用語集(さ行)

サービス購入型

PFI事業の事業類型の一つ。民間事業者は、自ら調達した資金により施設を設計・建設し、維持管理及び運営を行う。地方公共団体は、そのサービスの提供に対して対価を支払う事業類型。

(関連:独立採算型

債権者間契約

複数の融資金融機関等により融資機関団が組成される場合に、融資機関団の債権者としての権利行使等に当たっての意思決定方法、担保権の実行方法等債権者間の基本的な権利義務関係を定める債権者間で結ばれる契約。優先貸出人間でのみ締結される場合のほか、出資者による劣後貸付が行われる場合や選定事業者が融資に関連して金利スワップ契約(※)を結ぶ場合などには、優先貸出人間での「優先貸出債権者間契約」に加え、出資者や金利スワップ契約の相手方を契約当事者に加えた「債権者間契約」を締結する場合もある。

※金利スワップとは、選定事業者が変動金利で調達している場合にこれを実質的に固定金利の調達に変換する金融手法である。選定事業者が変動金利による金利支払を行っている場合に、別途、金融機関に対し固定金利を支払い、変動金利を受け取る契約を結ぶことにより、選定事業者が実質的に固定金利による金利支払を行っていることと同様の効果を得ることを目的とする。

(参考:契約に関するガイドライン 5ページ)

債務負担行為

建設工事や土地の購入が複数年度にわたる場合に、翌年度以降発生する支出や、債務保証又は損失補償のように債務不履行等の一定の事実が発生した時の支出を予定するなど、将来の財政支出を約束する行為。
地方公共団体が債務を負担する行為をするには、地方自治法第214条に基づき、あらかじめ議会による承認を得なければならない。

事業関連契約(業務委託契約、業務請負契約など)

選定事業者がPFI事業契約に従い施設の設計、建設、維持・管理及び運営の業務を実施し、公共サービスを提供するため、これら業務を第三者たるコンソーシアム構成企業又は受託・請負企業に委託し、又は請け負わせる、選定事業者とコンソーシアム構成企業又は受託・請負企業との間で結ばれる契約。及び、これら業務を委託された又は請け負ったコンソーシアム構成企業又は受託・請負企業がこれら業務をさらに下請企業に委託し、又は請け負わせる、受託・請負企業と下請企業との間で結ばれる契約。

(参考:契約に関するガイドライン 4ページ)

事業契約

PFI事業において、地方公共団体が民間事業者に事業権を付与する契約(事業契約)のこと。
事業契約の主な内容は、事業内容、事業権付与期間、民間事業者への支払に関する規定、事業破綻時の対応、契約終了時の規定、介入権が挙げられる。

実務編:

資金調達

資金調達とは資金を仕入れること。従来型の公共事業では、起債や補助金、独自財源という方法で資金を調達した。PFIでは、SPCが金融機関から借り入れて建設等に必要な資金の一部を調達する。

基礎編:

実施方針

特定事業の選定、民間事業者の選定等に関する方針。公共施設等の管理者等は、PFI事業を行うに当たり、実施方針を定めて、これを公表しなければならない。(PFI法第5条)

(関連:PFI法基本方針

指定管理者制度

地方自治法第244条の改正(平成15年9月施行)により創設された制度。
公の施設の管理は、これまでは公社など公共的な団体にしか管理委託ができなかったが、指定管理者制度の創設により、民間事業者をはじめNPO団体やボランティア団体など、幅広く管理を委任することができるようになった。
指定管理者制度では、管理を委託するのではなく、指定管理者が地方公共団体に代わって管理を行う(代行する)ということになる。これまでは地方公共団体以外には認められていなかった使用の許可という行政処分の一部についても、指定管理者に委任することができるようになる。
この制度を導入することで、民間事業者のノウハウを活用し、各施設でより一層サービスを向上させることや管理経費を節減することなどが期待されている。

(関連:公の施設

出資者支援契約

融資金融機関等と選定事業者の株主となる出資者(コンソーシアム構成企業)との間で締結される契約。主な規定内容としては、出資者による追加の資金拠出の義務(株式出資又は劣後貸付)、選定事業者に対する支援協力義務等が想定される。

(参考:契約に関するガイドライン 5ページ)

需要リスク

マーケットリスクの項を参照)

ジョイントベンチャー(Joint Venture

複数の事業者が共同で連帯して事業を行う(例えば、建設工事の施工を行う)ことを目的として、それぞれ一定の割合で出資することにより組織される独立法人格を持たない団体をいう。

仕様発注方式

発注者が施設の構造、資材、施工方法等について、詳細な仕様を決め、設計書等によって民間事業者に発注する方式。

(関連:性能発注(方式)

除算方式

性能評価点を価格で除した値で採点し、単位価格当たりの付加価値を明確にする方式。

随意契約

地方公共団体が競争の方法によらず、任意に特定の相手方を選定して契約を締結する方法。競争入札に付する手間を省き、特定の資産、信用、能力等のある相手方を任意に選定できるため、契約事務の負担を軽減するという長所を持っている。
しかし、契約の相手方の選定が偏ってしまうと地方公共団体と特定の業者の間に特殊な関係が発生する等、適正な価格による契約締結が確保できなくなる短所も併せ持っているので、その運用に際しては、関係法令及び各団体の条例や財務規則等に則った適正な執行が必要である。

(関連:公募型プロポーザル

スキーム(scheme

事業の仕組み・枠組み・構成。

ステップイン・ライト(Step-in Right:介入権)

債務不履行発生など非常の場合に、プロジェクトに対して貸手が介入できる権利。

(関連:直接協定(ダイレクト・アグリーメント)

スプレッド(Spread

貸出金利と調達金利との差による利ざやのこと。

税制変更リスク

税制の変更・新設によるリスク。税制の変更等は選定事業者の費用増やその利益の減少の原因となり得ることから、選定事業に与える影響の程度を勘案して、分担のあり方についてあらかじめ検討し、できる限り協定等で取り決めておくことが望ましい。

性能発注(方式)

発注者が求めるサービス水準を明らかにし、事業者が満たすべき水準の詳細を規定した発注のこと。
PFI事業については、仕様発注方式よりも性能発注方式の方がPFI法の主旨である「民間の創意工夫の発揮」が実現しやすくなる。

(関連:仕様発注方式

総合評価一般競争入札

一般競争入札は、原則として予定価格の範囲内で最低価格の入札者が落札者となる。
総合評価一般競争入札は、予定価格の範囲内で申し込みをした者のうち、価格だけではなくその他の条件(維持管理・運営のサービス水準、技術力等)を総合的に勘案し、落札者を決定するもの(地方自治法施行令167条の10の2)。

(関連:公募型プロポーザル