第2章 高齢社会対策の実施の状況 

(1)「世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関する意識調査」

ア 目的
 第1章でみたように、65歳以上の一人暮らし高齢者の増加は男女ともに顕著である。単独世帯数は2020年には夫婦のみ世帯数と逆転し、34.4%に達する見込みであり、高齢期を一人で暮らす姿はより一般的なものとなる。こうした変化を踏まえ、一人暮らし高齢者の生活実態に関する意識等を明らかにするため、「一人暮らし高齢者」について「全高齢者世帯」との比較の下に意識調査を行った。

イ 調査概要
 本調査は、全国の65歳以上の男女を調査対象として、一人暮らし高齢者世帯等の類型に沿って、平成18年1月に実施した。

ウ 調査結果
(ア)一人暮らしとなった時の年齢
 一人暮らしとなった時の年齢についてみると、女性で「65〜69歳」が20.2%と最も割合が高く、これに「60〜64歳」(16.9%)、「70〜74歳」(15.3%)が続いている。一方、男性は「60〜64歳」、「65〜69歳」、「70〜74歳」の上位3つが16.4%となっている。男女ともに60〜74歳に約半数が集中している一方で、約3分の1が60歳前に一人暮らしとなっている(図2−2−1)。
 なお、調査対象となった一人暮らし世帯のうち、約8割は子どもがいる。

図2−2−1 一人暮らしとなった時の年齢
図2-2-1 一人暮らしとなった時の年齢

(イ)生活の満足度、日常生活での心配ごと
 一人暮らし高齢者世帯、全高齢者世帯ともに生活の満足度はおおむね高い。「満足」と「まあ満足」の回答の計でみると、一人暮らし高齢者世帯73.9%に対し、全高齢者世帯80.7%となっており、全高齢者世帯に比べ、一人暮らし高齢者世帯の満足度が低くなっているが、両者の差は比較的小さい(図2−2−2)。

図2−2−2 生活の満足度
図2-2-2 生活の満足度

 また、日常生活での心配ごとについては、「心配がある」と「多少心配がある」の計で、一人暮らし高齢者世帯は63.0%、全高齢者世帯は58.3%となっている。なお、全高齢者世帯では、後期高齢者で減少するのに対し、一人暮らし高齢者世帯では、後期高齢者でわずかながら増加する(図2−2−3)。

図2−2−3 日常生活での心配ごと
図2-2-3 日常生活での心配ごと

 心配ごとの内容をみると、「自分の病気・介護」が一人暮らし高齢者世帯で34.9%、全高齢者世帯で36.4%と最も高くなっており、次いで、一人暮らし高齢者世帯では「頼れる人がいない」(30.7%)が、全高齢者世帯では「子どもや孫のこと」(22.6%)がそれぞれ高くなっている(図2−2−4)。

図2−2−4 心配ごとの内容
図2-2-4 心配ごとの内容

(ウ)経済的な暮らし向き
 経済的な暮らし向きについて、「心配である」とする者(「家計が苦しく、非常に心配である」と「家計にゆとりがなく、心配である」の計)は一人暮らし高齢者世帯(25.8%)が全高齢者世帯(19.5%)より高い。
 一人暮らし高齢者世帯について男女別にみると、男性が32.3%と際だって高いのに対し、女性は23.9%となっている(図2−2−5)。

図2−2−5 経済的な暮らし向き
図2-2-5 経済的な暮らし向き

(エ)毎月の収入
 一人暮らし高齢者世帯の毎月の収入についてみると、全体の5割超が15万円未満であり、20万円未満までで7割超となっている。一方、全高齢者世帯では、全体の5割超は25万円未満、全体の7割超は35万円未満となっており、一人暮らし高齢者世帯との間では10万円以上の差がある(図2−2−6)。

図2−2−6 毎月の収入
図2-2-6 毎月の収入

(オ)親族との接触頻度、緊急時の連絡先
 親族との接触頻度についてみると、「ほとんど毎日」と「週に1回以上」の接触頻度である者がともに6割近くを占めるなど、一人暮らし高齢者世帯と全高齢者世帯との間で大きな違いはみられない(図2−2−7)。

図2−2−7 親族との接触頻度
図2-2-7 親族との接触頻度

 また、一人暮らし高齢者世帯の緊急時の連絡先についてみると、「娘」(42.3%)と「息子」(40.8%)がほぼ同程度で、これに「兄弟姉妹」(26.3%)が続いている(図2−2−8)。

図2−2−8 緊急時の連絡先
図2-2-8 緊急時の連絡先

(カ)グループ活動への参加状況
 一人暮らし高齢者世帯と全高齢者世帯のグループ活動への参加状況を比較してみると、両者の間に大きな差はみられない。男女・世帯類型別にみると、最も参加割合が高いのは全高齢者世帯の男性で、次いで一人暮らし高齢者世帯の女性、全高齢者世帯の女性と続き、最も参加割合が低いのは、一人暮らし高齢者世帯の男性である。
 参加しているグループについての調査結果をみると、各男女・世帯類型を通じて、おおむね3人に1人が「町内会・自治会」に参加している。また、「老人クラブ」は男性よりも女性の方が参加割合が高く、特に一人暮らしの女性の参加が30.3%と最も高い。一方、「職場のOB・OG会」は、全高齢者世帯の男性が最も高くなっている(17.9%)(表2−2−9)。

表2−2−9 グループ活動への参加状況
(%)
 
全高齢者世帯
一人暮らし高齢者世帯
男女計
男性
女性
男女計
男性
女性
所属していない 38.0 33.7 41.9 39.5 47.6 37.0
何らかのグループ活動に参加している      
  老人クラブ 22.6 20.5 24.6 27.5 18.5 30.3
町内会・自治会 32.7 35.3 30.4 36.0 35.4 36.2
NPO・ボランティア団体 3.9 4.7 3.3 3.7 1.1 4.5
シルバー人材センター 2.5 4.1 1.0 2.1 2.6 2.0
生活協同組合 2.7 2.3 3.1 2.9 0.5 3.6
政治団体 1.0 2.1 0.0 0.1 0.5 0.0
宗教団体 5.8 5.5 6.1 4.7 1.6 5.6
同窓会 9.5 13.1 6.4 6.3 5.8 6.5
職場のOB・OG会 9.6 17.9 2.2 5.7 7.9 5.0
特定の活動を目的とした有志の集まり 9.1 11.5 6.9 6.1 3.7 6.8
その他 4.7 4.7 4.7 5.1 4.2 5.3
わからない 0.2 0.2 0.2 0.9 1.1 0.8
資料:内閣府「世帯類型に応じた高齢者の生活実態等に関する意識調査」(平成18年)
(注)調査対象は、全国65歳以上の男女


 第2節 高齢社会対策の動き

目次 前の項目に戻る     次の項目に進む