本田 良子さん 80 歳
絵手紙を通してできた仲間は財産、サークル「じゃがいもの会」。

子供の頃より絵を描くのが好きで、趣味として

絵手紙サークルでの指導

 本田良子さんは、子供の頃より絵を描くのが好きで、日本画、水墨画、版画を趣味として続けてきました。子育てが一段落したことで、本格的に創作活動を再開し、日本画で県展、市展に出展したところ、入賞を果たしました。
 平成4年、ご主人が仕事で約1年間東京へ単身赴任となった際に、日本画の心得のあった本田さんは、「庭にこんな花が咲きました」と、最初はハガキに絵を描くだけで出しました。そのハガキに、ご主人が絵に言葉を添えた返事をくれたことがきっかけとなり、言葉があるのも良いものだと、短い文章を入れた絵手紙を本格的に始めました。

「自分もやってみたい」と人が集まり、絵手紙指導

展覧会にて

 平成6年、富山中央病院にて医療ボランティアをしていた時に、ボランティア仲間に絵手紙を送ったところ、「これまでの絵手紙作品を見せて欲しい」と言われました。そして、本田さんの作品を見て、「自分もやってみたい」という人が集まり、自宅にて絵手紙の指導をするようになりました。
 平成9年、自宅では手狭となったことから、近所の公民館で自身が講師・代表者となり、絵手紙サークルを立ち上げました。最初の絵のモチーフとしたのが「じゃがいも」だったことから「じゃがいもの会」と名付け、本格的に絵手紙教室をスタートしました。

絵手紙サークルのひろがり、精神障害児も対象に

 現在は3教室を毎月指導し、町内の引きこもり高齢者を教室に誘うなど、支え合い活動にも参加されています。
 上滝公民館の絵手紙サークルは、現在2サークルとなり高齢者を中心に、それぞれ13名と14名が参加。また、町内サークル「にじの会」は現在7名が参加し、それぞれ月に1回活動し、指導を続けています。
 上滝公民館絵手紙サークルの仲間と毎年2回、小学校2年生・3年生を対象に、それぞれの学年で出前教室を行い、世代間交流にも貢献しています。
 また、病院ボランティアの経験を生かし、富山県心の健康センターを、毎月1回定例訪問し、7名の精神障害児に心のケアを目的に、話し相手となりながら絵手紙を指導しています。
 「絵手紙を通してできた多くの仲間は私の財産。これからも楽しんで続けていきたいですね」と語る本田さん。最近ではハガキだけでなく、不用になった木に作品を描いてみたり、その表現世界も広がり続けています。