障害者差別解消支援地域協議会の設置等の推進に向けた検討会(第1回)議事録

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○杉田企画官 これより、第1回「障害者差別解消支援地域協議会の設置等の推進に向けた検討会」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。今日の会議は15時半までを予定しております。
 まず、配付資料の確認を行います。資料が1から6までございます。
 資料1-1 障害者差別解消支援地域協議会の設置状況等について
 資料1-2 障害者差別解消支援地域協議会の設置・運営等に当たり、工夫した点と課題
 資料2 平成28年度の地域協議会体制整備事業について
 資料3 今後の検討スケジュールについて
 資料4 三重県提出資料
 資料5 北九州市提出資料
 資料6 平塚市提出資料
 となっております。それから、地域協議会の設置状況に関する1枚紙を別途お配りさせていただいております。
 資料の不足がありましたら、こちらのほうまでお願いいたします。
 それでは、今日の検討会では、構成員の方々を紹介させていただくまでの間、事務局で議事進行を務めさせていただきます。
 初めに、この検討会の開催趣旨を簡単に御説明いたします。
 御案内のとおり、障害者差別解消法上、地方公共団体では、地域の実情に応じた差別の解消のための取組を主体的に行うネットワークとして、地域におけるさまざまな関係機関から構成される障害者差別解消支援地域協議会を組織できることとされております。この地域協議会は、障害者にとって身近な地域における差別の解消を推進する上で大変重要な役割を担うものであり、都道府県・政令指定都市等の大規模な地方公共団体では、相当程度設置が進んできているところであります。しかし、比較的規模の小さい地方公共団体におきましては、設置の推進に向けたさらなる後押しが必要な状況にあります。
 また、地域協議会を設置済みの地方公共団体におかれましても、円滑かつ効果的な運営の観点から、依然として課題が残るケースがあるものと思われます。
 こうした課題に対応するため、この検討会の前身に当たります、いわゆる在り方検討会における議論を経て取りまとめられました「設置・運営指針」、それから「手引き」につきまして、法施行後の具体的な取組、好事例を踏まえまして、改訂を行いたいと考えております。
 具体的には、この検討会におきまして、法の施行後、実際に地域協議会に係る取組を進めてこられた地方公共団体の方々よりヒアリングを行いまして、その結果も踏まえつつ、改訂に向けた議論をさせていただければと考えております。
 以上がこの検討会の開催趣旨です。
 次に、参考2の名簿、1枚紙をお配りさせていただいております。順次、構成員の方々を紹介させていただきたいと思いますので、構成員の方々におかれましては、一言ずつ御挨拶いただければと思います。
 まず、座長をお願いしております毎日新聞社論説委員、野澤和弘座長です。

○野澤座長 野澤です。よろしくお願いいたします。

○杉田企画官 次に、日本精神科病院協会副会長、河﨑建人構成員。

○河﨑構成員 河﨑でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

○杉田企画官 次に、本日は所用により御欠席でありますが、明石市福祉部福祉総務課障害者施策担当課長、金政玉構成員。
 次に、ピープルファースト東京事務局長、佐々木信行構成員。

○佐々木構成員 初めまして。このたびはよろしくお願いいたします。

○杉田企画官 少し遅れておりますが、次に、長生・夷隅地域のくらしを支える会中核地域生活支援センター長生ひなた所長、渋沢茂構成員。
 次に、弁護士、関哉直人構成員。

○関哉構成員 関哉と申します。よろしくお願いいたします。

○杉田企画官 次に、筑波大学教授、柘植雅義構成員。

○柘植構成員 よろしくお願いします。

○杉田企画官 次に、明蓬館高等学校教育コーディネーター、南雲明彦構成員。

○南雲構成員 よろしくお願いします。

○杉田企画官 次に、三重県健康福祉部障がい福祉課長、西川恵子構成員。

○西川構成員 よろしくお願いいたします。

○杉田企画官 次に、WEL’S副理事長、就業・生活支援センターWEL’S TOKYOセンター長、堀江美里構成員。

○堀江構成員 よろしくお願いします。

○杉田企画官 最後に、平塚市福祉部福祉総務課地域福祉担当主管、又村あおい構成員。

○又村構成員 又村です。よろしくお願いいたします。

○杉田企画官 構成員の方々の紹介は以上です。
 続きまして、検討会の開催に当たりまして、障害者施策担当参事官の坂本から御挨拶申し上げます。

○坂本参事官 皆様、明けましておめでとうございます。内閣府の障害者施策担当参事官をしております坂本と申します。
 構成員の方々、それから北九州市さまにおかれましては、この年始の御多用中、まだ七草がゆもすすっていないわけでございますが、そういう時期に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。まずこの場を借りて御礼申し上げたいと思います。
 杉田のほうからも先ほど御説明申し上げましたけれども、御案内のとおり、昨年4月に障害者差別解消法が施行されました。その第17条で地域協議会、つまり地域の実情に応じた差別の解消のための取組を主体的に行うネットワークということで地域協議会を組織することができるという条文になっているわけでございます。
 この地域協議会は、組織することができるということで、設置はあくまで任意とされているわけでございますけれども、障害者にとって身近な地域における差別の解消を推進していく上で、大変重要な役割を担っているということでございまして、内閣府におきましても、設置の促進に向けたさまざまな取組を進めてきたところでございます。
 この地域協議会ですが、後ほど詳しく御説明を申し上げますけれども、都道府県や政令指定都市といった大規模な自治体では、かなり設置が進んできているということでございますが、比較的小規模な自治体では、まだ設置が十分に進んでいるとは言えない状況にございます。また、既に地域協議会を設置した自治体におきましても、設置はしたのだけれども、実際上なかなか十分に活用できていないような状態になっている自治体もあると伺っております。その一方で、地域協議会の設置・運営に当たりまして、内容面、手続面双方でさまざまな工夫を行ったり、地域協議会を精力的にフル活用するといったような先進的な自治体も見られております。
 そういった知見を他の自治体にもいわば横展開していって、得られたノウハウを共有することができれば、地域協議会の設置をさらに促進することはもとより、地域協議会の効果的な運営が進むことも期待されております。ひいては、各地域における障害者差別解消に向けた取組の底上げにもつながると考えているわけでございます。
 本検討会では、こうした横展開でありますとかノウハウの共有に向けまして、本検討会の前身に当たります在り方検討会の議論を経て取りまとめた「設置・運営指針」でありますとか「設置の手引き」、こういったものの改訂に向けて御議論をいただければと考えております。
 在り方検討会に御出席いただいた方々はよく御存じかと思いますけれども、この検討会も、前身の在り方検討会と同じく、ざっくばらんに意見交換ができる場にしたいと考えているわけでございます。事務局もそういうざっくばらんな環境づくりに努めたいと思っておりますので、先生方もどうか忌憚のない御議論をいただきますようお願い申し上げて、私からの挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願い申し上げます。

○杉田企画官 ここからの議事進行につきましては、野澤座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○野澤座長 では、しばらく私が司会進行させていただきます。よろしくお願いします。
 早速ですけれども、議題1の地域協議会の設置状況と議題2の今後の検討スケジュールについて、事務局から一括して御説明をお願いします。

○杉田企画官 最初に、資料1-1を御覧いただきたいと思います。昨年10月1日時点での地域協議会の設置状況について、都道府県、市町村にアンケート調査を行った結果を取りまとめたものでございます。調査項目としましては、そもそもの地域協議会の設置状況から組織形態、工夫した点や課題等について調査を行っております。なお、都道府県、政令市については、一般の市町村よりも調査項目をさらに深掘りいたしまして、構成員の内訳だったり事務の内容、権限についても調査を行ったところであります。
 1ページ目の「地域協議会の設置状況」について、下の棒グラフを御覧いただきたいと思います。一番上が都道府県、その下に政令市、中核市等、その他市町村と、下に行くほど自治体の規模が小さくなるものであります。アからウの水色、緑、黄緑を足したものが「設置済み」とするもので、都道府県、政令市でそれぞれ約8割、中核市等で約5割、その他市町村で約3割弱となっております。
 さらに、エの黄色の「設置予定」ありの部分についてですが、ちょっと先に飛んでしまって申しわけないのですが、11ページ目を御覧ください。その設置予定時期について、都道府県、政令市は全て今年度中の設置予定としているのに対し、中核市等やその他市町村では、半数程度の自治体がウの赤の部分ですが、29年度以降の設置予定としているところであります。
 1ページ目の棒グラフに戻っていただきますと、下のところ、アからウの水色、緑、黄緑の「設置済み」の部分に加え、エの黄色の「設置予定」ありを加えますと、今年度中に全ての都道府県、それから9割の政令市が「設置済み」となる予定であります。一方、中核市等については、約8割が「設置済み」または「設置予定」ありとなりますが、今年度中の設置予定に限れば、約7割弱にまで数字が落ちることになります。その他の市町村につきましても、同様に5割強が「設置済み」または「設置予定」であるところ、今年度中の設置予定に限れば4割弱となる見込みであります。改めて今年度中に「設置済み」となるのは、都道府県、政令市、中核市等、その他市町村の順番に、10割、9割、7割弱、4割弱となります。全ての自治体を集計いたしますと、4割強の43%の自治体で今年度中に「設置済み」となる見込みとなっております。
 また、その他の市町村の約4割が設置「未定」とし、「設置しない」とする市町村が約2%ございます。その設置しない理由については、既存の協議会等で対応するとか、まずは個別対応を進めることとして、必要があれば今後検討するなどの説明をいただいているところです。
 次に2ページ目でありますが、「地域協議会の組織形態」について、単独で置くのか、あるいは他の協議会に機能付与するかなどについてでありますが、都道府県、政令市と中核市、その他市町村との間で傾向の違いがはっきり出ていると思われます。都道府県、政令市につきましては、半数以上の団体で差別解消法に基づく地域協議会の位置づけとしてのみ設置されている青の部分であります。それに対しまして、中核市、その他市町村につきましては、障害者総合支援法に基づく協議会を兼ねるとする自治体、黄色の部分が最も多く、その数は中核市等で半数、その他市町村で約8割に上っております。
 次に3ページ目「子会議の設置の有無」であります。なお、ここから先の御回答につきましては、都道府県、政令市のみの回答となっております。3ページの子会議の設置の有無につきまして、子会議を設置している自治体は約1割前後というデータになっております。
 4ページ目に参りまして、構成員の属性ですが、エの当事者、カの福祉等関係者については、全ての自治体にて構成員となっている。報道機関や自治会を除きまして、設置運営指針などで主に想定されている者はほぼ満遍なく構成員になっている状況であります。
 5ページ目、構成員の人数ですが、20人台とするところが最も多くなっております。
 6ページ目、構成員に占める障害者の割合ですが、1割から2割の間とするところが最も多くなっております。
 障害種別といたしまして、7ページ目でありますが、エの肢体不自由が最も多く、次いでア、イの視覚障害、聴覚障害、さらにオ、カ、クの知的障害、精神障害、難病が多くなっております。
 次に8ページ目、構成員に占める女性の割合につきまして、3割以上とする自治体が最も多くなっております。特に政令市につきましては、6割を超える自治体が女性割合3割以上となっております。
 9ページ目、地域協議会が行うこととされている事務に関してですが、「設置・運営指針」で例示されている事務がここで言うアからカまでですが、そのアからカまではおおむね行うこととされておりますが、その中でオの構成機関等による紛争解決の後押しが比較的少なくなっている状況であります。また、地域協議会が担う事務として直接的には念頭に置かれていないのですけれども、キの個別の相談事案に対する対応につきましては、2割から3割程度となっております。
 続きまして、10ページでありますが、地域協議会自体が紛争解決の後押しの権限を有する場合の権限の種別について調べたものであります。そもそも権限を有していないとする自治体が7割を超えているわけですが、権限を有する場合は、報告徴収や助言、勧告、あっせんという回答になっております。
 資料1-2に進みたいと思います。地域協議会の設置・運営等に当たり、工夫した点と課題につきまして、自治体から自由記述方式で回答いただいたものの中から、主なものを「設置・運営指針」の項目に沿って整理したものであります。
 まず、総論部分でありますが、工夫した点といたしまして、法施行1年前から既存組織を活用して対応したことにより、委員等への意識づけ期間を確保できたこと、内閣府アドバイザーの活用等が挙げられました。課題といたしましては、地域協議会に期待される役割や各構成員団体の具体的な役割が不明確であるとか、事例が集まらない中で、地域協議会の役割について見通しが立てにくいというような意見がございました。
 次に、2ページ目の「2.地域協議会の基本的な仕組み」、地域協議会の組織に関してですが、先ほどのデータ紹介にもありますけれども、既存のネットワークを有効活用したという意見が多くありました。また、人口の少ない市の場合、単独で設置することは効率的ではないという意見、一体的運用を行っている他の機関との整合性を課題として挙げる意見もございました。
 (2)の構成員に関しまして、工夫した点として、バランスを考慮したこと、多くの事業者団体やユニバーサルデザイン団体、建築学科の教授、差別事案の発生しやすい不動産関係者から参加してもらったこと、事業者自体を一本釣りしたといった点が挙げられております。課題といたしまして、委員会の障害種別が網羅的でないこと、交通機関や不動産事業者、学識経験者等の参加が思うようにいかないこと、委員の障害種別がさまざまであるため、各種捉え方がまちまちであることなどが挙げられております。
 3ページ目の運営方法に関してですが、工夫した点といたしまして、面積の大きい自治体では圏域ごとに委員会を置くだとか、あるいは部会を設置して具体的、きめ細やか、かつ機動的に開催できるようにしたという意見がありました。課題といたしまして、圏域内における格差の問題を挙げる意見、既存の協議会に機能付与したために十分に機能するか不安といった意見がございました。また、支援機関の長が集まる会議では、具体的な取組や差別解消に係る意見が出にくいといった意見もありました。
 それから、都道府県単位の地域協議会と市町村単位の地域協議会との連携のあり方を課題として挙げる意見もございました。
 「4.相談及び紛争の防止等のための体制」につきまして、工夫した点といたしまして、差別相談者なき事案への対応を行えるようにしたという意見。課題といたしまして、具体的な相談事例が乏しい、相談が日常生活等の多岐にわたるため、差別解消法の範囲内のものか判断がつきにくいという意見がございました。
 4ページ目「5.秘密保持」でありますが、地域協議会の議事の公開との関係性、事例検討の結果に関して、情報共有や情報発信について、なかなか線引きが難しいという意見がございました。
 「6.その他」についてですが、地域協議会の設置について、国庫補助による財源の手当てが必要とする意見もございました。
 7.ですが、「設置・運営指針」や「手引き」のさらなる充実を希望する内容等について聞いてみました。地域協議会の役割等の明確化、それから、これは非常に多かったのですが、事例集のさらなる充実を求める意見がございました。実際の地域協議会の活動内容だとか、小規模自治体、あるいは同じ圏域で共同設置している事例、事務の委託を行っている事例等々、事例集の充実を求める意見が結構ございました。
 続きまして、資料2に移りたいと思います。平成28年度の体制整備事業についてでございます。
 まず「1.アドバイザー派遣事業」につきまして、野澤座長を初めといたしまして、本検討会の構成員の中からも、アドバイザーとして御協力をいただきまして、感謝申し上げたいと思います。
 今年度は、地域協議会の設置に向けた課題を整理しまして、その取組を後押しするために、①にありますように、22か所の自治体にアドバイザーを派遣することとしております。この自治体一覧を見ていただくとおわかりになるかもしれませんが、昨年度と比較をいたしますと、規模の比較的小さい一般市レベルへの派遣、それから複数の自治体の共同による取組を目指すところ、そういったところへの派遣が増えてきていると思っております。
 今年度の派遣実施方法につきましては、アドバイザーに実際に地域協議会の初回会合に出席してお話をしていただいたり、あるいは余り取組が進んでいない自治体に対して、事務局の担当者のところに行って助言をいただいたというようなことを行っております。
 なお、昨年度、27年度にアドバイザーを派遣した20か所でありますが、そのうち約9割の自治体にて地域協議会を設置済みまたは設置予定と伺っております。
 来年度、29年度におきましては、中核市を念頭に10か所程度にアドバイザーを派遣したいと考えております。構成員各位におかれましては、引き続き御協力をお願いしたいと思っております。
 アドバイザー派遣により得られました知見、抽出された課題等を全国の自治体へ共有・フィードバックしていくことが重要でありますので、今年度もそのための報告会、②のところでありますが、3月10日に開催する予定でございます。
 次に2ページ目、差別解消地域フォーラムについてですが、これも構成員各位の御協力をいただきながら実施しているところでもあり、感謝申し上げたいと思います。
 今年度に施行されました差別解消法を踏まえまして、各地域における取組の促進と機運の醸成を図るために、今年度中に15の自治体で開催することとしております。法施行初年度に当たる今年度におきましては、特に自治体からの取組状況や民間事業者からの実践例の紹介、④の3.と4.の部分ですが、そういったところの紹介を行っていただいております。来年度も15の自治体にて実施する予定であり、引き続き構成員各位の御協力をお願いしたいと思っております。
 続きまして、資料3、今後のスケジュールでございます。
 本日、この後、3つの自治体、三重県、北九州市、平塚市からヒアリングを行います。第2回検討会は1月27日金曜日でありますが、さらに4つの自治体からヒアリングを行う予定であります。今のところ、山口県、八王子市、明石市、岡山県総社市を念頭に考えております。その上で「設置・運営指針」や「手引き」の改訂の議論につなげていき、年度内の3月中を目途に作業したいと思っております。
 私からの説明は以上です。

○野澤座長 ありがとうございます。
 それでは、今の事務局の御説明に対して質問あるいは意見等があったら、挙手にて発言をお願いしたいと思います。先ほども坂本参事官からあったように、ざっくばらんな会なので、全く形式的ではなく、私もどんどん発言しますので、皆さん忌憚のない意見をお願いできたらと思います。
 先ほど、兼務で兼ねているところがありますね。この総合支援法の協議会を兼ねると、これは自立支援協議会のことですね。それと、障害者基本法の合議制の機関、これは何でしたか。

○又村構成員 施策推進協議会です。

○野澤座長 これは全都道府県、政令市であるのですか。

○又村構成員 都道府県まではあるはずです。

○坂本参事官 全部あります。市町村レベルではたしか半分ぐらいでしたね。

○又村構成員 市町村は設置が努力義務。

○坂本参事官 努力義務ですね。

○野澤座長 どうぞ。

○又村構成員 又村でございます。よろしくお願いします。
 先ほど資料1―1で「設置しない」と回答された自治体の中で、今ある話し合いの場というか協議会があるので置かないというお返事があったという御説明だったのですけれども、それは「事実上設置済み」には敢えてしなかったのですね。そこは回答した市町村のお考えで、そうなってしまったと。

○杉田企画官 自治体の言い値ベースで集計しているところであり、どちらでもカウントできるところなのだろうと思います。

○又村構成員 そうですね。自治体のお考えによってということですね。なので、捉えようによっては、「事実上設置済み」の部分はもうちょっと増える、実態としてはそれに相当する機能を持った話し合いの場があるのだけれども、回答としては「設置しない」になってしまったものが何件か入っている可能性があるということでよろしいですね。

○杉田企画官 はい。

○野澤座長 柘植構成員、お願いします。

○柘植構成員 1-1の図なのですけれども、予想以上に設置が進んでいるなという感じがします。その一方で、その他市町村というところ、未定がこんなに多いのですけれども、そもそも設置というもののゴールは何でしたでしょうか。これは設置義務でしたか。そうではないですよね。だから、この地域協議会を設置するかしないかがゴールではなくて、障害者差別解消法の機能がその自治体で満たされて、何かしらうまい具合に進んでいればそれでいいわけですね。そうすると、将来的には、とりあえずこの時期だからこの資料が大事なのだけれども、むしろこちらよりも、うまく機能しているかどうかというところでの図が本当は大事になってくるのでしょうね、来年、再来年になると。そういう捉え方でよろしいのですか。

○杉田企画官 設置をしないところの理由を聞いてみますと、必要性を感じないというところがあるのですね。

○柘植構成員 それは困ります。

○杉田企画官 これは実際にあるのです。そういった相談事例がなかなか顕在化してこない。担当課の担当者によって全部その機能を果たしているだとか、そういうことを回答してきているところもありますので。

○柘植構成員 わかりました。そうすると、1年、2年過ぎていろいろなものがうまく進んでいったり、つまずいたりする状況が出てくると、改めてこの意味というか意義がはっきりしてくるということなのでしょうね。

○杉田企画官 そのためには、法の趣旨をもう少し徹底していく取組こそ必要なのだろうと思います。

○柘植構成員 わかりました。

○野澤座長 渋沢構成員。

○渋沢構成員 遅れて来て申しわけありませんでした。渋沢です。
 この設置状況についての重ねての質問なのですが、都道府県、指定都市、中核市、その他市町村というくくりになっていますが、市と町村とか、あとは市の規模によっても設置のモチベーションは随分違うのではないかという気がするのですが、そういう集計の仕方を表すことはできるのですか。

○杉田企画官 基本的にこの4つの区分けが規模の大きさに比例しているのではないかと思っておりますので、そういった意味では、規模の小さなところでやはり取組が進んでいない。大ざっぱではありますけれども、そのように考えることができると思います。

○渋沢構成員 今回、地域協議会の設置を推進することを考えるときに、市の中でも5万人ぐらいのところから何十万人のところもあるわけで、その中で5万人のところで、もしくは町村に伝えることと、40万人のところに伝えることは随分違うような感じがするので、もしお手間でなければ、そのようなところまでの分け方で見せていただけると、より具体的にわかるかなという希望です。

○杉田企画官 今おっしゃったことは、「設置・運営指針」の中でも都道府県単位の地域協議会に期待されること、市町村単位、政令市レベルというところである程度役割分担関係が書かれているかと思いますので、そういったところでこれから行われるヒアリングとかも踏まえまして、書き加えるところは書き加えていきたいと思っておりますので、渋沢構成員からもいろいろな御意見を賜れればと思っております。

○野澤座長 堀江構成員。

○堀江構成員 今のに関連してなのですけれども、28年度のアドバイザー派遣の地方公共団体のところを見ると、久喜市とか蓮田市とか、これは県でも設置するけれども、この地区と書いてあるのは保健福祉圏域単位でもいいですよということで進められているのですか。

○杉田企画官 広域での設置を目指すのは埼葛北地区と秩父地区の2つが今年度あるのですが、いずれも自立支援協議会にかぶせる形でと伺っております。

○堀江構成員 市町村単位ではなくてもいいですよということを、ここでわかるようにするということですね。

○杉田企画官 はい。

○堀江構成員 ありがとうございます。

○野澤座長 河﨑構成員。

○河﨑構成員 資料1-1の3ページに「子会議の設置の有無」というのがございますが、これは先ほど少し説明がありましたけれども、いわゆる地域協議会があって、その中に部会のようなものを設置しているというイメージでよろしいでしょうか。

○杉田企画官 はい。

○河﨑構成員 それは、例えば都道府県であれば3自治体ということのようですけれども、何らかの必要性があってそのようにされているのか。実は私、大阪なのですけれども、大阪は障害者差別解消法の施行に基づいて条例も制定をして、多分この協議会の下に各障害種別に対応する部会のようなものをつくっていたと思っているのですが、そういうイメージなのでしょうね。これはまだ案外少ないのですけれども。

○杉田企画官 実は正直、数字が低過ぎるなと思っていて、その原因も分析し切れないところがあるのですけれども、今言われた大阪府にはそういった回答をいただいておりませんでしたし、このところは今後、要因等々を分析していく必要があるのかなと。

○河﨑構成員 逆に言いますと、これからずっとこういう協議会が何らかの働きを行っていく中で、部会の設置が必要であるならば、そういうことを推奨していくような働きあるいは提言も必要かと思いますし、そのあたりは詳細に情報を集めていただければありがたいと思います。

○野澤座長 他にはどうでしょうか。
 佐々木構成員、何かありますか。

○佐々木構成員 知的障害者にもわかるようにしてほしいです。それと地域協議会の内容を、その町に暮らす人たちに伝えてほしいです。

○野澤座長 やはり当事者の参加のところで、知的、精神は若干少ない感じがしますね。それがわかりにくいというところに出ているのかもしれませんね。

○杉田企画官 わかりました。おっしゃることは最大限配慮して、工夫していきたいと思います。

○野澤座長 発達の方も極端に少ないですね、南雲構成員。ニーズはありますよね。

○南雲構成員 ニーズはあると思うのですけれども、まだ浸透していないというか、この法律に該当しているのかどうかが多分わかっていないと思うのです。身体障害とか視覚障害、聴力障害は明らかに該当するとご本人たちはわかっているのですけれども、だから、そこら辺にも周知徹底していかないと、相談してもいいのですよということを言っていかないと、そもそも相談していいのかわからない。手帳の有無も関係ないのに、多分手帳がなければだめなのではないかという、どこかそういうところがあると思うので、その辺は意識を変えていかないといけないのかなと。

○野澤座長 一般的な福祉サービスを受けていなくても、発達障害のある方は地域やいろいろなところでいろいろな支障があったりしますものね。合理的配慮を一番求めていくと、発達障害の方はメリットがあるのかなと思ったりするのです。

○南雲構成員 また、この法律ができる前に差別をされた経験があって、声を出しても受け取ってもらえなかったことがあったりすると、声を出すことを諦めている部分も少なからずあるのではないかというところがあるので、声を出していいのだよというところを改めて周知していかないといけないかなと。

○野澤座長 リーダーの方の努力が若干足りないのか。

○河﨑構成員 でも、この構成員で特に発達障害の方の参加が少ないのは、発達障害の方たちがもっとアピールという意味合いよりも、各自治体がそういう認識をしっかりと持たなければいけないということのほうが大事かなと思うのです。ですので、そこは内閣府のこういう協議会の中で、データを見ながら、やはり知的、精神、発達の方たちをもっともっと構成員として入れていくように推奨するみたいな、そういう情報発信も必要ではないかと私は思います。

○南雲構成員 地域フォーラムで発達障害の方は、私以外に誰か出られているのですか。

○杉田企画官 いないと思います。

○南雲構成員 今後あるとすれば、そちらにも目を向けて登壇してもらう必要が出てくるのかなと思います。

○野澤座長 いいアピールの場ですよね。
 他はいかがでしょうか。
 先ほど柘植構成員がおっしゃったように、ゴールはどこかということで、あればいいというものではなくて、やはりうまく機能していなければいけないと思って、例えば自立支援協議会を置くのもいいですけれども、構成メンバーから見ると、どうしても事業所が多かったりしますね。どちらかというと、やはり弁護士さんは絶対にいなければいけないと思いますし、当事者とかね。これを見ても何をやっていいかわからないというのが結構ありそうな気がしますね。だから、実際にこういうことをやっているのだということをこちらが集約して示すことによって、またそれがフィードバックされて、自治体が組織を変えていく。そういう循環が生まれるといいなという感じがするのです。
 今回だけではなくて、多分これは国会とかマスコミがどのぐらい設置されたのかどうかと結構うるさく聞いてくることで、ある程度その辺の定量的な指標としてやっていかなければいけないというのは、それはそれで大事だと思うのです。その中身をどうやって評価するかはまた難しいと思いますが、この場でもいろいろと知恵を出し合って、いい方向に進めていけるといいなと思っております。

○柘植構成員 今の御発言に関連して、先ほどの私の発言とも関連するのですけれども、9ページの9番、行うこととされている事務というところがありますね。これは「設置済み」だけの統計ですね。「事実上設置済み」は入っていないですね。

○杉田企画官 34団体、都道府県で言うと。

○柘植構成員 グリーンの「事実上設置済み」は入っていないのですね。

○杉田企画官 入っていないです。

○柘植構成員 2~3年すれば、それが増えてくるので、もうちょっとわかりやすいものになるのかと思うのですけれども、これは都道府県と指定都市だけで、中核市、その他の市町村はないのですね。

○杉田企画官 入っておりません。

○柘植構成員 2~3年すれば、それもつくられるのかな。

○杉田企画官 設置の進んでいない市町村レベルまで余り細かい質問を出しますと、その事務作業が非常に煩雑になるということもありましたので、その辺は今後の展開次第では入れていきたいと思っております。

○柘植構成員 そうですね。多分この後の3つの自治体のプレゼンからも見えると思うのですけれども、恐らく県レベルと指定都市レベルともうちょっと小さなところ、役割が違ってきますね。子会議をつくるとか、つくらなくてどうのこうのやるとか。だから、このアからキまでの違いが結構濃厚に出てくるのでしょうね。ただ、それが人口別で出てくるだけなのか、何かその自治体の歴史だとかお考え、いろいろな特色などで味が出てくるのか、その辺は非常におもしろいなと思います。2~3年ぐらいするとどうなのかな。

○野澤座長 今の「事実上設置済み」というのは結構それなりのボリュームであるのですけれども、事実上というのは微妙な言い方で、設置はしていないけれども、でも。

○杉田企画官 条例に基づいて、知事の附属機関として設置しているようなところが、都道府県では3つ、政令市が2つ、あと設置予定もここは入っておりますので、そういった意味で、都道府県で言うと34の自治体が設置済み、政令市で言うと14の自治体が設置済みとなっております。

○野澤座長 設置していると見てもいいのですか。

○杉田企画官 実質的にそこで地域協議会に期待される機能を担っておりますので。

○野澤座長 そういう意味ですね。
 よろしいですか。

○堀江構成員 勉強不足で申しわけないですけれども、教えていただければと思うのですが、差別解消法に係る条例をつくっているところは今どれぐらいの数あるのでしょうか。

○北九州市 30です。都道府県が22で、政令市が4、一般市が4市だったと思います。私どもは先月から検討を始めたのですけれども、都道府県が22だったと思います。都がつくっていないので、道府県で22ですね。

○野澤座長 意外とつくっている感じがしますね。それぞれどんな条例で、どういうメリットがあるのかみたいなものを知りたいところですけれども、まだそれはあれですかね。

○谷口補佐 策定の有無については調査しているのですけれども、その具体的な内容までは、今のところ調査しておりません。

○野澤座長 今後の知りたいところですね。
 よろしいでしょうか。
 次に、議題3に移りたいと思います。本日は、三重県、北九州市、平塚市の3つの公共団体から、地域協議会に係る取組についてヒアリングを行うということで、まず三重県からでよろしいですか。西川構成員、よろしくお願いします。

○西川構成員 それでは、資料4を御覧ください。
 三重県の取組としては、法律ができたのが3年前ということで、それから差別解消法がこの4月に施行されるということで、相談窓口を設置しまして、県職員を対象とする要領を策定しました。その要領に基づく説明会を開催し、これが一番大きく27年度中にされたものでございます。
 (4)は広報啓発活動といたしまして、地域フォーラムの開催ですとか啓発番組の放送、街頭啓発等々を行っております。
 最後に、三重県障がい者差別解消支援協議会を設置しました。三重県障がい者差別解消支援協議会についてなのですけれども、5ページにメンバー表があるのですが、学識経験者ですとか当事者の方、あるいは当事者団体の方を入れていただくのはもちろんのことだったのですが、うちは労働団体の方とか、医療のほうでも医師会ではなくて、雇う側という意味で病院に入っていただく形をとりました。教育は教育関係なのですけれども、あとは事業者、労働者ということで、経済団体と労働団体、要するに相反するところで両方入ってもらったのが特徴になっております。
 そこでどういう話が出てくるかということで、8月に1回させてもらったのですけれども、実にさまざまな声が当事者団体から出てこられまして、やはりわかってもらっていないということで、うちも条例をつくりたいという動きが実はあったりして、条例に関してはいろいろ情報を集めているのですけれども、つくりたいというところと、違う方法でという団体と両方あるのです。ちょっと困ったなというのがあるのですけれども、ちょっと離れましたので、またそれは後でお話しさせていただきます。
 解消支援協議会でやったのですけれども、6ページにある形で窓口をつくって、当事者の方から意見を受けたら、まずは各所属、例えば道に段差があるとか、いろいろな分野がありますので、労働については労働局ですけれども、そちらのほうと連携をとりまして、各部局に人権管理監を置きまして、そこの人権管理監と相談窓口、これは障がい福祉課になるのですけれども、あと各所属で連携をして対応していく形を差し当たって今のところはとっています。
 実際にはまだまだ普及がされていないところもありましたので、特に市町への普及が少ないということで、手分けしまして、三重県は29市町あるのですけれども、この12月に29市町全部回りまして、窓口の設置と職員の対応要領の設置と普及、あと地域協議会を設置してほしいという話で、一番皆さんの近いところ、あるいは要援護者の名簿を持ってみえるところはやはり市町になりますので、市町でつくったものをこちらで吸い上げるやり方をとりたいということで回らせていただきました。
 そうしますと、ばらばらで申しわけないですけれども、8ページに地図があると思います。三重県は障害福祉圏域が桑名員弁とか四日市とか伊賀とか8つあって、このピンクのところだけは広域で、各単独市町ではなかなか難しいということで、鈴鹿・亀山広域障害者差別解消協議会というものをつくる予定になりました。ということで、他のところにもその動きが波及しまして、四日市でもそういう形がとられまして、この8つの地域の自立支援協議会があるのですが、先ほど野澤座長がおっしゃったように、自立支援協議会の意義といいますか、置かれどころは、やはり地域移行のための自立支援協議会ですので、差別というものとはちょっと違うねというのがあって、それで自立支援協議会に差別に詳しいといいますか、例えば午前中に差別協議会をして、昼から自立支援協議会をするとか、ほぼ同じメンバーであっても、こういう分けた形で討議する。自立支援協議会にプラスアルファ、差別に詳しい方のお話を聞いたりとか、そういうところで勉強しながら進めていくような形を各圏域でとろうとしております。
 圏域だけでも大きな市とかで自分のところだけでやるとおっしゃっているところは、例えば郡部、小さな群が3市町集まってとか、そういった形で進めていきたいと考えていて、窓口については29市町ほとんどできまして、やはり回っていくと、どうも市町の規模によって考え方といいますか、差別解消法ができたのですという話を持っていったところで、それは一体どういった問題のことなのでしょうみたいな、そのぐらい薄いところと、できますようにやっていかなければいけないですねというところで、やはり規模によって違うのです。何千人という市町もうちはありますので、そういったところと20万人、30万人の都市とでは全然違いますので、20万人、30万人の都市は、鈴鹿と亀山は両方とも15万人ぐらいあるのですけれども、もともといろいろなところで協議会をつくってやっていっているところですので、広域連合という形でやっていくことをいろいろな形でとっていますのでいいのですけれども、小さなところはそういった形で町同士でやっていこうかというところも出てきております。
 だんだんやっていこうかなという意識づけは、各市町を回ったことによってそれなりに効果は出てこようかなという期待はしているのですけれども、市町を回ることによって、いわゆる合理的配慮ですとか差別というよりは、どうも個人的な敵対感というのですか。あそこの人が私の悪口を言ったとか、そのようなところを差別として受けとめたとか、あるいはちょっと重いケガをされて、障害ではないのですけれども、それを障害と受けとめて差別してきたとか、どうも的外れなところもあったりしますので、何が差別で何が合理的配慮なのかということについては、もうちょっとみんなで考えていく方向を来年度は県としても取り組んでいきたいと考えております。
 差別解消条例をつくろうという意見もあって、私たちも各都道府県の情報を集めているのですけれども、実にさまざまな、条例の種類が余りにもあって、例えば差別の種類を分野ごとに決められたりとか、もう一つは、差別のあっせんとか解消するための組織をつくっている。もう一つは、差別を事業者の義務にしている。この3つのところが大きな特徴かなと思っています。
 私たちは、条例をつくる動きに同意していない団体もありますので、全ての団体といいますか、例えば身体とか視覚団体は賛成しているのだけれども、別の方は条例をつくるのに賛同できないとか、だから、いろいろな方のいろいろな意見を聞きつつ、また、先進県の状況も調べて、拙速に条例をつくる方向だけに進むのはやめようと。とにかく時間をかけて、必要であればつくればいいし、今の法律の中でできるのであれば法律の中でやっていけばいいし、そこのところは拙速に進めるなということになっています。
 ちょっと中途半端になってしまいまして、すみません。

○野澤座長 ありがとうございます。
 では、御質問とか御意見はいかがでしょうか。
 29市町は西川構成員が回られたのですか。

○西川構成員 私と補佐と半分、半分ぐらいは私が担当の人と回って、残り行けなかったのを行ってもらいました。ですので、感触がそれぞれの市町によって全然違うのがよくわかりました。

○野澤座長 やはり県の課長が行くというのは大きいですね。

○西川構成員 そうすると、何事ですかみたいな感じで、行くと真剣に聞いてくださるし。私自身も難病で障害を持っているもので、人ごとではないということがあったものですから、どこに行っても差別は辛いですね。例えば合理的配慮という言葉にしても、配慮されるというような言葉が私は実はとても辛くて、配慮というのは上から目線な気がしてしまうのです。そういうことも考えたりして、いろいろ思いながらも、共生社会を一緒につくっていくというか、つくることを目指しましょうみたいな形でいろいろ回らせていただいた次第です。

○渋沢構成員 市町村を回られた中で、差別解消法ができたことを伝えることとかはあれですけれども、協議会をつくって、先ほどの先生の話ではないですが、つくった後にどんなことをやってほしいとか、そのようなことは御提示なさっているのでしょうか。

○西川構成員 要援護者の方が少ない、例えば何千人のところで聴覚障害者が何人いるのといったら、2人、3人とかと言われるところに、何もかも全て合理的配慮という形で、手話をみんなが習いなさいとか、そこまでは求めていないと。ただ、何らかのよりどころとして、やはり差別があったとき、あるいは合理的配慮で困ったときにそういう話をしてくれるようなところがあること自体で安心できますよねというところで、例えば小さいところで無理であれば、近くのところと一緒に。どうせ大学の先生とか、弁護士さんが委員として重なったりするので。そういうところで心のよりどころとして話を聞いてあげてほしいですとか、例えばこういうことをしないでほしいというような普及のやり方は、小さいなりにどういうことができるのかを考えてもらう場として持ってほしいということをお願いしてきました。

○渋沢構成員 ありがとうございます。

○野澤座長 他にいかがでしょうか。
 柘植構成員、どうぞ。

○柘植構成員 反対する人がいると聞いてびっくりしたのですけれども、例示で出されたのですか。

○西川構成員 この場ではっきりとは申し上げられないです。申し訳ないですが。

○柘植構成員 例えばという話ですか。実際はそうではないけれども、例えばという形で並べただけなのか、実際にその団体がという意味で御発言されたのですか。

○西川構成員 団体は全国的にそうだと思うのですけれども、三重県にも障害者差別解消条例をつくる会というものができているのです。そこの団体に名を連ねるのは賛同できないと言われているのです。それは先ほど申し上げたように、例えば障害の定義を設けることと、3つぐらい言ったと思うのですけれども、それはちょっと極端だということもありますし。

○柘植構成員 上から目線ということとも関係するのですね。だから、何がしかの配慮は必要なのでしょうね。だけれども、そのもらい方というか、受け取り方がもうちょっとカスタマイズしたものを頂戴という意味の発信なのかもしれないですね。

○西川構成員 逆差別を生んでしまうのではないかと。だから、いろいろな方の本音を聞かないと。

○柘植構成員 教育の中でも、サポートは必要なのだけれども、余り露骨にしないで、みんなにわからないようにさりげなく事業の中でやってよとか、学校の中でやってよという声は根強いのです。それはやはり大事にしてあげないと、これ見よがしに、ほらサポートしてやっているじゃないかではなくてという、その辺が他の障害とは違ったものがあるのかな。

○西川構成員 それもあると思います。

○柘植構成員 それは全国的な傾向なのですか。

○野澤座長 そういう意見は時々聞きますけれども、特定の団体がそういう考えを持って反対しているというのは余り聞いたことがないですね。

○柘植構成員 そうですね。私も、発達障害者支援法は、この法律ができて1か月後か2か月後に改正されて、まさにこの差別解消法を色濃く反映したものに満場一致で乗りかえたわけですからね。  ありがとうございます。

○野澤座長 人によるのですかね。

○西川構成員 人によるのだと思います。特に親の会の方ですと、当事者扱いされないという意見で、疎外感を持ってみえたりするところがあると、余りにも差別解消というのを、例えば差別したところを公表したりとなっていくと、やはり自分への影響というか、そんなつもりではなかったのにというような気持ちも出てこられたりしますので、そのあたりは慎重に行きたいと考えています。
 でも、やはり差別は絶対的にだめですが、そっとしておいてほしいというか、自分の今の生活を変えないでほしいという方の声も根強くありますので、そういう方の声をどれだけ大事にしながらやっていけるのかというのは考えます。

○野澤座長 伊勢市長さんは私、よく知っているのですけれども、あの方はすごく障害者問題に熱心ですね。独自に何とかサポートの運動か何かを始めて、発足式に私は呼ばれてこの前行ってきたのです。いろいろな企業を認定して、障害者をちゃんとサポートしましょうみたいなことをやって、それは基本的にこの差別解消法とすごく一緒なのですね。うまく相乗効果でいくといいなと思います。

○西川構成員 県も市も一緒になってやっているのですけれども、そういう動きは別に皆さん誰も反対されないのです。だけれども、法律で規定されてしまって、例えば障害を分野ごとに、教育関係については差別はこうですよとか定義づけてしまうと、漏れていってしまうところもあったりするし、差別したところについて、あるいは合理的配慮の義務となってくると、引いてしまう企業も出てきたりすると、そんなの全然本意ではないから、それはちょっと考えてほしいと言われてはいるのです。

○野澤座長 難しいですね。

○西川構成員 難しいです。

○野澤座長 でも、三重県はこれから結構進んでいきそうな感じですね。

○西川構成員 そうですね。回ったら、案外皆さん考えてくださって、結構進むかなと。窓口は結局全部できましたので。

○野澤座長 三重県がいい例になっていくといいですね。

○又村構成員 1点よろしいですか。バリアフリーツアーセンターさんがメンバーに入っていらっしゃるのは、私もアドバイザーでお話するときに、障害者問題だけで捉え出すとすごく狭くなってしまうので、例えば観光が売りだったら観光の方にも入ってもらって、広がりを持って地域協議会を開いていただくといいですよとPRしているものですから、非常にいいなと思ったのです。これは何か狙いを持ってやったのですか。

○西川構成員 狙いを持ってやりました。まちづくりという意味で、名簿の中にまちづくりというもので、バリアフリーツアーセンターでバリフリとよく呼んでいるのですけれども、伊勢神宮に車椅子でみんなで行こうという動きをしていて、伊勢神宮は砂利道ですので、進まないのですね。そういうのをやっていこうということで、いろいろなところで、今度実は三重県は33年に全国障害者スポーツ大会があるのですけれども、ここにも大きくかかわってもらって、どういうホテルがバリアフリーになっているかということも全部調べてもらっています。
 そのような形で、ユニバーサルデザインそのものをやっているわけではないのですけれども、バリアフリーでそういった形でかかわっていただいてはおります。

○又村構成員 前身の検討会でも申し上げましたけれども、私は障害者差別の解消に関して、「北風と太陽」でいえば太陽政策をとっているので、いい取組をしている団体や、より前向きな事例を地域協議会に持ち込んでいただけるような委員構成になるといいなと思っていたので、すごく注目しています。

○西川構成員 ありがとうございます。

○野澤座長 やはり警察が大事だと思うのです。特に地域で暮らす知的障害とか発達障害の方は、いろいろなところで被害者にもなるし、加害者にもなられることがあって、そのときに警察がどう対応するかによって彼らの人生とか生活が劇的に変わってしまいますものね。
 地域協議会に警察本部が入っているのもいいなと思っていて、もう10年以上前なのですけれども、全国で警察に知的な障害の方たちの特徴とかを知ってもらおうという運動をやったのです。警察庁に行ってお願いして、最初は余り乗ってこなかったのですが、最後は決断してくれて、号令をかけてやってくれた方が、実は三重県警から出向してきた当時の警察庁の担当の方で、今、その方は何年か前に退職して、津市の消防長だった山口さん。また役に立ちたいから言ってくれと言っていますので、ぜひお役立てください。

○西川構成員 警察署は警察署独自の対応要領をつくって、警察官まで一人一人研修してもらっています。

○野澤座長 またそういうのをいろいろと教えてください。ありがとうございます。
 では、次に行きましょうか。お待たせしました。北九州市保健福祉局障害福祉部障害福祉企画課の末吉課長から、北九州市の取組についてお話をいただけたらと思います。

○北九州市 北九州市です。よろしくお願いいたします。
 では、資料5を御覧ください。
 私どもは、地域協議会の取組をメインに資料をつくらせていただいておりまして、先ほど御説明がありましたとおり、全国の実態とかアンケート調査に沿った回答になっておりまして、正直、私ども、つくって2回はやってみたものの、当初の予定どおりなかなかうまくいっていないなというのが実感であります。ただ、他の自治体も同じようなことで悩まれているのだというのが今日改めてわかりましたので、少し安心しましたけれども、できるだけ正直ベースで書かせていただいていますので、よろしくお願いいたします。
 資料の「2.法施行に向けた取組み」から御説明いたします。
 私どもは、法施行1年前の平成27年3月に、実は今回の地域協議会の前身となります差別解消連絡会議をつくっておりまして、この中のメンバーがほぼ今の地域協議会のメンバーになっているのが実態でございます。この中では、施行1年前に本市が対応しなければならない課題やテーマについて、皆さんと議論を行ったということでございます。検討の1つは相談体制はどうするかということでした。例えば委託する、直営とする、いろいろ御意見があったと聞いておりますけれども、結論としては、今、市直営という形で相談窓口を独立させてつくっております。これはもともと人権行政を担当している人権推進センターという部署があるのですけれども、障害者差別に関する私人間の相談も舞い込んでくることが想定されておりましたので、そことの連携ということで、実は私たちの本庁舎とは別のところにあるのですけれども、相談窓口をつくらせていただいて、専門の相談員を2人配置して、直営という形でやらせていただいております。
 もう一つは、職員対応要領ですけれども、これにつきましては、対応要領だけでは具体的なこと、市職員といっても障害者の方たちの実態はなかなかわかりませんので、ガイドラインという形でそれぞれの障害種別の特徴ですとか、具体的な配慮はこういうものが必要だということをできるだけ詳しくつくったガイドラインを策定いたしました。啓発用リーフレットと、後で出てくるのですけれども、こういうものは全て障害者団体、当事者の皆さんの意見を全部聞きながら、行政だけがつくって中身がないと言われないように配慮してきております。
 次のページです。(2)障害者団体と共に進める「共生のまちづくり」ということで、これは実は地域協議会と直接は関係ないのですけれども、私どもの特徴ということで挙げさせていただいております。私どもは市内に障害福祉団体連絡協議会、障団連と呼ばせていただいているのですけれども、ここにいろいろな障害者団体やボランティア団体が市の統一という形で組織していただいています。これはいつからなのか、私たちも歴史的にわからない部分もあるのですけれども、障害施策を進めるに当たって、私どもとこの障団連さんは対等なパートナーシップという形で、全て協働で事業をやらせていただいております。行政だけが自己満足でやるのではなくて、あくまで障害者の皆さんの意見を聞きながら全てをやっていくということで、12月にありました障害者週間に合わせたキャンペーンですとか、人権啓発冊子の策定に当たっての意見交換、あるいは定期的に、例えばハード部局、道路とか新築の建物をつくるときのバリアフリー点検、このようなことを必ず行政主導ではなくて障団連の皆さんに意見を聞きながらやっていく形を進めてきております。
 こうしたことから、平成27年3月につくりました連絡会議におきましても、本市と障団連が協働で事務局を担っておりまして、行政主導ではなくて、あくまで一緒にやりましょうということで常にやっております。
 今回の3番の支援地域協議会でございますけれども、設置の考え方につきましては、内閣府から示されました手引きに沿った形で一応つくらせていただいております。1つは、相談を行う際に初めから権限を有する相談機関を選択して相談することは難しいのではないか。2点目は、相談内容によっては複数の機関での対応が必要になることが考えられましたので、相談についての情報を共有して、解消に向けた取組を行うネットワークとして地域協議会を設置するという目的のもとにつくらせていただいております。
 (2)期待される取組や効果ですが、1点目は、制度の谷間やたらい回しが生じない体制をつくりたいと考えておりました。やはりいろいろな相談機関の役割や権限を整理するとともに、広く情報共有したい。それと、関係機関が効果的に連携していくことで、障害者の方にとってもニーズに応じた相談窓口を選択できるように、ぜひこういうことをやっていきたいと思っております。
 2点目が、地域全体での相談・紛争解決機能の向上ということで、いろいろな相談機関が対応した事例を共有、これも大きなこの協議会の目的だと思いますが、この中でいろいろな解決方法の検討や相談・紛争解決スキルの向上、こういうことが期待できるのではないかと考えています。
 3点目が、障害者差別の解消に向けた市民意識の醸成で、これは先ほどの課題の中で、他の自治体さんも言っていましたけれども、こういう蓄積した事例等については情報発信したいのですが、後ほど出ますが、なかなかこの事例が挙がってこないのが実は悩みでありまして、挙がったとしても、公表するとなるとどうできるのかというのが私たちも実はまだ答えを出せていません。非常にここは今後も苦慮するのではないかと思っております。
 (3)が組織形態です。私どもも既存の会議体を活用する方法も考えましたが、この協議会は単独で設置することといたしました。その理由は2点ありますが、昨年度設置しました連絡会議の中で、既に相談体制の整備や普及啓発、一定の成果を得られたということで、この協議会についても差別解消に特化した形で運営していくことが望ましいのではないかと考えたことと、2点目は、既存の会議体に機能を付加する場合に比べて、単独設置のほうがその役割や目的がより明確になるのではないかと。正直悩みましたけれども、自立支援協議会ですとか施策推進協に入れてしまうと、どうしても差別解消という言葉が埋没してしまうのではないかということで、確かにメンバーがかぶったということはありますけれども、そこは単独で行くと決断をさせていただきました。
 構成員につきましては23名で、学識経験者、弁護士の先生、医師会、社協、民協、相談支援センター、発達障害支援センター、知的障害者相談員協議会はうちが独自に委託をしておりますけれども、施設協議会、教育でしたらPTAの協議会、障害当事者に関しては、実はここはいつも私どもは障団連に選任を委ねているのですけれども、私たちが一本釣りという形ではなくて、障団連の中に、こういう会議をつくるのでメンバーを選任してほしいということでお願いしております。
 うちのメンバーは、一番上の自立生活センターぶるーむの理事は肢体の方で、次が視覚障害の方、育成会は知的障害の親、精神障害の家族会の方、難病の方ということで、先ほどふと、私たちもそういえばいなかったなと思ったのは、発達障害の方が確かにいないなということで、改めて今、なぜだったのかと思ったのですけれども、これはうち独自かもしれないですが、発達障害の自閉症の親の会の方とかは3団体あるのですが、余り行政に要望とかも出てこないですし、どちらかというと家族会の仲間内で支援をするという取組をやられているのがメインで、障団連には加盟しているのですけれども、その中でも障団連の役員になるとか、余りそういうのがないのもあって、私たちも各団体の上の方とおつき合いがあるのですけれども、よく考えたら発達障害の上の方たちと余りお会いしたことがない。実態調査とかはお願いするのですけれども、正直面識がないというのもあって、申しわけないですが、そういう面では発達障害の方がなかなかこういうところに入っていないのが実態なのかなと思いました。
 事業者に関しては、当事者でありますので、市の商工会議所と中小企業団体連合会から出ていただくと同時に、先ほどありましたけれども、やはり一本釣りしたかったのもありましたので、公共交通ということで北九州モノレールとスターフライヤーという地元の航空会社がありますので、ここに入っていただいております。
 次の5ページをお願いいたします。(5)ですが、ここにもまた同じように、先ほど言いました障害者団体との協働による会議の運営ということで、これまでの経緯もありまして、ましてや差別解消支援地域協議会につきましては、障団連からも一緒にやりたいという強い思いもありましたので、この協議会につきましても協働で事務局の機能を担っております。
 これで何がいいのかといいますと、先ほど言いました各障害者団体が入っておりますので、そことの連絡調整は実は本来うちがやるべきことなのですけれども、ここを障団連の事務局が結構やっていただいているということで、意見集約がスムーズにいっていますし、当事者の視点を生かした協議事項の整理、また、基本的には私たちと一緒にこんな会議、こんな議題でやりましょう、こんなふうにやりましょうとやるのですけれども、やはりそこでは私たちにはわからない当事者の視点を指摘いただきますので、そういう意味では、事務局機能の向上が図られているのかなと考えております。
 次の開催状況ですけれども、8月と12月にそれぞれ1回目、2回目をやりました。1回目につきましては、基本的にこの協議会の役割ということで、今後は相談機関で対応した差別事例を収集して意見交換をしましょうということで1回目は終わっております。
 2回目につきましては、それを踏まえて、2回目以降でいろいろな事案を共有していきたい、情報交換をやりたいということで、1回目の会議で提出をお願いしたのですけれども、正直ほとんど出てこなかったのが実態です。先ほどの中にもありましたけれども、私たちもそれぞれの団体に協議会立ち上げの趣旨と御理解で回ったのですが、やはりまだまだこの協議会はそもそも何をするのかとか、自分たちはここに来て何をしたらいいのかと、よくわからずに参加されているのが実態で、そうだったのかというのが2回やってみてやっとわかりました。
 私たちは、なるべく説明したつもりなのですけれども、理解はしたとしても、ではこの会議で自分が何を話したらいいのかとかいうのが、そもそもまだ、やっと2回目ぐらいで皆さん御理解いただいて、2回目でやったここに書いてある8事例、不当な差別的取り扱いに該当する疑いのある事例とか、合理的配慮、好事例も含むのですけれども、この8例を出して検討したことで、やっとこの会議の意味がわかっていただけて、今後この事例をやっと少しずつ出していただけるのかなと。
 ただ、先ほど言いましたように個人情報の問題もありますし、なかなかどうなのかなというのはありますが、やっと第2回目で形ができたのかなと思っております。
 先ほど座長から警察のお話が出たのですが、この資料にはつけておりませんが、この中で提供された知的障害者の相談員の方からの話で、警察絡みの事例が2件出ました。やはりこれはまずいのではないかと。警察官から逆に犯人扱いされたとか、一生懸命知的障害のことを説明したけれども理解していただけなかったと、親がすごくショックを受けているということです。
 一例は、実はうちの相談コーナーから直接話を受けましたので、すぐに県警本部に連絡をして、こういう事例がありましたということで、県警本部は当然そういう差別解消を担当している部署ですので、速やかにその所轄のほうに連絡をして対処しますということだったのですが、やはりなかなか現場の警察官の皆さんに、私たちも1万人職員がいますけれども、職員対応要領をつくって全て大丈夫かと言われたら、いつうちのほうもそんな当事者になるかわかりませんけれども、警察の方というのは強制権限を持っている中で、立場上難しいのだと思いますが、この事例を見てみると、実態はなかなか皆さんこういうことでいろいろな辛い思いをされているのだなというのが事例の中でも出てまいりました。
 (7)現時点での成果と課題ということで、今回やってみて、改めて自分たちも、何を書けるのかということですごく悩んだのです。成果と書いていますけれども、正直この協議会と直接関係があるかどうかと言われると自信がありませんが、正直ベースで書いてみました。
 1点目は、先ほど言いましたように、もともと皆さんがいろいろなことをそれぞれ、障害者にかかわっている方、当然かかわっていない方もいらっしゃるのですけれども、皆さんが障害や障害者等に対してどんなことを考えているのか、大体現状認識が何となくわかったなということで、要は当然御理解ある方、全くわからない方もあるのですけれども、ここに主な意見ということで書いています。福祉に携わっている人でさえ障害理解が十分と言えないことなどと、一般の方がそもそもどうなのだということがあるという御意見がありました。
 実は民協からも民生委員がこの委員に入っていただいているのですけれども、この方も正直に言っていただいたのですが、自分は民生委員をやっていますがということで、当然障害者の方を対象とするのがお仕事なわけですけれども、そもそもどこに障害者の方がいらっしゃるのかわからない。ただ、これは私ども行政が情報をお渡ししていないことが当然ネックにあるのですけれども、高齢者の方の名簿は、歴史的に高齢者を支援していただくということで民生委員に名簿が行っているのですが、障害者の方はなかなか、私も去年この職について、うちの職場は民協とか社協と全然つながりがないなというのはすごく不思議だったのです。そういう意味でいくと、民生委員が障害者の方にかかわりたいと思っているのに、そもそもわからない。ましてや差別解消などと言われてもというのが実態のようでした。
 弁護士の先生もいらっしゃるのですけれども、すみません、差別解消を知りませんでしたとはっきり言っておられましたが、弁護士会の中でももっと勉強しますということを言っておられました。
 2点目の成果としては、名簿を先ほど見ていただいたとおり、障害者に深くかかっている方、全くかかわらない方、病院の先生とかもいらっしゃいますけれども、そういう意味では実はこの会議を始める前に、うちの上司の局長とかの話ですけれども、これが始まる前と終わった後でどれぐらいみんなが名刺交換してくれたかによって、この会議がうまくいったかどうかが見えるねということを言っていたのです。実は始まったときはそうでもなかったのですけれども、1回目終わった後に、全く普段かかわらない方同士が、実は当事者の方と弁護士の方、ドクターとかが名刺交換されたり、この前、2回目が終わった後もまたさらに名刺交換が続いていまして、そういう意味でいきますと、差別解消はこういう地道なところから進めていくしかないのかなと。まさに今まで全く障害者福祉にかかわっていない方たちが、それなりの地位のある方たちですから、そういう方たちが少しでもかかわっていくことで、少しでも変わっていくことは、この会議の意義があるのかなと考えております。
 次のページ、最後ですが、課題につきましては、先ほども他の自治体から同じような話が出ておりましたので、重複いたしますけれども、やはりこの中心的な検討内容としたかった事例の集積が非常に困難であるというのが実態でございます。これはなぜかといいますと、先ほども言いましたが、うちは直営で差別解消相談コーナーを4月から立ち上げたのですけれども、この11月末までで相談実績は89件でして、これだけ見ると多そうに見えるのですが、この中でいわゆる差別解消事案としてうちが調整活動をやったのは18件しかありません。あとの70件ぐらいは、普通に差別解消と関係ないような、どこどこでこんな嫌な思いをしたとか、生活相談等の相談なので他の機関を紹介しますとか、30分、1時間ずっとどなられて終わってしまったとか、ちょっと差別解消と関係ないような話が70件ぐらいで、4月から11月までで18件しか、うちが当事者の間に入って動いたものはなかったということで、ましてやこの括弧書きは、当初予定したような相談機関同士で連携が必要になる案件はゼロでした。これがうちの差別解消コーナーの実態です。
 それから、各相談機関ということで、先ほど名簿の中にも相談を受けている方々がいらっしゃったのですけれども、情報提供をお願いしましたが、ほとんど挙がってきません。受けているのだろうと思われるのですけれども、うちのほうの努力不足もあったのですが、そもそもこの協議会の意味合いがまだわかっていただけていなかったというのもありますでしょうし、どこまで出していいのかというのは、やはり皆さん悩まれているのだろうなと。いくら情報共有といっても簡単ではないなというのが私たちもありますけれども、そういう意味で、そもそも事案の共有が進まないことが私たちの課題だなと思っています。
 この括弧書きは、実は昨年、先ほど言った連絡会議の中で障害者団体や障害者福祉サービスを提供している事業所にアンケート調査をやったのですけれども、その中では、この時系列がいつの事案なのかわからない部分があったのですが、400件以上の差別事例が挙がってきました。私たちもこれを見ていましたので、このコーナーをつくればさぞや件数が挙がるのだろうと、障団連の皆さんとも構えていたのですけれども、実態は先ほどあったように挙がってこなくて、そこのギャップがあるなと。ただ、これは当事者の方からは、自分たちは日々差別が起こっているけれども、小さなことで一々相談しませんよとおっしゃっていたのが私たちも印象に残っております。
 平成26年に支援計画を見直す中で、障害児者の実態調査をやったのですけれども、その中でも、発達障害者と児の方の6割が差別を受けたことがあると。障害児の方については、4割の方が差別事象を受けたことがあると。実はたくさんの差別事象があるのに、ここに出てこないということのギャップが自分たちもどうしてもわからないのですけれども、これがなかなか出てこないと、この協議会、私たちとしては非常に運営が難しいと感じているのが今の実態です。
 以上でございます。

○野澤座長 ありがとうございます。
 では、皆さん、御意見、御質問はいかがでしょうか。
 関哉構成員、お願いします。

○関哉構成員 最後のアンケート結果で400件ぐらいの事例、この事例をある程度資料として検討できそうなものを使って協議会で検討することは余り考えられていないのですか。

○北九州市 それは、こんな事例がありますよということを1回目の協議会で出したのですけれども、これの中身が、私たちもそれが差別に当たるのかどうかも判定が非常に難しい内容ですので、ただ、御本人たちは確かに差別だとおっしゃっているのですけれども、そこがちょっと、私たちも事前に挙げられるものなのかというそもそもの選別が難しい事例が多いですね。実際は、先ほど言いました相談コーナーで受けて、調整活動をやったようなものについては、確かに疑いがある、合理的配慮が考えられるのですけれども、400件といいつつも、先ほど言った調整活動に入るのもレベル差があるといいますか、単純な紹介はできると思うのですが、それをもって、ではというのはなかなか難しい。

○関哉構成員 この資料だけ拝見すると、実際に協議会がどううまく回っているのかがわかりにくい部分はあるのですけれども、今、お話を聞きながらだと、大分有効に機能しているのだなというのは何となく伝わってきました。実際に具体的に会議でどういうことを話しているか、それを地域でどう活かしていったかというストーリー仕立てで、1回目の協議会はこういうことをやりました、2回目に向けてこういうことをやって、2回目ではこういう議論をして、それを地域に還元していきましたとか、そういうものをこの協議会の報告書でもストーリー仕立てで書いて、その中で好事例というか、ヒアリングの結果で得られたものを参考として紐付けていくみたいな形でやると、何となく見えてくる気がしました。ありがとうございます。

○野澤座長 弁護士の中でも差別解消のことはまだまだ知られていないと思うとありまして、佐々木構成員が、おおおっと反応があったのですけれども、これはそんな感じですかね、関哉構成員。

○関哉構成員 雇用促進法の改正は、結構企業にかかわっている弁護士が多いので、そこは触れている弁護士は多いと思うのです。一方で、差別解消法と聞くと、何?という話になると思います。

○野澤座長 私たちの世界の感覚だと、弁護士さんというとみんな知っていて重要な役割を果たしてくれそうだと思っているけれども、そうでもないということですね。

○関哉構成員 でも、こうやって地域で何十個、何百個という協議会ができてきて、そこに弁護士がほぼ入ってくれば、それは大きなことだと思います。それが一番啓発になるかもしれません。

○野澤座長 いかがでしょうか。
 渋沢構成員。

○渋沢構成員 なかなかこの相談機関から事例が挙がってこないというお話をされましたが、この協議会をつくるときに個人情報の保護の部分は、どこかで決まりごと、これを出してもいいのだということを担保できるようなことはつくられたのですか。

○北九州市 最初に要綱をつくって皆さんに御説明したときに、この中の個人情報は注意してくださいというぐらいしか触れていなくて。

○渋沢構成員 要綱はつくられたのですか。

○北九州市 つくっているのですけれども、ただ、それと先ほど言った相談事例を自分たちがどこまで、この中で知った個人情報とかは当然守秘義務を負ってくださいと言いましたが、今おっしゃったように、自分たちが持っている情報をそもそもこの中に共有させていいのかというのが確かに皆さん、自分たちも説明不足だったと思うのですが、私たちもそこがまだ、明確にそんな答えを出せるのかといいますと、もともとこの協議会の中で共有できたことはできるだけ発信したいという思いはあったのですが、そこに至ると本当にどこまでそんな個人情報をいただいていいのか。先ほど他の自治体でもあったのですけれども、それをするためにぼかしていくと、その事例の意味がわからなくなってしまって、そこはすごくジレンマがあるところなのです。

○渋沢構成員 わかりました。ありがとうございます。

○堀江構成員 事業者のところでスターフライヤーさんとかモノレールさんに入っていただいていて、目指すところはやはり外出したりとか、普通に暮らす中で、大きな声をついつい出してしまうのは、すごくたくさん情報が入ってしまって混乱しているのだなというふうに例えば電車の運転手さんが説明してくださると、周りの方が過敏に反応して通報したりとかがなかったりすると思うのですけれども、これにかかわった方で、実際にそんなお話とか効果が出たりしたのでしょうか。

○北九州市 モノレールさんで言いますと、実は法施行4月早々にうちの相談コーナーに当事者の方から連絡があって、モノレールの乗降のときに嫌な思いをされたということで連絡があったものですから、すぐにうちのほうからモノレールさんに連絡をして、そういう事例がありましたと伝えたときに、ちょっと配慮が足りませんでしたということです。ただ、配慮し過ぎた結果がちょっとだめだったみたいなのですけれども、そこはちゃんとうちがつないで相手の方にお伝えしたところ、そこはわかりましたと。ただ、そこでモノレールさんから、これを機に勉強したいので、障団連さんみたいなところと一緒に勉強会をやらせてほしいということがありましたので、逆にうちのほうから伝えて、そういう申し出は障団連さんもすぐにオーケーなので、実際に今、勉強会とかもやっていただいていますし、この前、うちは市が交通局で市営バスを持っているのですけれども、そこからもやはり差別解消できたけれども、実際の乗務員たちがなかなかわからないので悩まれているということで、運転手さん全員に対して出前講演に来てくれないかということで、うちとしては本当は1回で終わらせたかったのですけれども、運転手さんは皆さん勤務があるので8回に分けてやらせてほしいということで、後ろにうちの係長が来ていますが、彼らが手分けして8回に分けて、そこで実は問題なのは、うちの行政だけで行ってしまうと何の意味も私はないと思っています。先ほど言った障団連の方たちと一緒に行っていただいて、当事者の方が一緒にいて、当事者の方たちが一緒に話していただくことで、すごく意義がありますので、そこはすぐに障団連さんにお願いして、一緒に行ってくださいということで、これも障団連さんにお願いして一緒に行っていただきました。

○堀江構成員 御本人で困難さが言える人はいいのですけれども、言えない方についてどうしていくかというところの解消がすごく難しいなと思っていて、もしかしてこれは何かこういう背景があるのかなと思ってくれる人がたくさんできていくしかしようがないのかなと思っているのですが、こういう取組とかも具体的なものが皆さんに周知できるといいですね。

○野澤座長 すばらしいですね。官民で一緒に8回。
 それと、私、差別的取り扱いのほうは、待っていて、できて、やる。ある程度ゼロに持っていけそうなのですが、合理的配慮は無尽蔵で、やればやるほどどんどん世の中も進化していきますしね。でも、合理的配慮は当事者も含めて何が合理的配慮かとまだわからない場合があるので、ある程度こちらから仕掛けていって、掘り起こしていかないと進まないかなと最近思っているのです。
 例えば合理的配慮の好事例を集めて、それをいろいろPRに使っていくとか、そういうこともやるとおもしろいのかなと思うのです。そうすると、この地域協議会でやることはいっぱい出てきます。多分、町も明るくなってくるなと思うのです。
 他はよろしいでしょうか。
 では、佐々木構成員。

○佐々木構成員 4ページの構成員のところで障害者団体の率等がありますけれども、知的障害の方の関連では育成会が入っていると思うのですが、親の立場と本人の立場は違うので、本人が入っているともっといいのではないかと思います。

○野澤座長 北九州市の育成会は、御本人の活動のバックアップなども熱心にやっているところなので、ここはちょっと家族には遠慮していただいて本人たちにと。

○北九州市 そうですね。団体の中のパワーバランスがあるみたいで、私たちがそこは逆に余り入り込めない部分がありまして、御意見を参考にさせていただきます。

○野澤座長 では、よろしいでしょうか。
 次に、又村構成員、広域のほうでよろしくお願いします。

○又村構成員 それでは、資料6を御覧ください。
 この検討会構成員の立場は、「湘南西部」という神奈川県の海側の真ん中あたりにある複数の市町で構成している地域協議会の事務局を平塚市が担当しておりますので、その立場でお話をさせていただきたいと思います。
 資料6は、できるだけ多くの方にわかりやすくなるように工夫をしてみました。後で佐々木構成員の感想をお聞きしたいと思います。だめだったらもっと頑張ります。
 大きく、地域協議会を設置するまでと、平成27年度の取組、28年度の取組、29年度の取組に分けて記載をしました。
 まず1番目の地域協議会を設置するまでですけれども、湘南西部障害保健福祉圏域という場所がいったいどこなのかを簡単に御説明します。神奈川県のほぼ真ん中の海寄りの市町です。具体的には、平塚市、秦野市、伊勢原市、大磯町、二宮町の3つの市と2つの町で湘南西部圏域になっています。人口は58万7,000人なので、ちょっと大き目の市ぐらいの大きさです。実はこの3市2町、今日は圏域と呼びますけれども、この圏域で障害者差別をなくすための取組をしたのですが、他の市町と同じように、それまで特別なことをしていたわけではなくて、平成27年度になって、来年から法律が始まるから今からやろうということでスタートした市町ばかりでした。
 そこで、障害者差別解消法の準備をしなければならなかったのですが、一緒にできることは3市2町で一緒にやったほうが手間も少ないし効率的ということで、一緒にやることにしました。そのため、地域協議会も3市2町の共同で置くことにしました。地域協議会を複数の市町村で置くのは全国で初めてだったので、これが内閣府のモデル事業になりました。平成27年4月から28年3月まで、モデル事業として実施しました。なので、平成27年度は正式な地域協議会ではなくて、モデル事業として実施をしたということになります。平成28年4月からは、正式な地域協議会になっています。
 次に、地域協議会のメンバーあるいは組織についてですが、地域協議会を組織するのを一からつくるのは大変だったので、本当は一からつくったほうが良かったかもしれないのですが、湘南西部については、前からあった自立支援協議会という名前の会議を使うことにしました。これは多分、神奈川県独自の取組だと思うのですが、神奈川県は障害保健福祉圏域ごとに自立支援協議会をつくることになっています。それぞれの市町村でもつくるし、保健福祉圏域でもつくるのです。保健福祉圏域の自立支援協議会は、神奈川県がお金を出して事務局を運営する仕組みになっています。その仕組みを使わせてもらうことにしました。
 メンバーは、障害のある人や家族、国の機関、これはハローワークが入っています。県の機関、これは県の障害福祉課です。教育、これは特別支援学校。あとは福祉関係の事業者と社会福祉協議会、それぞれの市町の行政をメンバーにしています。
 地域協議会は年3回の開催です。これだと回数が少ないので、ワーキングチームを置いて、細かい話し合いはワーキングチームがしました。
 2ページに進みます。平成27年度は、協議会を3回、ワーキングチームを5回開きました。ですから、全部で8回開いたということです。平成28年度に話し合ったことは、まず平成28年4月から差別解消法が始まりますから、法律を実施するための準備を中心に話し合いました。大きく3つあります。1つは、障害者差別についてアンケートをとろうということで、このアンケートをどういう内容にするか、これが1つ目。それから、3市2町の職員対応要領、これは職員向けの行動マニュアルみたいなものですが、これを一緒につくろうということで、これが2つ目。3つ目が、障害者差別が起こってしまったときに、どこに相談して、どうやって解決していくかという仕組みをつくること。この3つを話し合いました。
 28年度に何をしたかというと、まず、会議を開きました。12月までに、地域協議会を2回、ワーキングチームを2回開きました。1回目の地域協議会は、去年の7月21日に開きました。次のことを話し合っています。1つ目。モデル事業が終わったので、正式に地域協議会になるための手続をとりました。これは後で参考資料を見てください。参考資料1と2です。それから、アンケートの取りまとめ状況を報告しました。それから、差別に関する相談体制の仕組みをどう考えるかを話しました。
 2回目の地域協議会は、10月20日に開きました。2回目の地域協議会では、アンケートの取りまとめを中間報告しました。それから、28年度も障害者差別をなくすためのフォーラムを開くので、そのフォーラムの開き方について話しました。あとは相談の仕組みについて話をしました。
 次に、アンケートについてですが、今年度は、障害者差別に関するアンケートと相談の仕組みについて話し合っていますけれども、3ページを見てください。まだ取りまとめの途中ですが、とても驚く結果が出ています。湘南西部の市町が障害のある人に、あなたは差別を受けたと感じたことがありましたかと聞いたら、66%の人が「ない」と答えました。12%の人が「わからない」と答えました。78%の人が差別は「ない」か「わからない」と答えたわけです。
 ところが、同じ質問を障害がない一般の人というのは嫌な言い方ですけれども、一般の人である事業者に聞いたら、57%の人が「ある」と答えました。だから、障害当事者は差別がないと思っているのに、一般の人はあると思っているのですね。これがアンケートをしたら明らかになりました。湘南西部の圏域では、障害のある人は差別がないと思っていて、一般の人は差別があると思っているということがわかりました。
 次は相談の仕組みについてです。相談の仕組みについては、取組が進んでいる他の地域をまねして考えることにしました。障害のある人から見て、どういう流れで相談が進んでいくのか。相談の窓口がどこにあるのかがわかることも大事ですが、自分がした相談がどのように流れていくのか、これがわからないと、自分の相談は今どこでどうなっているのですか?となるので、相談の流れをわかりやすくしようと思っています。
 差別解消フォーラムは今年度も開きます。昨年度は内閣府と一緒にやったので共同でしたけれども、今年度は3市2町、湘南西部圏域の共同開催にします。今回から、地元の会社から実際の取組を報告してもらう予定でいるので、その取組を報告してもらう会社の方と交渉している最中です。
 最後に、平成29年度に向けての課題です。1つ目は、協議会の開き方です。27年度、28年度の2年間は、自立支援協議会という会議を使っていましたが、メンバーの人数が多いかもしれません。今、約30人います。ちょっと多いかもしれないので、もしかしたら来年度からは地域協議会を独立させることになるかもしれません。あとは、地域協議会の事務局を3市2町で順番に担当するので、今年度は平塚なのですけれども、来年は秦野市というお隣の市になります。だんだん担当する役所が変わりますから、役所が変わっても会議がちゃんと開かれるように、どうやって続けるかというのがとても大事です。
 2つ目が、障害のある人向けの説明会が必要だなと感じています。なぜかというと、先ほどのアンケートで、障害のある人は66%の人が「ない」と答えているわけです。もしかしたら、湘南西部はものすごく配慮が行き届いた場所なのかもしれませんけれども、そんなはずはないので、これは、障害のある人がわからないか我慢しているのではないかと思われます。実際に湘南西部の圏域では、まだ障害者差別に関する相談がほとんどありません。3市2町で67万人の人口がいるのに、「これはまずいね」という相談はまだゼロ件です。そんなはずはないと思っているのですけれども、でも、そうなのです。
 ということは、まず障害のある人向けに、困ったときには相談していいこととか、どういうことが差別に当たる可能性があるかとか、そういうことをちゃんと伝えていく必要があるので、障害のある人向けの説明会を開いていきたいと思います。
 最後が相談の仕組みです。相談の仕組みは、今年度中にスタートする予定です。まずは相談の仕組みをスタートさせて、実際の相談が入って、もし不具合があったら悪いところを直すというふうに進めていく予定なので、これはまだ来年度にならないと新しい状況はわかりません。
 以上です。
 参考資料は、ちょっと駆け足で説明しますが、参考資料1と2が地域協議会を正式に設置するための手続の書類です。広域で設置をしたので、それぞれの市町村が条例とか要綱をつくっていると大変なので、「会長決定」という名前で、地域協議会の会長がルールを決める仕組みにしました。これはちょっと役所的ですけれども、その決めた会長決定をそれぞれの市町が決裁して、事務局として参画するという方法をとっています。
 10ページから先が、先ほど言ったアンケートの中間報告の取りまとめです。これは後ほど御覧いただければと思いますが、先ほども言ったように、障害がある人に差別はありますかと言ったら「ない」と答えて、障害がない人に差別はありますかと言ったら「ある」と答えるという非常に特徴的なアンケート結果になりました。
 最後の30ページが、今の地域協議会のメンバーです。オブザーバーまで入れると40人近いメンバーなので、幅広いといえば幅広いのですが、ちょっと重いといえば重い状況になっているので、来年度以降はもしかしたらこの体制を見直すかもしれません。
 以上です。

○野澤座長 ありがとうございます。
 では、皆さんから御質問や御意見。
 関哉構成員、お願いします。

○関哉構成員 ワーキングチームは何人でやられているのですか。

○又村構成員 ワーキングチームは、3市2町の担当者と、圏域全体の相談支援をしている事務局なので、人数で言うと7~8人という感じです。

○関哉構成員 あと、最後に相談の仕組みについては平成28年度中に議論と書いてあるのですけれども、この相談の仕組みというのは、各自治体の直営の相談窓口ではなくて、地域協議会自体の相談の仕組みという意味でしょうか。

○又村構成員 もうちょっと広くて、各市町の窓口で相談を受けた人が、法律上の権限行使も含めて、しかも地域協議会も含めて、どういう流れで相談が進んでいくのかを見通した、いわゆる相談フローです。最後、解決しない例もあるでしょうけれども、解決する前提で、窓口で相談して解決する、市町が任意の協力をお願いしたら解決する、いよいよだめだから権限行使をする、地域協議会で報告するみたいなものが全部一覧表になった相談の流れをつくっています。

○関哉構成員 窓口を新たに違う形で置くわけではなくて。

○又村構成員 はい。あくまでも、今ある相談窓口からどう流れていくか。

○関哉構成員 わかりました。ありがとうございます。

○野澤座長 では、河﨑構成員、お願いします。

○河﨑構成員 今のアンケート結果は非常に興味深いなと思って聞いていたのですけれども、これは詳細に実際のアンケートの質問のやり方を見てみると、22ページの事業者向けのところで、これは一般論として障害のある人に対して障害を理由とする差別があると思いますかという問いかけなので、多分事業者の人たちとしたら、一般論としてはそういうことはあるよねみたいな感じで「ある」とか「少しはある」に丸を入れた可能性は結構高いのかなと。

○又村構成員 そう分析しています。もしこれが「御社において…」と書いたとしたら…。

○河﨑構成員 そう。その辺のところで少し比較の土俵が違うのかなという気がしたのです。当事者の方は、実際に御自分が差別を受けたと感じたかどうかという問いかけですし、事業者の方が御社において障害を理由とする差別がありますかという問いかけをすると、これがここまで変わってくるのかなという感じがありますね。

○又村構成員 かなり数字は変わってくると予測しています。

○河﨑構成員 ただ、そこをどう解釈するかという問題と、やはり先ほど又村構成員がおっしゃったように、実際に障害のある方が差別を受けたという認識のところですね。そのあたりで随分意識の違いみたいなところが基礎にはあるのだろうなと思うので、当事者の方たちに、この障害者差別解消法についての啓発はすごく大事になってくるかなと思いました。

○又村構成員 一般論では前からそう思っていたのですが、このアンケートを見て相当ショックを受けまして、急遽、来年度の取組に、障害のある人向けの説明会というのはそれを踏まえて入れました。

○河﨑構成員 それと、湘南西部保健福祉圏域の協議会の構成員ですが、ここには医療関係者は入っていないのですか。

○又村構成員 今のところは入っていないです。

○河﨑構成員 それは何か意味があるというか。

○又村構成員 もともとの自立支援協議会の枠組みをほぼそのまま使わせていただいているので、そちらに入っていなかったというのが実際の理由です。

○河﨑構成員 先ほど法曹界の弁護士の先生方は余り差別解消法のことをよく知らない方たちも多いのだというお話がありましたけれども、実は医療関係者、特に一般医療関係者の方たちの中にそういう認識が十分に浸透していない感じがするのです。ですから、そういう意味ではこういう協議会に入っていただくのはすごく意味があるのかなと思っているのです。

○野澤座長 警察とか医療は命に直接かかわるものですものね。  他はいかがでしょうか。  渋沢構成員。

○渋沢構成員 相談の仕組みのところで、この法律の中で差別の部分とか合理的配慮ができていないとかいうことをジャッジすることはどこかであるのでしょうけれども、グレーだったり白っぽかったりしたときに、先ほど北九州の方も言っていらっしゃいましたが、クレーマーに近いようなタイプの御相談の方が私たちのところでもあって、これは差別ではないよねと置いておくだけだったら、その方の生活は差別ではないにしても変わっていかないと思うわけです。そうすると、この法律の枠の中で差別とか合理的配慮の是非を問うことのほかに、この方に対しての支援を入れていくことはとても必要なのではないか。この法律を醸成していくためにも、相談体制をつくられる中で、そういうことについてはどのようにお考えですか。

○又村構成員 相談の仕組みについては先行自治体をまねしてと申し上げましたが、実はさいたま市を参照しているのですけれども、さいたま市の御担当の方がまさに同じことをおっしゃっていて、相談の入り口から、もし差別解消法から漏れたとしても、それはケースワークになるはずなので、相談の間口は広くとるべきであって、差別解消法の対象になる、ならないは法律上の整理にすぎないのであって、あくまでもその人の困りごとを解決するための取組を相談としてはやっていくべきだと。だから、差別解消法の対象になります、なりませんというのはどこかでやらなければいけないのかもしれないけれども、それはそれこそ件数で上げるための振り分けにすぎないので、相談としては一体でやっていくという考え方を湘南西部でもとりたいと思っています。
 実は市で委託をしている相談窓口の方からも同様のお話をされて、それはどういうことかというと、役所の委託を受けて、確かに相談を受けているけれども、その相談が差別なのか、差別ではないのかを委託の相談窓口が振り分けるようなことをしてしまうと、入り口がそこで途切れてしまう方が出るはずだと。だから、委託の相談はあくまでも本人に寄り添って、それが障害者差別の事案であろうがなかろうが、あるいははたから見るとやや疑問が残る事案であろうが、障害のある人の側に立って相談をしていくのが本旨であるから、役所と一緒になって振り分けをするような機能から外してくれと言われて、それは外した形にしてあります。多分、今お話しされたような内容が重要なのだろうなというのは、我々もそれは意識して酌み上げたいと思っております。

○渋沢構成員 ありがとうございます。

○野澤座長 差別を受けていないと言われてしまうと、相談体制もとりようがないという感じになってしまうのですね。でも、本当に今も議論があったように、差別かどうかわからない場合が結構多いのですね。差別の事例を挙げてくださいというと来ないのですね。何か困ったこととか嫌なこと、つらかったことを何でもいいから挙げてくださいと、自分は差別と思わなくてもとにかく挙げてくださいというと、結構差別事例はその中に含まれていたりするのですね。聞き方も大事かなと思ったりします。

○佐々木構成員 自分たちの捉え方だと思います。自分たちが差別だと思わないで、知らないと、そう思わないですし。

○又村構成員 それはおっしゃるとおりだと思います。逆に言うと、だからこそ、自分たちが差別だと思わないような状況があるのだとすれば、知らなければ感じようもないわけなので、少なくとも知っていただく。その上で御本人がどう感じるか、それは感じ方になってくると思うのですけれども、知らないから感じようがないというのは、いくらなんでもまずいだろうと。

○野澤座長 広域での取組は極めて重要だと思っていて、これから全国でつくっていただくときの一つのモデルケースになると思っています。複数の市町村が一緒にやっていく上での難しさとか、ここを注意するとうまくいくよみたいなものはありますか。

○又村構成員 何しろ立ち上げる前が大事です。同じような課題認識で、メリットを感じていただくことも含めて、湘南西部であれば3市2町が同じように必要だねと、これは必要で、みんなで立ち上げることでいいことがあるねという認識を共通で持っていただくのがとても重要で、そのためにはやはりある程度声をかけて回る。先ほど三重県の課長さんが、課長さん自ら市町をお回りになったとおっしゃっていましたけれども、私は課長でも何でもないですが、でも、やはり私も始める前に2市2町を2回ずつぐらい回りました。そこの下ごしらえはかなり重要かなと。

○野澤座長 西川構成員、その辺のことについてはどうですか。

○西川構成員 難しいと思うのですけれども、やはり根回しではないですが、下から下からという形で、別に私は課長ではなくてもよかったのかもしれませんけれども、担当を通して単純に普通に会話しているだけでは広まらないのかなと。やはり本気度を示さないとなかなか広がっていかないのかなという気はします。

○又村構成員 その意味では、広域設置をもしお考えの市町があったときに、それこそ都道府県がちょっと後押ししてくださる仕組みがあると、一歩前に進めるところは多いかなと思います。

○野澤座長 市町村合併をしない理由は理由があるわけですね。でも、広域でやりましょうよということですね。研究テーマとしていいですね。
 他はいかがでしょうか。よろしいですか。
 では、南雲構成員。

○南雲委員 直接的な質問ではないのですけれども、アンケート形式だと意見が出やすいというか、北九州市さんもそうなのですけれども、意見を出しやすい形があったりすると思うのです。アンケートだと正直に言えるのですけれども、実際に窓口に行くと、誰が聞いているかもわからないし、そもそもどういう表現をしていいのかわからない。また、すぐに動かれると、自分が窓口に行ったことが特定されてしまうのではないかという不安もあるし、個人情報を出していなくても、何となく事業者の人は「この人」だということがわかってしまう。それでその後から対応が全然変わったら、やはり自分だとばれているとあからさまに思ってしまうと思うので、意思の表明を躊躇することもあると思います。そこで、窓口自体の意思表明の仕方もポストみたいな簡易のものでもいいですし、そこでもし、書くのが苦手な人がいたとすれば、「書くのが苦手なのでちょっと手伝ってもらっていいですかとか?」と言ってもらい、合理的配慮をして、ポストに入れてもらう。その辺の配慮を求めやすいような形を考え、相談件数を増やすことを考えると、意思の表明の形を工夫できるといいのかなと思います。

○野澤座長 平塚市の場合は、この圏域では平塚が一番大きいというか、リーダーシップを持ってやるというのは、大体他の市もそういう認識があるのですか。

○又村構成員 一応平塚が一番古いので割とそうなりやすいのと、これに関しては、担当者である又村が地域協議会のことをワーワー言っていて、他の市町さんは乗ったほうがいいだろうというのはあったかもしれません。でも、確かにどこかが、立ち上げはうちが中心でやるので一緒にどうですかというのは、地域協議会を必要と思っている市町村があればまとまりやすいとは思います。

○野澤座長 又村あおいブランドがあるものね。
 よろしいでしょうか。
 では、私が遅れたために時間が過ぎてしまいました。改めておわびするとして、議事はこのあたりでお終いにして、事務局に事務的な連絡事項があれば、よろしくお願いします。

○杉田企画官 次の検討会につきましては、今月27日金曜日、10時から12時までの間、計2時間の開催を予定しております。場所は、中央合同庁舎4号館の共用1202会議室になります。今日の会場とは建物が違いますので、御注意いただければと思います。
 当日につきましては、先ほど御説明しましたとおり、4つの自治体から地域協議会に関する取組についてヒアリングを行う予定となっております。
 以上です。

○野澤座長 では、これをもちまして本日の検討会を閉会します。どうもありがとうございました。