第1章 高齢化の状況(第2節 4)

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第2節 高齢期の暮らしの動向(4)

4 生活環境

○高齢者(65歳以上)のいる主世帯の8割以上が持家に居住している

  • 高齢者(65歳以上)のいる主世帯について、住宅所有の状況をみると、持ち家が82.7%と最も多い。ただし、世帯別にみると、高齢者(65歳以上)単身主世帯の持家の割合は65.6%となり、高齢者(65歳以上)のいる主世帯総数に比べ持ち家の割合が低い(図1-2-40)。
図1-2-40 住居の状況

○交通事故死者数に占める65歳以上の者の割合は54.7%

  • 平成29(2017)年中における65歳以上の者の交通事故死者数は、2,020人で、前年より118人減少したが、交通事故死者数全体に占める65歳以上の者の割合は54.7%であった(図1-2-41)。
  • 75歳以上の運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数の割合は減少傾向にある。80歳以上の平成29(2017)年における死亡事故件数は235件で、運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は10.6件であった。(図1-2-42)。
図1-2-41 交通事故死者数及び65歳以上人口10万人当たりの交通事故死者数の推移
図1-2-42 75歳以上の運転者による死亡事故件数及び75歳以上の運転免許保有者10万人当たりの死亡事故件数

○65歳以上の者の刑法犯罪被害認知件数に占める割合は増加傾向

  • 犯罪による65歳以上の者の被害の状況について、65歳以上の者の刑法犯被害認知件数でみると、平成14(2002)年にピークを迎えて以降、近年は減少傾向にあるが、65歳以上の者が占める割合は、平成28(2016)年は14.1%と、増加傾向にある(図1-2-43)。
図1-2-43 65歳以上の者の刑法犯被害認知件数

○65歳以上の者の犯罪者率は低下傾向

  • 65歳以上の者の刑法犯の検挙人員は、平成28(2016)年は46,977人と前年に比べほぼ横ばいであった一方、犯罪者率は、平成19(2007)年にピークを迎えて以降は低下傾向となっている。
  • また、平成28(2016)年における65歳以上の者の刑法犯検挙人員の包括罪種別構成比をみると、窃盗犯が72.3%と7割を超えている(図1-2-44)。
図1-2-44 65歳以上の者による犯罪(65歳以上の者の包括罪種別検挙人員と犯罪者率)

○成年後見制度の利用者数は増加傾向

  • 平成29(2017)年12月末時点における成年後見制度の利用者数は210,290人で、各類型(成年後見、保佐、補助、任意後見)で増加傾向にある(図1-2-45)。
図1-2-45 成年後見制度の利用者数の推移

○一人暮らしの60歳以上の者の4割超が孤立死(孤独死)を身近な問題と感じている

  • 孤独死(誰にも看取られることなく亡くなったあとに発見される死)を身近な問題だと感じる(「とても感じる」と「まあ感じる」の合計)人の割合は、60歳以上の者全体では17.3%だが、一人暮らし世帯では45.4%と4割を超えている(図1-2-46)。
図1-2-46 孤独死を身近な問題と感じるものの割合

○孤立死と考えられる事例が多数発生している

  • 死因不明の急性死や事故で亡くなった人の検案、解剖を行っている東京都監察医務院が公表しているデータによると、東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数は、平成28(2016)年に3,179人となっている(図1-2-47)。
図1-2-47 東京23区内における一人暮らしで65歳以上の人の自宅での死亡者数

○東日本大震災における被害状況

  • 岩手県、宮城県、福島県の3県で収容された死亡者は平成30(2018)年2月28日までに15,825人にのぼり、検視等を終えて年齢が判明している15,763人のうち60歳以上の人は10,416人と66.1%を占めている(図1-2-48)
図1-2-48 東北地方太平洋沖地震における年齢階級別死亡者数
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