村山 淑子さん 82 歳
読み聞かせ活動、着物着付け教室講師としての活動が生きがい。

言葉の世界を広げたい、小学校での読み聞かせ活動

小学校での読み聞かせ

 村山淑子さんは昭和26年から昭和36年までOSK日本歌劇団(旧松竹歌劇団)に在籍していました。
 そのことを聞きつけた孫の小学校の先生から、本の楽しさを伝えて欲しいと依頼があり、孫が学校に在学していることもあって依頼を引き受けました。平成10年から春江小学校で毎週1回、朝10分から15分読み聞かせを行うようになり、長年、児童に本の楽しさを伝えてきました。
 また、以前から初めて読み聞かせをする人の様々な相談を受けていたことから、平成26年度より、同校で読み聞かせをする人を養成する講習を、週1回公民館で無償で開催し、後継者の育成や活動の普及に努めています。

50歳、着付けの歴史や技術について学びたい

おしゃれ塾塾生と

 また、歌劇団時代の知識と経験を生かして、近所の葬式や結婚式のときなどに着物の着付けを手伝っていましたが、50歳になり、あらためて着付けの歴史や技術について学びたいと考えるようになりました。
 そこで正式に着付けの講師資格を取得しました。
 資格取得後は、着物着付け教室の講師として、一般の生徒に対して1人当たり1か月に4回教えるとともに、不定期で美容師に対しても着付け指導をしています。

越前時代行列の手伝い、着物文化の伝承に努める

 現在の和服離れの状況への危機感を感じた村山さんは、着付けの知識を生かして、教室の講師や生徒と共に平成24年から、越前時代行列の時代衣装の着付けや後片付けをボランティアで手伝っています。
 また、平成25年からは祭の時期になる前に若い講師と共に、ゆりの里公園に浴衣等を持ち込み、500円で浴衣の着付けを教えており、参加者から好評を得ています。
 「私の活動で喜んでくれる人がいる、それだけで充分です」と語る村山さんは、今後も、後継者育成や着物文化の伝承、世代間の交流に尽力して、自らの知識や技術を精力的に社会に還元していきたいと考えています。