平成14年度において講じようとする高齢社会対策

5 調査研究等の推進

(1)各種の調査研究等の推進

ア 高齢者に特有の疾病及び健康増進に関する調査研究等
 ライフサイエンス分野の「分野別推進戦略」(平成13年9月総合科学技術会議決定)に基づき、活力ある長寿社会の実現に向けた調査研究を推進する。
 メディカル・フロンティア戦略や長寿科学総合研究事業において研究を推進し、特に、悪性新生物(がん)及び心筋梗塞、要介護状態の大きな原因となる脳卒中、痴呆及び骨折について、ゲノム科学やタンパク質科学などを用いた治療技術・新薬の研究や自己修復能力を用いた再生医療の実現のための研究など先端科学技術を重点的に振興するほか、これらの基礎研究の成果を臨床に応用していくための研究、これらにより効果的な保健医療技術を確立するための研究等を推進する。また、老化分野、老年病分野のほかに社会科学分野、支援機器等の調査研究を進める。
 がんについては、本態解明の研究の充実に加え、がん克服を主眼とした臨床や予防研究を重点的に行う。さらに、がん研究の中長期的な方策についての検討を行う。
 生活習慣病や慢性疾患については、画期的・独創的な新薬の開発に向けて、創薬等ヒューマンサイエンス総合研究事業等を行う。また、生活習慣病の克服に資する、関連遺伝子の探索や機能解明研究を拡充する。
 アルツハイマー病などの神経変性疾患について、関連遺伝子の探索や機能解明研究、失われた脳機能の回復を目指した研究を拡充する。
 また、平成14年度からは、我が国の研究開発能力を結集して5年間で3,000種以上のタンパク質の基本構造・機能の解析を行い、ゲノム情報を活用した効率的な創薬の実現を目指すプロジェクトや、テーラーメイド医療(個人に合った副作用のない医療)を実現するための基盤整備を行うほか、大学等の研究機関における基礎的な研究成果を適切に社会に還元するための橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)等を推進する。
 さらに、高齢社会に対応し健康増進に寄与する食品の開発を促進するため、新たに、バイオマーカー(酵素や細胞等を使用した簡易な指標)や遺伝子情報等を活用した低コストで効率的な食品機能性の評価技術及び新規健康志向食品の製造技術の開発支援を行う。

 

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