(PDF形式:366KB)別ウインドウで開きます

障がい者制度改革推進会議(第38回)
議事録

藤井議長代理 それでは、定刻になりましたので、第38回の「障がい者制度改革推進会議」を開始いたします。

本日は小川議長が欠席でございますので、冒頭から藤井の方で議長をさせていただきます。

本日の欠席でありますけれども、今、言いましたように小川議長、清原委員、中西委員、松井委員、その他の委員及びオブザーバーは出席であります。

会議の公開につきましては、これまでと同様といたします。

進行上の時間配分等につきましては、後ほど東室長より御報告を申し上げます。

本日の会議は17時を予定しております。

本日は、園田政務官が御出席されていますので、まず最初に、園田政務官よりごあいさつをお願いいたします。政務官、よろしくどうぞ。

園田政務官 ただいま御紹介賜りました内閣府大臣政務官を務めさせていただいております園田でございます。大変推進会議の皆様方には御無沙汰をいたしたところでございますけれども、また今日まで皆様方には大変御熱心な御議論をいただきまして、誠にありがとうございます。

まだ担当の中川大臣がなかなか国会の状況の中において皆様方にごあいさつをする機会がなかったかもしれませんが、代わりまして、大変恐縮でございますが、一言皆様方にごあいさつを申し上げたいと思っております。

政権交代をいたしましてから、この推進会議が発足いたしました今日まで、皆様方の本当に御熱心な御討議をいただいてまいりました。本日を数えて38回を数えることになろうかと存じます。また、この間、差別禁止法の部会あるいは総合福祉法に向けた総合福祉部会で、当事者の皆さん方を含め、多くの御議論をいただいてきたと聞かせていただいておりますし、また私自身も皆様方の御討議はすべて資料に目を通させていただいているところでございます。

本当にこういう形の会議がなければ、今日あるいはこれから先の障害者施策に関する方向性というものは全くもって見えないものではなかったのかなと。すなわち、この会議でオープンな形で、しかも情報保障であるとか、インターネットあるいはCSを通じて全国の皆様方がリアルタイムで見て、聞いて、考えて、一緒になって新たな制度をつくっていく、まさしくそういう先進的な会議であっただろうし、政府の中においてこのような運営をしているといったところは恐らくほかにもないのではなかったのかなと思います。そういう意味で、本当に先進的な御議論、そして積極的な御議論をいただいたことに私からもまず御礼を申し上げたいと思っております。

その1つの成果としてつくっていただきましたのが、昨年の障害者基本法の改正でございました。この中においても本当に皆様方には御提言をかなりのところでいただき、それを受けさせていただきながら、残念ながらではございましたけれども、その当時においてはまだまだ政府の中においても調整をつけることができていなかったという部分に関しましては、私自身も含めて率直に反省を述べさせていただきたいと思います。

しかしながら、その後でありますけれども、やはり皆様方がここで議論いただいたことが国会の御議論の中においてもきちっと反映していただいたものである。与野党を超えてこの基本法の改正についてはしっかりと御議論をいただき、よりよいものとして改正することができたのではないかと思います。

でも、まだ課題は私も含めて残っていると強く認識をさせていただいているところでございます。そういった面では、昨年、皆様方の基本法の改正によって、これから設置されようとしている政策委員会の中においても、引き続きしっかりとした御議論をいただき、また、世界に対してこの我が国の日本の障害者施策がしっかりと歩みを進めているのだといったところをこの政策委員会の中においても私は先進的な議論をしていただけるものではないかと大きな期待をさせていただいている1人でございます。

どうぞ今日はその推進会議の成果と課題、そして今、申し上げました障害者政策委員会に期待することということで、皆様方に引き続きの御議論を本日最大限時間を使っての御討議、御議論をいただければと思っております。私も国会の関係で最大3時ぐらいまではしっかりと皆様方の御意見、お考えを聞かせいただきたいと思っておる次第でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。また、今日までの御議論、本当にありがとうございました。御礼を含めて一言ごあいさつさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

藤井議長代理 政務官は恐らく途中で、今おっしゃったように3時ごろに出られますので、よろしくお願いいたします。

それでは、最初に今日の進め方の概略につきまして、東室長より説明をお願いいたします。

東室長 こんにちは。担当室の東です。

推進会議としては今回が最後ということになりました。今日の主なテーマは、「障がい者制度改革推進会議の成果と課題について」といったことについてであります。

本日の進行でありますけれども、15分の休憩を2回とりまして、3つのコーナーに分けて進行していきたいと思っております。

第1のコーナーは50分で「障害者自立支援法に代わる新法の検討状況について」ということで、前半の20分ほどで私と総合福祉部会の部会長である佐藤委員より御報告をしていきます。それを受けまして後半の30分ほどで質疑及び意見をいただくといったことを予定しております。

第2のコーナーでは、「障がい者制度改革推進会議の存在意義について」ということで、50分ほどを予定しております。

第3のコーナーは70分ほどを予定しておりまして、「障害者政策委員会に期待すること」と題して議論を行っていきたいと思います。

以上が本日の予定でありますが、若干資料の説明をさせていただきますと、資料1ということで委員の皆様の今回のテーマについての意見をまとめております。ただ、これに入りきらなかった部分として、竹下委員及び大濱委員から別紙で意見が出ております。

そのほか参考資料1としまして、『ノーマライゼーション』の1月号に掲載された「推進会議構成員・総合福祉部会構成員へのアンケート調査から」ということで、推進会議についてのいろいろな意見をまとめたものが出されております。

更に佐藤久夫委員長提出資料ということで、先日3月8日になりますが、民主党ワーキングチームで配布された資料が提出されております。

小川委員提出資料ということで、「『障がい者のためのわかりやすい東電賠償学習会』について」と題する書面が出されております。

資料としては以上でございます。御確認ください。どうもありがとうございます。

藤井議長代理 ありがとうございました。

それでは、第1コーナーで50分ちょっとの時間になりますが、2時5分をめどにして第1コーナーを進めてまいります。内容は今ありましたように、障害者自立支援法に代わる新しい法律の検討に関してということで、これに関しましては東室長と佐藤久夫委員の方から説明願います。20分間程度の説明を予定しております。

では、最初に東さんからお願いします。

東室長 担当室の東です。

私の方からは若干経過だけ説明させていただきます。

御存じのように、総合福祉部会は平成22年4月27日に第1回が開催されまして、平成23年8月30日、18回をもって骨格提言をとりまとめております。この総合福祉部会でとりまとめられました骨格提言につきましては、当推進会議の第35回になりますけれども、平成23年9月26日、藤井議長代理の方から推進会議として当時の大臣であった蓮舫大臣に手交され、副本部長として受けていただいております。

この骨格提言を基に、厚生労働省におきまして新法の準備がなされていたわけですが、今年2月の民主党ワーキングチームで最初の厚生労働省案を示した後に、2月8日、第19回になりますけれども、総合福祉部会において提示されました。

これについて総合福祉部会でさまざまな意見がでましたけれども、これを受けまして、民主党のワーキングチームでは議論を更に積み重ねて、その後、厚生労働省からは2月22日及び2月28日、最終的には3月1日に修正された法律案が民主党厚労部門会議において提出されて了承されているといった状況にあるわけです。

それにつきまして3月8日、民主党のワーキングチームにおいて総合福祉部会の委員並びにその他の団体に対する説明会が開かれて、今日、お手元にあります佐藤委員提出資料という形になっておりますけれども、民主党からの説明資料が出されてきたといった状況にあります。

以上が経過です。

その内容については、これから佐藤部会長の方から御説明があるかと思います。ありがとうございます。

藤井議長代理 では、当推進会議の構成員でもあり、総合福祉部会の部会長でもあります佐藤さんの方から引き続き説明をお願いいたします。

佐藤委員 佐藤久夫委員提出資料というパワーポイントの資料をごらんいただければと思います。

これは3月1日の日付での厚労省案について民主党の障害者ワーキングチームの方で、それを総合福祉部会の部会委員など障害者団体ヒアリングの対象となった団体への説明会を行いたいということで、その3月8日の場で紹介されたものです。

その場面では、法律案の概要とか法律案そのものも資料としては配られて、マスコミにもオープンになっているので、この推進会議にも提出してもいいのかなとも思ったのですけれども、提出を認めてくれてもいいのかなと思ったのですけれども、まだ修正する可能性があるようなもので、ここへの資料としては出すことは難しいということのようで3月8日のパワーポイントの資料、民主党のワーキングチームの岡本座長の責任で出されたものしか資料としては使えないということのようです。したがって、とりあえず最新の政府が準備している法案の内容を示す資料としては、これを使って行うということになったわけで申し訳ないと思っております。

人がつくったパワーポイントを説明するというのはなかなか至難の業で、どういう点を紹介したらいいのか。しかも、昨年8月30日の総合福祉部会での骨格提言の内容とは大分落差があって、これでは困りますと、もっと骨格提言を尊重した法律にしてくださいと3月8日の場でも正副部会長から強く申し入れたところですので、内容的にも賛成ではないものを紹介するということで大変戸惑っているわけですけれども、できるだけ岡本座長が当日説明した趣旨に沿って、政府案はこういうものだということを短時間紹介させていただく。その後、部会長としてこういう点についてはこういう印象を持っているということを後で言ってもいいわけですね。

藤井議長代理 はい。

佐藤委員 そういうことで説明をさせていただきたいと思いますけれども、1ページ目のスライドで、「自立支援法から総合福祉法へ」というタイトルの変更をしたいということで、正式な法案の名称としては、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律、略称として障害者総合支援法としたい。総合的に障害者の支援を行うということのようです。

その総合的にということの意味を示すことになるのだろうと思いますけれども、3番目のスライドでは、障害福祉サービスに係る給付に加えて、地域生活支援事業その他の必要な支援を総合的に行うものとする旨を法律の目的の中に書き込むという説明がなされています。

それ以外にも「総合的に」という解釈に関連するものとしては、当事者団体活動等も総合的に支援するということが言われております。

目的に「総合的に」ということを入れることに伴って、具体的な制度の面では人材の育成、社会啓発、障害者や家族の団体活動支援など、必ずしも個別給付になじまないが骨格提言で求められている地域生活の支援整備上、重要な施策を新たにスタートするというような説明がなされております。

4番目のスライドですけれども、法律の目指す基本理念を新設する。現在の自立支援法には基本理念という条文はないですけれども、それを新たにつくって、そこでは障害者基本法の改正された補強された部分を取り入れながら、社会参加の機会の確保、どこでだれと生活するかの選択の機会の確保、社会的障壁の除去など、骨格提言や権利条約などで強調されている新しい考え方を盛り込むということを提案しています。

5番目のスライドですけれども、制度の谷間を埋める大きな転換を図りたいということで、具体的には治療方法が確立していない疾病その他の特殊の疾病であって、政令で定めるものによる障害の程度が厚生労働大臣の定める程度である者であって、18歳以上であるものを障害者の範囲に加える。児童福祉法でも類似の改正をして、一定の範囲の難病の人たち、これまで障害者手帳がないから支援が受けられない、この法律の対象ではないとされていた人たちも今度の改正で含めるようにしたいという説明です。

6番目のスライドでは、障害の別なく地域生活への移行を応援するための手立ての1つとして、重度訪問介護の範囲の拡大を図りたい。現在、重度の肢体不自由者で常時の介護を要するものというような規定になっている、その規定ぶりを改めて、「重度の肢体不自由者等」ということで、具体的な内容は法律には書き込まれていないわけですけれども、知的障害や精神障害も含めて、常時介護を必要とする人、常時支援を必要とする人はこの対象にしたいという方向を示したものだという説明がなされました。

その地域移行をより促進するためにも、ケアホームとグループホームの一元化を図り、グループホームの規定ぶりの中に介護、入浴、排せつ、食事の介護なども行うものとするということで、一元化を図って支援を増やしていきたいということも改正の中に入れたい。

先ほども出てきましたけれども、地域生活支援事業のメニューを更に拡大して、研修や啓発事業、障害者家族の活動支援、成年後見制度に関する人材の育成や研修事業、手話通訳の養成事業、都道府県で行っていたものを市町村でも行えるようにするというようなことなど、地域生活支援事業をより補強するということを計画しているということです。

当事者参画で施策を前進させるための3つの見直しを図りたいということで、最初の2つは障害福祉計画とそのための国の基本指針について、障害当事者、関係者、家族などの参加でよりきちんとしたものにする、そういう法的な面での裏打ちを図りたいということで、きちんと目標も定めて、実態を反映した基本指針、計画にするというふうにしたいということです。

自立支援協議会にも今までも実際上障害当事者や家族が入っていたわけですけれども、それを法律できちんと明記して、より補強するというようなことを考えているということです。

この障害福祉計画の基本指針と障害福祉計画については、更に福祉以外の分野でもかなり取り入れられるようになってきているPDCAサイクルという手法を取り入れましょうと。計画したというだけではなくて、その実施をして、評価をして、その評価に基づいて改善する。

藤井議長代理 土本委員からイエローカードが出ましたので、一旦ここで説明は中断していただいて、土本さんの方の発言を優先させますので、土本さん、お願いいたします。

土本委員 ちょっと早く出し過ぎたのですけれども、その後のところに出てくる無謬性のところに挙げたかったのですけれども、誤って挙げてしまったのです。

藤井議長代理 では、そこを今、先に言ってしまいますか。いいですか。

土本委員 後からでいいです。

藤井議長代理 では、引き続き佐藤委員、お願いします。

佐藤委員 こういう計画をして、実施して、評価をして、その評価に基づいて改善するというのを国でも地方自治体でもきちんと取り入れましょうと、そのことによってどんな資源が必要とされているのか、その資源が本当に充実したのかどうなのかということをチェックしながらやっていけるような仕組みにしましょうということで、PDCAサイクルというのを取り入れるということにしているわけですけれども、今の土本さんの言われた行政の無謬性を否定というのは、行政がやっているのだから間違いがないのだという思い込みというか前提で仕事をすることはやめましょうと、行政も間違いを犯すことがあるので、その間違いを犯さないようにするためにきちんとした評価をして、当事者参加もきちんと取り入れて、誤れば正しながらやっていきましょうということだと説明されています。

11番目のスライドは、そのPDCAサイクルというのを図にしてわかりやすくしたものかと思います。

12番目のスライドも、これが画期的な仕組みなのだということをより詳しく説明している。骨格提言で「地域基盤整備の10ヵ年戦略」というものも提言されているけれども、こうした目標を掲げて評価しながら進んでいくということでは、基本的には骨格提言の方向性を反映したものだという説明がなされているところです。

13番目のスライドは、「みなさんとともに3年で検討する骨格提言」というタイトルが付けられています。検討事項の中で厚労省が用意している法案の中で終わりの方に検討事項という条文があるわけですけれども、その中では、施行後3年を目途として、障害程度区分を含めた支給決定、常時介護を要する障害者等に対する支援、移動支援、就労支援、コミュニケーション支援、その他障害福祉サービスの在り方について検討を加えて、その結果に基づいて所要の措置を講ずるという案が用意されています。

その検討規定の第2項では、検討に当たっては、障害者及びその家族、その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるということで、政府だけで検討するのではなくて、関係者、障害者の意見を聞きながら検討しますというような規定ぶりになっています。このことによって、骨格提言の内容が当事者参加によって反映される仕組みにしておりますというような説明がなされています。

14番目のスライドでは、我が国の法体系から自立支援法をなくしますということで、形式的にはこの法案は、立法技術上は自立支援法の一部改正という形式をとっているものの、視点、考え方が医学モデルを前提とする自立支援法から大きく転換したものであって、社会モデルに立脚して地域移行を前提とする全く新しい原理から成り立つものであります。

保護の客体から権利の主体へという権利条約における障害者の位置付けの変更に伴って、障害者や家族の意見を参考程度に聞くといった姿勢から、より積極的に政策決定に参画いただくパートナーとして位置づけた法律でありますという説明もしています。

そういうことによって、自立支援法は実質的に廃止されることになりますというのが15番目のスライドです。しかし、廃止の条文、条項を盛り込めなかったということもまた事実なわけで、その理由としては、骨格提言での検討がやや抽象的な段階にとどまっているものも多くて、具体的などうするのかということを法律の中に書き込めない部分もあって検討するということになってしまったことも多いので、こういう段階では法律の廃止ということではなくて、一部改正にしてその間に検討するという形式を取らざるを得ませんでした。とは言っても、タイトル、理念、方向性などで自立支援法とは大分違ったものになるので、実質的な廃止と理解していただきたいということ。

最後のスライドでは、障害者制度改革は更に今後も進んで、これまでも応益負担の廃止などで進んできているけれども、更にこの法律を国会で成立させていただいて、来年には差別禁止法の制定と権利条約の批准ということで、更に障害者制度改革を進めてまいりたい、そんな説明が8日になされたということです。

その8日の説明の中では総合福祉部会の正副部会長、JDF、訴訟団その他、総合福祉部会のメンバーから非常に多くの意見が出されて、これでは困ると、特に訴訟団からは自立支援法で非常に尊厳を傷つけられたということで裁判を起こして和解をしたけれども、新しい法律をつくるということで和解したが、こういう法案が出てくるのではもう一度尊厳を傷つけられたということで重大な決意をせざるを得ないというような意見も出されるなど、これでは骨格提言が尊重されたことにならないというような意見が相次いで出されて、引き続き13日に予定されているということですけれども、政府の国会に上程する法案の作成に当たっては、更に大きな努力をしていただきたい。国会に出された後でもまだ修正する余地はあるわけで、最大限頑張っていただきたいというようなことを私からも多くのメンバーからも意見を述べて、説明会が1時間以上延長するようなことになりましたけれども、一応終わったというようなことでした。

政策委員会の課題の中にも私の意見として書かせていただいたのですけれども、この資料1の19ページ目の6)というところに簡単に私の評価も書いておきましたので、余り時間を取って申し訳ないのですけれども、ごらんいただければと思います。

ここでは総合福祉法については、総合支援法という名前で上程されるという方向になっているわけですけれども、これについては3月1日の法案では何より障害者の権利性、地域で生活するために必要な支援を権利として保障されるような法律へと、それを実施する国、自治体の義務というものを明確にしてほしい。お金がないから必要な支援も出せませんという状態をいつまでも続けないでくださいというのが骨格提言の主眼だったわけですけれども、そういう点が規定されていないことが何より大きな問題だろうというのが1点。

幾つかの検討事項は規定されているけれども、検討の方向性が全く不明であって、つまり、機械的な障害程度区分に基づく支給決定ではなくて、個別ニーズ評価に基づく個人の意見を聞いてもらえるような、そのとおりに支給決定するということではないけれども、意見を表明することがその支給決定プロセスの中で保障されるような支給決定の仕組みにしてほしいということ。福祉的就労という形から働く市民として尊重されるような障害の就労の在り方など、方向性を示して提言しているにもかかわらず、検討しますという事項を羅列しているだけで、骨格提言が尊重されたという確認が取れない法案になっているという問題点で、検討事項の中に権利擁護だとか地域移行などが入っていないという問題点。

依然として、谷間の障害疾患が残るという障害の範囲の規定の在り方。

相談支援だとか移動支援だとかコミュニケーションなどが依然として裁量経費の中で市町村の財政力によって格差が残る問題に手を付けようとしていないということ。家族の収入を基盤とした利用者負担制度を依然として継続するということというようなことがあって、そういう点から大分骨格提言の方向と違うものと言わざるを得ないと考えております。

岡本座長は、方向性は共通ですと、骨格提言の方向性を我々も踏まえていますと、ただ、進む量が量的には皆さんの満足できるようなものとなっていないだろうけれども、それはまず第1歩なので、これから伸ばしていくのですということで御理解をということだったのですが、今、幾つか言いましたように、方向性の点からも十分理解されているとは言えない部分が非常に多いという感じを持っております。

特に新しい理念を取り入れた基本理念という条文の中で、可能な限り実施するという表現が入っているわけで、これは現在の自立支援法にもない修飾句を新たに追加するということです。地方自治体の裁量の範囲がうんと広すぎることによって問題が生じている、そのために改革が必要なのに、ことさら裁量の範囲を更に広げてもいいのだというような「可能な限り」という表現を取り入れるということでは、むしろ逆行しているのではないかとも思われるというような意見がこの8日の説明会の中でもたくさんの委員から出たところです。そんなことも含めて、最後の最後まで関係者、厚労省、与党にも御理解をいただければと思っている次第です。

長くなって失礼しましたけれども、以上です。

藤井議長代理 それでは、2時5分ぐらいをめどにして、今の東室長と佐藤部会長の説明を受けて、質問と議論に入ります。ただ、おわかりのように、もう閣議決定が近いという厳然たる事実、しかし、まだ国会に今後上がって審議されるという点での残った時間もある、こんなことも踏まえながら、少し質問や意見を交わしてみたいと思うのですが、いかがでしょうか。

竹下さん、土本さん、関口さんの順番で発言いただきます。

では、竹下さん、お願いします。

竹下委員 竹下です。質問を2点。

1点目は、骨格提言のうち、今回の改正法案の中に取り入れられたものはどれとどれでしょうか。これが1点目です。

今、先生の説明にあった、岡本座長の言葉を借りて言うならば、方向性は同じだというのですけれども、方向性が同じとは言えない部分もあるという指摘もあったと思うのです、たとえば、地方自治体の裁量権の範囲という問題に関連し、改正法がもたらす影響について、骨格提言をまとめられた佐藤部会長の目から見て、骨格提言と少なくとも矛盾ないしは方向を異にする方向性が改正法の中に表れていると指摘できるものは、具体的に今もし御説明いただけるのならばいただきたいというのが2点目であります。

以上です。

藤井議長代理 では、土本さん、いいですか。

土本委員 土本です。

佐藤委員の書いていることで11番目、PDCAとまたまた片仮名で書かれているのですぐ読み切れないという部分があります。ということと、今まで、今回も含めて制度改革推進会議で議論、話し合ってきたところを含めて不十分だということで自立支援法廃止をという部分があるのですけれども、まだまだ自分たちの意見が反映というか、言葉で伝わり切れないところもいっぱいだということも含めて、今後も言っていかなければならないし、仲間たちがこんな廃止するといって、廃止ができなかった部分はこれからも言っていかなければならないのではないかと思いますので、その2点です。

藤井議長代理 今、土本委員から、1点目はPDCAのまたまた英語とありましたけれども、これについて説明してほしいと。2つ目は、土本さんからも既に文書が出ていましたけれども、これは意見としてでよろしいですね。

土本委員 はい。

藤井議長代理 では、1点目の質問にお答えいただきます。

関口さん、お願いできますか。

関口委員 関口です。

まず、自立支援法から障害者総合支援法に変わったわけですけれども、ここで用いられている支援の内実が変わったのか変わらないのかよくわからない。そもそも支援の定義がよくわからない。

というのは、精神障害者の地域生活支援センターでは、多くの従業員が精神保健福祉士であるわけです。精神保健福祉士法第2条では、相談に応じ、助言、指導、日常生活への適用のために必要な訓練その他の援助を行うことが相談・援助と書かれています。

でも、法の枠内で働いているわけですから、多分障害者総合支援法の中で精神保健福祉士はこの業務をするわけですから、相談援助と相談支援は一緒なのかどうかということです。つまり、監督ということが入ってきて、監督というか、助言・指導、指導ということが入ってきますと、例えば当事者団体をつくるのを支援するといったときに、指導されてはたまったものではないので、非常に言葉の意味がよくわからない。そもそも総合福祉法になっていればこんなことを持ち出す必要もなかったわけですけれども、自立支援法の支援と言っているときと障害者総合支援法の支援と言っているときの違いというのがもしあったら教えてください。

藤井議長代理 では、一旦ここで佐藤さんも全部お答えできるかわかりませんけれども、今の竹下さんからは骨格提言でどの部分が総合支援法に入ったのかと、方向性という問題、一緒と言うけれども、むしろ違った方向性等があったら気がつく点を挙げてほしいと。PDCAの意味。

関口さんからは大変難問なのですが、自立支援法で言う支援と総合支援法で言う支援等を含めて違いや関係性がどうか。

では、佐藤さん、いいですか。

佐藤委員 そういう質疑をするのであれば、厚労省の担当者を本当は呼んでいただければならなかったのではないかと思うのですけれども、総合福祉部会の部会メンバーもこの推進会議の中にかなりいますので関連して発言いただければありがたいとは思うのですが、まず第1点目は、竹下委員から60項目にわたる骨格提言の中で、取り上げられたものは何点かということなのですけれども、2月8日の段階の厚労省案については60分の3が不十分ながら取り入れられた。60分の9が触れられてはいるけれども、内容が不十分だというような採点をしました。これは2月8日の時点で4ページものの厚労省案と60項目をいちいち対応で比較した結果、そういうふうになったということなのです。その後、3月1日案についても同じような作業をしようと思っているわけですけれども、まだできていません。

取り入れられたかどうか、尊重されたかどうかということの基準をどうするかというのがなかなか難しくて、例えば骨格提言では障害福祉サービスに従事する職員の待遇をきちんとしなさいと、職員がどんどん辞めていくような中では安心して障害者が支援を受けられませんということから、労働条件、待遇、給料などの改善を求めているわけですけれども、その点に関して3月1日の法案で述べられていることというのは、労働法規に関連して罰金刑以上の処罰を受けた事業者は指定から外す。都道府県が事業者指定をする際に、欠格条項を設けて外す。ですから、労働者をしいたげるような事業者は障害福祉サービスの事業者には認定されないということなのです。

これが骨格提言が求めていることを法案が取り入れたということで1点にカウントできるかどうかというようなこととか、いろんな物差しの方をきちんとしないといけないので、そんなことを検討している段階なので、とても点数で表すことはできないというような状況です。

方向性が違う、同じではないということについて、いろんな場面であります。先ほども言いましたように、支給決定の在り方については見直すとは言っているけれども、方向性がはっきりしないということで骨格提言の尊重とは言えないと言いました。

利用者負担のことについては、もう決着済みだということで、法案では一言も改正しようとはしていません。骨格提言では、障害に伴って必要な支援、サービスについては、一般の市民と平等という観点から、原則的には無償とするべきだということを言っています。ただ、十分な負担能力のある人からは応能負担を取るという方向になっているのですけれども、そうした基本的な考え方が今の法律にはないし、勿論、改正案の中にも入っていない。従来の自立支援法と現行のつなぎ法とで共通して上限を1割として家計の負担能力に応じて利用料を徴収するという仕組みが依然として続いているままです。世帯、家計の負担能力ということで、個人としての障害者の生活が尊重されていない。現在でも配偶者が働いているということで月額3万7,200円徴収されて、年額何十万円という負担を負っている状況もある。

それは裁判が起こったりして負担をかけてはいけないなという雰囲気の中で親と兄弟が外れているだけで、そうした批判が収まれば、また親と兄弟が復活して世帯全体の収入に基づいて負担してもらうということにいつ戻ってもおかしくないような法律では世帯ということしか言っていない、そういうものと個人としての市民としての権利を守れという骨格提言とは大分方向性が違う。

しかも利用者負担がサービスの利用を控える効果を生まないようにというのが骨格提言の応能負担の考え方。負担能力についての考え方を法律では全く書いていない現行法のままで骨格提言が尊重されたとはとても言えないとか、障害者の範囲のことについても先ほどのスライドでは医学モデルを切り替えるのだと言っているけれども、本当にこの改正案こそが医学モデルそのもので、病気、障害の種類を法律で定めて、更に問題となれば疾患の名前を毎年少しずつ追加していきましょうというようなやり方、知的障害や聴覚障害で中程度の障害であるために、ニーズはあるのだけれども、支援が受けられない人たちのことは検討もされていない。

多くの聴覚障害者が補聴器などを自費で買っているというような状況が一向に解決しようとしていないとか、本当にたくさんの項目にわたって日額制と月額制の問題だとかも含めて、骨格提言の方向性が全く無視されているか、尊重されていない。取り上げてはいるけれども、方向が違うというようなことがたくさんあると思います。

PDCAについては、スライドの中にもあるわけですけれども、まず計画の段階も抽象的な理念的な計画ではなくて、具体的に評価できるような計画にしましょうと、今、障害福祉計画の中ではかなりの自治体で数値が掲げられてはいますけれども、よりきちんと達成できたのか、できないのかをはっきりさせて計画を立てましょうと。それをやった後できちんと評価をしましょう、その評価に基づいて改善をしましょうということのようです。その過程で当事者も関係者が十分参加するようなやり方にしましょうということのようです。

支援とは何かということなのですけれども、これについては十分説明はなかったと思います。ただ、この推進会議の中でも福祉という言葉が恩恵的なニュアンスで使われることが多いので、より適切な言葉にするべきだということが議論され、そういう考え方が昨年の基本法の改正の中でも取り入れられたということを踏まえて、「福祉」という言葉を外して「支援」という言葉にしたというような説明があったように記憶しております。

以上です。

藤井議長代理 土本さん、今の話で私も詳しくはわかりませんが、PDCAの英語の頭文字なのだけれども、Pはプラン、計画をつくる。Dはドゥー、計画をつくって実施をする。Cはよく言われるチェックです。ここでどうだったかなという点検とかチェックする。また、アクションでもう一回やってみようというのをリサイクル、循環して繰り返しやって、今、部会長言われたように評価して、うまくいったかな、失敗したかなというのをPDCAということで、もともとのどこから生まれたかというのは私もよくわかりませんけれども、企業などでもよく使われている考え方だと聞いています。

質問者各々、これで佐藤さんが全部答えるというのも酷なのでこの辺にしておきたいのですが、よろしゅうございますか。

関口さん、どうぞ。

関口委員 どうしてもここで言っておかないと言うところがないので。JDFが最終的な要望を出して、それに対して初鹿議員の方から回答書が寄せられているのがあります。権利擁護の法定化というのがJDFの要望書の中に入っていたのですけれども、何を勘違いされたか、権利擁護というのを成年後見制と虐待防止法だと思っているのです。そうではなくて、私たちアドボケイト養成講座と言って権利擁護者の養成講座をしているわけですけれども、例えば医者に言いにくいときに一緒についていってあげるとか、あるいは申請するときに付いていってあげるとか、その人を別に後見人ではないけれども、支えになってあげることを具体的に行動する人なのです。例えば入院させられそうになったらなるべく入院しないで済むような方法を考えてあげる人とか、そういうことを法定化してくれと言っているのであって、助けが少しでも要る人は全部後見人を付けろという話ではないと思うのです。だれだって助けが要ることはあるわけであって、健常者だって裁判のときは弁護士を付けるわけです。にもかかわらず、権利擁護の法定化というのを虐待防止法と成年後見制の話でやっていますみたいなことを言われても全然納得できないのです。

事実、権利擁護のアドボケイト養成講座でもって事業所から人間が受けて、帰って自分の事業所でやるのはしんどいと。なぜかというと、職員でしょう。職員というのは基本的に自治体から委託されているところの職員なわけです。そうすると、自治体にユーザーと一緒に付いていって自治体とやり合うということになると、事業所全体が大変なことになってしまうのです。それはできないというわけです。ですから、それは全然質の違うものだと考えていただかないと非常にまずいと思います。

藤井議長代理 意見として今伺いました。

では、長瀬委員、お願いします。

長瀬委員 ありがとうございます。

佐藤委員には、非常に難しいところをお答えいただいて本当にありがとうございます。私からは質問をさせていただきたいのは、せっかく園田政務官がいらっしゃいますので、恐縮なのですけれども、一昨年の閣議決定、私どもの第1次意見を最大限尊重するという形でつくられた閣議決定の中で改革の基本的方向性というのが打ち出されて、その中で障害者総合福祉法の制定というのが含まれているわけですけれども、改革の方向性というところから今の政府のお立場ということでお答えが難しいかもしれないのですけれども、現在の障害者総合福祉法ではなく総合支援法へという動きについて、もし可能であればちょっとお話をしていただきたいと思いました。

本当でしたら中川大臣にいらっしゃっていただければ、勿論、その方がよかったわけですけれども、野田総理おっしゃるところの乾坤一擲のショートリリーフの連投ということになってしまっています。「乾坤一擲」の説明をした方がいいかもしれませんが、一か八かの、のるか反るかのショートリリーフということです。園田政務官御自身が自立支援法の当時からの民主党のプロジェクトチームの中核となってこの取組みをなされていらっしゃった、また今回の推進会議に至るところでの主導的な役割をはたしてくださったというお立場もあることを踏まえてもし何かお言葉を伺えればと思います。よろしくお願いします。

藤井議長代理 それでは、政務官、せっかくですので一言いかがでしょうか。

園田政務官 ありがとうございます。私の今の立場で内閣府の共生社会、障がい者制度改革推進会議も含めての担当ということで申し上げられる範囲で申し上げたいと思います。

御案内のとおり、この障害者施策を進めていく上で、当然ながら権利条約の批准というものは大きく目的の1つでもございます。そして、その権利条約を批准するために国内法整備を一つひとつまだまだ足りない部分を引き上げていこう、その広い意味で推進会議の果たす役割、そして推進本部が果たさなければならない責務というものは大変大きなものであると考えております。当然、おりました。

したがって、今日までそれに対して皆様方にも当事者の参画という意味で、本当の意味でさまざまな御意見をちょうだいしてきたというのはありがたいことでもあったと思います。この2年の取組みが今後も私はこの政策決定も含めてもっともっとこの霞が関文化といいますか、行政と国会という立場の中でこういう考え方が定着していっていただきたいとまず考えております。

その中で、今回は仮称でありましたけれども、総合福祉法の体系を新たにつくっていこうではないかということで議論をスタートさせていただいてきたわけでございます。私が直接の制度の担当ではありませんでしたけれども、長らくといいますか、まだまだ不十分ではありますけれども、私もこの議論を見ていた立場からすると、まだまだ難しい課題があるなというところは大変今回の議論の途中経過、総合福祉部会の皆様方の御意見を拝見させていただく中で感じた次第でございます。

したがって、今、しっかりと方向性が見いだせるものと、もう少し議論が必要ではないかという部分と、更には今後の方向性を国民の御理解の下で伺っていく、継続して議論を行っていくという形の中で、更に今後も皆様方の御意見をちょうだいしながら進めていくことができればと、半分以上は期待をさせていただきながら、合格点かどうかという点はまだまだ私の立場からは申し上げにくいところがありますけれども、先ほど佐藤部会長からの御報告にもありましたように、皆様方にいただいた骨格提言をしっかりと受け止めて、所管である厚生労働省ないしは政府がどこまでお答えできるかというところと、やはり政府・与党という形でやってきてはおりますので、この与党の立場も併せて、更に今後国会の中で広く御議論をいただく中で、今、佐藤部会長からも御懸念の今後の課題として御示唆をいただいているところでもありますので、それも踏まえて更に方向性が明らかになっていければいいのではないかなと、私も今のできる立場の中で最大限今後もサポートしていきたいと考えています。

藤井議長代理 では、今、手が挙がっている佐藤さんと福島さんで終わります。

予定時間は大分過ぎそうなので端的にお願いいたします。福島さんからいきましょうか。

福島オブザーバー 私、3月8日の説明にいましたので、これを佐藤先生に伺うのはおかしな感じではあるのですが、私は指点字で通訳を受けていることもあって、こういう理解で部会長、佐藤先生も同じかどうかということを1つ確認したいのと、園田政務官がせっかくいらっしゃっているので、先ほどのスライドについて1点だけ確認したいことがあります。

まず1つ目なのですが、私の理解が正しいかどうか。岡本座長は、3人ずつの質問に対してまとめてお答えになっていたので必ずしもピンポイントで答えてらっしゃらないのです。私が尋ねた中で、民主党は2年前の時点で自立支援法は廃止するということは難しい、無理だということをわかっていたのか、いなかったのかというのをお尋ねしたのです。わかっていたのであれば、それは言わば確信犯的詐欺であって、最初からだますつもりであったことになるし、わかっていなかったのであれば、政治主導で官僚等をリードして政治主導でやっていくのだといった民主党の公約、基本方針に反するわけだがどちらですかと聞いたときに、岡本座長はピンポイントでは答えられなかったものの、2年前は法律の勉強が足りなかった、2年前時点ではこれほど混乱が生じるとは思えなかったという趣旨のことをおっしゃったので、後者、すなわち政治主導が実現できなかったという意味でお答えになったのかなと私は理解したのですが、それで合っているかどうかが1点。

もう一点は、スライドの15番、これは岡本座長がお答えになっていないと思うのですが、自立支援法の廃止という条項を盛り込めなかった理由として、骨格提言の内容が法律の廃止を盛り込むのに必ずしもふさわしくないという意味の御説明があったのです。あのスライドは岡本座長が1人でおつくりになったのかどうか。1人でおつくりになったとは思えない。園田政務官も含めて民主党で協議なさったはずなので、これは骨格提言の側に問題があると言いたいのか、それとも民主党側の責任なのか、どちらかお答えいただきたいと思っているのです。

座長からお答えがなかったので、できれば園田さんからコメントをいただきたいなと思っています。

以上です。

藤井議長代理 では、ピンポイントでいきましょう。

園田政務官、いかがでしようか。

園田政務官 まず後者のスライド15ページ、15番からお答えさせていただきますと、これは私は議論に加わってはおりません。先ほど確かに最初の御質問等でも共通いたしますが、佐藤部会長の考え方でもありません。民主党の障害者ワーキングチームとしてこのスライドがつくられたものであるということでございまして、少なくともこの文言の中に私が議論に入っているということはございません。

ただ、推測を含めてこのスライドから私の解釈として申し上げさせていただくならば、骨格提言が何か不十分であるというよりは、この法体系で極めてこれからの言わば理念法ではありませんから、給付法も含めての実態的な法律をつくっていかなければならないという点で、これは政府あるいは厚生労働省としてまだまだその内容についても詰め切れていないのではないかという点で、与党側から民主党の中で御議論をいただいてこの言葉になったのではないかと推測をいたしております。

1点目の当時から自立支援法の廃止ということをどのように考えていたのかという点でございますけれども、私は最初に民主党の中で議論をしていたときの状況からすると、新しい法体系をつくりたいと考えておりました。その中においては、恐らく移行期間というものも当然あるであろうということは考えていたわけでございます。法律が一瞬にして新しいものに置き換わるということはやはりあり得ないと思っております。法形式は別であります。法形式の話をするとまた少し議論が出てくるとは思いますけれども、今、理念を申し上げております。

段階的に新しい法体系に変わっていくものであるという意味において、私は当時でありますけれども、廃止という言葉を私なりに使わせていただいていました。今日の法形式の在り方が皆さん方やあるいは私の考え方と合っているかどうかというのは、もう少し検証をしてみる必要があると現時点では思っておりまして、私の今の立場で政府内でこれからしっかりと議論をさせていただきながら方向性をまとめていきたいとは考えています。

藤井議長代理 福島さん、コミュニケーションの関係もありますので、よろしいでしょうか。

福島オブザーバー 余りよろしくないですけれども、とりあえず結構です。

藤井議長代理 それでは、佐藤委員、どうぞ。

佐藤委員 福島さんが私にも質問をされたのですけれども、2年前に障害者自立支援法の廃止と新法の制定ができないと思っていたら、55名の部会のメンバーはだれも委員になりますとは言わなかったと思います。当然そのために汗を流してきたわけだと思います。まして部会長などを引き受けるはずがないと思います。

私の方で発言したかったことは、3月8日の民主党の説明会の中で大濱委員が紹介したことなのですけれども、今年の大学入学試験である大学の法学部に合格した受験生がいたと。人工呼吸器を付けている人で、授業料、入学金含めて100万円ほどもう払い込んだと。しかし、今の福祉の介護移動支援は毎日の通勤や通学には対応していないということで、ほとほとどうしていいか困っているという事例を出しました。

これは1つの典型的な例だと思いますけれども、障害者が重い機能障害があっても頑張って社会参加しようといういろんな試みが20年、30年前に比べてどんどん高まってきているのだろうと思うのです。古い器とそういう社会参加の意欲と努力と、またそれを支援するいろんな医療だとか福祉だとかの進歩もあって変わってきている。社会参加の願いと可能性が広がりつつあるのに古い福祉の制度がそれを押さえているというような絵が描けるのではないかなと思います。

ということなので、骨格提言はそういう平等な社会参加をするのに必要な支援をきちんと保障しましょうと、財政がない市町村はだめですというようなことではなくて、どこに住んでいてもそういう社会をつくりましょうということなので、権利条約はそれを国際的に応援しているという外からのファクターであって、内的にも今の事例のような話がどんどんマグマのように出てきているのだろうと思うのです。

ですから、すぐ実現できなくてもそのための財政だとか技術だとかを準備しながらやっていきましょうというのが骨格提言なので、是非これを実現する方向で法案だとか国会審議などをやっていただければいいなと思います。

藤井議長代理 久松さん、お願いします。

久松委員 全日本ろうあ連盟、久松です。園田先生がいらっしゃる間に是非一言申し上げたいと思います。

障害者自立支援法で、大きな問題となっているのは地域間格差です。この間の8日の説明会で岡本座長が地域間格差ということを「特徴」という言葉を使ってお話しされました。大きな間違いです。

やっているところとやっていないところの差の問題を「特徴」という言葉で説明されるということは非常に問題があります。民主党はそのような考え方であるということに対して大変危惧を抱いております。その考え方を刷新していただくよう、お願いしたいと思います。

藤井議長代理 これは園田政務官、いかがですか。

園田政務官 私からどういう立場で伝えるかは私にお任せいただければと思いますが、おっしゃるように「特徴」ということではないと私も思います。すなわち、地域間格差によって、支援がしっかりサポートできているところとできていないという、これは権利条約の部分からしてもまだまだ取組みに不十分なところというのは政府の取組みとしても、あるいは地域の取組みにしても不十分な点ではないかと考えています。その格差をなくすというよりも全体的な地域の支援の在り方を底上げしていくというのが本来のあるべき方向ではないかと考えておりますので、「特徴」という意味がどういう意味で使ったのか私もにわかにはかりかねますが、御指摘はしっかりと伝えさせていただきたいと思います。

藤井議長代理 このコーナーは大分時間をオーバーしていますが、北野さんから手が挙がっていますので、もう大分十何分オーバーしていますので、北野さん、堂本さんで閉め切りますので、北野さんからいきましょうか。

北野委員 恐らく堂本さんがおっしゃることはわかっていますので、私はそれは置いておいて、せっかく園田さんに来てもらっていますので、お願いといいますか、民主党の障害者ワーキングチームの表現の中で幾つかすごく心配、気になることがありまして、特に2ページの4番のパワーポイントは一番大きな問題をはらんでいると思っております。なぜ大きな問題があるかと言いますと、当然新しい法律の基本理念というのは障害者基本法の理念を踏まえるということは当たり前なのですけれども、こういうふうに書いてありますね。

「これらによって、地域生活の権利を実質的に保障する」これは非常に間違った表現でありまして、つまり、この理念に基づいてそれを実質的に保障するのは、この理念ではなくて、実質的に保障するために私たちは障害者の総合福祉法を求めたのであります。ですから、まさに総合福祉法がこれから展開する実質的な制度、政策がそれを実質的に担保するのであって、この理念はそれを担保するのではないのです。理念というのはもともと改革推進会議で一緒に考えてきた理念があって、その理念を実質的に保障するために私たちは総合福祉部会でいろんな制度設計をやってきたわけです。

ですから、この制度設計の中で一番大きな問題は、障害を持っている方が自分たちの希望される社会参加あるいはどこでだれと暮らすかということを本当に保障するためには、御本人が支給決定の仕組みの中で自分たちの意見を表明し、つまり、協議、調整の中で自分たちの意見をちゃんと表明して、それが基本的にきっちり聞いてもらえる仕組みをつくるという支給決定の仕組みの担保と、それを保障するためには「地域基盤整備10ヵ年戦略」がきっちり展開されるという2つがなければ展開できないわけですから、是非ともこのことがちゃんと担保され、見えるような実質的な議論というものを今後民主党でも国会でも議論していただきたいということが1つ。

2つ目は、6ページの12番、PDCAサイクルと当事者参画の結合した新システムと書いてもらっていますけれど、実はこれも認識は間違っていると思いますのは、1990年にゴールドプランをつくったり、あるいは1993年に障害者基本計画をつくるときに、そのソーシャルプランニングというのはもともとPDCAを前提にしてつくっておりまして、PDCAのないソーシャルプランニングというのはないのです。ですから、これは特別新しいことではなくて、当然プランニングして、それをチェックしてドゥーするという仕組みがソーシャルプランニングという中には含まれているのは当たり前でありますので特段新しいことではないということ。

当事者参画と結合するというときに、今回の法案では障害者と家族の意見も聞くという表現が入っておりますけれども、私は障害者や家族の意見を聞くということが当事者参画を保障することではないと思うのです。ここはどういう形で障害者、当事者と家族の意見が、例えば過半数であるとか、どんな形で担保されるかということを明確にしていただかないと、形だけ聞かれたらもともとそういうことはあったわけですから、もともとPDCAもあるし、もともと障害者の意見も一定は聞いているわけですから、今回はもっと明確にそれが保障されるような仕組みとして御議論していただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

藤井議長代理 では、堂本委員、どうぞ。

堂本委員 ありがとうございます。短く。

私はこの推進会議の最後の日に当たって、この推進会議の位置づけを園田政務官に是非伺いたい。というのは、私どもは障害者制度についてさんざんここで議論し、第2次意見をまとめましたが、一方で厚生労働省の検討会で検討していることを理由に政策化されないことが多々ありました。特に精神障害の関係もそうでした。文科省関連などなどでもあったと思います。

ところが、実際に検討委員会の内容がどんどん発表されるのを見ますと、私どもがここで議論したことより行政的なデータに基づいた高級な内容かといえば全くそうではない。むしろ本質に迫る議論をここではやった。何故に推進会議での提言をきちっと法定化できなかったのか。

さらに言いたいのは、ここで盛んに私たちが主張した内容が後退した内容として検討会に出ているという点です。抜本的、本質的な問題がないがしろにされている。

次の段階で政策委員会のことが出てきますけれども、少なくとも内閣総理大臣を本部長として設定された日本国としては珍しい有意性のある障がい者制度改革本部であり、その下部機関としての推進会議です。そういった位置づけでありながら、この一番大事な議論、しかも当事者の方たちが本当に骨に触れるような、ぶるぶる震えるような真に迫ることを皆さんおっしゃったと思うのです。それは何十年という日本国の福祉政策の中で御自身が不条理だと感じたことをそれぞれの言葉で表現されたのではないか。精神障害者は特にそうです。それをないがしろにしていいのでしょうか。むしろ厚生労働省の検討会の議事録を読むとそこはいわゆるそういった障害当事者の発言に基づいた内容はないのです。そうしますと、この有意性がどこにあったのか。せっかく政権交代をして、今までになかったような実質的な会議をつくった以上はそこで議論された内容を日本の最優先課題としてきちっと取り上げていただきたかったと思っております。御意見というか、伺えたら幸せでございます。よろしくお願いいたします。

藤井議長代理 では、3時までに時間もありません。今のお二方のコメントで特に堂本さんのコメントにお願いいたします。

園田政務官 ありがとうございます。まず北野先生から御指摘をいただいて、2年というよりもそれが実質的に実行されるといったところが保障されているのかどうかという点はまさしくおっしゃるとおりであります。理念だけ掲げればそれでいいということではなくて、この仮称でありますけれども、総合支援法によって、共生社会といいますか、障害当事者の、あるいは家族の皆さん方も含めてしっかりとした権利性というものが担保されるべきであろうと考えておりますので、当然ながらそれはそういう方向でこの法律も変わっていっていただけるものだと期待いたしております。

現時点でまだ更に不十分な点はありますので、そこをブラッシュアップするということは段階的に新しくしていくということは当然にあってしかるべきだろうと思っておりますので、したがって、まだまだ不十分であるという皆さん方からの御指摘は真摯に受け止めさせていただきたいと思って、所管官庁である厚生労働省もしっかり真摯にその点は御指摘として受け止めていただきたいと思います。

PDCAサイクルの話で、計画を立て、そしてそれを実行し、チェックして、またその不十分な点を直していくというようなサイクルでありますけれども、これは今回、当事者参画の形を持って、7ページの13番に書いてありますけれども、その他障害者及びその家族、その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずる。ただ単に意見を聞くというところから措置を講ずるという点にまた更に置き換わると今回なりますので、そういった点では北野先生の御指摘に合う形で修正がされるものだと理解いたしております。

堂本先生からのこの推進会議の有意性についての御指摘をいただきました。これについては、私も走りながら考えてきたという点はございます。でも、それを実質的に担保していただいてきたのがある面この場における皆さん方の熱心な御意見ではなかったかと逆に私は皆さん方に自信を持っていただければと思います。すなわち、こういうオープンの場で今まで本部に直結、すなわち、内閣総理大臣に直結する形で皆さんが御意見を国民の皆さん方に対して意見を述べ合っていただいて、そしてそれもその過程においてはすべてオープンにさせていただいて、それをまとめてきた。この部分から今度は後退したと表現されましたけれども、それが今の現実であるということもすべてオープンになっているものではないのかと思います。

したがって、ここでの議論が今後この我が国の施策の中でどのように生かされていくのかということは、まさしくプラン、ドゥー、チェック、アクションという形でちゃんと後々でも検証ができるというような状況がこの推進会議をもってつくれているのではないか。それだけ行政の側も緊張感を持ってこれからも当たっていくであろう。ごまかしはもう許されない。一つひとつどのように進めていくのか、これをこの場あるいは次のステップの中において、更に言わば皆さん方のチェックというものをお願い申し上げることができればと考えております。

したがって、ただ単にここで話し合ったことが何も通じていないということではなくて、必ずそれが次の施策に生かされる。今すぐにではないかもしれませんけれども、生かされるときが必ず来るものであると前向きにとらえさせていただいています。

藤井議長代理 推進会議の総括はこの後しますが、政務官、今だから言える推進会議が法定化にならなかったことの背景とかはいかがでしょうか。

園田政務官 決して何か過程において隠していたということではなかったと思います。私も当初、早く法定化をして進めていただきたいと思っていた1人。当初は担当の政務官でもありませんでしたから、早くやっていただきたいと思っておりましたけれども、この国会の中での大きな動きの中で、早く言わば政治主導という形でまずは閣議決定によるスタートが切られた、一歩でも前に早く進めていく必要があるということで閣議決定から始まり、すぐさま基本法、そして差別禁止法の検討にも同時に入っていく必要があるということでさまざまな議論があったというのは承知いたしております。決して何かその場で後退していたというよりは、前に早く進めたかったというのが当時の総理始め担当大臣の思いというものがあったのではないか。それでもまだ日程的には後ろに押せ押せといいますか、遅れていた部分もあったのかもしれませんけれども、もう少しそういったところの時間的な議論の余裕度というか、そういったところもあればよかったなと、それは私の幾つか思っている反省点の1つではないかなと思います。

4年というものは月日が経つものは早いのだなと、まだ3年目ですけれども、この間でも早かったなと思っておりますし、当初お約束をしている任期中におけるさまざまな施策を進めていくという点においては、まだまだ時間が足りなかったものだなという感想は持っています。

藤井議長代理 休憩を取りますと恐らくこれで政務官は終わりますので、最後、一言ごあいさつはいいですか。

園田政務官 それでは、済みません。この後、恐らく3時ぐらいにはと考えていたのですけれども、休憩時間に入るということでございます。この後、皆様方にもこの推進会議の総括という形でさまざまな御意見をいただけると聞いております。それをしっかりと私も含めて政務三役が当然ながらいつもいつも皆さん方に申し上げてまいりましたけれども、私どもはしっかりと皆さん方の御意見というものを踏まえさせていただいて、それを施策の中にいかに責任を持って生かしていくかというのが私どもの担っている責任であると考えております。

ただ、この間、本当にまだまだ我が国における取組みが皆さん方からのスピードからするとまだまだ遅いという点は真摯に私も反省を踏まえて胸に刻み込んでおきたいと思います。今後、そういったところも更にスピードアップができるように頑張ってまいりたいと思います。

また、この間、東日本大震災もございました。皆さん方にも昨日は一周年の追悼ということでさまざまな形で祈っていただいたと思っております。この間、本当であれば救える命もあったと思います。いろんな形で犠牲になられた方々に今でも私は申し訳ない気持ちでございまして、そこも含めて今後もう二度と障害を持っておられるということで皆さん方が施策の中における犠牲ということにならないように、私どももせいいっぱい務めていきたいと思っておりますので、是非まだまだ私たちがわからない部分、いろんな点で不十分な部分、それは引き続きの皆さん方からの御指摘、御議論をいただければと思います。

この間、本当に多くの御指導をいただいたことに改めて心から感謝を申し上げさせていただきまして、この間の皆さん方に御議論いただいた御礼の言葉とさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。(拍手)

藤井議長代理 では、議論は続きますけれども、政務官はこれで一旦休憩と同時に中座されますので。それでは、時間が大分押していますので、短いのですが2時55分まで休憩に入って第2コーナーに入ります。

では、休憩に入ります。

(休憩)

藤井議長代理 55分に近づきましたので、再開します。大谷委員が1時間ばかり急用があって抜けられます。また後で戻って来られます。この第2コーナーは、先ほどの予定の報告がありましたように、障がい者制度改革推進会議の存在意義ということでお話を進めてまいります。

少し予定よりも時間をオーバーしていますので、当初50分だったのですが45分ぐらい、5分ぐらい縮めさせていただきます。したがって、3時40分をめどにこのコーナーを進めていきます。特に東室長から冒頭に報告がありましたので、いきなり質問や議論に入ってまいります。

18人の方からあらかじめ指定した用紙への記入をしてもらっていますので、こういったものをお手元に置きながら議論を展開していこうと思っています。発言を求める方は挙手をお願いします。

それでは、関口さんから口火を切っていただきましょうか。次に川崎さんにいきましょう。関口さん、川崎さんの順番にいきます。

関口委員 関口明彦です。

成果と課題なのですけれども、課題の方に絞って、評価は書いて出したつもりなのでそれを読んでいただければいいと思うのですけれども、総合福祉法とも関連するのですが、つまり、我々推進会議は基本的には理念法と呼ばれている障害者基本法の改正に携わってきたわけです。その理念に基づいて実体法が制定されていくわけなのです。

ただ、第35回推進会議で私はしまったと思っている発言があるのでそこのことを言いたいと思います。そのときに私は消費税の問題が出たものですから、障害福祉にお金が付くなら消費税はしようがないかなというつもりで発言した部分があるのですけれども、小宮山洋子厚生労働大臣のメールマガジンを私は取っていまして、その中でいわゆる消費税に触れた部分があるのです。消費税の5%分はすべて社会保障に充てることにしています。1%分の2.7兆円程度を社会保障の充実に充てます。内訳は子ども・子育て支援に0.7兆円程度、医療・介護の充実に1.6兆円弱程度、年金制度の改善に0.6兆円程度を予定しています。そして、4%分の10.8兆円程度は今の社会保障制度を守るため、社会保障の安定化に使いますと書いてあります。

これ以降、小宮山洋子大臣のメールマガジンでこういうところに触れたものはないのです。今、読んだところでわかるように、障害者制度のために使うというのは一切ないわけです。5%増やすということは、6~7兆円ぐらいの消費税の上がりがあると思うのですけれども、もしこのままのスキームで消費税を5%上げれば、また企業のポッケに入るお金が、今は5%で13兆円あるわけですから、もう5%上げればまた13兆円で、そのうち3兆円がまた企業のポッケに入るということになるわけです。

障害福祉のために必要な予算は最低限見積もっても1兆円は必要だと思っています。これがない限り、幾ら理念を言っても実行できないわけです。ですから、このスキームのままでいくのであれば、消費税というのは一番弱者を直撃する税制なので、私は35回の発言は撤回したいと思います。そして、課題は、いかにして予算をちゃんと取るかということです。

藤井議長代理 内容にも入りましたけれども、今の35回の関口さんの発言は撤回するということで、予算の問題はこれから大きなテーマであろうということだと思います。

川崎委員、お願いできますか。

川崎委員 精神障害者の家族会の川崎です。

実は、この推進会議の私ども家族会、家族に対しての意義は大変大きかったと今感じております。なかなか精神障害者の声が小さいよと言われている中、この情報開示で全国に状況が放映されたりしておりまして、全国の家族、家族会が大変に我々がやはり制度改革をするのだという意識が目覚めてきているのではないかという実感をしておりまして、それぞれの地域でいろいろと要望活動なども活発になっておりまして、このことに関しましては、大変に推進会議のシステムはよかったなと思っております。

もう一つ、先ほど来から言われていると思いますが、各省庁で行われております検討会や研究会の情報がなかなかここに出てこなかったということは、私も厚生労働省の検討会、研究会に入っておりまして感じましたことで、その辺りの連携ということが大変に今回難しかったのかと思いますが、次回の政策委員会におきましては、この問題が解決されることを強く望むものであります。

以上です。

藤井議長代理 それでは、ほかにいかがでしょうか。

では、土本委員、お願いします。

土本委員 土本です。

制度改革推進会議では、この間、わかりやすい版、第1次意見と第2次意見と改正障害者基本法をつくり上げてきたということと、会議での先ほどイエローカードを出してきたということと、知的含めて理解ができてきたかなと思います。まだまだ話し合いのことも満足はいってはいないのですけれども、これからも障害のことをも理解を含めてやっていきたいし、話していきたいと思っています。

以上です。

藤井議長代理 土本さん、ここのところはプラス加えてこういうところは困ったなとか、ちょっと問題だったなというのはありますか。

土本委員 困ったなというと、やはり資料が追いつかない。自分が振り仮名を振っていただいているのですけれども、振り仮名を振っていない版とずれがありました。どんどん白熱というか議論が出たときには自分が付いていかれなかった部分があります。それは自分たちの障害もあるのですけれども、議論というか熱があるときは仕方ないなと思いながら話を聞きながら進めてきました。

だけれども、本当に急に言われたことについてすぐに発言はできなかったところもありました。画期的というか、2年間、38回もやってきたということで、何度も言いますけれども、まだまだ本当に障害のことも含めて理解とかされていないところあるので、これからも言い続けていきたいなと思っています。

以上です。

藤井議長代理 わかりやすい版が3つ、第1次報告と第2次報告と改正障害者基本法と、これの仲間たちでの評判とか、これを使っている様子とかというのは耳に入っていますか。

土本委員 わかりやすくて、まだまだ普及というか、自分たちには行き渡っていないところもあるのですけれども、これを使いながら会議とか集会などを行ってきているので、本当にこれからみんなに行き渡るまでやり続けたいと思っています。

藤井議長代理 それでは、勝又委員、お願いします。

勝又委員 勝又です。

私も出した意見の中を拝見していますと、共通してこの推進会議の限界、この中で大谷委員が奇しくも推進会議の限界は他省庁との調整に無力であったことであるときっぱりと書かれておりますけれども、これに非常に同感です。それがこの推進会議というものの位置づけがはっきりしなかったからそうであったのか、または推進会議が内閣府というところに置かれてどういう組織によって位置づけられたからうまくいかなかったのか、ここら辺の総括は是非やっていただきたい。

といいますのは、今度新しい組織になったらば、これが今まで推進会議で行われてきたよいこと、例えば情報保障とか、そういうよいことが継承されていくのだろうかと、継承されるというのは、障害者の関係の会議で継承されるだけではなくて、内閣府が持っているさまざまな会議においても、同じような情報保障というものを確立させることができるのだろうかという関心と危惧を持つからであります。

ここで議論は非常に白熱し、そして多くの障害当事者の方々が参加したということについては、非常に大きな意義があったと思いますけれども、ここでの議論が全国民的な議論になっただろうかと。つまり、障害を持っていない、障害に関わるようなことに関係していない全国民に対して影響を与えることがどのくらいできたのかということについては、やはり真摯に考えるべきではないかと思います。

そうしませんと、先ほど予算の話がありましたけれども、私たちはこの中で完結した話の中で予算の獲得をしていくというような甘い前提に立った議論はできないということですので、やはりそこら辺のこと、つまり全国民にどのくらいの影響力、そして問題提起をできたのかということについてはしっかりと総括が必要ではないかと思います。

藤井議長代理 新谷委員、どうぞ。

新谷委員 6月29日の閣議決定で11項目の個別分野が例示されて、その中でタイムスケジュールが入っているのが幾つかありましたね。平成23年中に解決とか平成23年度中に方向を出すとかという項目があったわけですけれども、ここについては閣議決定を踏まえて推進会議として言う立場にあった、権限もあったのではないかと思うのです。

特に文科省の特特委員会の議論と、職場における合理的配慮の問題、これは11項目の課題の中にはっきりうたわれていたので、これに意見を出す場とか向こうの委員会がここに来てヒアリングを受けていただくとか、そういうことができてなかったというのはやはり法律上、行政の中の難しい仕組みでそうなったのか、あるいは推進会議の方でも自己規制と引いてしまったのか、そんなことはないとは思いますけれども、何かその辺で仕組みとして難しい面があったのか、ざっくばらんなところをお聞かせいただければと思うのです。

藤井議長代理 ざっくばらんというのは、新谷さんはだれに聞いていますか。

新谷委員 言える範囲で。

藤井議長代理 これは今すぐに一問一答というよりは、先ほど勝又さんが言われた1点目だとか関係してくるので、あるいは川崎さんがおっしゃったことも関係するし、これは共通の意見なのでまとめてお答えできる範囲で言ってもらいます。

では、まず大濱さん、いきましょうか。

大濱委員 先ほどの新法に関して、佐藤委員から話がありました、私に相談があった3月に大学に合格した学生の話です。これは今日出したペーパーの最初の○にありますように、先ほど勝又委員の方からも話がありましたような、省庁間の垣根が非常に高い。内閣府主導で会議が開かれると、このことは省庁が自省庁の主導権を握られるということで省庁の方で先に委員会をつくる。文科省の特特委にしてもその典型です。内閣府主導の会議ができるということに対する警戒感みたいなものが省庁の中にあるという現実を認識し、省庁間で、内閣府主導の会議に任せるのだという信頼関係をどうやってつくるのかということが今後の課題だと思うのです。

そのためには、政治がある程度介入し、ここの会議はどこでどういうふうに仕切るのかを政治主導で解決する必要がある。

今回の大学事例は厚生労働省が文科省の方に聞いてもらっています。これは文科省と厚生労働省の間の垣根の問題があって、厚生労働省としては一方的に決めることができないということで文科省に問い合わせをしていると聞いていますが、この垣根の問題というのは今後実際に法律等を含め本会議での議論を反映するに当たっても重要な課題であると思っていますので、これが大きな第1点目。

大きな第2点目としては、個別課題の中で特に3点を提起したいとと思います。その中には重度障害者の24時間介助の確保をどうしていくか。これは小さな市町村に対して負担をどれだけ少なくして24時間を確保していくかという課題。2点目としては、重度の心身障害児(者)の生活基盤をどうやって確保していくか。手厚いというか、常時医療と介護の必要な障害児(者)の問題です。3点目は精神障害者の社会的な入院の問題と、医療観察法の問題を今後どうやって整理していくのか。

これらは私たちの今後の大きな課題かなということで、以上、大きな点としては2点あるのかなと思っています。

以上です。

藤井議長代理 それでは、ここで川崎さん、勝又さん、新谷さん、今の大濱さんの中で出た共通なのは、やはり大谷さんが無力感と書かれていますけれども、他の省庁で障害分野を扱っているところとの関係性、それを川崎さんは他の研究会、検討委員会との関係性、勝又さんは仮に法的な根拠があっても縦割り行政なのか。これは次の障害者政策委員会にも影響してくるのだ。新谷さんは閣議決定までしておいた個別分野の課題が達成できていないのではないか。大濱さんも縦割り行政。

東さんに全部聞くのは酷なのですが、もしここで感じている範囲で、次の障害者政策委員会も関係しますのでここでコメントを挟んでまた議論していきましょうか。

東さん、どうぞ。

東室長 いただいた御意見というのは、本質的な問題点をはらんでいると思います。十分検討できているわけではございませんが、推進会議の枠組みというのは、新しい政権が内閣府の中に権利条約の批准を念頭に置いて、議論をする仕組みをつくったということです。内閣府自体は基本的には障害者に関わる諸施策をやっていないところであるわけです。そういうところにあえて置いた、そして意見を推進本部に上げるという位置づけにしておりますので、皆様のご意見は、その位置づけ自体がどうなのかという、そこまで遡って考えなければならない問題提起だろうと思います。

ですから、そういう位置づけ自体がいいのか、悪いのかということについては、本当にきちっと考えなければならないところなのですが、他省庁との調整ということ自体は推進会議に直接与えられた命題ではないのです。第一次意見につきましても、推進本部に上げた上で各省庁が自分のところできちっとしなさいというのが基本的な工程表の枠組みであるわけです。それをきちっとやったかどうかの検証についてはまだ推進会議自体の任務ではなくて、それは基本法改正に伴って行われる政策委員会の中での話ということになるわけです。

ある意味それが限界だと言われれば限界なのでしょうけれども、新しい仕組みを設けるに当たって、完全な形で位置づけが与えられたかというと時間との関係で限界もあったのだろうという感じはしますけれども、少なくとも実感として言わせていただくならば、内閣府に置かれたことは非常に正解だったと思います。しかしながら、それが必ずしもすべての省庁の施策にまで影響を及ぼせたかというと、逆にそれはなかなか難しいという問題も内閣府に置くことによって発生してくるのは当然目に見えていることなのです。そういう意義と限界というものの中でやってきたわけです。

だから、他省庁との調整ができなかったことについて無力感があると言われればそれはそうでしょうけれども、それはある意味で最初から想定すべき話なわけで、そこをどうするかということでさまざまやってきたわけですけれども、例えば新谷さんのご指摘の通り、文科省とか雇用対策課との関係でのヒアリングは推進会議では確かにやっていませんが、主たる分野としては差別禁止の分野でありますので差別禁止部会では両省庁とも来ていただいてヒアリングした上で部会としての意見を検討しているところであります。

省庁間の垣根と言われることも同じようなところにたどり着く問題だと思っています。一般的な施策の在り方として私もよくはわかりませんけれども、いろんなところに関係する施策をどこかが一本でやるということはなかなか現実としては難しいところもあって、それでいいということでは決してないのですが、推進会議がこうやれと言ったら現実が変わるかというと、そんな生易しいものではないということは理解してほしいなと思っています。

藤井議長代理 では、引き続き、もう少し時間がありますから、いかがでしょうか。

長瀬さん、お願いします。

長瀬委員 ありがとうございます。長瀬です。

この推進会議が障害者本人や家族の代表が約半数という形で1つの大きな前例になったこと、これをきちんとまず評価するということは、これからの障害者政策を考える上できちんと評価しておかなければならない点だと思います。私たちは往々にしてきちんとした前進がなされたときに評価するということを怠ってしまうことがありますので、そうすると、せっかく前進した部分がまた逆風にさらされたようなときにうまく守れないということになってしまいかねないので、今回の制度改革によってここまできた、ここからは後戻りがないというふうに守るためにもきちんとした評価をしなければならないと思います。

権利条約の交渉過程の中で繰り返し言われた"Nothing about us without us"という、「私たち抜きにして私たちのことを決めないでください」ということがようやく日本の制度の中でも、この推進会議で実質的に実現したということだと思います。

国連のレベルで、こういう専門家会議や審議会のようなものが、障害者分野で障害者は半分くらいとなったのはいつごろかと振り返ってみましたら、国連の障害者の10年の中間点の87年に開かれた中間年の専門家会議というのがありまして、そこが国連の専門家会議としては初めて障害者自身が過半数を占めた専門家会議だったのです。この専門家会議で初めて障害者分野の差別や権利に関する国際的な条約をつくろうという会議、そういう意見がまさに出されて、それがようやく2006年に権利条約として実って、その波が日本にもやってきてこの推進会議が生まれたということです。そして、それを形にしたのは、今回の新しい政権が発足して制度改革の動きが本格化して生まれたということだときちんと評価しなければならないと思います。

この会議が、もう既に出されましたけれども、きちんと情報公開されているという点、さまざまな合理的配慮、先ほどのわかりやすい情報提供、基本法等についてもそうですけれども、そういうものがこれからも継続していくということ、尾上さんがこういう形はもうスタンダードだと意見で出されていますけれども、まさにそういうスタンダードになる、そうした政権の枠組みにはとらわれないだけの実績をこの推進会議で私たちは挙げたと自信を持っていいのではないかと思います。

すみません、もう一点だけ。先ほど土本さんから御紹介のあった「わかりやすい改正障害者基本法」について、藤井さんからその評判について御質問がありました。私が聞いているのは、「これも難しい」というお話は伺っています。そういう意見を出しているのは、なんと総合福祉部会の人なのですけれども、その方にはこれが唯一の正解とか、そういうつもりでつくっているのではないと申し上げました。これはあくまで1つの試みとして、勿論我々としてはベストでこれがわかりやすいと思ってつくりました。でも、これが唯一の正解とかそういうつもりではないので、またそういうふうに難しいと思った方がいらっしゃれば、また別のバージョンのわかりやすいものをいろいろ是非つくっていただきたいとお答えしたということを申し上げたいと思います。ありがとうございます。

藤井議長代理 ほかにいかがでしょうか。

山崎委員、どうぞ。

山崎委員 山崎です。ありがとうございます。

先ほど東室長さんがお答えになった多省庁にわたる私どもの障害者制度改革のようなものを国の会議体で審議する場合、事務局をどこに置くかという問題に少し戻らせていただきますが、私は結果的には内閣府に置いていただいてよかったのだろうと思っています。

文科省とか国交省とか厚労省とか、およそ多省庁にわたる障害者制度改革について、特定の省庁に事務局を置くことはできないというのは明らかなことだと思うのです。その場合、恐らく選択肢は2つあって、1つは内閣官房に置くというやり方と内閣府に置くというやり方があったのだろうと思います。ちなみに例えば社会保障・税一体改革の事務局は内閣官房ですし、急に飛んでしまいますが、宇宙開発基本法の所掌も内閣官房であると私は認識しております。

内閣官房に置くか、内閣府に置くか、どういうふうに判断されたかはよくわからないのですが、勝手に推測すれば、従来内閣府の共生社会統括官室が障害者白書などを扱っていらしたので、従来からの実績があるということで内閣府が所掌されるということになったのだろうと思います。他省庁が設置している特特委に象徴されるような他の会議体とここでの議論の方向性、あるいは結果、内容が往々にして行き違いが生じているということが大変問題だと思うのですが、構造的にはこれを避ける道というのは、やはり現時点の省庁縦割制の内閣制度の中では難しかったのではないか。

そうした中では、室長さん始めとして、私もどこかの文章に書かせていただきましたが、内閣府の皆様方は非常にせいいっぱいサポートしてくださったと私は大変感謝の気持ちを込めて認識しております。

その上で、それはそれでよろしいのですが、今後皆さんがおっしゃっているような、障害者政策委員会に、これまでの欠陥とは申しませんが、不十分であった点をどのように補って前向きに私どもの推進会議で提起した問題を政策面、施策面で具体化していくか、そこにかかってくると思うのです。もう一つだけ内閣府が所掌されたことのメリットといえば、基本法と今後模索されるであろう差別禁止法の原案をつくるのは内閣府ができる。勿論、内閣法制局等での審査は待ち受けているわけですが、厚労省とか文科省が所掌するものではございませんので、そういう意味では基本法の中身については、これも皆さん方いろんな御意見があるとは思うのですが、相対的には非常に前向きな部分も多かった。これはやはり内閣府が所掌して原案をつくってくださった賜物ではなかったか。この点、私は積極的に評価させていただきたいと思っています。

以上です。

藤井議長代理 たしか山崎委員はこれが発足した日の2010年1月12日にこんな発言をしたのです。当事者過半数、大変注目していると。自分もまたこれに関わって、ちょっとニュアンスは違いますが、楽しんで状況を見守っていきたいと。そういう点で言うと、この推進会議の全体の総括は一言いかがですか。

山崎委員 ありがとうございます。私は当事者委員ではない分だけ、場合によっては非常に偉そうな発言になるのではないかということで私自身恐れているところなのですが、確かに今議長がおっしゃったような発言を2年前の1月の冒頭のときにはさせていただいたと記憶しております。

私、人権政策学というようなものも考えている者でございまして、そういう立場から言えば、これはもう日本社会での新しいタイプの実験がこの推進会議の場で現在進行形でなされていることになるという点で2年前の1月にはある意味でわくわくした気分でございました。

しかし、数回の会議を拝見していますと、これまでたまりにたまった当事者の皆様方の思いというものがどんどん吐き出されて、それが全体の法制度づくりとか、あるいは政策、施策に肉付けして具体化していくという場なのだという思いは最初の半年くらいあったのですが、そうこうするうちに先ほども出た予算の問題とか、省庁間縦割りの問題とか、バリアがだんだん見えてきて、これは大変なことだという思いがありました。しかし、終わって2年数か月経った現時点で見れば、全体の評価というのはおこがましく言うのは大変恐縮でございますが、あえて言わせていただければ、やはり当事者主体の会議体でこれまで国民あるいは政治に関わる方、行政に関わる皆様方が必ずしも見えなかったものが見えるようになってきた、それが第1点です。

2点目は、見えるようになった全プロセスを全国民の皆さんにお見せできたという点は大きな成果だったと思います。

ただ、問題は、第3点目に、今の1点目、2点目の前向きな点が法の改正とか法の制定とか、あるいは各省庁の具体的な施策とか、予算取りとかというところまで反映しているかというと、残念ながら時間が足りなくてそこまでいっていないというのが率直な印象でございます。したがいまして、これもまた将来に対する次のコーナーの話題に踏み込んでしまって恐縮なのですが、やはり障害者政策委員会にその辺りのことをきちんと期待する。ここでとどめまして、そのためにはどうしたらいいかということが恐らく第3コーナーの話題となりますので、その点はまたそのコーナーで発言させていただきたいと思います。ありがとうございました。

藤井議長代理 もう少し時間がありますから、いかがでしょうか。

北野委員、お願いします。

北野委員 私はこの委員会はとても大好きで、これからの日本のモデルになるような委員会だったなと思っているのですけれども、1つは、事務局体制の在り方で事務局をどこに置くかということも大事なのですが、私はむしろ事務局の構成メンバーをどうするのかという、この事務局の構成メンバーの中に、東さん始め民間の方を登用されて、要するに障害者の専門の方が入って来られて、この問題について熟知されている方と私たち委員会のメンバーがボールを投げ合いできたという、ここが最大の成果だと思うのです。こういうことをしなければ、つまり、これまでのように中央の官僚さんだけがこれを進行されていたら、決してこういうものは生まれてこなかった。ですから、私は今回こういうモデルをここで打ち立てることができたということは、物すごく大きな評価すべきことだと思います。

実は1回目のときに、内閣府からのこれからの進行表と推進担当室長、東さんからの進行表という2つの進行表が出てきたことを今でも覚えています。こんなふうに進めますという進行表が2枚出てきた。あのときに私は正直思いました。この委員会は挫折するか空中分解するか、つまり、暗礁に乗り上げるのか、それともこれを乗り越えていって新しいものを生み出せるのかという、すごいぎりぎりの緊張感の中でこの委員会が営まれているということをひしひしと感じました。だから、あのまま2回目も3回目も別々の進行表が出てきていたら、この委員会は恐らく本当に恐ろしい状況になるだろうと思いました。しかし、2回目からまとめられて東さん中心で推進室として全体としての進行表が出てきましたので、私はこの委員会は本当に新しいものを生み出していける状況をここで、つまり内閣府の担当者と民間登用者の共同チームが機能する仕組みとして始まったという確信をもちました。

もう一つは、今でも思い出しますけれども、一番緊張感があったのは、第2次意見書の最終まとめのときなのです。あのときにいろんな議論をして6時すぎになって、これは座長なり推進室の室長一任という、大体普通の委員会はそういう形で最終決をとりますので、一任となるのだなと思っていたのです。そうすると、すこし待ってくれと。今から内閣府と政務担当者と事務局でちゃんともう一回議論して、そしてそれを皆さんにもう一回持ってくるから、それについて再度議論してくれとおっしゃられた。私は、もうこれだと、まさにこれがこの委員会の持っている最大の力といいますか、こういう進行をされた。つまり、勝手にだれかが決めるのではなくて、とことん民主主義を貫いて話し合って物事を決めていかれるというモデルを提供されたということは物すごいと思うのです。

まさにこのモデルを今後政策委員会でもいろんなところでこういう展開をしていただきたいし、それをどうしたらいいかというのはその次のところだと思います。本当に感激しています。

藤井議長代理 時間がない。森さんでこのコーナーは打ち切ります。また次のコーナーにつながりますので、森さんの方からお願いします。

森委員 森です。

今から4年程前になるのかと思うのですが、旧政権時代に、いわゆる障害者基本法を改正して条約を批准しようという動きがあって、それを止めた団体の一人としては、結果としてこの推進会議がもたれたことは大変よかったと思っていますし、また、推進会議のなかで、私自身、その当時とどこが変わってきているのか、どこが変わっていないのか、前進があるのかということを見て、考えておりました。

そういう面から言えば、この政策会議につきましても、これから我々推進会議と同じような形でいっていただければ、間違いなく歴史に残る制度となることができると思っております。推進会議に参加させていただき、議論させていただき、皆さんに感謝いたします。ありがとうございました。以上です。

藤井議長代理 森さんの今おっしゃったのは、2009年3月の上旬だったと思うのですが、権利条約を批准しましょうという申し立てが政権側からあって、それを今、森さんからあったようにJDF等でもう少し国内法との整理が大事なので、めずらしいのですが待ってくれということがあってということが今日のことにつながっていると、感慨深いというお話だったと思います。

長瀬さんおっしゃったように、たくさん課題も弱点もあったし、勿論、こうして考えればあれもこれもと思うのだけれども、しかし、いいことはきちんと評価し合って、歴史に残しておかないと、もっともっと厳しいときにあそこまではいったのだという先ほどの話があると思うので、恐らく今日出てくるレポート、今日の発言を聞いていますと、最低この4つはこのコーナーのまとめとして確認できると思うのです。

1つは、当事者主体あるいは当事者過半数ということをこの委員会はつくっていった。勿論、うちの障害が入っていないというのはあるかもしれませんけれども、全体の大枠の人数の中では適正規模というのがありますので、そういった他の障害のことも頭に置きながら、しかし、当事者が、家族が過半数を占めたというのは第1点目。

2つ目は、当事者委員に対する合理的配慮を含むさまざまな支援策は、こうして今日も手話通訳やら要約筆記やら、更には資料をサポートするメンバーとか、私にとってもこうしてアシスタントにいてもらう。更にその延長としてはわかりやすい版などもその一環だと。

3つ目は、1回4時間、休憩時間を挟みながら、しかも2年間、38回、これは考えてみますと異常です。しかし、こういうものをやったということで、要する実質審議ということは過去の審議会では余り例がなかったのではないかなという、大変過酷な苛烈な運営だったけれども、実質審議の方にむしろウェートを置きながらやっていこうということ。

最後に、徹底した情報公開。傍聴席を始めCS放送での生中継、インターネットでのオンデマンド、記録の公開等、こういった点で言うと、弱点もあるけれども、過去の審議会には少しないものではなかったのかなと。事務局の課題、もっとこういうこともというのは、もっと強化すればとかいろいろあったけれども、大体この4つはおおむね確認して次の障害者政策委員会の方にもいい部分は踏襲してもらう、引き継いでいきたい。後で後世を振り返って、あのときはピークだったねというのではだめなので、是非こういったことも継続できるようにということを願わずにはいれません。

このコーナーはこれをまとめにして、更に次のコーナーでも関係しますので休憩に入りますが、それでは、お約束どおり40分なので、3時55分まで休憩に入ります。

(休憩)

藤井議長代理 それでは、時間がまいりましたので、最終コーナーの第3コーナーに入ります。このコーナーは、前半で新しく設けられます障害者政策委員会への期待、先ほどの第2コーナーともつながっていくかもわかりませんが、期待ということで意見交換を行います。今回の方、東室長からこの障害者政策委員会に関して更に現段階で説明できる点について説明を数分間いただいて、少しこれについても意見交換します。

最後に少し、その他としまして、発言したいという方が何人かいらっしゃいますので、報告を含めて発言をいただきます。

それでは、最初の前段というのは、できれは30分弱、障害者政策委員会への期待ということで30分弱でと思っていますので、時間を意識しながら進行の方にも協力願います。御発言したい方は挙手をお願いします。

では、尾上さんからいきましょう。

尾上委員 どうもありがとうございます。尾上です。

14ページから私の意見を書かせていただいていますけれども、先ほど第2ラウンドの方で最後のまとめにありました藤井さんの方から4点の意義ということを是非政策委員会に引き継いでいただきたいということがまず前提でございます。

政策委員会の意義について、私たち推進会議に関わっている者たちが自画自賛をしているということではなくて、今回の意見書の方にも紹介いたしましたけれども、例えば今年1月に岩波新書から出ています『政権交代とは何だったのか』という本の中でも、政策転換の成功例の実例の1つということで高く評価していただいているということも御紹介させて頂きます。

その上で、この政策委員会に是非期待することというのは、まず前提的に、今までの中央施策推進協議会、どうやらアンケートとかいろんな資料を見ますと年1回から2回、1回当たり1時間半から2時間という開催ということでしたが、どうしてもセレモニー的な場所にならざるを得ない。個々の委員の皆さんは勿論頑張ってこられたと思うのですが、そもそもそれぐらいの開催頻度ですとセレモニー的な場にならざるを得なかったのだろうと思うのです。

2年間で38回というのは、私たち委員も、傍聴された方も大変だったとは思いますけれども、それぐらいの頻度になるかどうかは別にしても、しっかりと実質的な議論、検討ができる開催頻度、時間というのは確保されることが必要だと思います。

その上でさらに、特に機能する政策委員会。つまり、モニタリング機関としてしっかり役割を果たせるということで言いますと、15ページのところに書いていますけれども、各種調査やヒアリングの実施、そしてワーキングなども含めて機能的に動いて検討ができる体制ができるかどうか。

それともう一つは、今回、モニタリングというのは国のレベルだけではなくて、地方においてもということが基本法で規定されていますけれども、特にさまざまな実際の支援政策が地方自治体に移行しているということからしますと、是非ともこの地方における合議機関との連携や協力体制、特に地方機関にお願いをしていろんなさまざまな実施状況の調査といったこともできる体制が是非お願いしたいと思っています。

そして、先ほど第2ラウンドのところでたくさんの方から指摘があったとおり、やはりここで話をしたことが各省庁の政策と連携を取って、あるいは影響を及ぼしていくということからしますと、今回、政策委員会の提言や勧告という非常に重要な役割が基本法の中で盛り込まれたわけですから、その勧告などを実効化させる体制といったことを是非とも実現していきたいなと思うのです。

こういったことを考えますと、推進会議の当初のときから言われていましたけれども、事務局スタッフ、本当にこれまでも大変だったと思いますが、本当にこれからこれだけのことをやっていこうと思いますと、この政策委員会の実務を回していっていただける事務局体制の充実というのが是非とも今よりも飛躍的に充実してほしいなと思うところです。

その他ということになっているのですが、実はこの政策委員会と関係しますので合わせて発言させていただきたいと思うのです。

25ページのところにその他ということで書かせていただいています。実は、もともと第1次意見で書いている工程表どおり、ちゃんと一つひとつの法律制定が進んでいけば、あとはその制度改革の上でモニタリングをしていくというのが政策委員会の役割だという理解をしていますけれども、しかし、言うならば制度改革道半ばというのが今の現状なのではないかなと、そういう状況認識というか課題認識を持っております。

1つは昨年の障害者基本法の改正の中で、やはり大きな積み残し課題になっていますのが障害のある女性、そして精神障害者に関わる地域移行の促進と医療における適正手続、勿論、これは精神だけではなくて身体、知的の地域移行といったことも課題になっていきますけれども、こういった部分というのは第2次意見でかなり踏み込んで書いていたにもかかわらず積み残してしまっている課題です。こちらは国会で3年後の見直しということを入れていただいていますが、ただ、3年後の見直しというのはあっという間ですので、そのために必要な例えば入所をしておられる方の調査、そういったことをどこがやるのかということ。

もう一つは、第1ラウンドでテーマになっていました、いわゆる総合支援法をめぐってなのですけれども、まだ閣議決定もなされていませんし、これから国会審議でどうなるかということがわからないので余り予断を持った言い方はよくないかと思いますけれども、少なくとも今の時点で読み取れるのは、骨格提言で提言をしてきた障害程度区分を廃止し、協議、調整に基づく支給決定の仕組みであったり、あるいはパーソナルアシスタンスであったり、地域間格差を生じないコミュニケーション支援や通訳介助の体制であったり、あるいは自己決定支援、そういったもの、非常に大切な骨格提言の重要な部分が今後3年間かけて検討していこうということになっているわけです。言わば制度改革・要3年継続法案と言うべきかなと思っているわけですが、だとすれば、政策委員会と併せてもう一つ、この制度改革の議論、更にあと3年どこでやっていくのか。例えば政策委員会の中でそういった特別なフォローアップ委員会をつくるのか、あるいは別のところでつくるのか。先ほど第1コーナーでも園田政務官の方から御紹介がありましたけれども、その検討を加えようとする場合、障害者及びその家族、その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとするということからすれば、これまでの経過からすれば、この推進会議に準じたような検討の場というのが是非とも必要ではないかと思います。

以上、ちょっと長くなりましたけれども、政策委員会に対して期待をすることと、本来の政策委員会の役割とちょっとずれるのかもわからないけれども、今の状況、情勢から引き続きあと3年間やはり検討する場が必ず要る、しかもこの会議の私たち抜きに私たちのことを決めないでという精神に基づいた検討する場が要るということを是非お願いしたいし提起したいと思います。

以上です。

藤井議長代理 後段の部分というのはおっしゃるとおり推進会議、または推進会議の子どもの総合福祉部会で検討してできなかった課題なので、当然これは推進会議としては関心を持って見守っていく必要があるということだと思います。

では、次に新谷委員からお願いします。

新谷委員 新谷です。

今の尾上さんの意見にちょっとダブるのですけれども、私も20ページに意見を出しております。障害者基本法の第32条の規定を少し細かく読みますと、手順としては障害者基本計画というのを先につくって、その計画に沿ったようなことを議論していくとかたく読めば読めてしまうような書きぶりかなと思うのです。障害者基本計画をつくるというのは、それはそれでわかるわけですけれども、先ほどからずっと議論していますように、これから検討しないといけない課題というのは随分あるわけです。手順としては、それは障害者基本計画の策定を待たないで議論しないといけない部分はあるし、一旦つくった障害者基本計画とは別にいろんなことを議論しないといけないという部分がありますので、モニタリング機能ということに、かたく考えてしまいますと、何か計画という基本的なものがあって、それが実際に実行されたかをモニターする、こういうふうに狭く解釈されがちですけれども、そうではなくて、そもそものやはり障害者制度改革が始まった趣旨を踏まえて、かなり幅広く議論できる中でいろんなことが検討できるという対策が必要だと思うのです。

その辺について懸念を持っているのですけれども、解釈は担当室の方はどういうふうに考えておられますか。私が懸念するようなことは杞憂だというような理解でよろしいでしょうか。

藤井議長代理 これは後で、また東さんから恐らくそれも含めてこれからのことを通してお話しいただくことになると思いますので。

ほかにいかがでしょうか。関口委員、どうぞ。

関口委員 新谷さんの次に積み残した課題として書いてありますけれども、この中で特に重要だと思っているのは、社会的入院の解消をどうやって病床削減を進めるのかというところです。

またお金の話に戻りますけれども、生活保護受給者の医療費のうちの25%は精神障害者の入院費用です。中野区で生活保護の人を生活援護課が退院させるわけです。そうすると、帳面をつけなければいなくて、どれくらいプラスマイナスになっているか。去年度で2人退院させて520万の黒字だそうです。今年度は3人か4人退院させたのか、730万の黒字だそうです。つまり、はっきり言って、病院に入れておくよりも地域に出した方が、国が出すお金は少ないのです。どうしてこういうところを議論しないで生活保護者の医療費の一部自己負担とか、そういうわけのわからないことを言い出すのか理解に苦しみます。

ですから、基本的なところで厚生労働省だけでの問題ではないのです。お金の問題というのは全部に関わってくるので、そこら辺のことである程度提言できる、つまり、各省庁に提言できるわけですから、それに期待しています。

藤井議長代理 ほかにいかがでしょうか。ここは期待編です。

佐藤先生、お願いします。

佐藤委員 18ページに私の意見を書かせていただきましたので御検討いただければと思うのですけれども、現在の推進会議の委員構成についてはおおむね多くの委員も賛成をしてこれを基本的に引き継ぐべきだと発言されているので私も同じなのですけれども、基本法の改正で障害者の定義が見直されたということは、その委員構成に反映すべき必要事項ではないかなというのが1点です。

もう一つは、改正された基本法の第33条は、政策委員会委員は障害者、障害者の自立及び社会参加に関する事業に従事する者並びに学識経験者となっているので、現在の推進会議の構成原理とちょっと違うところがありますね。事業者が入っていないのがこの推進会議なのだろうと思うのです。となると、障害者の福祉だとか教育だとか雇用だとか医療だとか、交通だとか、いろんな分野にわたる事業者についても検討するということになるのかなと思うのです。やはり政策委員会が現実的にいろんな法制度を幅広くチェックして、場合によったら勧告もするということになると、障害者を中心とする委員会になりながらも同時にそれぞれの分野について非常に具体的に現状把握している人たちも必要になってくるのかなと思います。

ただし、全体で30名しか委員の枠がないので、その辺をどうするかとなると、30名が基本になりながら、協力委員だとか専門委員だとか、頻繁なヒアリングだとかいろんな形で、30名だけでは知恵が回らない部分について仕組みを用意するということが必要になってくるのかなと思います。そのための予算も考えなければいけないのかなと思います。

ほかの委員も言われていましたけれども、地方の意見を吸い上げる仕組みをどうするかとか、この推進会議では情報の公開と発信というのはなされてきたわけですけれども、必ずしもこの24名以外の意見をインプットする仕組みという点では十分ではなかったかなと。その点では、パブリック・コメントをやるだとか、地方フォーラムというのはいろいろ努力してやってくれましたけれども、そういうものをもう少し仕組みとして設ける、あるいは都道府県、政令市、市町村などに設けられる類似の地方の合議機関とこの中央の政策委員会との関係、地方でどういう議論がなされているのかを情報を集めて整理して、この政策委員会の中で検討するような仕組み、そのための事務局体制だとか資料の収集の仕組みなどを考える必要があるのかなと思います。

以上です。

藤井議長代理 ほかにいかがでしょうか。

勝又委員、どうぞ。

勝又委員 勝又です。ありがとうございます。

今の佐藤委員の意見とも関連するのですが、私が出しました意見としまして、委員会が実施する監視・調査研究が政策の評価や改善に実際に影響を与えることができるように委員会の監視・調査部門の評価が必要だという意見出しております。この場合、例えば今事務局体制を多くしろとか、予算をいっぱいつけろというようなことが先行して言われますと、そうしたらば、結果がうまくいくのかということが問われると思うのです。やはり今の状況では予算というよりも、現在、置かれている状況の中で十二分に効果があるような方法を開発するということが重要で、例えばの話、北野委員も書かれておりますが、国家予算と国家官僚の知恵と情報とエネルギーをいかに使うかが重要であると御意見が書いてありますけれども、私どもはこうやって、やっている中でも、予算を新たに組まなくても使えるマンパワーがいっぱいあるわけです。いっぱいあるというと語弊がありますけれども、今の使い方が十分に機能しているかどうかという考えをもう一度点検した上でやっていくというような現実的な方法というのも必要だと思います。

以上です。

藤井議長代理 ほかにいかがでしょうか。

北野委員、どうぞ。

北野委員 今、勝又委員からもおっしゃってもらったのですけれども、私はいろんなものをこれから活用していかなければいけない時代だと思っています。アメリカの全米障害者評議会というのが今後の日本の障害者政策委員会のモデルの1つだと思っておりますので、どういう位置づけにするかということは決まっておりますので、特別に新しいことをしてくれということではなくて、役割として、つまり、今後我が国のいわゆる制度・政策についてのモニタリングということがメインで、それに対してある程度の勧告、レコメンデーションもできるということなのですけれども、1つは年に1回とか定期的にモニタリングをするということがメインなのかといいますと、私たちはアメリカのモデルでいいますと3つの仕事があって、1つは定期的にモニタリングをするというのが1つです。2つ目は、いわゆる政策委員会で独自に決められて、今回特に女性の問題であるとか、精神障害者の社会的入院の問題とか、こういう形で個別テーマを決められて個別テーマごとに調査、検討テーマをセッティングされて独自に調査・検討・公表される。

あるいは今後は国会でいろんな議論をされるでしょうから、国会側からこういうことを調べてくれと、こういうことを調査してくれという、むしろ議会の方からの依頼を受けて調査検討するという、アメリカでは当然こういうことをやるのですけれども、この3つぐらいの業務をやる機能を持っていくのが今後の政策委員会として望まれることであるだろうと。

そうしますと、仕組みとして今後も可能なのですけれども、2つお願いしたいことがあります。1つは、やはり政策委員会の委員長、座長という方をどうして選ぶかということなのです。アメリカでは当然障害者団体が推薦して、大統領が指名して、そして議会が承認するという形をとりますけれども、なぜこういうことをするかといいますと、まず障害者団体の方々がこの人は信頼ができるということが1つです。

2つ目は、大統領の指名というのは、つまり行政のトップがその人で行くというふうに、行政の官僚がOKするというのが2つ目です。

3つ目は、議会が承認しますから、政治、政党、政治の方がOKする。

つまり、政治と行政と障害者団体の方々の結節点ですから、この三者の方がこの人だったら何か決めたときに最後はやりますということを言わせるためにはこういう結節点としての了承と承認の仕組みをどう取るかということがなければ、なかなか実際に勝手にしてと言われてしまうようにならないように、是非ともこういう仕組みをつくっていくというのが1つです。

2つ目は、今おっしゃったように、そうしますと、いろんな調査とかは実際にいろんな官僚の方々と、あと地域の方々と、大学であるとかいわゆるシンクタンクのいろんな民間の方々を活用しながらやらないと、とても仕事の量は多くなりますので、私はその事務局に一定の独自裁量予算というものを配備しない限り、これは絶対に運営できないですから、今後、補正予算でも組んでいただいて、事務局に一定の独自裁量予算というものを、いわゆる中で決めて使える裁量予算というものをちゃんときっちりキープするということがとても大事である。

そうしないといちいち全体の仕組みに挙げていかないとお金が使えないというのでは、今、言ったように委員会の中でもテーマを設定して課題ごとのセッティングの中で調査検討はできませんので、是非ともそういう仕組みをつくっていただくことをしていただきたい。

あとは、今後過半数の方が障害者団体の方が構成メンバーになられて、その仕組みを一緒になってやっていける仕組みを検討していただけたらと思います。

以上です。

藤井議長代理 それでは、もうあと1名か2名と思うのですが、いかがでしょうか。いいですか。なければ、次のテーマと連動しますので、ここでは新谷さんからも先ほど議論するのは障害者基本計画だけなのかということにも関係して、尾上さんから冒頭にこんな課題が残っているということがありましたので、こういう質問への答えも交えて新しく設けられます障害者政策委員会についてということで、現段階でお話しできることを伺ってまた話を少し意見交換しようと思っています。

東さん、お願いします。

東室長 担当室の東です。

どこから話していいのかなと思われるところもありますけれども、藤井議長代理にまとめていただきました4点については、当然前提にして進めていかなければならないと思っているところです。

その上で、政策委員会は、これまでの推進会議とは違った枠組みにおかれるわけです。性格としてはいわゆる8条機関そのものではないと言われていますけれども、国家行政組織法は内閣府には適用されないということで、内閣府設置法37条に基づく審議会、いわゆる8条機関と同等の審議会という位置づけであるものです。そして、具体的な権限としては、もう皆様御存じのとおり、障害者基本法第32条に書いてあるとおりなのですが、若干ここの解釈について新谷委員から御質問がありましたので、今、私のところでわかるだけのことを述べますと、まず32条の2項は、政策委員会は次に掲げる任務をつかさどるということで、1号において障害者基本計画に関し、第11条4項に規定する事項を処理することということがあります。

これは基本計画についての意見を述べるという部分なのですが、これに関しては、基本計画に関しですから、従来の基本計画の枠の中での議論といったことにはならないわけです。あらゆる事項についてこれは基本計画に盛り込むべきかどうかという議論が当然可能ですので、幅広い議論ができると思っています。

また、2号で前項に規定する事項に関し、調査・審議し、必要と認めるときは内閣総理大臣または関係各大臣に意見を述べることという書きぶりからすると、基本計画に盛り込まれた部分に限定されるということではなくて、基本計画に盛り込むべきであるとか、考えられる、想定される部分に関して調査・審議し、意見を述べることができるといった形になってございます。

問題は、監視ですけれども、障害者基本計画の実施状況を監視しというくだりは、文言上は障害者基本計画というものが前提で、それに基づいて現状はどうなのかという形の監視になるわけです。ですから、この部分の言葉だけを見れば基本計画に書いていないことは監視できないといった解釈もできるわけです。しかし、基本計画は細かく書くわけでは恐らくないと思います。やはり方向性とか理念なども含めながら一定抽象的に書かれるわけですから、その範囲内なのか外なのかというのはそんなに簡単に峻別できるものではなかろうと思います。そういった意味で基本計画に限定されているような書きぶりではあるのですが、実際上はそんなに限定されたことにはならないのではないかと思っております。

また、これは議論されたところだと思いますけれども、権利条約が批准されるといった場合においては、このモニタリングの指標は現段階では障害者基本計画がモニタリングの指標にはなっておりますけれども、権利条約が批准された暁には、権利条約の部分がモニタリングの指標になるといったことも考えていかなければならない課題であるわけです。

そういった意味で、この改正された32条は政策委員会の議論を具体的に限定するような作用は持たないのではないかなとは思っているところです。これは私個人の今聞かれた範囲内で答えられる見解ですので、議論があるところかもしれません。これが大体質問に対する答えということになります。

その他、政策委員会に求められる機能、あるべき姿、事務局体制も含めて、本当に御意見いただきましてありがとうございます。これらも事務局内部だけで話してできるというものでもないと思っています。政策委員会を進めながら政策委員会の中でこれでは不十分だという意見を出してもらいながらやっていきたいと思います。これまでも走りながら考えてできるところはやっていくような方向でやってきましたけれども、政策委員会をどうつくり上げるかも単に事務局の話ではなくて、皆さん方も含めた全員で一緒にやっていくという課題ではなかろうかとは思っているところです。

抽象的ですけれども、そのくらいです。

藤井議長代理 それでは、それを受けて今しばらく時間がございますので、更に御意見があったら伺いましょう。

山崎委員、お願いします。

山崎委員 山崎です。ありがとうございます。

今、室長さんが御説明になった新しくできる障害者政策委員会についての基本法の32条についてなのですが、3点ございます。

1点目は、設置根拠が内閣府設置法の37条である。これは内閣府以外の省庁に設置される、例えば国家公安委員会とか、公正取引委員会、こういった委員会は国家行政組織法のいわゆる3条委員会ですから、独立性が担保されているのです。それに対して内閣府設置法37条に当たるのは、国家行政組織法の第8条でございますから、これはいわゆる審議会ですので、独立行政委員会という位置づけではない。したがって、独立性は相対的にないとは言いませんが少ない。他の省庁、内閣あるいは国会に対する意見、発出力というのが3条委員会の位置づけに比べれば、今度できる障害者政策委員会は相対的に低いということが少なくとも組織論的には言わざるを得ないと思うのです。

そうならないことを期待しているのですが、それを踏まえて2点目になります。先ほど室長さんが新しい32条の2項の1号以下にある、例えば障害者基本計画に関し云々という、意見が言える、勧告ができるという規定ぶりなのですが、これは手堅く言えば障害者基本計画に原案として盛り込まれたことについてのやりとりは可能だが、例えばこれも要するに厚労省、国交省、文科省というところが原案を出してきたものをならしてという話になろうかと思うのです。

その場合、一番問題なのは、原案の基本計画に全く触れられていない事柄とか物の見方あるいは縦割りのはざまに落ちてしまって触れられて、あるいは使われていないようなことについてまで、障害者基本計画に関してだから、政策委員会は言及できるのかどうかということです。この点について室長さんはできるという方向性を示されたと私は理解しています。

3点目でございますが、32条の3項、内閣総理大臣または関係各大臣は、前項第3号の規定による勧告についてです。これは基本計画の中身等についての勧告に基づき講じた施策、内閣総理大臣とか大臣が講じた施策について政策委員会に報告しなければならないと書いてあります。大変結構な規定なのですが、やや皮肉っぽく読めば、講じなかったと、勧告したけれども、無視したということについては、報告しなくていいとも読めてしまうのです。これは一見すると私などが強く主張させていただいた応答義務に対応する規定ぶりであるとも読めるのですが、他方では今言ったような皮肉っぽい見方をすれば、講じた施策についてだけ対応して報告するわけだから、講じなかった、つまり無視したものについては報告義務すらないということもなりかねない。この辺りについて、特に3点目について、今後の話ですから、室長さんがどこまでお答えできるか難しいかもしれませんが、現時点での御見解をもし伺うことができればありがたいと思っております。

以上です。

藤井議長代理 これに関しては、かなり基本的なことなので東さんからコメントいただけますか。

東室長 担当室の東です。

最初におっしゃられた組織としての性格の問題は、3条委員会とは違うものとして規定されているわけですから、それはそのとおりなのかなとは思います。ただ、そういう組織論的な問題だけでは発信力の強さ、弱さというのは判断できないと思っています。当事者参画とか、いろんなほかの要素、情報公開にしても、そういう総合的な要素によって違ってくるだろうと思っています。

2点目の各省庁が提案しなかった部分とかというのはどうなるのかということなのですが、それは少なくとも調査・審議に関しては限定されないと思いますので、結論的には同じかなと思っています。

講じない場合はどうするのかと。全く100%何もしないといった場合は現実的にはないと思うのです。何らかのことを講じる場合が普通ですので、その中でやっている部分、やっていない部分というのは当然報告があるかなと思いますし、仮に100%やっていなくて何も報告がないという場合には再勧告ということも当然あり得るわけですから、条文解釈を根拠に何もしなくていいということには決してならないのではないかと思います。

藤井議長代理 山崎委員、よろしゅうございますか。

山崎委員 前向きな見通しを伺えて大変うれしく存じます。ありがとうございました。

藤井議長代理 ほかにいかがでしょうか。

勝又委員、どうぞ。

勝又委員 質問なのですけれども、先ほどから都道府県等における合議制の機関、市町村の方でもできる規定があるわけですけれども、こういう機関というのはもう基本法は通っているわけですからいつまでにだれがそういうものができたということを確認するのでしょうか。こういう合議制の機関と、今、言われている政策委員会との関係というのは、どこにどういうふうに書いてあるのでしようか。

藤井議長代理 これも東さんからわかる範囲でお答えいただけますか。

では、先に新谷さん、どうぞ。

新谷委員 今の件はちょっと気になりますので。東京都の障害者基本計画というのが3月に第2次がつくられたのです。そのときの推進母体は、当然のことながら障害者施策推進協議会、ここが母体になってつくったわけです。だけれども、障害者基本法が通っているのだから、新しい政策委員会がつくられてそこで練り直すのかという質問をしたのですけれども、それについてはそういうことは、東京都は考えていない。現在の障害者推進協議会がつくったものでこれから東京都の計画を3年間やるという説明で終わりました。

だから、法律は去年の8月頭に試行されているのですけれども、地方レベルになるとそういうこととは別の動きがあるということで、法律の効果がよくわからない。

藤井議長代理 東さん、コメントはよろしいですか。

東室長 基本法の改正に基づいて、地方に置かれている既存の委員会につきましても、条例などで改正していくことが求められております。その改正作業が2月の定例議会などでほぼ終わるだろうと思います。少なくとも主立ったところが終わったところで、政令で公布日を決めて政策委員会を立ち上げる。だから、政策委員会と同じように、改正基本法に基づく審議会になっていくということだろうと思っています。

従来の既存の地方の組織について、条例等の規定は変わっても中身として変わるのか、変わらないのか。法律で具体的に規定できている部分としては、例えば構成メンバーなどについては新たな規定が加えられているわけです。これは国の政策委員会の構成メンバーについての規定ぶりとほとんど同じなのですが、こういうものに基づいて都道府県もしくは市町村は新たにそれに適合するような委員構成であるかどうかは都道府県で検討していただく、市町村で検討していただくということになるわけです。そこまで法律が言っておるわけですけれども、現実に現場で変わるのかどうか、そこら辺はある意味やはり地域の障害者団体がどう働きかけて具体的に変えていくかという、そういった団体の課題というものも当然出てくるのではなかろうかと思っています。

藤井議長代理 これは地方、都道府県は必置だけれども、これの公布が1年以内、去年の8月5日が施行日だけれども、障害者政策委員会は1年以内と。この地方の方の合議機関の方も公布日は1年以内ですか。

東室長 国の政策委員会につきましても、都道府県もしくは市町村の政策委員会に類する審議会につきましても施行日は同じと考えております。

藤井議長代理 では、勝又さん、どうぞ。

勝又委員 2つ目の質問だったのですけれども、政策委員会はできたときにこの地方の都道府県、市町村のこういう合議制の機関ができているか、できていないかというのを調べるというのはモニタリングの1つにはならないのですか。

藤井議長代理 これも東さん、いかがですか。

東室長 基本計画の中にその部分がどうなのかということなのでしょうけれども、それは基本計画の中に含まれると思います。ただ、できるか、できていないかではなくて、これは施行しなさいということで、施行日とともにやらなければならない話なので、勧告するとかしないという話とはまた違う話ではないですか。

藤井議長代理 佐藤委員、どうぞ。

佐藤委員 現在でも既に内閣府が全国の市町村、都道府県に定期的に調査して、障害者施策推進協議会や類似の計画づくりの策定委員会などをどのように設置しているかいないか、どういう障害当事者や家族が委員となっているか、その障害の種類はどうかということを調べて、内閣府のホームページの中で公開していますね。ですから、それは少なくともやり続けるのだろうと思いますけれども、もうちょっと更に事務局体制がどうなっているかとか、どんな監視活動をやっているかだとか、予算だとか、いろいろ地方の状況を調べてそれを集計してまた地方に戻す、進んだところの経験をほかの自治体が生かせるようにするだとか、そういう動きについて中央の政策委員会で何か必要に応じて勧告をするだとか、そういうようなことをやる機能が求められるのではないかと思います。

藤井議長代理 東さん、どうぞ。

東室長 東です。

それは2項の2号の調査審議という辺りで該当する話かなとは思いますけれども、ある程度のことは現状でも内閣府においてされているというところはありますので、もう少しこういう部分で調査すべきだということであれば、政策委員会の中でそういうことを言ってもらえれば、できる範囲内で事務局的にはやるということもできると思います。

藤井議長代理 では、北野さん、少し簡単にお願いします。

北野委員 済みません、今の34条の1項の関係行政機関というのは、国の委員会だけのことなのか、あるいは都道府県、市町村というのは34条の2でその他という協力する機関に入っているのかどうか、その辺はどう解釈すればよろしいでしょうか。

藤井議長代理 お願いします。34条の1項と2項、2項はその他になるでしょう。1項が他の省庁との関係。2項が市町村。

東室長 そこまではちょっときちっと詰めておりませんが、後で。

藤井議長代理 ほかにいいですか。

関口委員、どうぞ。

関口委員 1つ気になるのですけれども、障害者総合支援法でもって自立支援協議会は残るというか、まさにちゃんと当事者を入れろということになっていくわけですね。そうすると、それとの関係というか、同じような機能を持つのがいっぱいあるのも無駄と言ってはひどいですけれども、どうなのかなという感じはするのですけれども、その辺はどうなっているのですか。

藤井議長代理 関口さんが今、質問したのは、協議会と市町村の合議機関との関係性ですね。

関口委員 そうです。

藤井議長代理 待ってくださいね。先ほどの部分かな。東さん、どうぞ。

東室長 今、関口さんがおっしゃったのは、名称は変わりますけれども、自立支援協議会が構成員について変更された形で新しくできるというような案が出されていますね。それでダブってくるといったことの御指摘だろうと思うのですが、あくまでもあれは障害福祉サービスをメインとした協議会というものであると思います。ただ、障害者は福祉の世界だけで生きているわけではありませんので、もっと広い全般的な問題を議論する場としてこういうものがあると思っておるところです。

藤井議長代理 それでは、時間も大分迫ってきたのですが、どうしてもという方はいらっしゃいますか。もうなければこの件は尽きないと思いますので、久松委員からいただいたのを最後にしましょうか。お願いします。

久松委員 最後の締めくくりとして、藤井さんと東さんお二人に対してお話を伺いたいと思って質問したいと思います。

今の制度改革推進会議の法的根拠がない条件が悪い中頑張っていただいたと思っております。そういう意味で非常に高い評価を持っております。各省も制度改革推進会議を相当意識して相当勉強していますし、情報収集を熱心にやっているということで大きな効果があったと思っています。また、制度改革推進会議の議事進行について、藤井さんの司会のやり方が非常に他の審議会等の会議に対してよい見本になったと思います。ですから、100点満点の中で120点以上あげたいと思っております。

あと、東さんは事務局として制度改革推進会議の運営を引っ張っていただき、事務局として大きな貢献をされたと思っています。ですから、事務局として最後だから最後に本音を聞きたいと思います。事務局として、制度改革推進会議の皆さんから無理な要求等々いろんな意見に対して相当我慢して聞いていた点も多々あったと思います。事務局としてここまで一生懸命頑張ったのになぜわかってもらえないのかと思ったことも多々あったかと思っておりますので、最後の締めくくりとして、藤井さん、東さんから、この制度改革推進会議の運営に対する自己評価をお聞きしたいと思います。

以上です。

藤井議長代理 私の方は簡単です。あと東さんからもっと丁寧にお話してもらおうと思うのですが、私の方はこういう進行役というのは役割は2つなのです。1つは、話しやすい環境をつくること。もう一点は、意見を練り上げること。両方ともやや反省しています。ただ1つ、一番司会進行で困るのは黙ってしまうことなのです。これは全く心配なかったのです。大変活発に御意見いただきました。

今日、ここにいらっしゃる久松さんもそうだし、福島さん、門川さん、新谷さん、恐らくタイムラグがあったと思うのです。その点でももう少し間を取ったり、そういう点での反省点もあるし、土本さんについてはやはりわかりにくかったと思うのです。だから、そういう点での本当に障害の当事者を中心に真ん中に据えて議論をするというのはどういうことかという点で言うと、これからたくさん経験を重ねてやっていくのではないかなと思うのですけれども、そこも反省がある。

しかし、どうにか事務局の頑張りがあったこともあって、練り上げるという作業はこの場では不十分だったかもしれませんけれども、レポートを含めたり、事務局の頑張りもあって方向性だけはやはりうまく示したことができたのではないかなという点で言うと、そのお手伝いができたという点で言うと、とても私自身もうれしく思っているし、特にこうした構成員の方々の進行への協力については深く感謝を申し上げたいと思います。

今日、小川議長が欠席なのですが、くれぐれもそういう点において、こういう場にいたことについて小川さんも幸せだったし、よろしく言ってくれということもこの場で付け加えておきます。

では、東さんの方から引き続きお願いします。

東室長 先ほどの御質問の件、回答した上でということにします。

先ほどの地方の機関に対して資料の提出等を求めることができるのかということですけれども、34条の1項に書いてある行政機関というのは国の機関という位置づけです。都道府県などについては2項の前項に規定するもの以外のものということで、この部分については協力をお願いするという形の位置づけになろうかと思っています。

それと本音を言えということですけれども、本当に無理難題な要求ばかりだったというのが本音ではあるのですが、その無理難題の中に、その背景の中に真実があるなと思いました。

やはり障害というのは見えない存在で、なんでそこまで言うのかとか、そんな形で一般的には見られますけれども、やはり人権という視点から見れば、その中に真実がある。そこを何とかスタンダードなだれもがわかりやすい形に見せていくといったことがこの会議の役目だったのかなと思います。

それと本当に無理難題ばかりというのは一面で思いつつも、議論が進む中で自分たちの団体の意見ばかりではなくて全体でどうまとめていくかという観点から議論していただいたことについては本当に感謝申し上げております。そういう言いっ放しではなくて、みんなでどうつくっていくか、そういった視点の中で第一次意見にしても第二次意見にしても、骨格提言にしてもできたものだと思います。

そういった意味で、一人ひとりばらばらでありますが、違う立場ではありますけれども、一緒にこうやって議論できたということは本当にある意味日本の福祉の歴史の中で初めてではなかっただろうかなという想い、感慨を持っております。

特に推進会議が発足したばかりのころは、月に4回ぐらいやりまして、しかも論点表を出してちゃんと宿題に答える形で参加してくれという、大変な、御迷惑をかけて申し訳なかったかとは思いますけれども、その馬力でやってきたお陰で、まだまだ2年間ぐらいの期間しか経っていませんけれども、一定の方向性というものは第一のステップとして一定形づくられたかなという感じはしております。

本当にありがとうございました。(拍手)

藤井議長代理 まだ終わったわけではないのです。

今、関係しているかどうか、福島さんからも発言がその他として求められていますので、福島さん。では、堂本さん。先に福島さんからでいいですか。

福島さん、お願いします。

福島オブザーバー 僭越ですが。

藤井議長代理 では、堂本さんからということで。

堂本委員 私はお礼です。今、東さんと藤井さん、本当にありがとうございましたというお礼が出ましたけれども、またその裏方の事務をやってくださった方たち、本当に赤松さんや金さんや成富さんや南舘さんや皆さん、とても大変だったと思うし、それだけではなくて、やはり要約筆記をやってくださった方たちとか、カメラを撮ってくださった方とか、いつも傍聴席を埋めてくださった方たちとか、もういっぱいの方たちがこの推進会議を盛り上げてきたと思っています。私は本当に今までいろんな審議会に出たり、また自分でも審議会を組織してやったりしてきましたけれども、今、最後に東さんがおっしゃったように、こういう会議は今まで日本にはなかった。外国では随分いろんなこの会議にも出ましたけれども、そこでは本当にみんな口角泡を飛ばして議論する、それでいながら後で合意を見つけていくというのを何とかみましたけれども、情けないぐらい日本人は議論が下手だといつも思っていました。

でも、なぜ議論が下手なのかと言えば、やはり本音のことをなかなか言わない、そして自分のみえを張るというか、立場を考えてということで話ができないのが審議会の場だろうというふうにいつも思ってきたのですけれども、この推進会議はそういうことはなくて、本当に自分が一番感じていること、考えていること、そして日本じゅうの多くの障害者が不条理に制度の使い勝手が悪いために苦しんできたり、悩んできたり、困惑してきたり、そういった問題をそれぞれの方が別の障害を持った方たちがそれぞれに本気で戦わせたことが、話し合ったことが今の東さんのおっしゃった一定の方向性に向かったのだろうと思っています。

その意味で、一番大変な縁の下の力持ちの裏方をしてくださった方に、要約筆記や何かだけではなくて通訳をしてくださった方たち、手話通訳もとても大変だったと思うし、まして指の通訳はもっと大変でいらしただろうと思うのですけれども、そういった一人ひとりの方に、私はこの2年半のたくさんのありがとうを最後に言わせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。(拍手)

藤井議長代理 それでは、福島さん、お願いします。

福島オブザーバー 私も基本的には同じ思いです。3月ですね。最後は学校の卒業式みたいな感じですが、それぞれ御苦労なさったと思います。でも、やはり一番しんどかったのは東さんだと思うのです。いろんな板挟みがある中で、どうぞストレスで倒れないようにお願いします。

藤井さんや、今日はお休みですが小川議長、総合福祉部会の佐藤先生、三役の1人の尾上さんも本当に皆さんお疲れ様でしたと申し上げたいです。当事者が多いわけですが、広い意味では、みなさんは全員当事者だと思っています。障害者自身だけではなくて、障害者に寄り添って活動や研究をなさっている方々は皆さん当事者だと思います。

ただ、その中でもやはり狭い意味でのといいますか、いわゆる障害のある人はしんどかったなと、私自身は目と耳の両方ですが、門川さんもそうだし、久松さんや新谷さんもコミュニケーションのハンデがある。関口さんとも先ほど話していたのですが、私自身も適応障害というのを抱えていて、もう関口さんとも疲れたよねという、関口さんも精神障害だけではなくてもしかするとお太りになっているから「体格障害」もあるかもしれないし、私などは三重障害です。

でも、私はアメリカに留学というか1年間出張していたのでまだましな方。大濱さんなどは体温調節が大変で、暑いころはうちわであおいでもらっていましたね。本当大変だし、土本さんは多分私の発言を含めて訳がわからない発言が多かったと思うのです。先ほど園田政務官がいろいろ長く話されていたけれども、要するに園田先生の発言などは意味が3つだけです。

1つ目が、頑張ったけれども、うまくできなかった。2つ目はこれから頑張ります。3つ目は、だから、民主党をよろしくねという、そういうこと。

内閣府の皆さんとか、情報保障に当たっている皆さんは本当にありがとうござました。これで一区切りですけれども、それぞれみんなできる範囲でそれぞれの立場で頑張っていきましょう。皆さん、どうもお疲れ様でした。(拍手)

藤井議長代理 それでは、時間がまいりましたので、大変名残惜しいのですけれども、この会は終わっていかなければいけません。堂本さんおっしゃったように、要約筆記の方たちや、またいろんなアシスタンスト、同行者、全国を含めた傍聴者、いっぱいいらっしゃいました。何よりも東さんを中心とした制度改革の担当室の事務局、バックアップしていただいた内閣府の事務局の面々に深くお礼を言いたいと思います。

本当は全員にお礼の印をと思ったのですけれども、私ども推進会議のメンバーとしまして、制度改革担当室の事務局の東さんを始め、あと4人の面々に対して、ささやかながら花束を準備しましたので、今日はこれをお渡ししてこの会を終わります。スケジュールを超えてやりますのでね。

歌謡曲の題目に「終着駅は始発駅」というのがあったのですけれども、決して今日は終着であるけれども、また新しい始発駅が待っているということで、とりあえず1つの区切りでありますので、先ほどのあれで言えば卒業式ではないのだけれども、一応区切りとして花束の贈呈をもって終わっておこうと思うのですが、勝手ながら私の方でお名前を言いますので、前の方に来ていただいて花束をお送りさせていただきます。

堂本さんは東室長にお願いいたします。

堂本委員 皆さんを代表して、福島さんがおっしゃいました、一番大変だった東室長、どうもありがとうございました。(拍手)

(花束贈呈)

東室長 済みません、ありがとうございます。どうもありがとうございました。本当にお世話になりました。(拍手)

藤井議長代理 それでは、本当に頑張っていただいた4人の方、勝又さんから金さんの方にお渡しいただけますか。

(花束贈呈)

勝又委員 どうもありがとうございました。(拍手)

藤井議長代理 土本さんから南舘さんにお渡ししていただきましょうか。

(花束贈呈)

南舘 どうもありがとうございます。(拍手)

藤井議長代理 それでは、大谷さん、帰って来たかな。赤松さんの方に渡していただけますか。

(花束贈呈)

大谷委員 どうもいろいろありがとうございました。(拍手)

藤井議長代理 それでは、最後になりますけれども、川崎さんの方から成冨さんの方にお渡しいただきます。

(花束贈呈)

川崎委員 ありがとうございました。(拍手)

堂本委員 カメラマンの方から一応皆さん並んでくださいと。

藤井議長代理 では、一旦閉じますので、後で。

内閣府の方が今日、後ろにいらっしゃいまして、もう一度大きな拍手を皆さん方で送ってください。(拍手)

では、以上をもちまして、第38回の推進会議をもちまして、事実上、この推進会議全体をおしまいにします。どうもお疲れ様でした。(拍手)

▲ このページの上へ

-