平成21年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況 平成22年度 交通安全施策に関する計画(概要)
I 現況の概要
第2編 海上交通
第2章 海上交通安全施策の現況

I 現況の概要

第2編 海上交通

第2章 海上交通安全施策の現況

1 海上交通環境の整備

●交通安全施設等の整備

 船舶交通の安全確保及び運航能率の向上を図るため、港湾及び航路の整備の進展や船舶交通の高速化等海上交通環境の変化に対応した航路標識の整備を実施し、平成21年度末現在で5,393基の航路標識を管理している。
 平成21年度は、ふくそう海域における海難の防止、船舶交通の安全対策強化等のため、関門海峡等におけるAIS(船舶自動識別装置)を始めとした新たな情報技術を活用した航行管制・情報提供システムの充実強化や東京湾における既存航路標識の高度化、光源のLED(発光ダイオード)化等610か所の整備を実施した。

2 海上交通の安全に関する知識の普及

●海難防止思想の普及

 海難を防止するためには、船舶運航者を始めとする海事関係者やマリンレジャー愛好者、さらには国民一人一人の海難防止に関する意識を高めることが重要となる。このため、海難防止講習会や訪船指導等あらゆる機会を通じて海事関係法令の遵守、安全運航の励行等を指導した。
 また、運輸安全委員会が公表した事故等調査報告書の概要や分析結果の解説等を掲載した定期情報誌を発行し、海事関係者等に広く提供した。
 また、遊漁船沈没事故については、水産庁長官に対し、遊漁船業者等を対象とした講習会を充実・強化すること等の意見を述べたことに関連し、同講習会の教材等に資するべく、遊漁船・瀬渡船の事故事例を特集した情報誌を発行した。

3 船舶の安全な運航の確保

●運航労務監査の強化

 旅客船・貨物船等を対象として、海上運送法、内航海運業法等に基づく監査を行うとともに、監査手法の改善と体制の充実に努め、その強化を図った。

●運輸安全マネジメント制度の実施

 平成18年10月より導入した「運輸安全マネジメント制度」により、事業者が経営トップから現場まで一丸となった安全管理体制を構築し、国はその実施状況を確認する運輸安全マネジメント評価を21年12月末までに延べ1,137社に対して実施した。

4 小型船舶等の安全対策の充実

●プレジャーボート等の安全対策の推進

 海上保安庁では、訪船指導や海難防止講習会等を通じて、気象・海象情報の適切な入手や海事関係法令の遵守等のレジャー目的に応じたきめ細かな指導・啓発を行った。
 警察では、港内その他の船舶交通の多い水域、遊泳客の多い海水浴場、マリンレジャースポーツの利用が盛んな水域等に重点を置いて、警察用船舶により安全指 導を行うとともに、警察用航空機との連携によるパトロールや地元団体、関係団体との協力、連携を図り、マリンレジャー環境の整備、マリンレジャー提供業者に対する安全対策の指導、マリンレジャー利用者等の安全意識の啓発活動等を通じて、水上安全の確保を図った。

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