、ここで皆さんで話した活力を地域に持ち帰ってこれからますますご活躍・発展されることを祈念申し上げまして、簡単ではございますが、私からのご挨拶とさせていただきます。

 本日はどうぞよろしくお願いいたします。