(作業者注:政府報告本文の追加加筆・修正部分のみを見え消しで抜粋したものであり、テキストデータ版・点字版のみ準備しているものである。統計・データについては,図表37.ハローワークにおける障害者の職業紹介状況(厚労省),図表42.字幕放送の実績が追加されている。また,図表22〜28,35,38が複数年データに差し替えられている。ページ番号は、資料1におけるページ番号。また、追記された箇所を_で挟んでいる。) p1   第1部 総論   T 条約締結に至る経緯  1.我が国は、2014年1月20日、「障害者の権利に関する条約」(以下「障害者権利条約」という。)の批准書を国際連合事務総長に寄託し、本条約は、第45条の規定により、同年2月19日に我が国について効力を生じた。この第1回日本政府報告は、本条約が我が国について効力を生じてから2016年2月までの期間を対象としている。_また、本報告には、我が国において本条約第33条にいう監視するための枠組みを担う「障害者政策委員会」のコメントを反映させるとともに、付属文書として、本報告の提出を視野に入れて障害者政策委員会が行った我が国障害者施策の根幹をなす第3次障害者基本計画の実施状況の監視の結果を取りまとめた文書を添付している。_(外務省、_内閣府_) p2  3.他方、日本政府としては、条約の実施については不断の努力が必要であるとの認識であり、障害当事者・関係者の方からの意見を求めながら、今後政策を実施していきたい。課題としては、データ・統計の充実が挙げられ、特に性・年齢・障害種別等のカテゴリーによって分類された、条約上の各権利の実現に関するデータにつき、より障害当事者・関係者の方のニーズを踏まえた収集が求められていると考えられるので、次回報告提出までの間に改善に努めたい。_また、障害者政策委員会では、障害者施策における重点的な課題として、成年後見制度も含めた意思決定支援、精神障害者・医療的ケアを必要とする重度障害者等の地域移行の支援、インクルーシブ教育システム、雇用、情報アクセシビリティについて、分野横断的な課題として、障害のある女性、障害者に関する統計について、重点的に検討された。_(外務省、関係省庁) p3  6.障害者についても、その基本的人権は憲法の下で保障されているが、とりわけ、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進し、もって障害者の福祉を増進することを目的として、心身障害者対策基本法が1970年5月21日に制定され、1993年の「障害者基本法」への名称変更も含め幾度かの改正を経て、障害者権利条約の趣旨を反映させるために2011年に更に改正された。主な改正内容は、_「障害者」の定義に、いわゆる「社会モデル」の考え方を反映したこと、_「合理的配慮」について我が国の国内法で初めて規定したこと、障害者政策委員会を設置したことである(障害者政策委員会についての詳細は、第33条「国内における実施及び監視」参照)。(内閣府) (中略)  9.障害保健福祉施策に関しては、2007年4月1日から施行された障害者自立支援 p4 法において、身体障害者、知的障害者及び精神障害者に対し、障害の種別に依らない一元的な障害福祉サービス等の仕組みを確立するとともに、障害者の地域生活への移行や就労支援といった課題に対応し、また、障害者が自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な障害福祉サービスや相談支援等を利用することのできる仕組みを構築している。  (作業者注:「また、2012年6月の障害者自立支援法の一部改正により、障害者総合支援法に改めるとともに、」を削除)_また、厚生労働省と障害者自立支援法違憲訴訟原告団・弁護団との基本合意(2010年1月)や、内閣府に設置された障がい者制度改革推進会議総合福祉部会によって取りまとめられた提言(2011年8月)等を踏まえ、2012年6月に、障害者自立支援法の一部改正法が成立した。これにより、障害者自立支援法の題名を障害者総合支援法に改めるとともに、_基本理念の規定の創設や障害者の範囲の拡大(難病等の追加)等の改正が行われ、同法に基づき、引き続き障害者の地域社会における共生の実現に向けた施策を実施している。(厚労省) p7   第3条 一般原則  22.第3条(a)_及び(c)_については、2011年の障害者基本法の改正において、全 p8 ての障害者が、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提として、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること_、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと等を基本原則とすることを定めており、障害者の社会への参加・包容を促進している。(障害者基本法第3条)(内閣府)地域社会への包容については、第19条「自立した生活及び地域社会への包容」等を参照。_  23.第3条(b)及び(e)については、第1部「総論」及び第5条「平等及び無差別」参照。 (作業者注:「第3条(c)社会への包容については、第19条「自立した生活及び地域社会への包容」参照。」を削除) p9   第4条 一般的義務  第4条3について、  30.障害者基本法では、内閣府に、障害者、障害者の自立及び社会参加に関する事業の従事者、学識経験者30人以内で構成される審議会として「障害者政策委員 p10 会」(以下「政策委員会」という。)を置くこととしている。(障害者基本法第32条、第33条)_現在、障害者政策委員会は28名であり、半数以上が身体障害(視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、盲ろう)・知的障害・精神障害(発達障害を含む。)・難病の本人又はその家族からなる団体の方々で構成されている。_(内閣府) p13   第6条 障害のある女子  _41.なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)_  _障害者権利条約第6条「障害のある女子」に対応するため、障害女性の視点からの記述及び統計を充実させるとともに、例えば、福祉施設での同性介助を標準化するなど、女性に重点を置いた政策立案を推進する必要がある。また、国や地方公共団体の政策を決定する様々な審議会や有識者会議の委員構成については、ポジティブ・アクション※の取組が推進されており、障害者政策委員会においても、こうした視点・取組が必要である。_  _※男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内において、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供すること_ p21   第9条 施設及びサービス等の利用の容易さ _(本条に関する障害者政策委員会からの指摘に関しては、第21条「表現及び意見の自由並びに情報の利用の機会」の最後のパラグラフを参照。)_ p23   第12条 法律の前にひとしく認められる権利  76.成年後見人及び成年後見監督人の選任に際しては、本人の意見等一切の事情を考慮すべきものとしているほか、本人(被後見人)の陳述の聴取の機会も確保している(民法第843条第4項、第852条、家事事件手続法第120条)。また、選任された成年後見人は、本人の意思を尊重しその身上に配慮する義務を負い p24 (民法第858条)、これにより、本人の権利、意思及び選好の尊重が図られている。なお、保佐及び補助にもこれらの規定が準用され、又はこれらと同旨の規定が設けられている(民法第876条の2第2項、第876条の5第1項、第876条の8第2項、第876条の10第1項、家事事件手続法第130条、第139条)。_補助については、家庭裁判所が本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意がなければならない(民法第15条第2項)。_(法務省)  77.成年後見人の取消権及び代理権の範囲は民法で明確に規定されており、(作業者注:「障害者がその財産を恣意的に奪われないことを確保している」を削除)_その行使に当たっては、成年後見人は本人の意思を尊重しなければならない_(民法第7条から第9条まで、_第858条_)。保佐人については、同意権及び取消権の範囲が民法で規定されているほか、家庭裁判所は、本人の判断能力の程度や必要性に応じて、審判により、_特定の法律行為について_個別に保佐人に代理権を付与し、あるいは同意権や取消権の範囲を拡張することができるが、(作業者注:「本人の状況に応じた柔軟な対応をとることができる。」を削除)_本人以外の者の請求により代理権付与の審判をするには、本人の同意がなければならない_(民法第13条、第876条の4)。補助人の同意権及び取消権並びに代理権の範囲については、家庭裁判所が本人の判断能力の程度や必要性に応じて個別に定めることができるが、_本人以外の者の請求により同意権等の付与の審判をするには、本人の同意がなければならない_(民法第17条、第876条の9)。(法務省) p26  83._なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。_  _意思決定の支援及び法的能力の行使を支援する社会的枠組みの構築が急務である。また、成年後見制度のうち、特に代行型の枠組みである後見類型の運用に当たっては、最良の支援を提供しても、なお法的能力の行使が困難な場合に本人の権利と利益を守るための最終手段として利用されるべきものであり、かつ、代理人が本人に代わって意思決定をする場合にも、法の趣旨に則り、できる限り本人の意思を尊重するよう制度運用の改善を図る必要がある。_  _また、家庭裁判所の成年後見人の監督業務の負担の在り方についても課題が共有された。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)_ p32   第14条 身体の自由及び安全  107._なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)_  _精神保健福祉法等の制度と運用については、医療保護入院についての規定である精神保健福祉法第33条の妥当性について再検証をする必要がある。精神科における患者の権利擁護のため家族や医療従事者から独立した権利擁護者の関与が不可欠である。本人の意思が反映されない入院の減少につなげていくためにも、継続的に調査を実施した上で、最新の正確な統計に基づいて議論を行う必要がある。_ p38   第19条 自立した生活及び地域社会への包容  131._なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)_  _医療的ケアを必要とする重度障害者等の地域移行の支援については、地域によってサービスの水準や運用に差異があるなどして利用しづらかったり、保護_ p39 _者に過重な負担となったりしている。人間らしく生きるための24時間の医療的ケア保障、介護保障が必要である。_  _また、精神障害者の地域移行の支援については、精神科医療そのものの地域移行が必要である。精神科に入院している人の地域移行を考えるのと同時に、地域にいる精神障害者を訪問してサービスを提供すること等、精神障害者が地域で生活できるような資源を開発することが重要である。_ p42   第20条 個人の移動を容易にすること  142._なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)_  _情報提供や意思疎通支援をさらに充実することが求められる。様々なメディアや場面において、特に、緊急時の対応、個別性の高いコミュニケーション方法を用いる人たちへの対応、省庁横断的な対応に課題がある。_  _また、障害の多様性に対応したアクセシブルな教材の提供や行政情報のバリアフリー化になお課題があることが指摘された。_ p43   第22条 プライバシーの尊重  145. _個人情報保護法は、障害者も含め、特定の個人を識別できる情報(個人情報)について、目的外利用の制限(個人情報保護法第16条)、第三者提供の制限(同法第23条)、安全管理措置(同法第20条)、本人からの開示等の求めへの対応(同法第25条から第27条)などの義務を課し、個人情報の適正な取扱いを図っている。また、本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要するもの(要配慮個人情報)について特別の規律を設ける等を内容とする改正法が2015年9月に成立した。(消費者庁)_ p45   第24条 教育  155.教育基本法第4条第2項において、障害のある者が、(作業者注:「教育上の支援について規定されている。これを踏まえ、教育振興基本計画においては、障害のある者がその年齢及び能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害のある児童生徒が障害のない児童生徒と共に学ぶことができるよう配慮しつつ、教育内容・方法の改善充実などを図ることとされている。」を削除)_その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならないことが規定されている。_また、障害者基本法第16条は、国及び地方公共団体に対して、障害者が、その年齢、能力に応じ、かつ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるようにするため、可能な限り障害者である児童生徒が障害者でない児童生徒と共に教育 p46 を受けられるよう配慮しつつ、教育の内容及び方法の改善及び充実を図る等必要な施策を講じること、また、国に対して障害者の教育に関する調査研究を推進すること等を義務付けている。 (文科省)  156._学校においては、_学校教育法体系に基づき、障害のある幼児児童生徒の自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという視点に立ち、一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するため、適切な指導及び必要な支援を行う特別支援教育が実施されており、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった、連続性のある「多様な学びの場」が整備されている。(作業者注:「特別支援教育支援員の配置や就学奨励費の支給等の支援が行われている。」を削除)2014年5月現在、_小・中学校において通級による指導を受けている児童生徒数は83,750人、小・中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒数は187,100人、_特別支援学校_(幼稚部から高等部まで)_に在籍する幼児児童生徒数は135,617人である。_なお、特別支援学校に在籍する児童生徒等について、障害者基本法第16条の「障害者である児童及び生徒と障害者でない児童及び生徒との交流及び共同学習を積極的に進めることによって、その相互理解を促進しなければならない。」との規定等を踏まえ、小・中学校等に在籍する障害のない児童生徒との交流及び共同学習が行われている。また、我が国では、義務教育段階において、病弱・発育不全を理由として保護者の申し出により就学猶予・免除を受けている児童生徒は、2014年度は48人(0.0005%)である。_(文科省)  157._小・中学校等においては、日常生活上、学習生活上のサポート等を行う特別支援教育支援員の配置等による支援が行われている。特別支援教育支援員は年々拡充されており、2014年度については、_前年度から3,400人増の49,700人分の地方財政措置を行っている。(作業者注:「なお、我が国では、義務教育段階において、病弱・発育不全を理由として保護者の申し出により就学猶予・免除を受けている児童生徒は、2014年度は48人(0.0005%)である。」を削除)(文科省) p47  159.また、障害のある児童生徒等の保護者等の経済的負担を軽減するために、_特別支援教育就学奨励費の支給等の支援が行われている。_(作業者注:「特別支援学校への就学奨励に関する法律等に基づき、必要な援助を行っている。」を削除) (文科省)  160._小・中学校等の学習指導要領において、障害のある児童生徒については、個別の教育支援計画等を作成することなどにより、個々の児童生徒の障害の状態等に応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的に行うこと、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒との交流及び共同学習の機会を設けることのほか、誰に対しても公正、公平にし、差別や偏見のない社会の実現に努めること、障害のある人々などとの触れ合いを充実するよう工夫すること等を指導することが規定されている。なお、幼稚園、小・中学校、高等学校における個別の教育支援計画の作成率は年々向上しており、2014年度の作成率は81.5%である。(文科省)_  161.特別支援学校学習指導要領においては、_障害種ごとの配慮事項が規定されている。_視覚障害者である児童生徒を教育する特別支援学校の配慮事項として、小中学部においては「児童の視覚障害の状態等に応じて、点字又は普通の文字の読み書きを系統的に指導し、習熟させること。なお、点字を常用して学習する児童に対しても、漢字・漢語の理解を促すため、児童の発達の段階等に応じて適切な指導が行われるようにすること」等が規定されており、これらを踏まえた指導が行われている。(作業者注:「高等部においては「生徒の視覚障害の状態等に応じて、点字又は普通の文字による的確な理解と適切な表現の能力を一層養うこと。なお、点字を常用して学習する生徒に対しても、漢字・漢語の意味や構成等についての理解を一層促すため、適切な指導が行われるようにすること」と規定しており、点字又は普通の文字の読み書きを系統的に指導し、習熟させる」を削除)また、聴覚障害者である p48 児童生徒を教育する特別支援学校の配慮事項として、例えば小中学部においては「児童の聴覚障害の状態等に応じ、音声、文字、手話等のコミュニケーション手段を適切に活用して、意思の相互伝達が活発に行われるように指導方法を工夫すること」等が規定されており、(作業者注:「高等部においては「生徒の聴覚障害の状態等に応じ、音声、文字、手話等のコミュニケーション手段の適切な活用を図り、意思の相互伝達が正確かつ効率的に行われるようにすること」と規定」を削除)手話をはじめとする多様なコミュニケーション手段を選択・活用した指導が行われている。_なお、小・中学校の通級による指導や特別支援学級で特別の教育課程を編成する場合は、特別支援学校の学習指導要領を参考とし、実情に合った教育課程を柔軟に編成することとしている。_(文科省)  163.教育職員免許法等において、_幼稚園、小・中学校、高等学校の教諭の普通免許状を取得するためには、特別支援教育に関する事項を含んだ科目の単位を修得しなければならない。_また、特別支援学校の教員は、原則として特別支援学校の教員の免許状を有していることが必要である。 (作業者注:「とされている。特別支援学校教諭免許状を取得するためには、特別支援教育に関する科目を修得しなければならない。(教育職員免許法第5条、第5条の2、教育職員免許法施行規則第7条)」を削除)(文科省)  164.教育基本法の趣旨も踏まえ、_政府の_障害者基本計画において、_障害のある児童生徒の_後期中等教育への就学を_促進するための配慮及び_福祉、労働等との連携の下での、就労支援の充実を図ることとしている。_また、高等教育における支援の推進として、障害のある学生への情報保障やコミュニケーション上の配慮、施設のバリアフリー化、入試等における適切な配慮、大学等における情報公開を推進することとしている。_(文科省) p49  167._なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、インクルーシブ教育を推進していくために、現在の到達点、進捗状況を監視するための指標の開発とデータ収集が必要であるとの指摘があった。また、具体的な課題として、個別の教育支援計画、個別の指導計画の実効性の担保、合理的配慮の充実、本人及び保護者の意思の尊重、特別支援教育支援員の配置や教育的ニーズに応じた教材の提供といった環境の整備などについて問題提起があった。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)_ p54   第27条 労働及び雇用  181._なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)_  _障害者の雇用・就業の推進のためには、障害者や企業に対する支援の更なる充実をはかることや、改正障害者雇用促進法の趣旨や法に基づく「障害者差別禁止指針」及び「合理的配慮指針」等について情報提供し、着実に実施することが重要である。_ p55   第29条 政治的及び公的活動への参加  187.公職選挙法第47条及び公職選挙法施行令第39条の規定により、目のみえない方々が点字投票を行うことができ、同法第48条の規定により、心身の故障その他の事由により、自ら投票用紙に候補者の氏名等を記載することができない者は、代理投票(代筆投票)を行うことができ、同法第49条の規定により、都道府県選挙管理委員会の指定する病院、老人ホーム、身体障害者援護支援施設等に入院、入所中の方々が、その施設において投票を行うことができ(指定施設における不在者投票)、身体に重度の障害のある方々(身体障害者福祉法に規定する身体障害者、戦傷病者特別援護法に規定する戦傷病者のうち一定の障害を有する者等)が、郵便等による投票を行うことができ(郵便等による不在者投票)、同法第58条の規定により、障害者を介助している者等投票管理者が「やむを得ない事情がある者」と認めた者については、選挙人とともに投票所に入 p56 ることが認められている。_また、同法第150条、政見放送実施規程の規定により、衆議院比例代表選挙及び都道府県知事選挙の政見放送においては手話通訳の付与、参議院比例代表選挙においては手話通訳及び字幕の付与が可能であり、また、衆議院小選挙区選挙においては、候補者届出政党が作成したビデオに手話通訳や字幕を付与することができる状況にある。_また、総務省は公益財団法人明るい選挙推進協会と連携し、選挙啓発を実施しており、その中で、障害者が可能な投票方法等の周知に努めている。(総務省) p59   第30条 文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加  201.スポーツ基本法の規定等に基づき、公益財団法人日本障がい者スポーツ協会に対する補助を通じて、障害者スポーツ教室や体験会等の実施などの障害者スポーツの機会の確保や、障害者スポーツ指導者の養成・研修、_パラリンピック、デフリンピック、スペシャルオリンピックス等の国際大会への選手の派遣_等を推進している。また、選手強化のため、世界大会でメダル獲得が有望な選手・団体に対し重点的な強化を実施している。(作業者注:「パラリンピック、デフリンピック、スペシャルオリンピックス世界大会等の国際大会が開催される年度には、選手団の派遣や国内合宿を実施している。」を削除)その他、同協会において、組織強化や主催大会の実施、国際大会への日本選手団派遣、パラリンピック競技大会のメダリストへの報奨金や選手の育成強化を図るための、各企業への協賛や募金の呼びかけなどを行っている。(文科省)  202.障害者のスポーツに対する国民各層の理解と関心は年々高まりをみせており、国際スポーツ大会に我が国から多数の選手が参加している。_2015年3月〜4月には、ロシアのハンティマンシースク、マグニトゴルスクにて第18回冬季デフリンピック競技大会が開催され、日本からは22名の選手を含む48名の日本代表選手団が参加した。また、2015年7月から8月にアメリカのロサンゼルスで開催された「2015年スペシャルオリンピックス夏季世界大会・ロサンゼルス」には、77名の選手を含む118名の日本選手団が参加した。_2014年3月には、ロシアのソチで「ソチ2014パラリンピック冬季競技大会」が開催され、日本からは20名の選手を含む55名の日本代表選手団が参加した。(文科省) p61   第31条 統計及び資料の収集  210._なお、本条に関しては、障害者政策委員会より、次のような指摘がなされている。(より詳しくは、付属文書を参照のこと)_  _障害者に関する政策の監視・評価に使える水準の統計が、国・地方公共団体ともに不足しており、日本の人口全体を対象とした調査の実施や男女別統計の実施を徹底すべきである。_ p64   第33条 国内における実施及び監視  220.障害者権利条約の実施の促進、保護、監視の全般にわたる枠組みに関して、障害者基本法においては、内閣府に、障害者、障害者の自立及び社会参加に関する事業の従事者、学識経験者30人以内で構成される審議会として「障害者政策委員会」を置くこととしている(障害者基本法第32条、第33条)。その構成については、様々な障害者の意見を聴き障害者の実情を踏まえた協議を行うことができるよう配慮することとされており(同法第33条第2項)、現在の構成員の半数が障害者本人又はその家族の代表から構成されている。政策委員会は、「障害者基本計画」の策定又は変更について意見を述べるほか、障害者基本計 p65 画についての調査審議、実施状況の監視などを行い、必要に応じて内閣総理大臣に対して意見を述べること等ができることとされている(同法第11条第4項及び第9項、第32条第2項)。この政策委員会が、本条約第33条にいう監視するための枠組みを担っており、条約の実施の監視は、政策委員会が、障害者施策の方針の根本を成す障害者基本計画が本条約の趣旨に沿って実施されているかを監視することによって行われる。_政策委員会においては、2015年5月から、本報告の提出を視野に入れて第3次障害者基本計画の実施状況の監視を行い、同年9月にその結果を文書として取りまとめた。(同文書は付属資料参照)_(内閣府、外務省)