平成20年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況
第3編 航空交通
第1章 航空交通事故の動向

第3編 航空交通

第1章 航空交通事故の動向

1 近年の航空交通事故の状況

 我が国における民間航空機の事故の発生件数は、平成20年は17件であり、これに伴う死亡者数は7人、負傷者数は10人である。近年は、大型飛行機による航空事故は、乱気流によるものを中心に年数件程度にとどまり、小型飛行機等が事故の大半を占めている(第3-1表)。

第3-1表 航空事故発生件数及び死傷者数の推移(民間航空機)

2 平成20年中の航空交通の安全上のトラブルの状況

(1)航空運送事業者における安全上のトラブル

 我が国の特定本邦航空運送事業者(客席数が100又は最大離陸重量が5万キログラムを超える航空機を使用して航空運送事業を経営する本邦航空運送事業者)における乗客死亡事故は、昭和60年の日本航空123便の御巣鷹山墜落事故以降発生していない。我が国の航空運送事業者に対して報告を義務付けている事故、重大インシデントや安全上のトラブルに関する情報は、平成19年度に740件報告された。

(2)管制関係の安全上のトラブル

 平成20年2月16日に新千歳空港において、管制官から滑走路上での待機を指示されていた航空機が離陸許可を受けないまま離陸し、管制官が離陸中止を指示する事案が発生した。また、2月22日に福岡空港において、航空機が他機への離陸許可を自機に対するものと誤認し離陸した事案、3月4日に小松飛行場において、航空機が滑走路手前待機の管制指示どおりに復唱したにもかかわらず、停止線を越える事案が発生した。

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