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平成26年度 高齢社会対策 第2 6 全世代が参画する超高齢社会に対応した基盤構築のための基本的施策

第2 分野別の高齢社会対策

6 全世代が参画する超高齢社会に対応した基盤構築のための基本的施策

(1)全員参加型社会の推進

ア 若年者雇用対策の推進

新卒者・既卒者の就職支援を強化するとともに、ハローワークにおけるフリーター等に対する正規雇用の実現に向けた支援を行うことにより、我が国の将来を担う若者が安心・納得して働き、その意欲や能力を十分に発揮できるよう、若者の雇用対策を推進する。

(ア)大学などの新卒者・既卒者に対する就職支援の推進

新卒応援ハローワークにおいて、既卒3年以内の者を新卒扱いとすること等の促進や、卒業後も「正社員就職をあきらめさせない」継続的な支援、就職後の定着支援等を強化するとともに、詳細な採用情報等を公開して積極的に若者を採用・育成する「若者応援企業」の普及拡大・情報発信の強化を図る。

(イ)フリーター等の正規雇用化の推進

フリーターなどの正規雇用化のための支援拠点として、わかものハローワーク等を充実し、民間の活力も活用しつつ、セミナー等の開催や求職者支援制度の活用等を通して、一人ひとりのニーズに応じた支援メニューを提供する。

また、若者の「使い捨て」が疑われる企業等への対応策の強化として、わかものハローワーク等への「在職者向け相談窓口」の設置等を行い、相談体制を強化する。

さらに、職業経験、技能、知識から安定的な就職が困難なフリーター等について、原則3か月間試行的に雇用し、その後の常用雇用への移行を図る「トライアル雇用奨励金」の活用を推進する。

イ 雇用・就業における女性の能力発揮

労働者が性別により差別されることなく、また、働く女性が母性を尊重されつつ、その能力を十分に発揮できる雇用環境を整備するため、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」(昭和47年法律第113号)に沿った男女均等取扱いが徹底されるよう周知啓発、指導を行うとともに、事業主と労働者の間に紛争が生じた場合には円滑かつ迅速な解決が図られるよう援助を行う。なお、平成26年7月から施行される改正男女雇用均等法施行規則等について改正内容の周知徹底を図る。

また、男女労働者間に事実上生じている格差の解消を目指す企業の自主的かつ積極的な取組(ポジティブ・アクション)について、企業が具体的な取組を行うことができるよう必要な助言及び情報提供を積極的に行い、その一層の促進を図る。具体的には、企業のポジティブ・アクションの取組やポジティブ・アクション情報ポータルサイトを活用した女性の活躍状況の情報開示についての個別の企業に対する働きかけを実施するとともに、ポジティブ・アクションに取り組む企業を支援するための助成措置の創設、「均等・両立推進企業表彰」、経営者団体と連携した「女性の活躍推進協議会」の開催等を実施する。

男女労働者間の格差について企業内での実態把握や気づきを促す「男女間賃金格差解消に向けた労使の取組支援のためのガイドライン」や「業種別『見える化』支援ツール」の作成・普及により、ポジティブ・アクションの具体的取組を支援するとともに、メンター制度やロールモデルの普及促進により、女性労働者が就業を継続していけるような環境づくりを支援する。

このほか、個別企業の女性の活躍状況等を内閣府ホームページに掲載することにより、企業における女性の活躍促進を図る。

「食料・農業・農村基本計画」等を踏まえ、農業経営や6次産業化の取組等において女性の更なる活躍を推進するため、補助事業の実施に当たって、プランづくりへの女性の参画や女性による事業活用の促進等、女性の能力発揮を促進する施策を実施する。

女性の活用に積極的な企業を表彰することで、そのような企業のすそ野を広げるため、東京証券取引所と共同で、「女性活躍推進」に優れた上場企業を、「中長期の企業価値向上」を重視する投資家にとって魅力ある銘柄(「なでしこ銘柄」)として選定する。また、女性を始めとした、多様な人材の能力を最大限発揮させることにより、イノベーションの創出、生産性向上等の成果を上げている企業を選定し、「ダイバーシティ経営企業100選」として表彰する。

ウ 非正規雇用労働者対策の推進

非正規雇用対策については、非正規雇用の労働者の雇用の安定や処遇の改善を図るため、正規雇用への転換、人材育成、処遇改善など、企業内でのキャリアアップを支援するための総合的な対策を推進していく。

また、平成25年6月に閣議決定された日本再興戦略を受けて、職務等に着目した「多様な正社員」モデルの普及・促進を図るため、成功事例の収集、周知・啓発を行うとともに、「『多様な正社員』の普及・拡大のための有識者懇談会」において、労働条件の明示等、雇用管理上の留意点について、26年度中のできるだけ早期に取りまとめる。

あわせて、派遣労働者、有期契約労働者及びパートタイム労働者といった非正規雇用の態様ごとの法制面での対応として、派遣労働者の一層の雇用の安定、保護等を図るため、労働者派遣法の改正法案が成立した場合には、その内容の周知等を図り円滑な施行に取り組むとともに、有期契約労働者については、改正労働契約法(平成25年4月全面施行)の周知等を行う。

また、パートタイム労働者の均等・均衡待遇の確保、正社員への転換を推進するため、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づく指導、専門家による相談・援助、職務分析・職務評価の導入支援、助成金の活用による支援等を行うとともに、改正パート法の内容の周知徹底を図るなど、円滑な施行に取り組む。

エ 子育て支援施策の総合的推進

子どもと子育てを応援する社会の実現に向けて、平成22年度から26年度までの5年間で目指すべき施策内容と数値目標を盛り込んだ、少子化社会対策基本法第7条に基づく大綱に基づき、総合的な子育て支援を推進していく。

子ども・子育て関連3法に基づく新たな子ども・子育て支援制度(以下、「新制度」という。)は、早ければ27年4月に施行となる予定である。26年度には新制度への円滑な移行を図るため、待機児童が多い市町村等において「保育緊急確保事業」を実施する。

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