I 現況の概要

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第3編 航空交通

第2章 航空交通安全施策の現況

1 総合的な安全マネジメントへの転換

●航空安全プログラム(SSP)の導入

国際民間航空条約附属書により各締約国に対し「国家安全プログラム(SSP)」の設定が求められていることを受け,平成26年4月から「航空安全プログラム(SSP)を導入している。SSPを実効あるものとしていくため,航空の安全性を定量的に測定するために用いる指標(安全指標)及び目標値(安全目標値)の設定を含む年度計画を策定した上で,安全情報の収集・分析及び各分野の関係者と共有,業務提供者に対する検査等の航空の安全の向上のための活動を行っている。

2 航空交通環境の整備

●滑走路誤進入対策の推進

滑走路誤進入対策として,管制指示に対するパイロットの復唱のルール化等,管制官とパイロットのコミュニケーションの齟齬の防止や,滑走路占有状態等を管制官やパイロットへ視覚的に表示・伝達するシステムの整備等,ソフト・ハード両面にわたる対策を推進している。

3 航空機の安全な運航の確保

●運輸安全マネジメント制度の充実・強化

平成18年10月より導入した「運輸安全マネジメント制度」により,事業者が社内一丸となった安全管理体制を構築・改善し,国がその実施状況を確認する運輸安全マネジメント評価を26年において20者に対して実施した。

●航空運送事業者等に対する監督体制の強化

航空会社の事業形態が複雑化・多様化する状況を踏まえ,抜き打ちを含む厳正な立入検査を行うことにより航空会社における安全性の現状や将来のリスクを把握するなど体系的な監査を実施するほか,年末年始の輸送等安全総点検により,事業者の安全意識の向上を図った。また,専門的かつ的確な監査の実現を図るため,監査担当職員等の研修の充実等を図っている。

4 航空機の安全性の確保

●航空機,装備品等の安全性を確保するための技術基準等の整備

航空機,装備品等の安全性の一層の向上等を図るため,最新技術の開発状況や国際的な基準策定の動向等を踏まえ,新基準に対応した自動操縦系統の安全性審査方法の調査等の必要な調査を実施するとともに,航空機及び装備品の安全性に関する技術基準等の整備を行った。

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