別添参考
参考-1 交通安全施策の推進

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国の関係行政機関及び地方公共団体においては、交通の状況や地域の実態に即した交通の安全に関する施策を具体的に定め、関係行政機関、地方公共団体、関係民間団体等が協力・連携して、これらの施策を講じてきているが、国などの交通安全に関する基本的な組織、計画、対策等は以下のとおりである。

1 総合的な交通安全推進体制

(1)国の交通安全推進体制
中央交通安全対策会議
昭和45年に交通安全対策基本法が施行されたことに伴い、同法に基づき、総理府に中央交通安全対策会議が設置された。同会議は、内閣総理大臣を会長とし、指定行政機関(内閣総理大臣が指定する交通安全に関係のある省庁)の長たる国務大臣等を委員として構成されており、交通安全基本計画の作成及びその実施の推進その他の交通安全に関する総合的な施策で重要なものの企画に関する審議及びその実施の推進を行なっている。
交通対策本部
政府は、昭和30年、交通安全対策の総合性の確保を図るため、内閣に交通事故防止対策本部(昭和30年閣議決定)を設置したが、その後の陸上交通事故の増加等の状況にかんがみ、35年に同本部を発展的に解消し、新たに総理府に交通対策本部(59年、総務庁発足に伴い同庁に移管)を設けた。同本部は、平成13年の中央省庁等再編を機に廃止され、中央交通安全対策会議の機動性を高め、交通安全に関する総合的な施策の推進機能を強化するため、同会議のもとに設けられる機関として位置付けられることとなった。中央交通安全対策会議の交通対策本部は、交通安全基本計画に定める施策を機動的に推進し、並びに交通の安全に関するその他の総合的な施策で重要なものを機動的に企画し、及び推進している。
交通安全に関する施策及び事務の総合調整等
政府は、昭和40年、各行政機関の陸上交通安全に関する施策及び事務の総合調整の推進を図るため、総理府に陸上交通安全調査室を設置したが、昭和45年に交通安全対策基本法の施行に伴い、同調査室を交通安全対策室(59年、総務庁発足に伴い同庁に移管)に改組した。平成13年の省庁再編に伴い、総務庁交通安全対策室の事務は、一部を除き内閣府政策統括官(総合企画調整担当)に移管された。同政策統括官は、交通安全の確保に関し行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務、交通安全基本計画の作成及び推進に関する事務等をつかさどっている。
(2)地方公共団体における交通安全推進体制
都道府県交通安全対策会議等
交通安全対策基本法に基づき、都道府県には都道府県交通安全対策会議が、市町村には市町村交通安全対策会議(任意設置)が設置されている。これらの交通安全対策会議は、交通安全計画の作成及びその実施の推進、陸上交通の安全に関する総合的施策の企画の審議及びその実施の推進並びに関係行政機関の連絡調整を図っている。
都道府県交通対策協議会等
国の交通対策本部に対応したものとして、都道府県に都道府県交通対策協議会等が、市町村に市町村交通対策協議会等が設置されている。
交通安全に関する施策及び事務の総合調整等
地方公共団体は、交通安全対策室あるいは交通対策課といった部局を設置し、当該地方公共団体における交通安全施策の総合的な推進及び交通安全に関する事務の調整を行なっている。

2 交通安全計画の作成

(1)交通安全基本計画
交通安全基本計画は、交通安全対策基本法に基づき、陸上、海上及び航空交通の安全に関する総合的且つ長期的な施策の大綱等を定めるものである。中央交通安全対策会議において昭和46年に第1次の交通安全基本計画が作成されたのに続き、51年に第2次、56年に第3次、61年に第4次、平成3年に第5次、8年に第6次の交通安全基本計画がそれぞれ作成された。
さらに、平成13年3月16日、中央交通安全対策会議は、13年度から17年度までの5年間を計画期間とする第7次の交通安全基本計画を作成した。
(2)交通安全業務計画
交通安全業務計画は、交通安全基本計画に基づき、各指定行政機関が毎年度作成する単年度計画で、当該年度において講ずべき交通安全施策及び都道府県交通安全実施計画の作成基準となるべき事項について定めるもので、交通安全対策基本法によりその作成が義務付けられているものである。
(3)都道府県交通安全計画等
都道府県交通安全計画及び市町村交通安全計画は、それぞれ交通安全基本計画又は都道府県交通安全計画に基づき、都道府県又は市町村がその区域における陸上交通の安全に関して講ずべき総合的且つ長期的な施策の大綱等について定めるもので、交通安全対策基本法によりその作成が義務付けられているものである。
(4)都道府県交通安全実施計画等
都道府県交通安全実施計画及び市町村交通安全実施計画は、陸上交通の安全に関し、都道府県及び市町村が作成する単年度計画である。都道府県については、交通安全対策基本法によりその作成が義務付けられており、市町村については、市町村長が必要と認める場合に作成することとされている。

3 交通安全対策の総合的な推進

 政府は、交通安全基本計画にのっとり、各指定行政機関による交通安全業務計画の作成や都道府県等に対する交通安全計画の作成に関する助言等を通じて、総合的な交通安全対策の推進を図るとともに、併せて年度ごとの各計画の実施状況等の把握に努め、次年度以降の対策に反映させるなどにより諸施策の着実な推進に努めている。
 また、中央交通安全対策会議及び交通対策本部にあっては、種々の問題について多くの総合的な交通安全対策の決定等を行いその効果的な推進を図っているが、そのうち、主なものは次のとおりである。

(1)総合対策
(a)
交通死亡事故の抑制に向け当面緊急に実施すべき対策の推進強化について
平成12年9月7日;交通対策本部決定
(b)
中央交通安全対策会議の施策推進機能の強化について
平成12年12月26日;中央交通安全対策会議決定
(2)シートベルト・チャイルドシートの着用推進
(a)
シートベルト着用の徹底を図るための対策について
昭和60年7月1日;交通対策本部決定
(b)
シートベルト着用徹底のための諸活動の推進について
昭和60年7月25日;シートベルト着用推進会議決定
(c)
チャイルドシート着用の徹底を図るための対策について
平成11年10月21日;交通対策本部決定
(d)
シートベルト・チャイルドシート着用推進会議の設置について
平成11年10月21日;交通対策本部長決定
(3)幼児の交通安全対策
(a)
幼児の交通安全対策について
昭和47年4月5日;中央交通安全対策会議決定
(b)
幼児交通安全教本について
昭和48年5月5日;中央交通安全対策会議決定
(4)高齢者の交通安全対策
(a)
高齢者の交通安全総合対策について
昭和63年9月9日;交通対策本部決定
(b)
高齢者交通安全対策推進会議の設置について
昭和63年9月27日;交通対策本部長決定
(c)
高齢者交通安全教育指導指針
平成2年2月13日;高齢者交通安全対策推進会議決定
(d)
今後の高齢者の交通安全対策の推進について
平成4年9月10日;高齢者交通安全対策推進会議決定
(5)二輪車事故防止対策
(a)
二輪車の事故防止に関する総合対策について
平成元年7月11日;交通対策本部決定
(b)
二輪車交通安全対策推進会議の設置について
平成元年8月15日;交通対策本部長決定
(6)自転車安全利用対策
自転車駐車対策の推進について
昭和53年1月23日;交通対策本部決定
(7)トンネル等における自動車の火災事故防止対策
トンネル等における自動車の火災事故防止対策について
昭和54年12月20日;交通対策本部決定
(8)踏切事故防止総合対策
踏切事故防止総合対策について
平成13年4月19日;交通対策本部決定
(9)時差通勤通学対策
時差通勤通学推進計画
平成13年3月16日;交通対策本部長決定
(10)都市交通対策
(a)
大都市における道路交通円滑化対策について
昭和63年7月28日;交通対策本部決定
(b)
大都市における駐車対策の推進について
平成2年5月28日;交通対策本部申し合せ

参考-2 欧米諸国の交通事故発生状況

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