平成22年度 高齢社会対策(第2 2(3))

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第2 分野別の高齢社会対策

2 健康・福祉

(3)介護サービスの充実

ア 必要な介護サービスの確保

身近な日常生活圏域で介護予防から介護サービスの利用に至るまでの必要なサービス基盤を整備するため、「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金」及び「介護基盤緊急整備等臨時特例基金」により、将来必要となる介護施設や地域介護拠点を緊急に整備するとともに、市町村が地域の実情に合わせて裁量や自主性・創意工夫をいかせるような介護・福祉サービスの基盤整備を支援していく。
また、福祉・介護人材の確保については、平成21年度に措置した取組を着実に実施するとともに、介護関係業務未経験者を雇い入れた場合の助成など雇用管理改善に取り組む事業主への支援に取り組む。さらに、人材の参入促進を図る観点から、介護に関する専門的な技能を身につけられるようにするための離職者訓練の充実を図るとともに、全国の主要なハローワークに設置する「福祉人材コーナー」において、きめ細かな職業相談・職業紹介、求人者への助言・指導等、また、他産業からの離職を余儀なくされた非正規労働者等が多数利用するハローワークにおいて、介護に関する情報提供及び「福祉人材コーナー」への誘導等の支援を実施していく。

イ 介護サービスの質の向上

介護保険制度の運営の要である介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質の向上を図るため、引き続き、実務研修及び現任者に対する研修を体系的に実施する。また、地域包括支援センターにおいて、介護支援専門員に対する指導助言や関係機関との連絡調整等を行い、地域のケアマネジメント機能の向上を図っていく。
ユニットケアを行う施設において、その整備の促進及び施設の特徴をいかした適切なサービスの提供を確保するため、平成21年度に引き続き、施設管理者研修及びユニットリーダー(18年度より配置することが義務づけられた)を対象とした研修を実施する。
また、特別養護老人ホーム等の現場の意識改革や、ケアの向上などを目指して「身体拘束の廃止」の取組を推進している。
さらに、利用者のサービス選択に資するため、平成18年4月から施行した「介護サービス情報の公表」制度については、より広く利用されることが重要であることから、インターネットを使った公表システムの利便性の向上を図るとともに、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所での利活用を促進し、さらに、インターネットに馴染みのない利用者への情報提供等の取組を行っていく。あわせて、介護保険事業の見直しや新たな行政課題に対応するため、特に専門的な知見や一定の質の確保が必要な事業における都道府県研修の指導者等を養成し、質の高い介護サービスの全国展開に資することを目的とする介護サービス指導者等養成研修等事業を行う。

ウ 認知症高齢者支援対策の推進

平成22年度においては、20年7月に取りまとめられた「認知症の医療と生活の質を高める緊急プロジェクト」の提言に基づき、<1>認知症に関する実態の把握、<2>診断技術の向上と治療方法の開発など認知症に関する研究開発の促進、<3>主治医等を中心とした地域医療体制の充実などによる早期診断の推進と適切な医療の提供、<4>認知症介護の専門職員に対する研修や本人・家族等の支援ネットワークの構築などによる適切なケアの普及及び本人・家族支援、<5>若年性認知症施策を積極的に推進するために必要な取組を引き続き実施するとともに、その充実を図ることとしている。
なお、平成17年度から開始した、認知症の正しい知識の普及を図り、認知症の人が尊厳をもって地域で暮らし続けることを支える「地域づくり」を推進していくための広報キャンペーンについては、「認知症サポーター100万人キャラバン」等を始めとする取組が各地域において推進されるよう、必要な支援を行っていく。

エ 介護に関する普及啓発

平成21年度に引き続き、都道府県・市区町村、介護事業者、関係機関・団体等の協力を得つつ、「介護の日」に合わせ、国民への啓発のための取組を重点的に実施する。

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