神野 忠雄さん 100 歳
教員時代の知識と経験を生かし、地域の家庭教育向上に貢献。

学校教育の向上の為には家庭教育の充実が肝要

神野さんの講義

 神野忠雄さんは、学校教育の向上を図る為には家庭教育の充実と親との協力が肝要と考え、元京都大学学長の平澤興先生が当時全国的に旗を振って推進していた家庭教育の確立の動きが高まったこともきっかけとなり、昭和57年6月に退職校長や社会教育指導員を中心に「家庭教育を考える会」を結成しました。
 親とともに問題解決にあたり、親が子に直接関わりを持つようにし、自宅で自ら学習することや、子供に学習を通して喜びを持たせることの重要性等を講演されました。また、会の設立当時は、中学校卒業後には生徒がすぐ社会に出る時代であったため、自らの人生をいかに生きるか考える契機を持たせ、そのために勉強することの重要性を説きました。

賛同する有志と共に「家庭教育を考える会」を結成

市民講座

 会員は、社会教育指導員や一部の男性退職校長などでしたが、女性教諭等も入会するようになり、現在も活動は続いています。郡山の家庭教育上の課題を明らかにして、その解決の方策を研究し、保護者に家庭教育学習会・就学前子育て講座で講義をして好評を得ています。
 神野さんが家庭教育に情熱を永年注ぎ、組織をあげて家庭教育の向上に貢献した成果は極めて甚大で、会の活動は市教委に認められ、社会教育優良団体として表彰されました。
 昭和56年には、現役幼稚園・小中学校教諭とともに、地域住民を対象とした「すくすく子供を育てる会」を結成しました。神野さんの自宅の近隣住民を対象に、子育て相談や各種行事を開催し、地域の家庭教育の向上にも貢献しています。

活動の広がりと、「生涯青春」をモットーに自ら実践

 現在は市内や近隣市町村の小中学校での講演活動、あさかの学園大学(郡山市の高齢者大学)での講義、あさかの学園大学卒業生グループの勉強会での講義と精力的に活動されています。
 今後も4年に1度くらいのペースで、自分の考えを本にまとめたいと思っているそうです。また、高齢のため、講演活動の依頼を調整するなどして、無理のない範囲で活動したいとのことです。
 「生涯青春」をモットーに、自ら実践して講義や著書で述べる内容は、価値観が多様化している現在、中高年齢等多くの方々の指針となっており、地域の文化や教育の振興に大きく貢献しています。