平成17年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況
第3編 航空交通
第1章 航空交通事故の動向等

第3編 航空交通

第1章 航空交通事故の動向

1 近年の航空交通事故の状況

 我が国における民間航空機の事故の発生件数は、平成17年において23件であり、これに伴う死亡者数は16人、負傷者数は18人である。近年は、大型機による航空事故は、乱気流によるものを中心に年2、3件程度にとどまり、小型機等が事故の大半を占めている(第3‐1表)。

2 平成17年中の航空交通の安全上のトラブルの状況

(1)
航空運送事業者における安全上のトラブル
我が国の航空運送事業者における乗客死亡事故は、昭和60年の日本航空123便の御巣鷹山墜落事故以降発生しておらず、国民の航空輸送の安全性に対する信頼につながっている。しかしながら、平成17年1月以降、我が国航空運送事業者では、ヒューマンエラーや機材不具合に起因するトラブルが目立っている状況にあり、特に日本航空グループでは、貨物機の主脚部品の誤使用、新千歳空港や韓国・仁川国際空港における管制指示違反(1月22日、3月11日)等、安全上のトラブルが相次いだ。
(2)
管制関係の安全上のトラブル
平成17年8月16日に新潟空港、9月23日に宮崎空港において管制官とパイロットとの間における飛行計画の承認の授受に関してトラブルが発生し、11月2日には大阪国際空港において管制官から着陸許可が発出されず、航空機が着陸をやり直すトラブルが発生するなど管制関係のトラブルが続発した。
第3‐1表 航空事故発生件数及び死傷者数の推移(民間航空機)
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