第3章 高齢社会対策の実施の状況

(3)介護サービスの充実

ア 必要な介護サービスの確保
 地方公共団体における介護保険事業計画等の状況を踏まえ、「今後5か年間の高齢者保健福祉施策の方向(ゴールドプラン21)」(計画期間:平成12〜16年度)に基づき、要介護高齢者の需要に応じた良質な介護サービス基盤の計画的な整備を進めている(表3−2−4、図3−2−5)。

表3−2−4 ゴールドプラン21の概要  <CSVデータ>

1 プランの基本方向(基本的な目標)
(1)活力ある高齢者像の構築
(2)高齢者の尊厳の確保と自立支援
(3)支え合う地域社会の形成
(4)利用者から信頼される介護サービスの確立
(プランの期間)
平成12年度から平成16年度までの5か年

2 今後取り組むべき具体的施策
(1)介護サービス基盤の整備〜「いつでもどこでも介護サービス」〜
(2)痴呆性高齢者支援対策の推進〜「高齢者が尊厳を保ちながら暮らせる社会づくり」〜
(3)元気高齢者づくり対策の推進〜「ヤング・オールド(若々しい高齢者)作戦」の推進〜
(4)地域生活支援体制の整備〜「支え合うあたたかな地域づくり」〜
(5)利用者保護と信頼できる介護サービスの育成〜「安心して選べるサービスづくり」〜
(6)高齢者の保健福祉を支える社会的基礎の確立〜「保健福祉を支える基礎づくり」〜

3 平成16年度における介護サービス提供量
  〈新ゴールドプラン目標値〉 〈提供見込量〉
(訪問系サービス) [平成11年度] [平成16年度]
・訪問介護(ホームヘルプサービス) 225百万時間
  17万人 (35万人)*
・訪問看護   44百万時間
(訪問看護ステーション) 5,000か所 (9,900か所)*
(通所系サービス)    
・通所介護(デイサービス)/ 105百万回
通所リハビリテーション(デイケア) 1.7万か所 (2.6万か所)
(短期入所(ショートステイ)系サービス)    
・短期入所生活介護/ 4,785千週
短期入所療養介護 6万人分(ショートステイ専用床) (9.6万人分(短期入所生活介護専用床))
(施設系サービス)    
・介護老人福祉施設 29万人 36万人
(特別養護老人ホーム)    
介護老人保健施設 28万人分 29.7万人分
(生活支援系サービス)    
・痴呆対応型共同生活介護 3,200か所
(グループホーム)    
・介護利用型軽費老人ホーム 10万人分 10.5万人分
(ケアハウス)    
・高齢者生活福祉センター 400か所 1,800か所
(生活支援ハウス)    

資料:厚生労働省
(注1)平成16年度()*の数値については、一定の前提条件の下で試算した参考値である。
(注2)介護療養型医療施設については、療養病床等の中から申請を受けて、都道府県知事が指定を行うこととなる。


図3−2−5 市町村老人保健福祉計画と市町村介護保険事業計画の関係(両計画を一体的に作成する場合

市町村老人保健福祉計画と市町村介護保険事業計画の関係を示した図

 このため、訪問介護員(ホームヘルパー)や介護福祉士等の人材育成を図っている。
 また、高齢者介護マンパワーの養成・確保については、看護婦等の人材確保の促進に関する法律(平成4年法律第86号)及び社会福祉法(昭和26年法律第45号)に基づき、それぞれ基本指針を策定しており、これに沿って、ナースセンター及び福祉人材センターの設置等を進めるとともに、看護職員及び福祉関係職員の養成、資質の向上、処遇の改善、就業の促進等を行っている(表3−2−6、図3−2−7、図3−2−8)。

表3−2−6 保健・医療・福祉マンパワーの現状  <CSVデータ>

○資格職種
職種 人数 備考
医師 25万5,792人 平成12年12月31日現在の届出者数
歯科医師 9万857人
薬剤師 21万7,477人
看護職員 116万5,319人 平成12年12月31日現在の従事者数
歯科衛生士 6万7,376人 平成12年12月31日現在の従事者数
PT(理学療法士) 2万6,944人 平成12年12月31日現在の免許取得者数
OP(作業療法士) 1万4,880人  
社会福祉士 3万77人 平成13年12月31日現在の登録者数
介護福祉士 25万6,432人
(注)医師、歯科医師、薬剤師については、厚生労働省大臣官房統計情報部「医師・歯科医師・薬剤師調査」(平成12年)
看護職員については、厚生労働省大臣官房統計情報部「医療施設静態調査」、「衛生行政報告例」等に基づき推計(厚生労働省医政局)
歯科衛生士については、厚生労働省大臣官房統計情報部「衛生行政報告例」(平成12年)
PT、OT、社会福祉士、介護福祉士については、厚生労働省調べ

○資格職種でないもの
職種 人数 備考
介護支援専門員(ケアマネジャー) 25万5,764人 平成14年3月31日現在の介護支援専門員実務研修受講試験合格者数
訪問介護員(ホームヘルパー) 14万9,382人 平成12年10月1日現在の従事者数
寮母・介護職員 25万6,749人 平成12年10月1日現在の従事者数
(注)介護支援専門員(ケアマネジャー)については、厚生労働省調べ
訪問介護員(ホームヘルパー)については、厚生労働省大臣官房統計情報部「介護サービス施設・事業所調査」(平成12年)
寮母・介護職員については、厚生労働省大臣官房統計情報部「社会福祉施設等調査」(平成12年)、同「介護サービス施設・事業所調査」(平成12年)に基づき算定

資料:厚生労働省


図3−2−7 ナースセンターの概要

ナースセンターの概要を示した図


図3−2−8 福祉人材センター事業の仕組み

福祉人材センター事業の仕組みを示した図

 さらに、介護サービスの利用を支援する介護支援専門員(ケアマネジャー)の養成や、離島等における訪問介護員の養成研修を行うとともに、市町村の誘致活動や情報提供により離島等の地域への民間事業者等の参入促進を図るための取組を行っている。
 また、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護関連施設の整備を進めているとともに、ケアハウスについて、設置主体を民間企業等に拡大し、PFI(民間資金等活用事業:Private Finance Initiative)制度を活用した公設民営型による整備を促進している。
 福祉用具・住宅改修については、介護支援専門員等に対して福祉用具・住宅改修に関する知識の付与を目的とした研修を行うとともに、介護実習・普及センターや在宅介護支援センター等を活用し、福祉用具・住宅改修に関する相談援助・情報提供等を行うことにより、適切な普及の促進を図っている。
 あわせて、介護分野における良好な雇用機会の創出等を支援するため、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成4年法律第63号)に基づき、公共職業安定所や民間事業者の労働力需給調整機能の強化を図るとともに、介護分野で新たなサービスの提供等を行う事業主による雇入れ等雇用管理の改善に対する支援、能力の開発・向上のための施策や、介護技術の修得に必要な講習等の実施への援助を実施している。

 

テキスト形式のファイルはこちら

目次 前の項目に戻る     次の項目に進む