(3)各国の高齢化への取組(世界会議における各国政府演説から)  マドリッドの世界会議では、各国政府代表から代表演説が行われ、国際行動計画への提言が行われると共に、各国における高齢化への取組姿勢やその現状、課題などが紹介された。以下、主な国々の政府演説で紹介された高齢化への取組について、その概要を示す。 ア イギリス  貧困問題への取組として、国内のすべての年金生活者が引退後も適切な収入を安定的に確保し、国の繁栄による成果を公平に受けられるようにしたい。同時に、年金準備金を長期にわたって安定的に維持できるようにすることが重要である。  家庭や社会において活動的で尊重される高齢者であるためには、充実感のある健康的な生活が必要である。また高齢期は多様な機会に恵まれた時期にしなければならない。政府は国民に対し、高齢期には、1)退職時期を遅らせる、2)新しい仕事を始めるか、趣味を追求する、3)生涯学習を始める、4)地域社会の活動に参加する、といった選択肢を提供することを目標にしている。  保健と介護に関しては、イギリスの手法は高齢者本位の介護、また高齢者が自立を維持・回復し、その生活環境を実際に選択できるようにするためのサービスの提供に重点を置いており、特に高齢者の保健・介護ニーズの充足に取り組むための「全国サービスフレームワーク」を策定したところである。