第1章 高齢化の状況(第3節 3)

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第3節 人口減少社会における高齢者の能力発揮

3 地域における高齢者の活動―高齢者による子育て支援―

高齢者の社会参画については、就労やNPOを通じたボランティア活動以外にも、シルバー人材センターや老人クラブなどによる様々な活動がある。

そして、これら団体による活動も含めて、近時、地域で広がりをみせているのが、高齢者による子育て支援の分野である。例えば、地域社会に根ざした臨時的・短期的又は軽易な就業機会を提供するシルバー人材センターにおいても、会員による乳幼児の世話や保育施設への送迎などの育児支援等を行う子育て支援事業を拡大しつつある。また、通学時の子どもの安全の確保に対する社会的関心が高まる中で、老人クラブ、シルバー人材センターによる地域における子どもの安全確保のための活動も活発化している。

コラム3を参照。】

我が国は、いよいよ人口減少社会を迎え、また、「団塊の世代」も平成19(2007)年から60歳代に到達し始め、やがて高齢期を迎えることとなる。一方で、多くの高齢者が、働くことや社会参加活動を通じて、自らの能力や経験を発揮し続けたいとの意欲や希望を有している。

このような中で、今後、我が国の活力を維持・増進していく上で、高齢者自身が、高齢社会の担い手の一員として、能力や経験をいかしつつ、一層活躍できるような社会を実現していくことが不可欠である。

そのためには、雇用の分野にあっては、高齢者を始めとする各労働者が、年齢にかかわりなく自らの希望等に応じて様々な形態での就労を通じて一層能力を発揮できるようにすること、そして、それにふさわしい公正な処遇を受けることができるようにすることが課題となる。

また、高齢者が、ボランティア活動等を通じ、社会の活力の一層の維持・増進に参画し、他の世代との相互理解、連帯を深めていくことができるようにすることも重要であり、そのためには、良好な活動機会の拡大や情報提供の強化など、高齢者の参加意欲を具体化するための取組を強化していく必要がある。

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