平成17年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況、平成18年度 交通安全施策に関する計画 概要
II 計画の概要要
第1部 陸上交通の安全についての対策
第1章 道路交通の安全についての対策

II 計画の概要

第1部 陸上交通の安全についての対策

第1章 道路交通の安全についての対策況

1 道路交通環境の整備

◆人優先の安全・安心な歩行空間の整備

地域の協力を得ながら、通学路、生活道路、市街地の幹線道路等において、歩道を積極的に整備するなど、「人」の視点に立った交通安全対策を推進する。

(1)
通学路等の歩道整備等の推進
小学校、幼稚園、保育所及び児童館等に通う児童や幼児の通行の安全を確保するため、通学路等の歩道整備等を積極的に推進する。
(2)
生活道路における交通安全対策の推進
死傷事故発生割合が高い住居系地区又は商業系地区で、その外縁を幹線道路が構成する「あんしん歩行エリア」について、都道府県公安委員会及び道路管理者が連携して、歩道整備を始めとした面的かつ総合的な事故抑止対策を実施する。また、「あんしん歩行エリア」以外の生活道路においても、歩道を積極的に整備する。
(3)
バリアフリー化を始めとする歩行空間の整備
高齢者、障害者等の自立した日常生活及び社会生活を確保するため、ユニバーサルデザイン(誰にでも使いやすい設計)の考え方に基づき、駅、公共施設、福祉施設、病院等の周辺を中心に平坦性が確保された幅の広い歩道を積極的に整備する。

2 交通安全思想の普及徹底

◆高齢者に対する交通安全教育の推進

高齢者交通安全指導員(シルバーリーダー)等を対象に高齢者の安全運転に必要な知識を習得させ、指導力の向上を図ることにより地域における高齢者交通安全学習を促進することを目的とする「参加・体験・実践型の高齢者安全運転普及事業」を新たに実施するほか、シルバーリーダーのサブリーダー育成能力を高めることを目的とする「シルバーリーダー中央研修事業」を実施する。
また、交通安全をテーマに3世代が交流する「世代間交流事業」及び交通安全教室に参加しない高齢者を対象にした「高齢者世帯訪問事業」を内容とする「高齢者交通安全意識高揚啓発事業」を実施する。

◆自転車の安全利用の推進

自転車は、本来車両であること、道路を通行する場合は、車両としてのルールを遵守するとともに交通マナーを実践しなければならないことを理解させる。
自転車乗用中の交通事故や自転車による迷惑行為を防止するため、歩行者や他の車両に配慮した通行等自転車の正しい乗り方に関する普及啓発の強化を図る。

◆後部座席等におけるシートベルト着用の推進

シートベルトの着用効果及び正しい着用方法について理解を求め、後部座席を含めた着用の推進を図る。このため、地方公共団体、関係機関・団体等との協力の下、あらゆる機会・媒体を通じて積極的に普及啓発活動を展開する。特に、車外放出事故の実態にかんがみ、高速自動車国道等において、後部座席等におけるシートベルト着用の推進を図る。

3 安全運転の確保

◆高齢運転者対策の充実

高齢運転者の交通事故防止を図るため、高齢者講習、更新時講習における高齢者学級等の機会を通じて、高齢運転者の交通事故の実態、高齢運転者にみられる身体機能の特性等を理解させることを内容とする交通安全教育を推進する。特に、高齢者講習においては、身体機能の検査項目の追加、検査結果を効果的に自覚させる手法等の検討を行うなど充実に努める。
また、高齢者の交通事故の状況を詳細に分析するなどして、適性検査の充実方策の検討を行う。また、認知症の疑いがある運転者の把握に努め、安全な運転に支障のある者については運転免許の取消等の行政処分を行う。

4 車両の安全性の確保

◆車両の安全対策の推進

特に、事故を未然に防止する予防安全対策について、新技術の動向も踏まえ、保安基準の拡充・強化等と先進安全自動車(ASV)の開発・普及の促進、使用者に対する自動車アセスメント情報の提供等と連携しつつ、更なる充実を図る。

5 救助・救急活動の充実

◆救急救命士の養成・配置等の促進、ドクターカーの活用促進

プレホスピタルケア(救急現場及び搬送途上における応急処置)の充実のため、ドクターカー(医師等が同乗する救急用自動車)の活用の促進を図るとともに、全国の消防機関において救急救命士を計画的に配置できるようその養成を図り、救急救命士の処置範囲の拡大により可能となった気管挿管、薬剤投与を円滑に実施するための講習及び実習の実施を推進する。また、医師の指示又は指導・助言の下に救急救命士を含めた救急隊員による応急処置等の質を確保するメディカルコントロール体制の充実を図る。

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