課題報告
食の安全性に関する意識調査(平成15年12月調査)
1 はじめに
2 課題報告結果の概要
3 課題報告結果
4 内閣府食品安全委員会の考え方
1 はじめに
(1) 課題報告実施の目的及び概要
食品安全委員会においては、消費者の方々の食品安全行政に対する期待や食の安全性に関する意識を的確に把握し、今後の業務を適切に推進していくに当たっての参考にさせていただくため、「食の安全性の確保について」、「食の安全性に係る危害要因について」、「リスクコミュニケーションについて」、「食品の安全性に係る緊急の事態について」の四つのそれぞれのテーマについて、国政モニターの皆様のご協力を得てアンケート調査を実施しました。
調査の概要につきましては、以下のとおりです。1) 食の安全性の確保について
近年、我が国の食生活が豊かになる一方、BSE(牛海綿状脳症)の発生や残留農薬問題など食の安全を脅かす事件が相次いで発生しました。こうした情勢の中、平成15年7月1日に食品安全基本法が施行され、内閣府に食品安全委員会が設置されました。
食品安全委員会の主たる役割は、食品を摂取することによって化学物質や微生物などの有害な要因が人の健康に及ぼす悪影響について科学的な評価(リスク評価)を行うことです。このリスク評価の結果に基づいて、厚生労働省や農林水産省などは基準の設定や規制の実施(リスク管理)を行うこととしています。
そのため、これらに関連する事項として、次の内容についてお答えいただきました。
@.食品安全委員会の認知度
A.食の安全の分野に対する関心
B.食の安全に対する不安感
C.食に対して不安を感じる理由
D.食品の安全性を確保するために改善が重要と考える段階
E.発がんの可能性が高いと感じる要因2) 食の安全性に係る危害要因について
食品安全委員会は、化学物質や微生物などが食を通じて人の健康に及ぼす悪影響について評価する、いわゆるリスク評価を実施しています。
そのため、これらに関連する事項として、食品の安全性の観点からより不安を感じているものについてお答えいただきました。
3) リスクコミュニケーションについて
食の安全を確保していく上で、リスク評価、リスク管理と並んで、リスクコミュニケーションが重要な要素となっており、リスク評価の内容等についてリスクコミュニケーションを推進することが、食品安全委員会の重要な業務の一つとなっております。
リスクコミュニケーションとは、消費者、事業者、行政関係者等の様々な関係者との間で、リスクに関連する情報や意見を双方向に交換することを言います。リスクコミュニケーションの実施により、政策決定における透明性が増すなど、食の安全についての信頼が高まることが期待されます。
そのため、これらに関連する事項として、次の内容についてお答えいただきました。
@.食の安全の分野における行政のリスクコミュニケーションの評価
A.リスクコミュニケーションが適切に行なわれていなかった事例と理由
B.リスクコミュニケーションが適切に行なわれていた事例と理由
C.地域で開催される意見交換会への出席
D.意見交換会で希望する議題
E.消費者と行政関係者、科学者との間での食品の安全性に関する認識のギャップ
F.認識ギャップの縮小に向けた課題4) 食品の安全性に係る緊急の事態について
平成8年に発生したO157(腸管出血性大腸菌)による食中毒、平成13年に我が国ではじめて発生が確認されたBSE(牛海綿状脳症)など、食の安全を脅かす大規模な緊急事態が過去に発生しています。
こうした食の安全性に係る緊急の事態に関連する事項として、次の内容についてお答えいただきました。
@.緊急事態が発生した場合に信用できる情報源
A.緊急事態の発生時の情報の問合せ先
(2) 実施期間 平成15年12月1日から平成15年12月25日 (3) 対象 国政モニター 550名 有効回答者数 326名(有効回答率:59.3%)
2 課題報告結果の概要
<食の安全性の確保について> 1 食品安全委員会を認知している人は全体の約4割 2 日常生活をとりまく安全の分野の中で、約7割の人が食の安全に高い関心 3 9割以上の人が食の安全に対して何らかの不安 4 規格基準や表示等の規制が守られていないことに対して懸念 5 食品の生産から消費までのうち、「生産段階」、「製造・加工段階」に不安感 6・7 年齢の高い人ほど、「食品添加物」、「農薬」について発がんの可能性を懸念 <食の安全性に係る危害要因について> 8・9 食品の安全性の観点から、8割を超える人が「農薬」、「食品添加物」に不安 <リスクコミュニケーションについて> 10 食の安全の分野におけるこれまでの行政のリスクコミュニケーションに対して、6割弱の人が行われていなかったと認識 11 適切に行われていなかった事例としては、必要な情報が早く正確に提供されなかったとして、BSE関係を指摘 12 3割強の人は、「自然災害分野」でのリスクコミュニケーションは、必要な情報が早く正確に提供されたなどとして適切と評価 13 約4分の3の人が地域での食の安全に関する意見交換会に出席を希望 14 意見交換会では「食の安全性確保のための規制や監視などの施策」に高い関心 15 食品の安全性に関して、消費者と行政関係者、科学者との間での認識にギャップを若干でも感じたことがある人が8割強存在 16 認識ギャップの縮小には、約半数の人が「情報公開による透明性の確保」などが必要と認識 <食の安全性に係る緊急の事態について> 17 緊急事態の発生時に信用できると思う情報源として、「新聞」、「テレビ・ラジオ」を選択 18 緊急事態の発生時の情報の問合せ先は、「保健所」が多く、次いで「都道府県の消費生活センター」、「国の行政機関」
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3 課題報告結果
食の安全性の確保について
1 食品安全委員会の認知度
2 食の安全の分野に対する関心
3 食の安全に対する不安感
4 食に対して不安を感じる理由
5 食品の安全性を確保するために改善が重要と考える段階
6 発がんの可能性が高いと感じる要因
7 参考食の安全性に係る危害要因について
8 食品の安全性の観点からより不安を感じているもの
9 参考リスクコミュニケーションについて
10 食の安全の分野における行政のリスクコミュニケーションの評価
11 リスクコミュニケーションが適切に行われていなかった事例と理由
12 リスクコミュニケーションが適切に行われていた事例と理由
13 地域で開催される意見交換会への出席
14 意見交換会で希望する議題
15 消費者と行政関係者、科学者との間での食品の安全性に関する認識のギャップ
16 認識ギャップの縮小に向けた課題食の安全性に係る緊急の事態について
17 緊急事態が発生した場合に信用できる情報源
18 緊急事態の発生時の情報の問合せ先
4 内閣府食品安全委員会の考え方
経済社会の発展に伴い国民の食生活が豊かになる一方、我が国の食生活を取り巻く環境は近年大きく変化し、今回の調査結果にも見られるように国民の食に対する関心が高まってきています。
こうした情勢の変化に的確に対応するため、昨年5月に食品安全基本法が制定され、これに基づいて新たな食品安全行政を展開していくことになったところです。食品安全委員会は、その要となる機関として、国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下、科学的知見に基づき客観的かつ中立公正なリスク評価を行うことを主たる役割としています。併せてリスク評価の内容等に関するリスクコミュニケーションの実施及び緊急の事態への対応を行うこととしています。
委員会は原則公開とし、昨年7月の発足以来、本年1月末までに30回開催するなど、精力的に審議を進めております。これまでに厚生労働省や農林水産省から60件(その内訳は、添加物18件(30品目)、農薬7件(23品目)、動物用医薬品11件(15品目)、新食品等6件(48品目)など)のリスク評価の要請を受け、22件(その内訳は、添加物8件(14品目)、農薬3件(17品目)、動物用医薬品4件(5品目)、新食品等2件(5品目)など)のリスク評価を終了し、各省に通知しました。
また、関係省とも連携しつつ、食の安全に関する意見交換会の開催を全国各地で行うとともに、気軽にお問い合わせいただく「食の安全ダイヤル」(03-5251-9220/9221)を設置するなど、消費者をはじめとする関係者との情報や意見の交換にも積極的に取り組んでいるところです。
今回の調査では、食品表示偽装事件などにも見られるように規格基準や表示等の規制が守られていないことに対する懸念などから、国民の食の安全に対する不安感が依然として大きいことを改めて認識したところです。さらに食の安全性に係る危害要因についての質問では、食品安全モニターと比べて「農薬」、「食品添加物」などにより多くの人が不安を感じているなど、両者の間で差があることも注目されます。なお、当委員会の設置について約6割の方がまだ御存じないという結果も真摯に受け止めていきたいと考えています。
いずれにいたしましても今回、国政モニターの皆様方からいただいた食品安全行政に対する期待や食の安全性に関する御意見などについては、さらに詳細な分析も行ないながら、食品安全委員会が行うリスク評価、意見交換会開催等のリスクコミュニケーションの実施、さらには緊急の事態への対応など、今後の食品安全委員会の適切な業務の推進に当たって十分に参考にさせていただき、食の安全性の確保に向けた役割を的確に果たしてまいりたいと考えております。
皆様方の御協力に深く感謝いたします。
食品安全委員会ホームページ http://www8.cao.go.jp/shokuhin/