中 福壽さん 104 歳
80年以上描き続け、現役最年長の挿絵画家として活動。

戦後間もない頃から挿絵画家として本格的に活動

仕事場での中さん

 中福壽さんは、小学生のときに右目を失明するも、「墨のなかにすべての色彩がある」という持論から、「墨だけで色感は出せる。色彩は読者に感じてもらえばいい」と考え、色をほとんど使わない挿絵を手掛けるようになりました。
 十代の頃、小田富弥(押絵画家)の内弟子として挿絵を志すようになり、昭和4年、18歳のころに上京し、新聞連載小説の挿絵を描くなど、挿絵画家として活動を始めました。
 ペンネーム「中一弥(なかかずや)」として昭和4年から新聞や雑誌の挿絵画家としてデビュー。戦後、昭和23年より活動を再開。以後、多くの挿絵を世に送り出し、多くの賞を受賞しました。

受賞の一方、地域の活動にも貢献

三男の逢坂剛氏作品表紙と原画仕事場での中さん

 戦後間もないころから挿絵画家として本格的に活動をしており、新聞の連載や雑誌、歴史小説などに多くの挿絵を提供しています。代表作には、海音寺潮五郎著「武将列伝」や村上元三著「天の火柱」、池波正太郎著「鬼平犯科帳」や「仕掛人・藤枝梅安」「剣客商売」など有名作品が数多くあります。
 昭和46年に長谷川伸賞、平成5年に菊池寛賞、平成26年には吉川英治文化賞を受賞し、また、平成8年には勲四等瑞宝章を受章するなどの功績があります。
 平成12年に長男と同居するため、津市へ引っ越していますが、地域の敬老会の記念品として配布するハガキに、自作の挿絵を提供するなど、地域の文化活動にも貢献しています。
 現在、104歳でありながら、80年以上に渡り挿絵を描き続けており、現役最年長の挿絵画家です。

「やりたいこと、まだまだ」さらなる創作意欲

 現在も、自身の三男である作家、逢坂剛氏が執筆する時代小説の挿絵を担当するなど、現役最年長の挿絵画家として、元気に仕事を続けています。
 「約86年挿絵を描き続けてきましたが、今でも自分の絵に満足することはありません。息子夫婦に支えられている日々に感謝しながら、今後も生ある限り挿絵を描き続けていきたい」と中さんは元気に語ってくれました。