第2章 高齢社会対策の実施の状況(第2節 2)

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第2節 分野別の施策の実施の状況(2)

2 健康・介護・医療

○必要な介護サービスの確保

介護人材の確保のため、地域医療介護総合確保基金の活用により、「参入促進」「労働環境の改善」「資質の向上」に向けた都道府県の取組を支援するとともに、介護福祉士修学資金貸付事業や再就職準備金貸付事業などにより、新規参入の促進や離職した介護人材の呼び戻し対策に取り組んだ。また、介護人材の確保が特に困難な地域における介護人材の確保対策強化のため、平成28年度第2次補正予算において、再就職準備金貸付事業における貸付額を倍増するなどの拡充を行った。

○認知症高齢者支援施策の推進

平成24年9月に公表された「認知症施策推進5か年計画」(オレンジプラン)の着実な実施を図り、認知症施策を加速するため、27年1月に「認知症施策推進総合戦略~認知症高齢者等にやさしい地域づくりに向けて~(新オレンジプラン)」(以下「総合戦略」という。)を策定した。また、策定・公表に当たって、認知症施策推進関係閣僚会合が開催され、総合戦略に基づき、関係省庁が一丸となって認知症施策に取り組んでいくことが確認された。

総合戦略は、いわゆる団塊の世代が75歳以上となる平成37年を目指し、認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会を実現すべく、7つの柱に沿って、認知症施策を総合的に推進していくもので、29年度末等を当面の目標年度として、施策ごとの具体的な数値目標などを定めている。

具体的には、①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進、②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供、③若年性認知症施策の強化、④認知症の人の介護者への支援、⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進、⑥認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進、⑦認知症の人やその家族の視点の重視の7つの柱に沿って施策を推進した。

○高齢者医療制度について

平成27年5月に持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律(平成27年法律第31号)が公布され、被用者保険者の後期高齢者支援金について、被用者保険者間の支え合いを強化し、より負担能力に応じた負担とする観点から、総報酬割部分を27年度に2分の1、28年度に3分の2に引き上げ、29年度から全面総報酬割を実施することとされた。

○地域における包括的かつ持続的な在宅医療・介護の提供

平成26年6月に施行された、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律に基づき、各都道府県に創設された消費税増収分を財源とする地域医療介護総合確保基金を活用し、在宅医療・介護サービスの提供体制の整備等のための地域の取組に対して支援を行った。また、同法のもとで、在宅医療・介護の連携推進に係る事業は、27年度以降、「介護保険法」(平成9年法律第123号)の地域支援事業に位置づけ、市区町村が主体となって郡市区医師会等と連携しながら取り組むこととされた。28年度においては、在宅医療・介護連携推進事業の取組推進を担う自治体職員等を育成するための研修事業を実施した。

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