第1章 高齢社会対策の方向

6 まとめ −活動的な高齢者の現在と将来

(現状)
 活動的な高齢者の家族形態は多様であるが、子供は別居し、夫婦で暮らしている高齢者が多い。しかし、将来的には子供と同居を希望して、そのために住居の建替え等を考えている者もいる。また、家族や親族の中では話し相手などのほか、孫の世話や老親の介護など上下の世代への支援の役割を担っている者もいる。
 経済的には比較的恵まれている者が多く、資産を子孫に残すより自分のために活用したいと思っている者も少なくない。
 健康状況も良く、働いている者も多く、健康のためにも、70歳代まで、あるいは元気ならいつまでも働く方がよいと思っている者が多い。働いている者も多いが、年齢などが合わなくて希望しても働けない者もいる。
 ボランティア活動などへの参加意欲も高く、実際に参加している者も多いが、家庭の事情などのほか、同好の友人がいない、気軽に参加できる活動が少ないなどの理由で参加していない者もいる。

(将来像)
 高齢者も、年齢によって就労が制限されることなく、希望すればいつまでも様々な形で働き続けることができる。負担能力のある高齢者は負担することによって、社会保障制度等がより世代間で公平な持続可能なものとなっている。
 また、若いうちから仕事以外にも地域などに友人を持ち、その友人や地域の人たちの誘いで退職後はNPO活動などにも参加し、若い世代とも交流しながら、仕事や子育てに忙しい世代に代わって地域社会を支える中心的役割を果たしている人も多い。
 家族形態は多様であるが、ほとんどの人がそれぞれの形で家族と交流し、家族の中で役割を担っている。家族や友人などと運動や栄養などの健康的な生活習慣を楽しむために専門家の支援も受けられ、また、より高齢になったときのためにも安心してゆとりある生活ができるよう、貯蓄や住宅などの資産を活用することもできる。

 

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