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平成26年度「心の輪を広げる体験作文」及び「障害者週間のポスター」作品集

はじめに

私たちが目指す社会は、障害のある人もない人も、国民の誰もが分け隔てられることなく、お互いに人格と個性を尊重し支え合う共生社会です。

内閣府では、毎年、障害や障害のある方に関わる「体験作文」と「障害者週間のポスター」を募集しており、今年も多数の応募をいただきました。いずれも、障害のある方との心の触れ合いを豊かに表現するなど優れた作文であり、また、人々の心に訴えかける力のある優れたポスターでした。作文やポスターがかくも大きなメッセージを発するものかと心から感嘆し、作者のみずみずしい感性や感受性に魅了されました。応募者や入賞者の中には、その後、夏の甲子園で活躍するなど様々な活躍をされている方もおられ、大変心強く思っています。

この「出会い、ふれあい、心の輪」は、各都道府県・指定都市からの推薦作品より選定した入賞作品を収録したものです。学校や地域でご協力いただいている方々のご尽力に感謝するとともに、この作品集が、学校、職場、地域社会などで広く活用され、障害や障害のある方への理解につながり、共に生きる心が育まれることを念願しています。

平成二十六年十二月
内閣府特命担当大臣 有村 治子

心の輪を広げる体験作文 審査講評

障害者自身の体験はもとより、家族の体験にも切実なものがあり、周囲にいる人々の体験にもいい作品があった。書き手の立ち位置によって切実さの質が異なっていて、選考する苦労もそこにあった。また文章がしっかりと書かれていることは大事だが、内容の切実さから思わず文章に乱れが生じるといった作品にも胸を打つものがあった。

小学生部門の最優秀賞に選ばれた宮川幸音さんの「心ズキズキ心のこえ」は、「ぼくがわらうと家族がわらう/ぼくがかなしいと家族がかなしい……」といった詩が最初に掲げられていて、作文の内容を象徴的に示している。通院や入院をくりかえしている書き手にとって、家族や、学校の友だちや、保健室の先生などの温かい対応が何よりも心の支えになっている。障害のために声がうまく出せない書き手が、心の声で多くの人々に「ありがとう」と語りかけるくだりが感動的だ。

中学生部門の小原拓登さん「兄弟―ぼくと兄の場合―」では、自閉症の兄を弟がやさしく見守っている姿が、鮮やかに描き出されている。自閉症特有の細部へのこだわりで家族が迷惑する場面がユーモラスに描かれていたり、兄が最初の言葉を発する瞬間のお母さんのすばやい対応など、実体験のある人にしか書けない具体的なようすが描かれていて、困難な中にも家族が結束して障害者を支えているさまが目の前にありありとうかびあがる。

高校・一般部門の大東啓子さん「生まれて初めての女子会」は、高齢になり、それまでずっと支えてくれていた母を失った書き手が、母への感謝をしみじみと語る部分と、その母を失った悲しみを乗り越え、福祉課の女性やヘルパーさんに支えらて元気を取り戻す後半部分で構成されている。とくに後半、ヘルパーさんたちの「女子会」に招かれて、女性だけの楽しいおしゃべりの会を生まれて初めて体験するくだりが胸を打つ。福祉にたずさわる人々の心のこもった活動の一端が伝わってくる。

審査委員長 三田 誠広

心の輪を広げる体験作文入賞作品

最優秀賞
小学生部門 心ズキズキ心のこえ 名古屋市立上名古屋小学校四年 宮川 幸音(名古屋市)
中学生部門 兄弟―ぼくと兄の場合― 香川大学教育学部附属高松中学校一年 小原 拓登(香川県)
高校・一般部門 生まれて初めての女子会 大東 啓子(京都府)
優秀賞
小学生部門 まっててね、ひろにいちゃん 佐賀大学文化教育学部附属小学校一年 山口 悠希(佐賀県)
僕の兄ちゃん 氷見市立十二町小学校六年 北口 優斗(富山県)
先生が教えてくれた事 桐生市立北小学校四年 川島 彩愛(群馬県)
中学生部門 車いすに乗って体験した素晴らしい事 神戸市立有野中学校二年 竹原 諒(神戸市)
いもうと 名古屋市立鳴子台中学校一年 久冨木 楓(名古屋市)
車椅子のおじちゃん 山口市立白石中学校一年 大迫 朱里(山口県)
高校・一般部門 生きてるだけでOKやで!! 榎田 伸也(奈良県)
家族の支え 駒場 幸子(岩手県)
見えないシャトルを追って 福島県立盲学校高等部三年 緑川 秀太(福島県)
佳作
小学生部門 祖父はタイムトラベラー 仙台市立桜丘小学校六年 松原 孝之助(仙台市)
ちょうどいい手つだい 宇部市立川上小学校三年 益田 理澄(山口県)
明日も生きよう 浜松市立浅間小学校二年 石川 大倭(浜松市)
自分が好きになったわけ 三豊市立上高瀬小学校六年 林 凜々子(香川県)
ぼくの大好きなおばあちゃん 千葉市立弁天小学校六年 梅田 翔太(千葉市)
中学生部門 つながること 鳥取大学附属中学校三年 細田 温佳(鳥取県)
「動かす力」と「見えない力」 和歌山大学教育学部附属中学校一年 佐野 晴香(和歌山県)
みんなちがってみんないい 北海道教育大学附属札幌中学校一年 砂山 莉穂(札幌市)
障害をもった人たちと私たち 多可町立加美中学校二年 花本 鈴音(兵庫県)
最強コンビ 大阪教育大学附属平野中学校三年 渡邉 祐人(堺市)
高校・一般部門 障害者施設での実習を通して 岐阜県立大垣桜高等学校二年 岩崎 美月(岐阜県)
「ありがとう」は心の薬 小池 みさを(千葉県)
自由な空 齊藤 翔(青森県)
ぼくの応援団 学校法人岡崎学園 東朋高等専修学校二年 藤澤 正儀(大阪市)
仲間 なかま 佐藤 俊雄(山形県)

障害者週間のポスター 審査講評

ポスターの絵画的表現では、目的伝達のため計画性ある造形になる。従って力強い構図、明快な配色の鮮明な画像が多く見られる。これとは逆に力みの無い自然で柔らかな空気の流れを感じる作品に出会った。小学生部門、最優秀賞の両角藍さんの秀作である。人の優しさ、心の温かい交流を美しい色調で淡々と描いた絵。持って生まれた感性の技能であろう。対照的に精魂込めた姿勢で描くスポーツ競技の状景。選手、コート、観衆の全体を真摯な筆致で仕上げた優秀賞の真保快成君の作品。

佳作の鈴木琢真君のデッサン力のある構図と人物像は極めて高い技術である。梅本脩平君の競技の作品も伸びやかな構成と画面から伝わってくる明るさは、作者の素直な性格を映したものである。日高悠斗君のダイナミックな明るい作品。水谷優里さんの大変丁寧な努力には敬意を表する。豊かな色感の川辺実奈さんの画面からも自由な空気が流れる。

中学生部門、最優秀賞の石渡智樹君の作品からは祭太鼓が響いてくる。みんな一緒の楽しさ、温かさのリズム。暗色の背景なのに明るく輝く絵にかわる。紅白の幕、柱、提灯の点景が効果的な働きになっている。全員参加の喜びの合唱である。優秀賞の新帯すみれさんは大変明るい人と思われる。絵には人柄そのものが表現されることがある。ジャンプの構図、彩色ともその典型のようだ。佳作の中島みなみさんの走る人物は筋肉の状況を観察してリアルに描写した感じである。金井幸さんの画面全体に細やかな神経を使った制作態度には好感が持てた。齊藤まどかさんの構図の変化は独自性があり、江頭佑香さんの独特な色感の面白さ、小峰穂乃花さんの短距離競走図の緻密な表現にも技能賞ものと印象に残った。

表現する事では、日常的に描き続ける積み重ねが大切で、自分の持てるものを素直に出せることが重要だと、皆さんからの教示を賜ったのである。

審査委員会委員 杉田 豊

障害者週間のポスター入賞作品

最優秀賞
小学生部門 中学生部門
最優秀賞
玉名市立玉名町小学校四年
両角 藍(熊本県)
最優秀賞
埼玉県立特別支援学校大宮ろう学園中学部三年
石渡 智樹(埼玉県)
優秀賞
小学生部門 中学生部門
優秀賞
藤岡市立小野小学校五年
真保 快成(群馬県)
優秀賞
名古屋市立山田中学校二年
新帯 すみれ(名古屋市)
佳作
小学生部門
佳作
栃木市立西方小学校六年
鈴木 琢真(栃木県)
佳作
犬山市立楽田小学校四年
梅本 脩平(愛知県)
佳作
宮崎市立大塚小学校六年 日高 悠斗(宮崎県)
佳作
さいたま市立大宮東小学校六年
水谷 優里(さいたま市)
佳作
福岡市立西新小学校四年
川辺 実奈(福岡市)
 
佳作
中学生部門
佳作
栃木市立大平中学校一年
中島 みなみ(栃木県)
佳作
前橋市立南橘中学校三年
金井 幸(群馬県)
佳作
犬山市立城東中学校二年
齊藤 まどか(愛知県)
佳作
大川市立大川南中学校一年
江頭 佑香(福岡県)
佳作
さいたま市立大成中学校一年
小峰 穂乃花(さいたま市)
 

編集後記

内閣府では、障害者施策における啓発広報の一環として、毎年、都道府県・指定都市との共催で「心の輪を広げる体験作文」及び「障害者週間のポスター」の募集を行っています。今年は、作文では小学生部門738編、中学生部門2,783編、高校生・一般部門542編の合計4,063編、また、ポスターでは小学生部門528点、中学生部門762点の合計1,290点の応募があり、作文とポスターの応募者数を合わせると延べ人数で5,353名の方に応募していただきました。各都道府県・指定都市をはじめ、関係機関・関係者の方々に積極的に取り組んでいただき、御協力いただいた結果であり、厚く御礼申し上げます。

応募作品のうち、各都道府県・指定都市から推薦のあった作文及びポスターについて、審査委員会(三田誠広委員長)において審査いただいた結果、全体で最優秀賞5作品、優秀賞11作品、佳作25作品の計41作品を入賞作品として決定いたしました。

本作品集は、これら41(作文27編、ポスター14点)の作品を掲載したものであり、推薦のあった作品については、参考資料の中で作者・学校名等を一覧表で掲載しました。

障害の有無にかかわらず国民誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合う共生社会の実現を図るためには、各種施策の進展とともに一人一人の「心の壁」を取り除いていくことが極めて重要です。

本作品集が教育現場で活用されるなど、学校、職場、地域など様々な場において多くの方々にご覧いただき、「心の輪」を広げ、障害のある人への理解と関心がさらに深められることの一助になることを念願しています。

内閣府 政策統括官(共生社会政策担当)付
障害者施策担当

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