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第28回障がい者制度改革推進会議(2010年12月13日)
議事要録


議事 障害者基本法の改正について(第二次意見のとりまとめ等について)


【前文と総則部分について】

  • (東室長)委員から約450の意見提出があった。不十分だが、反映させている。
    各項目について、関係各省庁から留意点が出されている。これに対して、この推進会議としてはどう考えるか。御意見を頂きたい。
  • (発言)障害の種別・程度による制度間格差をなくすべきという推進会議の認識に対して、厚生労働省は障害の種別や程度によって必要となる支援は当然異なるため、必要となる支援の内容は異なるべきだと言っている。機能障害の種類が違っても同じサービスを画一的にやれと言っているわけではなく、必要な人に必要なサービスが提供できるような制度を構築するべきだと言っている。認識が異なる。
  • (発言)省庁のコメントに「『障害者を保護の客体であるとする見方から、すべての基本的人権の享有主体であるとの見方へ、考え方の根本を転換することが障害者権利条約の理念』とあるが、障害者権利条約にそのような規定はない」とある。しかし、条約の事務局を担う国連の担当部局が出している文書で、パラダイムシフトという言葉が使われ、障害者がすべての基本的人権の主体であるという表現もある。これを意図的に無視し、この条約に規定がないというところだけを述べているのは残念だ。定義についても「障害者権利条約に、社会モデルの明示的規定はない」と述べているが、条約の交渉の過程で社会モデルという表現が使われ、条約は広い意味での社会モデルの一環であるというのは間違いがない。
  • (発言)精神障害者は医療制度の中にいて、福祉制度に入り込めていない。自立支援法で三障害一元化となったが、実態は変わっていない。
  • (発言)省庁のコメントに、障害者だけ「基本的人権の享有主体であることを確認する」ことで、どのような法的効果が生じるのかを明らかにしておく必要があると書かれている。障害者が権利の享有主体であることを確認する必要があるのは、他の市民と同様に自立と社会参加を保障するために、支援や合理的配慮が必要だからだ。基本法には、抽象的な概念として地域社会で暮らす権利が規定されるべきで、総合福祉法に地域社会で生活するための具体的な権利としてサービスの選択権や受給権を明確にするべきだ。
  • (発言)障害のある人の基本的人権を実質的に保障するために、まず人権を確認することが必要だということは再三述べている。合理的配慮をしなければ障害のある人の人権は実質化できないということもこの場で確認している。この場は人権条約の国内法整備のための会議であり、基本となる理念は地域社会で生活する権利、インクルーシブな社会をつくることだ。これを障害者基本法で確認し、総合福祉法等で具体化していくことが必要だ。
  • (発言)憲法にあるから、個別法に書かなくていいというのは間違っている。精神障害の場合、自由意思ではなく入院させられてしまう場合があり、法律で適正手続を定めなければ人権は守られない。各省の意見は現行法と照らして精査しているだけで、権利条約に照らしてどこを踏み出さなければいけないのかが重要だ。
  • (発言)精神障害者の地位が向上するには時間がかかるだろうが、少なくとも基本法で権利性を含む方向性を書かなければいけない。第二次意見素案に「障害者に関連する政策決定過程に障害者が参画する重要性に鑑みて、障害者に関する施策の実施状況を監視する権能を担う機関を創設する」とある。モニタリングして、必要ならば勧告し、直させて、権利の実現を図ることを書いておく必要がある。
  • (発言)制度間の格差の問題は、不公平がない状態にするということだ。第二次意見で「地域生活における生活の権利」と明確に規定して欲しい。
  • (発言)「障害のある女性」に、提出した意見が取りいれられていることは感謝する。国際会議で採択された指針で障害のある女性のエンパワーメントが採択されたにもかかわらず、効果的な施策は行われなかったという反省も書いてあり評価できる。内閣府からの留意点に男女共同参画の第3次基本計画にある障害のある女性について言及があり、この点も評価している。
  • (発言)「国及び地方公共団体の責務」について、内閣府は「我が国においては、憲法で基本的人権が保障され、その下でこれを具体化する権利義務が個別法に規定されている」と述べている。第二次意見を出した後、具体的に国が検討を進める上で、懸案になることを示していると考える。法律を作る時に配慮して頂きたい点だ。
    「国民の理解・責務」に、事業者の責務を書く時に配慮すべき点がある。障害者に対する理解がまだ不十分である方がいるため、啓発活動が必要だ。
  • (発言)「国民の理解・責務」に事業者の例示として公共事業者やマスメディアが入っていないので、入れて欲しい。マスメディアには単なる事業者に留まらない大きな役割がある。省庁の留意事項には、事業者への義務づけが困難であるという指摘がある。国、公共事業体の責務を義務づけ、間接的に事業者に義務付けるのか等、全体の仕組みについては議論が必要だ。「法制上の措置」には、法律の制定や改正についても書き込んで欲しい。
  • (東室長)「事業者の責務」に公共事業体、マスメディアを入れるべきであるという意見は承っているが、公共事業体の範囲がはっきりしない。マスメディアは大きな問題だが、報道の自由との関係があるため、慎重にならざるを得ない。「法制上の措置」については、新しい法律の制定、改正、廃止ということを全部含んで法制上の措置と読むべきだ。
  • (発言)「法制上の措置」は、法律の制定、改定と書いている法律もある。
  • (東室長)もう一度検討したい。
  • (発言)「切れ目のない支援」について推進会議では、すべての障害者に24時間介助が必要だとは言っておらず、必要な人に必要な支援をして欲しいということだ。(省庁は)推進会議の意見を受け止めていただきたい。「障害者の意見の尊重」について、「障害者の方と障害のない方の利害が対立するような場合に、障害者の意見が一方的に尊重されると基本法たる法に規定することは適当ではない」というコメントがあるが、「尊重する」というのはこういう意図ではない。
  • (発言)「障害者の意見の尊重」では、障害者その他の関係者が参画して意見を述べ、これが尊重されることと書いてある。障害者の意見が一方的に尊重されるということではない。
  • (発言)「障害のある女性」について、「効果的な施策はおこなわれなかった」と過去形になっているが、びわこミレニアム・フレームワークとびわこプラスファイブは終わっていないので、希望を持たせる表現にしておきたい。障害者に関する世界行動計画、基準規則には、女性障害者に関しての規定はなく、第4回の世界女性会議の際の行動綱領で女性障害者の事がでてくるので、何も行われてこなかったことの立証になる。この点を加えて欲しい。
  • (発言)各省の留意点に反論するには、従来と何が違うのかと言わなければいけない。例えば、審議会で10人の委員のうち1名障害者がいて、その意見を聞いたら尊重したというのがこれまでだ。推進会議は、この場合6人の障害関係者が参加し物事を決めるべきだと言っている。「基本的人権の享有主体」を謳うべきだという意見は、障害者が成年後見を付けると選挙権、被選挙権が奪われるといった事実を踏まえている。このように基本的人権の享有主体であることが否定されている事実を指摘しないと、反論にならない。
  • (発言)「障害者が障害のない者と平等に」という表現は、「障害者」というレッテル貼りにつながりかねないため「障害の有無にかかわらず、全ての者」という表現にすべきだ。(省庁の)コメントの中には、細かい議論や誤解もある。
  • (発言)障害のある女性について総則に取り上げられたことは、評価する。施策の基本方針についての省庁からの留意点で、「可能な限り尊重」もしくは「尊重されるよう配慮」の方が、国民の理解を得やすいのではないかとあるが、ここでの国民は障害のない人という意味だ。障害のない人という意味で、国民を使うのは問題だ。
    総則が「国際的協調」、各則を「国際協力」にした現在の形を支持する。第二次意見案では、「障害者権利条約を生み出した国際的な潮流を踏まえる」としているが、日本として主体的に参加、推進するという意識が必要だ。基本法は、障害者の尊厳だけではなく権利を確保する観点を踏まえることが必要で、文言を強化すべきだ。

【地域生活〜教育について】

  • (発言)「地域移行」について、地域生活に移行するのなら、グループホームやケアホームを認める文言を基本法に入れるべきではない。障害者だけが生活する様式は、施設の延長線上だ。また、自立支援法から介護保険への移行する際に、介護保険の支援と障害施策の支援のどちらかを選択できる仕組みにして欲しい。
  • (発言)グループホームやケアホームは終の棲家ではないが、現実に地域での住まいの場の1つとして広く活用されている。
  • (発言)家族としては、障害者が地域生活をする前にグループホームがあることを望む。過渡的なものとして必要だ。
  • (発言)地域の中でインクルーシブに生活することが最終目標であることを明確にし、グループホームやケアホームは過渡的、一時的なものとするべきだ。
  • (発言)理念のみを追いかけると現実は混乱する。グループホームを否定するのは反対だ。選択できる、終の棲家ではないということであればよい。
  • (発言)グループホームは過渡的だが、ケアホームは食事の支援などがあり、精神障害者の地域移行において必要だ。
  • (発言)省庁のコメントに、基本法と総合福祉法で書くべき内容の仕分けがされていないという指摘がある。また、総合福祉部会や作業チームで検討している途中のものを第二次意見に盛り込むのはよいのかと指摘している。部会等で検討しているから推進会議で結論を出すべきでないというのはおかしい。どこまで書くかは別として、個別の法律の後に基本法を考えるなら日程が変わってしまう。
  • (発言)省庁のコメントに、全ての障害者が労働法規の適用を受けることは現実的には難しいという指摘があるが、第二次意見の案で述べているのは、福祉的就労をしている多くの方が権利性も労働者性もないまま長い間働いているので、これを変えるべきだということだ。労働だけを考えても障害のある人とない人の格差は大きい。「就労が困難な障害者に対しては、創作・趣味活動、自立訓練、生産活動、居場所の提供などを提供する場が整備される必要がある」と文言を加えて頂いたが、これを基本法改正の内容に盛り込んで欲しい。また、総務省は十数年前に、機能障害ではなくて労働の困難さという観点から見直しが必要だと指摘しており、厚生労働省はこれに対応して欲しい。
  • (発言)職業紹介等のサービスについて省庁から「障害者が一般の方と同様の職業紹介サービス等を受けることは妨げられていないため、具体的にどのような点において、平等に職業紹介サービス等を利用できるようにすべきかを明らかにする必要がある」との指摘があったが、これは事実に反している。ハローワークの通訳配置は手話協力員になるが月に7時間しかない。全国550か所のハローワークで手話協力員が配置されている所は297か所しかなく。「一般の方と同様の職業サービスが妨げられていない」と言うならば、全てに手話協力員の配置をしていることになる。
  • (発言)推進会議で、障害程度区分の廃止とそれにかわる協議調整による支給決定プロセスが議論され、それに基づいて総合福祉部会で議論しているので、総合福祉部会で検討しているから二次意見で盛り込むべきではないというのは、おかしい。
    教育について「保護者は、学校や市町村教育委員会が自分の子どもを地域で進んで受け入れてくれるという姿勢が見られないと、心を開いて就学相談をすることができない」との指摘があるが、だからこそ、当たり前に地域の学校で必要な支援と合理的配慮を得られる仕組みが必要だ。行かされるのではなく、自らが選んで特別支援学校に行くのが本来の在り方だ。
  • (発言)現在の教育制度が原則分離別学の仕組みになっているという指摘は当たらないとし、認定就学制度の導入や保護者からの意見聴取の義務づけなどを進めているとの省庁の見解があるが、これはインクルーシブ教育からの要請ではない。就学基準に該当する障害のある子どものうち3割が、小学校にいるからインクルーシブ教育だとの意見があるが、これは原則分離別学の中で保護者の強い要求で統合されている結果だ。ここへの支援が必要なのに、原則分離はあたらないと言うのは開き直っているのではないか。
  • (東室長)就学基準に該当する障害のある子どもは、特別支援学校に原則就学するという従来の就学決定の仕組みを改め、障害の状態、本人の教育的ニーズ、本人、保護者の意見、専門家の意見等を踏まえた総合的な観点から就学先を決定する仕組みにするという見解についてはどうか。
  • (発言)障害の状態に応じた支援が保障されるべきだ。教育的ニーズは、分離別学の根拠となるためおかしい。
  • (発言)教育の「教育方法の工夫・改善等」の後に、「アクセシブルな教科書の保障」を追加して欲しい。

【健康、医療〜精神障害者に係る地域移行の促進と医療における適正手続の確保について】

  • (発言)健康、医療に、精神医療の体制整備を位置づけて頂いた。保護者制度をなくす場合に司法が関与しなければいけないので、これも加えて欲しい。また「施設収容に偏った」は、精神障害の場合は「病院」にした方が良い。精神障害の場合は特に人生が変わってしまうため、インフォームドコンセント等の取組を強めなければならないものと理解して欲しい。また、医療法上、医師は正当な理由がなければ患者の診察を拒んではならないが、精神疾患が診察拒否の理由になってしまうことが問題になっている。省庁のコメントで「現行法でこれだけできているから良い」とあるのは困る。現状で法に基づく適正な手続による入院や医療が行われているならば、権利条約上の人権の問題が大きい精神医療についても現行法で良いということになる。人権に配慮した法体系制度に変えるのが今回の目的だ。
  • (発言)省庁から、二次意見案の実現可能性の担保があるのかとのコメントがあるが、具体的にはモニタリングで実施することになる。精神医療の在り方については別途、検討チームを作ったとあるが、検討は推進会議でやりたい。基本法では、精神科医療の適正手続について明示する必要がある。また、適正手続の中身が重要で、手続さえやればよいということではない。
  • (発言)総合福祉部会で第二次意見素案に対して部会のメンバーから、精神障害者の医療を独立して掲げるのはやめて欲しいという意見があった。医療は、できるだけ本人の意思、自由を尊重すべきだ。精神だけ独立させるべきではない。社会的入院の解消が項目として必要であるならば、それを補強することもできるだろう。将来的な課題として、精神障害分野を特殊化しない方向が望ましい。
  • (発言)ILOの条約で、ディスエーブルは身体と知的だけ訳され、メンタルヘルスが訳されない。そのために50年間差別され、特別視されてきた。特別視しないで済むなら、誰も特別視されたくない。しかし、ひどい目に遭っている人がいる以上は、その人たちの人権を救済しなければならない。精神分野を特別視しなくてもよくなるのは、将来のことだ。
  • (発言)6月29日の閣議決定で、精神関連が3つある。強制入院、社会的入院、質の向上だ。これについて、答えなければならないという意味で、独立の項目を立てざるをえない。
  • (発言)地域生活をしている重度の障害者には入院時にもパーソナルアシスタントが必要だということを明記してほしい。また「重症心身障害者」は、重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童であるため「重症心身障害者及び重度の身体障害者」としてほしい。

【障害のある子ども〜文化・スポーツについて】

  • (発言)「障害のある女性」が総則に入ったので、「障害のある子ども」も総則に入れるべきである。「情報アクセスとコミュニケーションの保障」は各施策に含まれており、共通する重要なテーマだ。基本的施策関係に置くなら、順番や位置づけを明確にすべきである。
  • (発言)「情報アクセス・コミュニケーション保障」は全分野に関わるが、特有の論点もある。表題としては今のままで構わないが、情報アクセスを取り出して提案する文章にして欲しい。一方、「ユニバーサルデザイン」では技術開発の進展を障害分野にも適用する問題がある。情報アクセスを総則に盛り込むのが難しいのであれば、ユニバーサルデザインに入れて欲しい。
  • (発言)いつでも相談できる体制にするために、必要なコミュニケーション手段を提供するのは当たり前のことだ。省庁コメントに「コミュニケーション手段の提供は福祉的支援として行われるものに限定されない」とあるが不適切ではないか。障害者自身が相談業務を担う機会を増やことについてのコメントもおかしいのではないか。推進会議の議論では、障害を持つ当事者が相談業務を担うことで、障害者が相談する機会が増えると提起されている。
    「文化・スポーツ」について省庁コメントでは、映画、DVDでの字幕付与についてNPO法人を設立していると述べている。いろいろな団体、グループが字幕付与のボランティアで頑張っているが、特定の団体をあげることは公平性の観点から良くない。
  • (発言)「相談」に「本人中心の相談ができるように」という文言を追加したい。障害当事者による相談はボランティアで良いという省庁コメントがあるが、現状認識が違う。推進会議では、障害当事者による相談体制が十分ではないため、これの底上げが必要だと言っている。
    「ユニバーサルデザイン」では障害当事者が規格策定や評価に関与できる仕組みづくりが必要であることを、「交通バリアフリー」では切れ目のない交通・移動手段が必要であることを、「情報アクセス・コミュニケーション保障」では電子出版を、それぞれ加えて欲しい。
  • (発言)「ピア・カウンセリング」の前に「本人中心」を加えて、エンパワーメントのための本人中心という視点を強調してほしい。「住宅」については、小規模な賃貸住宅も含め改築の優遇措置や申請手続きの簡素化を図る等の内容を加筆してほしい。
  • (発言)「ユニバーサルデザイン」で視覚障害者対応の銀行のATMがないと書かれているが、実際はある。また、例示等も必ずしもユニバーサルデザインと言えないのではないか。この項目を削除したほうがよいのではないか。
  • (発言)「相談等」のピア・カウンセリングについて、「ピア」に家族も含まれることが分かるようにして欲しい。
  • (発言)親同志の相談は、ピア・カウンセリングになる。この他、病院の中にいる仲間が、電話をかけてきた時に、病院に立ち入ることができる権限が必要だ。
  • (東室長)「ユニバーサルデザイン」の項目をなくすという提案があったが、どうに考えるのか。また、親同志もピア・カウンセリングになるという発言があったが、障害当事者同志をピアと言ってきた背景があることから、親同士の相談をピアと包括してよいのか論点になる。
  • (発言)「ユニバーサルデザイン」という項目は必要だ。ユニバーサルデザインで大事なことは、障害者に特化したものではないということだ。
  • (発言)「ユニバーサルデザイン」を基本法の中で謳うことで、障害者が社会的に使いやすいものが増える。積極的に利用すべきだろう。
  • (発言)「ユニバーサルデザイン」の項目をなくすのではなく、アクセシビリティーの中でユニバーサルデザインが考えられるという観点だ。基本法でも取り上げられるべきだ。
  • (発言)普通の人も使えるけれども、特化した人に対しても使えることが、ユニバーサルデザインだ。別立てて説明をするべきだ。
  • (発言)ユニバーサルデザインについて、推進会議の問題認識は指摘をする必要がある。製品の規格づくりや開発、評価の過程に当事者参画がなければ言葉だけになる。ユニバーサルデザインは、一般市場に供される商品やサービスを全ての人が使えるようすること。バリアフリーは個別対応が必要になるもので、両方のアプローチが必要だ。ユニバーサルデザインの水準を上げることで、資源や財源をバリアフリーに特化できる。
  • (発言)ユニバーサルデザインが高まると、アクセシビリティーが上がる。バリアフリーのチェックをしていくと、ユニバーサルデザインのあるべき姿が見えてくる。
  • (発言)「バリアフリー」は自治体の立場では、移動あるいは生活上の障害を改善して使いやすくするという視点が強い。「ユニバーサルデザイン」は一層使いやすいものを求めて、さらなる技術革新の未来志向を示すキーワードだ。このキーワードを残して頂きたい。
  • (発言)ユニバーサルデザインではなく、福祉機器というアプローチをしないと全体に開発が進まない。アクセシビリティーの中には最初に技術開発があり、その次にユニバーサルデザインがあると整理できれば、考え方が明確になる。
  • (発言)(ピア・カウンセリングについて)「ピア」は使わずに「障害者・家族が」として頂きたい。

【所得保障から国際協力について】

  • (発言)「司法手続」で、障害のある被疑者についての箇所は被告人、受刑者になった場合も含むようにして欲しい。また「司法に係る手続と必要な配慮」では手続に限定されているので、処遇という文言を加え生活全般を網羅するようにして欲しい。障害者の特性に応じた同様の手続き上の配慮をするべき場合として、弁護士が障害当事者である場合などを想定して、「参考人、証人、裁判員、傍聴者」だけでなく「司法関係者」を加えて欲しい。
    既に適正な手続きをしている旨の省庁コメントがあるが、全般的には遅れている。例えば手話通訳等をつけた時には、訴訟費用として当事者に費用を負担させている。また「受刑者には、障害の程度に応じて、当該受刑者が実施可能な刑務作業を指定するなどの配慮を講じている」というコメントがあるが、知的障害のある受刑者が効率の悪い作業を独居拘禁などでさせられ仮釈放の時に不利益な扱いをされたり、工賃にも問題がある。
  • (発言)聞こえない人が選挙権を行使するための情報保障として手話通訳をつけることは、認めてもらえない。省庁コメントにあるように、手話通訳をつけると公正な選挙ではないと言われてしまう。また、聴覚障害者が取り調べを受ける又は逮捕状を提示される時は配慮しているとのコメントがあるが、交通事故のため警察で手続をする場合に手話通訳がついたことない。留置場や刑事施設に社会福祉士や精神保健福祉士を配置しているとあるが、手話通訳士を配置していないのは公平性に欠ける。さらに、聞こえない人が裁判の傍聴にきたいと思っても、裁判所が手話通訳をつけることはない。手話通訳をつけることを認めるどうかは裁判所に裁量権があるので、これでは手話通訳を認めたことにはならない。
  • (発言)「国際協力」について「障害者権利条約は32条で国際協力を規定しているが法律上の義務までは求めていない」との省庁コメントがあるが、締約国は条約を実施する義務を持つ。また「特定の分野における国際協力について、立法措置を行わずとも実施可能な取組をあえて法制化することで、国際協力の柔軟性を損なうことのないよう」とのコメントも気がかりだ。
  • (発言)第二次意見にはできるだけ多くの論点を盛り込むべきだ。そして、基本法案を議論する際には第二次意見の中の中核的な部分とそうでない部分を分け、場合によっては基本法の中に盛り込むことができない論点も出てくるのではないか。
  • (発言)各省の留意点に対する委員の意見への返事はくるのか、不安だ。省庁の意見をそのままにして第二次意見をとりまとめることで、全体が進むのか懸念がある。関係省庁とのヒアリングをもう一回実施できないのか。
  • (発言)省庁からの回答は、ほとんどが現行法でやっているからそれ以上改革しなくていいというものだ。権利条約という国際的な約束ごとの中で、日本の障害福祉制度は大変遅れている。今後、省庁との調整は必要だろうが、結局何のために議論したのかとならないようにするべきだ。幾つかの大きい問題については、総理大臣レベルの御決断が大事だ。

【推進体制と「障害」の表記について】

  • (発言)市町村の場合、障害者に関する施策や事業を行い、よりよくしていくときのプロセスは「監視」ではない。「調査検証」や「評価検証」の方がしっくりくる。「監視」という用語ではなく、「調査、評価(モニタリング)」であれば、市町村の実情に合う。
    障害者施策については国と地方が協議すべき課題であり、地域主権の考え方を踏まえつつ地域の声を反映する必要がある。実行性のある制度をつくるには、今後、「国と地方と協議の場」で市町村を尊重していただいた議論をするべきだ。
  • (発言)「推進体制」で、基本計画を策定するのは基本法の内容を実現するためであることを明示して欲しい。
  • (東室長)年末に第二次意見を完成させるので、大枠は崩せない。基本法として最も中心的な内容を盛り込む必要がある。第二次意見は推進本部に提出する予定だが、日程は決まっていない。ただ第一次意見とは違い、閣議決定が速やかになされるということではない。

[以上]

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