平成22年度 高齢社会対策(第2 3(1))

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第2 分野別の高齢社会対策

3 学習・社会参加

(1)生涯学習社会の形成

ア 生涯学習の推進体制と基盤の整備

(ア)生涯学習の推進体制の整備

「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」(平成2年法律第71号)や中央教育審議会の答申等に基づき、生涯学習社会の実現に向けた取組を促進するとともに、新たな地域づくりのための施策の企画の提案や、相談対応、地域づくりの取組の全国への普及などを促進する。

(イ)生涯学習の基盤の整備

生涯学習の一層の振興を図るとともに、生涯学習を通じて地域活性化等の課題解決を図ることを目的として、都道府県との共催により、テーマ別のシンポジウムや、生涯学習に関する情報発信、学習成果の発表等を行う全国生涯学習フェスティバルを開催する。
また、都道府県及び市町村における社会教育指導体制の充実を図るため、優れた資質と専門的能力を有する社会教育指導者の養成等を図る。

(ウ)学習成果の適切な評価の促進

様々な学習活動の成果が適切に評価される社会の実現に向け、引き続き、各個人の学習成果を測る検定試験の質を確保すべく、民間事業者等が行う評価の主体的な取組を支援する方策について検討を行う。
また、高等教育レベルの学習成果を適切に評価するため、独立行政法人大学評価・学位授与機構において、大学等で一定の学習を行った短期大学、高等専門学校及び専修学校専門課程(専門学校)卒業者等に対して学士の学位授与を行う。

イ 学校における多様な学習機会の確保

(ア)初等中等教育機関における多様な学習機会の確保

平成20年3月に改訂され、21年4月から一部先行実施されている新学習指導要領では、引き続き、児童生徒が高齢社会の課題や高齢者に対する理解を深めるため、小・中・高等学校において、ボランティアなど社会奉仕に関わる体験活動や、高齢者との交流活動等を含む体験活動の充実を図ることとしている。
さらに、自治体における体験活動の推進を支援する「豊かな体験活動推進事業」において、「自然宿泊体験事業~子ども農山漁村交流プロジェクト~」の中で、小学校が実施する自然体験や集団宿泊体験のほか、ボランティアや高齢者との世代間交流などの体験活動に必要な経費の一部を補助することとしている。

(イ)高等教育機関における社会人の学習機会の提供

生涯学習のニーズの高まりに対応するため、大学においては、社会人入試の実施、夜間大学院の設置、昼夜開講制の実施、科目等履修生制度の実施、長期履修学生制度の実施などを引き続き行い、履修形態の柔軟化等を図って、社会人の受入れを一層促進する。
また、大学等の学術研究・教育の成果を直接社会に開放し、履修証明プログラムや公開講座を実施するなど高度な学習機会を提供する。
さらに、大学・短期大学・高等専門学校における教育研究資源を活用した、社会人の再就職やキャリアアップ等に資する短期間の実践的教育プログラムの開発・普及を支援することによって、社会人の学び直しの機会の充実を図る。
放送大学においては、テレビ・ラジオ放送の身近なメディアを効果的に活用して、幅広く大学教育の機会を国民に提供する。

(ウ)学校機能・施設の地域への開放

児童生徒が一日の大半を過ごす活動の場であり、地域コミュニティの拠点でもある公立学校施設の整備に対し国庫補助を行うとともに、学校施設整備指針を示すこと等により、学校開放に向けて、地域住民の積極的な利用を促進するような施設づくりを進めていく。
また、小・中学校の余裕教室について、引き続き、地方公共団体が社会教育施設やスポーツ・文化施設などへの転用を図れるよう、取組を支援していく。

ウ 多様な学習機会の提供

(ア)社会教育の振興

地域住民の身近な学習拠点である公民館を始めとする社会教育施設においては、幅広い年齢層を対象とした多様な学習機会の充実を促進する。
また、インターネットを活用した「エル・ネット」教育情報通信ネットワークの運用、ICTを活用した先導的な生涯学習支援に関する調査研究、優れた生涯学習コンテンツの制作・配信等により、多様な学習機会の提供を図るとともに、地域における学び・交流の場の拡大に努める。

(イ)文化活動の振興

国民文化祭の開催等による文化活動への参加機会の提供、国立の博物館等における高齢者に対する優遇措置やバリアフリー化等による芸術鑑賞機会の充実を通じて多様な文化活動の振興を図る。

(ウ)スポーツ活動の振興

総合型地域スポーツクラブの全国展開の推進、全国スポーツ・レクリエーション大会の開催等各種施設を通じて多様なスポーツ活動の振興を図る。

(エ)自然とのふれあい

国立公園等の利用者等をはじめ、国民だれもが自然とのふれあい活動や自然体験が行えるよう、自然ふれあい施設や体験活動イベント等の情報をインターネット等を通じて提供する。

エ 勤労者の学習活動の支援

有給教育訓練休暇制度の普及促進などを図るとともに、教育訓練給付金制度の活用により、勤労者個人のキャリア形成を支援し、勤労者の自己啓発の取組を引き続き支援する。

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