資料9 バリアフリー施策の推進 ※作業者注:本文中に下線の引いてある箇所については《二重山形括弧》で前後を挟んでいる。 p1 1.移動等円滑化の促進に関する基本方針 ・高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号。以下「バリアフリー法」という。)に基づく基本方針において、旅客施設・車両等・公園・建築物等に係るバリアフリー整備目標を定めているところ。令和2年12月に基本方針の改正を行い、令和3年から令和7年度末までの5ヶ年を目標期間とした第三次整備目標を設定し、ハード・ソフト両面でのバリアフリー化をより一層推進している。 1 基本方針における整備目標(第三次)の概要 ・各施設等について地方部を含めたバリアフリー化の一層の推進 ・聴覚障害及び知的・精神・発達障害に係るバリアフリーの進捗状況の見える化 ・マスタープラン・基本構想の作成による面的なバリアフリーのまちづくりの一層の推進 ・移動等円滑化に関する国民の理解と協力、いわゆる「心のバリアフリー」の推進 2 目標値 【参考資料】参照 2.移動等円滑化評価会議 ・バリアフリー法では、定期的なバリアフリー化の進展状況の把握・評価を受ける場として、高齢者、障害者等の当事者、事業者を含めた「移動等円滑化評価会議」の設置が規定されているところ。これまで、平成31年以降計10回開催(令和5年10月現在)。 ・また、地域特性に応じたバリアフリー化の進展状況を把握・評価するため、全国10ブロックに「移動等円滑化評価会議地域分科会」を設置し、例年6から9月にそれぞれ開催。 ・加えて、高齢者、障害者等の様々な特性に応じたニーズや意見を適切に把握するため、「特性に応じたテーマ別意見交換会」を開催。 3.劇場・観客席等の客席のバリアフリー化 ・「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行規則(平成18年国土交通省令第110号)」の改正に伴い、バリアフリー法の対象施設として「劇場、観覧場、演芸場、集会場又は公会堂の客席」が追加された。(令和4年3月改正規則公布、同年10月施行) ・これにより、《地方公共団体の条例による劇場等の客席のバリアフリー化の義務付けが可能となった》(京都府において条例で義務化を実施)。 p2 4.車椅子使用者用駐車施設等の適正利用の推進 ・2021年度に「車椅子使用者用駐車施設等のあり方に関する検討会」を開催し、今後の施策のあり方について中間整理をとりまとめた。 ・同中間整理に基づき、「車椅子使用者用駐車施設等の適正利用に関するガイドライン作成に係る検討会」を開催し、地方公共団体、施設設置管理者等及び国民における理解の増進と協力の確保等を図るための望ましい考え方を《「車椅子使用者用駐車施設等の適正利用に関するガイドライン」として取りまとめ、令和5年3月に公表》。 5.教育啓発特定事業 ・バリアフリーに関する国民の理解と協力を得ることが当たり前の社会となるような環境を整備することが重要であり、令和2年に改正されたバリアフリー法においても、継続的かつ計画的に「心のバリアフリー」に関する取組を実施するため、《「教育啓発特定事業」が法律上位置付けられた》。 ・これに伴い、障害のある人への社会的障壁を取り除くのは社会の責務であるという「障害の社会モデル」の考え方を反映し、バリアフリー教室やまち歩き点検など、バリアフリー基本構想に基づいて「心のバリアフリー」に関する取組を実施するためのポイントや留意事項等についてまとめた《「教育啓発特定事業の実施に関するガイドライン」を令和4年6月に公表》。 6.鉄道駅におけるバリアフリー化 ・鉄道駅のバリアフリー化のため、都市部において利用者の薄く広い負担も得てバリアフリー化を進める《「鉄道駅バリアフリー料金制度」を令和3年12月に創設》。 ・また、地方部における支援措置の重点化のため、市町村が作成する基本構想に位置付けられた鉄道駅のバリアフリー設備の整備に係る《補助率を最大1/3から最大1/2に拡充》すること等を実施。これらを通して、《全国の鉄道駅のバリアフリー化を推進》。 p3 【参考資料】 (以下表)(※1から※7までの注釈については文末の注釈一覧参照。) 鉄軌道 鉄軌道駅(※1) 2021年度末(現状値) 段差の解消 約94% 視覚障害者誘導用ブロック 約42% 案内設備(※2) 約77% 障害者用トイレ(※3) 約92% 2025年度末までの目標 ○バリアフリー指標として、案内設備(文字等及び音声による運行情報提供設備、案内用図記号による標識等)の設置を追加 ○3,000人以上/日の施設及び基本構想の生活関連施設に位置付けられた2,000人以上/日の施設を原則100% ○この場合、地域の要請及び支援の下、鉄軌道駅の構造等の制約条件を踏まえ可能な限りの整備を行う ○その他、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず利用実態をふまえて可能な限りバリアフリー化 ※高齢者、障害者等に迂回による過度の負担が生じないよう、大規模な鉄軌道駅については、当該駅及び周辺施設の状況や当該駅の利用状況等を踏まえ、可能な限りバリアフリールートの複数化を進める ※駅施設・車両の構造等に応じて、十分に列車の走行の安全確保が図れることを確認しつつ、可能な限りプラットホームと車両乗降口の段差・隙間の縮小を進める 鉄軌道 鉄軌道駅(※1) 2021年度末(現状値) ホームドア・可動式ホーム柵 2,337番線(406番線) 2025年度末までの目標 ○駅やホームの構造・利用実態、駅周辺エリアの状況などを勘案し、優先度が高いホームでの整備を加速化することを目指し、全体で3,000番線 ○うち、10万人/日以上の駅は800番線 鉄軌道 鉄軌道車両 2021年度末(現状値) 約52% 2025年度末までの目標 約70% ※令和2年4月に施行された新たなバリアフリー基準(鉄軌道車両に設ける車椅子スペースを1列車につき2箇所以上とすること等を義務付け)への適合状況(50%程度と想定)を踏まえて設定 ※新幹線車両について、車椅子用フリースペースの整備を可能な限り速やかに進める バス バスターミナル(※1) 2021年度末(現状値) 段差の解消 約93% 視覚障害者誘導用ブロック 約91% 案内設備(※2) 約76% 障害者用トイレ(※3) 約70% 2025年度末までの目標 バリアフリー指標として、案内設備(文字等及び音声による運行情報提供設備、案内用図記号による標識等)の設置を追加 ○3,000人以上/日の施設及び基本構想の生活関連施設に位置付けられた2,000人以上/日の施設を原則100% ○その他、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず利用実態等をふまえて可能な限りバリアフリー化 バス 乗合バス車両(※4) 2021年度末(現状値) ノンステップバス 約66% 2025年度末までの目標 約80%(対象から適用除外認定車両(高速バス等)を除外) バス 乗合バス車両(※4) 2021年度末(現状値) リフト付きバス 約6% 空港アクセスバス 約38% 2025年度末までの目標 約25%(リフト付バス又はスロープ付きバス。適用除外認定車両(高速バス等)を対象) ○1日当たりの平均的な利用者数が2,000人以上の航空旅客ターミナルのうち鉄軌道アクセスがない施設(指定空港)へのバス路線を運行する乗合バス車両における適用除外の認定基準を見直すとともに、指定空港へアクセスするバス路線の運行系統の総数の約50%について、バリアフリー化した車両を含む運行とする バス 貸切バス車両(※4) 2021年度末(現状値) 1,157台 2025年度末までの目標 約2,100台 タクシー 福祉タクシー車両(※4) 2021年度末(現状値) 42,622台 (内ユニバーサルデザインタクシーの割合・約17%) 2025年度末までの目標 ○約90,000台 ○各都道府県における総車両数の約25%について、ユニバーサルデザインタクシーとする ※各都道府県の総車両数の合計に対するユニバーサルデザインタクシー車両数の合計の割合を記入。 船舶 旅客船ターミナル(※1) 2021年度末(現状値) 段差の解消 100% 視覚障害者誘導用ブロック 100% 案内設備(※2) 約89% 障害者用トイレ(※3) 約89% 2025年度末までの目標 ○バリアフリー指標として、案内設備(文字等及び音声による運航情報提供設備、案内用図記号による標識等)の設置を追加 ○2,000人以上/日の施設を原則100% ○離島との間の航路等に利用する公共旅客船ターミナルについて地域の実情を踏まえて順次バリアフリー化 ○その他、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず利用実態等をふまえて可能な限りバリアフリー化 p4 船舶 旅客船(旅客不定期航路事業の用に供する船舶を含む。)(※4) 2021年度末(現状値) 約55% 2025年度末までの目標 ○約60% ○2,000人以上/日のターミナルに就航する船舶は、構造等の制約条件を踏まえて可能な限りバリアフリー化 ○その他、利用実態等を踏まえて可能な限りバリアフリー化 航空 航空旅客ターミナル(※1) 2021年度末(現状値) 段差の解消 100% 視覚障害者誘導用ブロック 100% 案内設備(※2) 100% 障害者用トイレ(※3) 100% 2025年度末までの目標 ○バリアフリー指標として、案内設備(文字等及び音声による運航情報提供設備、案内用図記号による標識等)の設置を追加 ○2,000人以上/日の施設を原則100% ○その他、地域の実情にかんがみ、利用者数のみならず利用実態等をふまえて可能な限りバリアフリー化 航空 航空機(※4) 2021年度末(現状値) 100% 2025年度末までの目標 原則100% 道路 重点整備区域内の主要な生活関連経路を構成する道路 2021年度末(現状値) 約69%(※5) 2025年度末までの目標 約70% 都市公園 園路及び広場 2021年度末(現状値) 約64% 2025年度末までの目標 ○規模の大きい概ね2ha以上の都市公園を約70% ○その他、地域の実情にかんがみ、利用実態等をふまえて可能な限りバリアフリー化 都市公園 駐車場 2021年度末(現状値) 約56% 2025年度末までの目標 ○規模の大きい概ね2ha以上の都市公園を約60% ○その他、地域の実情にかんがみ、利用実態等をふまえて可能な限りバリアフリー化 都市公園 便所 2021年度末(現状値) 約63% 2025年度末までの目標 ○規模の大きい概ね2ha以上の都市公園を約70% ○その他、地域の実情にかんがみ、利用実態等をふまえて可能な限りバリアフリー化 路外駐車場 特定路外駐車場 2021年度末(現状値) 約71% 2025年度末までの目標 約75% 建築物 2000㎡以上の特別特定建築物のストック(※6) 2021年度末(現状値) 約63% 2025年度末までの目標 ○床面積の合計が2,000㎡以上の特別特定建築物を約67% ○床面積の合計が2,000㎡未満の特別特定建築物等についても、地方公共団体における条例整備の働きかけ、ガイドラインの作成及び周知により、バリアフリー化を促進 ※公立小学校等については、文部科学省において目標を定め、障害者対応型便所やスロープ、エレベーターの設置等のバリアフリー化を実施する 信号機等 主要な生活関連経路を構成する道路に設置されている信号機等 2021年度末(現状値) 約99% 2025年度末までの目標 原則100% 信号機等 主要な生活関連経路を構成する道路のうち、道路又は交通の状況に応じ、視覚障害者の移動上の安全性を確保することが特に必要であると認められる部分に設置されている音響信号機及びエスコートゾーンの設置率 2021年度末(現状値) 約51% 2025年度末までの目標 原則100% 基本構想等 移動等円滑化促進方針の作成 2021年度末(現状値) 22自治体 2025年度末までの目標 約350自治体(全市町村(約1,740)の約2割) 基本構想等 移動等円滑化基本構想の作成 2021年度末(現状値) 316自治体 2025年度末までの目標 約450自治体(2,000人以上/日の鉄軌道駅及びバスターミナルが存在する市町村(約730)の約6割に相当) 心のバリアフリー(※7) 心のバリアフリー 2021年度末(現状値) 「心のバリアフリー」の用語の認知度 約24% 高齢者、障害者等の立場を理解して行動ができている人の割合 約87% 2025年度末までの目標 ○移動等円滑化に関する国民の理解と協力を得ることが当たり前の社会となるような環境を整備する ○「心のバリアフリー」の用語の認知度を約50% ○高齢者、障害者等の立場を理解して行動ができている人の割合を原則100% (表ここまで) (注釈一覧) ※1・鉄軌道駅及びバスターミナルについては、1日あたりの平均利用者数が3,000人以上の旅客施設及び2,000人以上3,000人未満で基本構想における重点整備地区内の生活関連施設である旅客施設、旅客船及び航空旅客ターミナルについては、1日あたりの平均利用者数が2,000人以上の旅客施設が対象。 ※2・文字等により表示するための設備及び音声により提供するための設備、標識、案内板等。 ※3・便所を設置している旅客施設が対象。 ※4・車両等におけるバリアフリー化の内容として、段差の解消、運行情報提供設備(車両等の運行(運航を含む。)に関する情報を文字等により表示するための設備及び音声により提供するための設備。福祉タクシーにあっては、音等による情報提供設備及び文字による意思疎通を図るための設備)の設置等が含まれる旨を明記。 ※5・重点整備地区内の主要な生活関連経路を構成する道路約4,450kmが対象。 ※6・公立小学校等(小学校、中学校、義務教育学校又は中等教育学校(前期課程に係るものに限る。)で公立のもの)は除く。 ※7・2020年6月に国土交通省が実施した「心のバリアフリーに関するアンケート調査」による。また「高齢者、障害者等」については、乳幼児連れも含む。