平成21年度 交通事故の状況及び交通安全施策の現況 平成22年度 交通安全施策に関する計画(概要)
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国際海上コンテナの陸上輸送における安全対策について

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国際海上コンテナの陸上輸送における安全対策について

 国際海上コンテナの陸上輸送については、平成17年12月に関係団体、関係省庁が協力し、「国際海上コンテナの陸上における安全輸送ガイドライン」を策定し、その周知徹底を図ってきたところであるが、昨年5月に、国際海上コンテナトレーラの横転事故が連続して発生するなど、ガイドライン発出後も、依然として事故が発生している状況である。
 国際海上コンテナトレーラの横転事故の要因としては、トレーラの速度超過、トレーラへのコンテナ固定不良など、運転者に起因するものの他、国際海上コンテナの特性として運転者がコンテナ内の荷物の状態を確認できないこと等により過積載・偏載等が発生しているなど、多様なものがあると推定される。
 これらの課題に対し、国土交通省関係部局と、トラック事業者、ターミナルオペレータ、フォワーダー、海貨事業者、船社等の関係者との連携の下、認識の共有を図りつつ、今後取りうる具体的な安全対策について検討を進めるため、昨年12月に「国際海上コンテナの陸上運輸送における安全対策検討会議」を設置し、更なる安全対策について議論を行った。その結果を踏まえ、本年3月5日に「国際海陸一貫運送コンテナの自動車運送の安全確保に関する法律案」を閣議決定し、その概要は以下のとおりである。

1 コンテナ情報の伝達等

(輸入の場合)

  • 受荷主は、外国の発荷主に対し、コンテナの重量・積付情報等を提供するよう依頼。
  • コンテナの品目情報及び外国の発荷主から取得した重量・積付情報等を、受荷主は海貨事業者等に対し、海貨事業者等はトラック事業者に対し、トラック事業者は運転者に対し順次伝達。
  • 受荷主は、重量情報が取得できなかった場合には、重量を測定し、結果を伝達するよう措置。

(輸出の場合)

  • 発荷主は、コンテナの品目・重量・積付情報等を、運転者まで順次伝達。

2 港湾における不適切状態にある輸入コンテナの発見・是正

  • 受荷主は、トラック事業者から求めがあったときは、不適切コンテナの発見又は是正のために必要な措置を実施。
  • 国土交通大臣は、不適切コンテナの発見又は是正のための指針を策定。
  • 関係者は、港湾・埠頭ごとに不適切コンテナの発見・是正のための協議会を設置できる。

3 トラック事業者・運転者の遵守事項等

  • トラック事業者は、不適切コンテナの運送を下命・容認してはならない。それを指示した荷主等には勧告。
  • トラック事業者及び運転者は、コンテナ情報等を踏まえた安全運転、コンテナロックを実施。

※上記各項目は、内容に応じて順次施行。

国際海上コンテナを積載するコンテナセミトレーラーの横転事故の状況

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