第1章 高齢化の状況 

3 高齢者と健康・福祉

(1)高齢者の健康

ア 健康状態

 高齢者の健康状態についてみると、平成13(2001)年における65歳以上の高齢者(入院者を除く。)の有訴者率(人口1,000人当たりの病気やけが等で自覚症状のある者の数)は502.7と半数以上の者が自覚症状を訴えている。
 一方、日常生活に影響のある65歳以上の高齢者(健康上の問題で、日常生活の動作・外出・仕事・家事・学業・運動・スポーツ等に影響のある者。入院者を除く。)の割合は、平成13(2001)年において、高齢者人口1,000人当たりで235.0と、有訴者の割合と比べると半分以下となっている。これを年齢別、男女別にみると、年齢層が高いほど大きく上昇し、またいずれの年齢層においても女性が男性を上回っている(図1−2−28)。

図1−2−28 65歳以上の高齢者の有訴者率及び日常生活に影響のある者の率

図1−2−28 65歳以上の高齢者の有訴者率及び日常生活に影響のある者の率

 この日常生活への影響を内容別にみると、外出(時間や作業量などが制限される)が104.1、日常生活動作(起床、衣服着脱、食事、入浴など)が102.4と高くなっており、次いで仕事・家事・学業(時間や作業量などが制限される)が92.7、運動・スポーツ等が62.3となっている。男女別では、男性は日常生活動作、女性は外出が最も高くなっている(図1−2−29)。

図1−2−29 日常生活に影響のある者の率

図1−2−29 日常生活に影響のある者の率

 高齢者の健康についての意識をみると、「よい」、「まあよい」、「ふつう」と思っている者の割合(入院者を除く。)は、男女とも、65〜74歳では3分の2以上、85歳以上でも2分の1以上を占めている(図1−2−30)。

図1−2−30 健康についての意識

図1−2−30 健康についての意識

 これを先にみた高齢者の有訴者率と比較すると、高齢者は、何らかの自覚症状があっても、必ずしも健康状態を悪いと意識しているわけではないことがうかがえる。

 

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