■ 既存施設の施設劣化状況について民間事業者への情報開示に努めました
本事業は、施設の建設後、約15年を経過した高校校舎を改修して、多摩地域ユース・プラザとして整備する事業であるため、既存施設の劣化状況に関する民間事業者への情報開示について特に注意が必要でした。具体的には、既存施設の建物・設備等に関する情報として、施設の図面一式、過去の施設補修・改修の履歴、加えて施設の適正評価情報(デューディリジェンス情報)として、当時、既に判明していた施設の不具合箇所を記載した図面と個々の不具合箇所の写真を一式、入札公告の際に都庁舎にて民間事業者へ配布しました。
また、施設公開(現場見学)についても、3日間の期間を設定し、都職員立ち会いのもと、希望する民間事業者に現地見学をしていただきました。現地見学の期間については、できるだけ時間をかけて、民間事業者に開放することが望ましいと考えますが、当時はまだ、既存の高校の閉鎖前であり制約がありました。
図面や改修履歴の開示や現地見学の実施により、民間事業者に事前に既存施設の状況を、より深く理解、把握してもらうことは、改修後に施設供用を開始した際のトラブル発生防止のために必須であると考えます。
■ 既存施設の瑕疵に関する責任(リスク)分担について注意が必要です
既存施設の改修を行うRO(Rehabilitate-Operate)方式のPFI事業において、最も注意すべき官民のリスク分担項目の一つが、既存施設の瑕疵に関するリスク分担です。当事業では、主要な梁や柱等の主要構造部については、原則として、民間事業者の改修に含まれないことを想定しており、主要構造部の瑕疵については、都のリスクとしました。一方、本事業の実施に当たり民間事業者が改修した部分については、民間事業者のリスクとしました。
施設の改修を伴うPFI事業においては、既存施設の瑕疵に関するリスク分担について、契約書に規定することは非常に重要なポイントになります。
■ 民間事業者が参加しやすい事業スキームを構築して、多数の応札者による競争環境を確保しました
本事業より約1年先行して実施した区部ユース・プラザ事業では、事業期間を20年という、かなり長期間とした結果、入札に参加した民間事業者は1グループのみという結果となりました。PFI事業においては、多数の民間事業者の入札参加を受け、事業者間の競争原理をより一層働かせることが、コスト削減のみならず事業提案の内容向上の観点からも、大変重要なポイントです。多摩地域ユース・プラザ事業においては、区部ユース・プラザ事業での経験を踏まえ、施設運営期間を10年に変更しました。その結果、5グループという多数の入札参加者を得て、10%を超えるVFMが達成されました。
| 事業名 |
事業期間 |
入札参加者数 |
VFM※ |
| 多摩地区ユース・プラザ |
10年 |
5グループ |
約11% |
| 区部ユース・プラザ |
20年 |
1グループ |
約6% |
■ 予定総額及びその内訳の事前公表は、民間事業者の事業計画作成のヒントになります
本事業では、予定総額及びその内訳を公表したことにより、都として考えている事業のイメージを民間事業者に伝えることができたと考えます。特に本事業で整備、運営する社会教育施設について、都が想定する事業イメージを伝えるのに、一定の効果があったのではないかと考えています。
予定価格公表の内訳(下記3項目別の予定価格を参考値として公表)
(1)主として運営期間中の本件施設における継続的なサービス提供に要する経費費
・人件費的な費用(人件費、清掃警備・設備保守等委託費等)、物件費的な費用(物品、光熱水費、経常修繕等)
(2)本件施設の改修工事費・備品購入費(開業時に整備するもの)、開業費に要する経費
・設計費、工事監理費、改修工事費、備品購入費(開業時に整備するもの)、開業前経費、金利
(3)本件施設の改修工事費・備品購入費(開業時に整備するもの)、開業費に要する経費
・下水道接続工事費を含む(分担金を除く) |